これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

GWは今日も雨だった

2012年05月03日 16時01分39秒 | エッセイ
 今年のゴールデンウィークは、天気に恵まれていない。場所にもよるのだろうが、東京では雨模様が続いている。これでは、遠出する気にもなれない。
 それならばと、近場の観光スポットを訪れた。
 東京都北区にある「旧古河庭園」だ。



 この庭園は、大正初期の庭園の原型を留める貴重な存在であり、「西洋と日本が調和する、歴史的な名園」として、平成18年に国の名勝に指定されている。園内は3万平方メートル以上もの広さで、石造りの洋館、洋風庭園、日本庭園、大滝、心地池、枯滝などが楽しめる。
 洋館と洋風庭園の設計者は、鹿鳴館やニコライ堂、旧岩崎邸庭園洋館などを手がけたイギリス人建築家、ジョサイア・コンドルだ。コンドル氏は1920年に亡くなっているので、1917年に竣工されたこの庭園が、最後の作品となったという。
 一方、日本庭園の作庭者は、京都の庭師・小川治兵衛で、落ち着いた雰囲気をかもし出している。熟年夫婦のデートコースに最適かもしれない。
 洋館は、事前に予約しておけば、内部の見学ができる。



 人数にゆとりがあれば、予約なしでも見学ツアーに入れてもらえるようだ。写真撮影はできないが、一見の価値はあるので、見学受付の放送が流れたら駆けつけてみてはどうだろうか。
 1階は洋風に徹したつくりで、どの部屋にも暖炉がついており、ビリヤード場や食堂がある。果物やバラの彫刻が、たいそう美しかった。また、窓には精製技術の未熟だった当時の、歪んだガラスが残されている。気泡も多く含まれており、レトロな趣が新鮮だ。
 2階は一見洋風に見えるが、飾り扉を開けると、部屋の中は純和風となっている。イギリス人の設計とはいえ、日本女性と結婚し、日本で生涯を終えたコンドル氏が、いかにこの国を愛していたかが伝わってくる。
 大正時代なのに、ボイラー室があり、お風呂では蛇口から湯が出たそうだ。大理石の浴槽が、財閥の財力を感じさせる。ただし、旧岩崎邸に比べれば規模が小さく、使用人は1/3程度というから、古河家は庶民的だったらしい。
 館内見学のあとは、洋風庭園を散策する。



 ここはバラ園になっており、何十種類ものバラが、小さなつぼみを抱えていた。あと半月もすれば、バラの競演となりそうだ。
 バラ園の隅の松が、何の違和感もなくたたずんでいるのが面白い。



 階段を下りると、そこから先は日本庭園だ。



 池の水が、どんよりしているのは気になるが、鯉も元気に泳いでいた。





 大滝の前で足が止まる。



 石の上に、鴨のようなものが載っているではないか。まったく動かないので、最初は置物かと思ったが、どうやら生きているようだ。



 人馴れしているのか、ふてぶてしいのか、カメラを向けても動じる気配がない。
 財閥の庭園にふさわしく、気位が高いのかもしれない。
 園内でもらったリーフレットを見ると、洋館の説明には意外な言葉が並んでいる。
「英国貴族の邸宅にならった古典様式で、天然スレートぶきレンガ造り。外壁は伊豆真鶴産の赤みをおびた新小松石(安山岩)で覆われており、雨にぬれると落ち着いた色調をかもしだします」
 つまり、この洋館は、晴れの日と雨の日とでは、印象が変わるのだろう。しかも、雨の日がおススメらしい。ということは、ここに来て正解だったということか。
 雨が降ったら、ぜひ、旧古河庭園へ。






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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (16)
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