これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

洗濯こわい

2011年09月25日 20時22分07秒 | エッセイ
 我が家は3人家族だが、毎日8kgの洗濯機がいっぱいになる。潔癖症の夫と娘が、山のように洗濯物を出すからだ。
 いっぽう、私は潔癖症ではないので、いい加減な洗い方をする。夫のパンツも娘の靴下も、台布巾も何もかも、まとめて洗濯機に放り込む。さすがに雑巾は下洗いをするが、洗剤を入れるのだから、ばい菌がいても問題なさそうだ。大腸菌類は乾燥に弱いというから、天日干しすれば完璧だろう。
 ときどき、赤いTシャツが色落ちして、白いワイシャツがピンクになってしまうこともある。また、ポケットにティッシュが入っていて、すべての洗濯物が白のまだら模様と化すこともある。
 家族に苦情を言われても、「文句があるなら自分でやれ」と開き直れば黙る。
 結局、いつも私が洗濯をすることになるのだ。
 洗濯洗剤は液体に限る。今、使っているのは、P&Gのボールドである。特にこだわりはないけれど、一度ボトルを買ってしまうと、環境のためにも詰め替え用に手が伸び、延々と使うはめになる。
 朝の忙しい時間に、洗剤が足りないときは困る。急いで詰め替え用を開けて、ドボドボと補充しなければならないからだ。あわてると、床にこぼしてしまい、かえって時間がかかる。
 昨日は、ボトルがやけに軽かった。おそらく、残りはわずかだろう。となると、今日は洗剤を補充する日だ。仕事のない日であれば、時間を気にせず、ゆとりを持って作業できるからいい。
 洗濯前に詰め替え用を確認すると、1個しか残っていなかった。また、買いにいかねばならない。汚れものを洗濯機に入れたら、まだ余裕がある。ついでに枕カバーも洗おうと思い、寝室を往復したあと、ようやくスイッチオンにした。
 洗濯物を干すのは夫の仕事だ。天気もいいし、カラッと乾くだろう。
 鼻歌まじりで洗面所に行くと、ボールドの詰め替え用が目に入った。
「おや?」と引っかかりを感じる。洗濯が終わったのに、どうして残っているのか。
 記憶を手繰ると、とんでもないことを思い出した。

 しまった、洗剤を入れ忘れた!!

 欲張って、枕カバーを入れたことが、アダになったらしい。私は洗剤を入れぬまま、洗濯機を回してしまったのだ。
「どうしよう」と青ざめ、洗い直そうかと迷う。だが、洗濯物はほぼ乾いており、今さらという気もする。しかも、洗剤なしだったのに、結構汚れが落ちている。秋の日差しでカラカラに乾けば、雑菌も死滅するに違いない。
 安心して、「まあいいや~」となった。
 潔癖症の家族には、口が裂けても言えない。ここだけの話である。
 お向かいの家はもっとすごい。夜、洗濯をして、竿に干すのだが、ときどき夜中に雨がふる。びっしょり濡れて、水が滴る洗濯物を日中、そのまま乾かすのだ。あの神経は理解できない。
「あれに比べればずっとまし」と、私は逃げ道を作った。



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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (16)
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