これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

ワンクリックの悲劇

2011年07月24日 17時45分27秒 | エッセイ
 ときどき携帯に「出会い系」だの、「出張ホスト」だのといった迷惑メールが届く。こういうメールは、無視して削除すればよいと聞く。その後は、続いて送信されることもなく、大きな問題に発展することはなかった。
 しかし、一昨日からメールをよこす出会い系業者は、やたらとしつこい。「○○様からメッセージが届いています」だの、「会員様専用トップページ」だのといったURLを貼り付け、30分おきに次から次へとメールを送り続けるのだ。
 放っておけばよいとわかっていても、こう何度も送りつけられては落ち着かない。たまりかねて、「配信停止」のURLをクリックした。
 これが間違いのもとだった。リンク先では、「利用料金が発生しております。配信停止手数料¥5000をお支払い下さい」とのメッセージが表示され、支払方法のURLが待ち受けている。さらに、決断を迫るように、新規メールが15分おきに送り付けられるようになった。

 これが噂の、ワンクリック詐欺!?

 ワンクリック詐欺とは、架空請求の一種で、クリックしたことによってサイトの利用者とみなし、利用料金などを請求するものである。ウン万円もの請求が来るとも聞くが、私のところは控えめな5000円だった。だが、「これくらいなら払ってしまおう」と考えるのは大間違いだ。一度、業者の言いなりになったら、いわゆる「カモリスト」に載ってしまい、あらゆる悪質業者から狙われるという。もう、これ以上、サイトとのかかわりを持ってはいけない。

 さて、どうしよう。
 メールアドレスを変更するのは、ひとつの手段であろう。でも、友人・知人に連絡するのが面倒だ。
 受信拒否をするのもよさそうだが、やり方がわからない。しかも、届いたメールのアドレスが微妙に違うのでキリがない。考えている間にも、新たなメールがじゃんじゃん送信され、不安を煽られる。
 ふと、料金プランの変更をするため、ドコモに電話をかけようとしていたことを思い出した。用事のついでに、対応策を相談してはどうだろうか。
 フリーダイヤルにかけてみると、「迷惑メールの担当者におつなぎします」と、思惑通りに話が進んでいった。
「たとえ、相手がお客様のメールアドレス、電話番号、お名前などの個人情報を入手していても、それだけでは利用料金は発生しませんので、ご安心ください」
 迷惑メール担当の彼は、心強い言葉から始めた。むしろ、慌てて退会手続きをとろうとして、余計な情報を業者に知らせてしまうほうが怖いという。
「対策としては、何もする必要はないのですが、メールが送られてきて不快だという場合には、受信を拒否する設定ができます」
「はい、それでお願いします」
「迷惑メールの多くは、パソコンから送信されていますから、パソコンからのメールを受信しない設定にすることで、かなりの数をシャットアウトすることができます」
 なるほど!
 たしか、姉がそういう設定にしていたはずだ。一緒に通っているエッセイ教室で、食事会をすることになったとき、幹事がパソコンから詳細メールを送った。ところが、姉だけ場所を知らなかったということがある。
「もし、シャットアウトしたくないパソコンアドレスがあれば、登録することで、これまで通りにメールを受信することができます」
「はい、いくつかあります」
「操作方法は、まずiモードからiメニューを開き……」
 手順を教わり、言われた通りにボタンを操作する。その間にも、しつこく出会い系メールが送られてきて何度か中断させられたが、イライラしてはいけない。どうにか、幹事や友人のパソコンアドレスを登録し、それ以外のパソコンメールを受け取らない設定が完了した。

 完璧ッ! これで、オーケーでしょ!!

 私は、彼にお礼を言って受話器を置いた。
 それ以来、私の携帯は平和だ。
 でも、よく考えてみたら、自分のパソコンアドレスを登録していない。
 加えて、ブログへのコメントを知らせるメール、メッセージの受信メールなどはどうなるのだろう。おそらく、受け取れなくなっているのではないか。
 やっぱり、どこか抜けているんだな……。



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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (16)
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