これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

余計な仕事

2011年09月11日 18時39分04秒 | エッセイ
 資格といえば、まず英検や漢検を思い浮かべるのではないだろうか。
 私の学校にも、英検を受けたいという生徒がいる。他の学校に行くのは面倒だけれども、自分の学校で受けられるのなら受験するらしい。今年は人数が多かったので、学校単位で申し込みをしてみた。
「何級受ける?」と生徒に聞くと、ほとんどが「2級」と答える。全員同じ級だと楽なのだが、中には「自信がないから2級はちょっと」と尻込みする者もいて、2人だけ3級で申し込むことになった。
 人数を確定して手続きに入る。結構手間がかかるし、生徒から受験料を徴収したり、問題集を注文したりで厄介だ。でも、検定がモチベーションとなって、彼らの学力が上がることはうれしい。余計な仕事が増えたとは考えず、新鮮な気持ちで取り組んでみた。

 いよいよ、検定当日である。
 3級は9時だから、私は5時に起きた。娘のお弁当を作り、ポニーテールにしてやったあとは、ダッシュで職場に向かった。万一、電車の事故などで遅れたら、大変なことになる。いつもより早く到着できるよう、余裕を持って家を出た。
 幸い、何の問題もなく学校に着いた。あとは、生徒が来るのを待つだけだ。
 しかし、待てど暮らせど、3級の2人は来ない。このために、早起きしたというのに、一体どうしたのだろう。連絡ミスかしらと不安になり、電話をかけてみると、何と、2人とも家で寝ていた……。
「ごめんなさい、今日は休みます」と振られてしまい、悲しい。
 気を取り直して、2級の時間を待つ。
「先生、おはよー!」
 こちらは全員登校してきた。

 よしっ、こうでなくちゃ!

 すっかり気をよくして、一番前のエリカに話しかける。
「勉強してきた?」
「うん、昨日から、問題集やってる」
「……昨日から!?」
 ふた月も前に問題集を渡したのに、直前にならないと活用しないところが残念だ。他の生徒も同様で、やけにピカピカの問題集を開いている。ひょっとしたら、今初めてページをめくっている者がいるかもしれない。
 私は、天を仰いだ。

 ダメだ、全員不合格かも……。

 せっかくの日曜日だというのに、私は何をやっているのだろう。
 やはり、余計な仕事?



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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (14)
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