これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

メトロポリタン美術館展

2012年11月04日 20時31分51秒 | エッセイ
 芸術の秋。
 思いつきで、フラッと上野まで出かけた。
 お目当ては、東京都美術館。ちょうど、メトロポリタン美術館展を開催しているのだ。
 


 フィンセント・ファン・ゴッホの「糸杉」がお出迎えをしてくれる。
 この展示は、「自然」をテーマに、農民や動物、鳥、草花、大地、空、水、海など7つの章に分けて、作品がラインアップされている。絵画だけでなく、彫刻やグラス、大皿、タペストリーなどもあり、生命の鼓動が感じられた。
 会場は、異常に暗い。私は「これ」といった作品のメモを取る習慣があるのだが、暗くて手元が見えない。仕方なく、展示物を照らす明かりを頼りに鉛筆を走らせる。もっと明るくしてほしいと思う。
 チェックした作品をいくつか紹介したい。
 まず、フランチェスコ・クサント・アヴェッリ・ダ・ロヴィーゴの「メタブスとカミラを描いた皿」で立ち止まる。


(クリアファイルより)

 メスブタ??

 いや、メタブスだった……。
 調べてみると、ギリシャ神話に登場する王の一人だそうで、別名「メタボス」というそうだ。カミラはその娘である。ちょっと心臓に悪い。

 ジャン・フランソワ・ミレーの「麦穂の山:秋」。


(ポストカードより)
 
 自然の前では、人間がいかにちっぽけな存在かがわかる一枚である。上部の真っ黒な雲が、大雨を降らしても、なすすべがない。

 ちょうど、100とナンバリングされた作品はアルバート・ピアスタットの「マーセド川、ヨセミテ渓谷」である。


(ポストカードより)
 靄でかすむ中央の崖に、日が反射し陰と陽に分かれる様が、神話の世界のようだ。時間を忘れて、見入ってしまう美しさである。

 ジョン・フレデリック・ケンセットの「海上の日没」も大変素晴らしかった。
 明るく彩られた空のグラデーションが幻想的で、沈みゆく太陽が見えるかのようなタッチに見惚れた。だが、ポストカードはおろか、ファイルもストラップも、グッズは何もない。これは悲しい。

 最終章「水の世界」で、ピピッとくる展示品に出会えた。
 ベルナール・バリッシー派「水の生物の大皿」である。
 しかし、こちらもポストカードがない。何かないかと、ショップで必死に大皿グッズを探してみたら……。あった、あった。ダブルクリアファイルの一角に、かろうじて載っている。



 拡大してみよう。



 水の中の生態系といえばいいのだろうか。ヘビ、カエル、魚、貝、藻などが、小さな世界にひしめき合っている。エサにされるものがいる一方で、新しい命も芽生えていく。生命の連鎖を感じる、見事な作品であった。

 でも、この皿でお料理を食べるのはちょっと……。

 メトロポリタン美術館展は、1月4日まで。
 お時間があれば、ぜひどうぞ。


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コメント (16)
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