これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

敬老の日作戦

2011年09月18日 20時23分34秒 | エッセイ
 受験生がいると、内申点が気になる。少しでも上がるようにと、勉強の仕方をアドバイスするが、果たして自分の成績はどうだったのか。
 中1のときは、大して勉強しなかったから、クラスで10番くらいだったと思う。でも、2年のときは担任と馬が合い、すっかり乗せられてガリ勉になった。成績は急上昇したはずなのだが、証拠の通知表がない。おそらく、那須の両親の家にあるのではと、メールで問い合わせてみた。
 まもなく母から返信があった。
「通知表あったよ。今度会うとき持っていくね」
 一刻も早く見たかったけれども、那須は遠い。さっさと送ってくれと、わがままを言える立場でもない。妹の娘と息子は9月生まれなので、毎年シルバーウイークに誕生会を開く。そのときには会えるから、もうちょっと辛抱せねばと、自分に言い聞かせた。
 ところが。
「家の建て替え中で、誕生会の場所がないわ。悪いけど、今年はなしでお願いします」
 妹から、残念なメールが届いてしまった。ちゃっかり者らしく、プレゼントは宅配便で受け付けるという。まったく抜け目のないヤツだ。
 しかし、誕生会がなければ、次に親族が顔を合わせるのはクリスマスである。12月まではとても待てない。どうしようかと考えていたら、いいアイデアがひらめいた。

 そうだ、敬老の日の贈り物をしよう!

 首都圏と違い、那須は買い物スポットが少ない。たまには、何か美味しいものを食べさせてあげたい。
 私が選んだのは、「ねんりん家」のバームクーヘンである。ここのバームクーヘンは、外側がカリッとしており、内側は弾力性のある生地を重ねた独特の歯ごたえが楽しめる。もちろん味も申し分ない。



 9日間持つという、「マウントバームしっかり芽」の5個入りを選んだ。



 心配なのは、貧乏性の母が「もったいない」としまい込み、カビを生やすことである。「大事にとっておかないで、早めに食べてね」と手紙に書いて、釘を刺した。
 そして、手紙と一緒に、通知表を入れる封筒を用意する。自宅の住所を書き、200円切手を貼って、バームクーヘンと一緒に送るのだ。ゴミの収集すらない僻地だから、郵便局まではさらに遠い。一番近いポストでも、車で行かなくてはならないが、投函するだけだから何とかなるだろう。
 手紙には、「ついでに、通知表を送る封筒を入れておきます。時間があったらお願いね」と書き添えた。ついでどころか、こちらがメインなのだが、身内といえども、ギブアンドテイクが常識である。

 母にとって、敬老の日は、軽労働の日になるかもしれない。
 うまくいけば、次回の更新では、私の通知表が登場する予定だ。
 食い逃げされないかぎり……。



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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (18)
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