これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

お江戸のハロウィン

2012年10月25日 20時31分08秒 | エッセイ
 待ち合わせ時間まで、20分ほど余裕があった。たまにしか来ない銀座の街を、ブラブラと歩いてみる。
 10月も終わりに近づき、6時を回ると辺りはすっかり暗くなる。色とりどりのポストカードを並べた店が、ひときわ明るい照明を浴びて、景色から浮き上がって見えた。
「伊東屋」
 ああ、ここがあの文房具専門店なのかと納得する。友人から評判を聞いたことはあるが、実際に行ったことはない。にぎやかな雰囲気に誘われ、私も店内に吸い込まれていった。
 店には、仕事帰りのサラリーマンやOLたちが何人もいて、結構混雑していた。棚には、規則正しく整列し、静かに待機しているシステム手帳や、一族郎党勢ぞろいしているような数の付箋紙、ファイルなどがあった。品数はかなり豊富なようだ。
 階段を上がると、フロアの一角に、くすんだオレンジ色のコーナーがある。ハロウィンカードだ。今の時期にぴったりだと思い、ひとつ買って帰りたくなった。
「ねえ、これどう?」
 カードの前には横幅のあるOLが立ちはだかり、同僚らしき女性と品定めをしている。私がカードを選ぼうと思っても、なかなかどいてくれない。首を左右に動かし、わずかな隙間から気に入ったデザインを探した。

 これ、可愛い。

 OLの、ボンレスハム化したボディに触れぬよう、そーっと意中のカードに手を伸ばす。どうにか取り出し、レジへと急いだ。



 さて、誰に出そう。手紙が好きで、普段会う機会のない人がいい。
 病気で、自宅療養中のエッセイ仲間の顔が浮かんできた。
 他愛のない近況報告をしたため、封筒に糊付けをする。あとは切手を貼って投函すればよい。
 引き出しを開けると、「江戸名所と粋の浮世絵」という記念切手が躍り出してきた。



 面白い組み合わせだ。
 ハロウィンカラーの封筒に貼りつけると、実にミスマッチな組み合わせとなる。

 江戸時代にハロウィンがあったら、こんな感じかも……。
 
 ちょっと、想像してみてください!


    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (20)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする