これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

けがの功名

2012年10月14日 21時16分31秒 | エッセイ
 我が家では、ときどきお好み焼きを作る。
 今日は夫が留守なので、娘と2人分だ。2人分だと、小麦粉は1カップちょうど、卵は1個と切りがいい。冷凍のシーフードミックスを使えば、手間もかからず、美味しくできる。
 以前、長芋を買い忘れたことがあった。仕方なく、小麦粉とだし汁、卵を混ぜて作ったら、粉っぽくて不味いお好み焼きになってしまった。

 今日は、絶対忘れないぞ。

 念には念を入れ、ソースやかつおぶしまで買い足しておく。これで完璧だ。
 大きめのボウルに材料を加え、キャベツをきざんだら、あとは焼くだけとなった。フライパンを熱し、まずは半量を流し込む。この、ジューッという、食欲をそそる音が好きだ。
 そろそろひっくり返そうかという頃、ふと生ごみを見た。何か変だと、頭の中で警報が鳴る。なんだろう?
 すぐにピンときた。

 あっ、卵の殻がない。入れ忘れたんだ!!

 買い忘れはなかったのに、何をやっているんだか……。
 しかし、フライパンの中では、卵なしのお好み焼きが完成しつつある。もはや手遅れだ。
 私はフライ返しで生地をひっくり返し、裏面を焼いた。
 ソースを塗って、かつおぶしとマヨネーズをかける。見た目は何も問題ない。



 ドキドキしながら食べてみると、ちゃんとお好み焼きの味がする。いつもとなんら変わらず、キャベツもシャキシャキしていい味だ。そこへ娘がやってきた。
「できたの?」
「うん。でも、これは失敗作。食べてごらんよ」
 娘は不思議そうな顔をして、箸を動かした。
「これで失敗なの? 美味しいじゃん」
「じゃあ、今から失敗作じゃないほうを焼くよ」
 食べ比べをしたら面白いではないか。娘を追い払い、残りの半量に卵を1個入れて、よく混ぜた。いつもは2枚で1個だから、倍量の卵が入っていることになる。
「できたよ~」
「はーい」
 娘を呼び、卵たっぷりのお好み焼きを、テーブルに並べた。多少はふっくらしているが、見た目は大して変わらない。
「さっきのより、ずっと軟らかいね」
「でしょ。さっきのには入れ忘れたものがあってね」
「何を忘れたの? 長芋?」
「違うよ」
「卵?」
「そうだよ!」
 意外なことに、娘はすぐに当ててしまった。少し食べさせてもらったら、コクのある生地になっていて、エビやイカ、アサリの味が引き立ち、いつもよりも美味しかった。
「ミキは、卵を増やしたほうが好きだなぁ。次もこの味にしてよ」
「そうしよう♪」
 ただし、卵は多ければいいというものではない。3個以上使ったら、絶対、シーフードオムレツになってしまう……。
 前に、ブロ友さんから「餅を入れると美味しい」とか、「油揚げを入れるといい」などと聞いたこともある。ちょうど、クックパッドに登録したばかりだから、いつかはオリジナルレシピをアップしたいものだ。
 手抜きプラス、インチキ専門のレシピを目指します!


    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (18)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする