これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

遅い返信

2011年04月03日 19時31分43秒 | エッセイ
 2月下旬に、昔の教え子から余寒見舞状をもらった。普段はメールが多いが、ハガキだといっそう有難みがある。返事もハガキで出すべきだろう。時間があるときに書こうと思い、こたつの上に出しっぱなしにしておいたのがいけなかった。
 教員になるとき、お世話になった教授は、超多忙だったにもかかわらず、手紙の返事が異常に早かった。投函した2日後、遅くとも3日後には返信が届く。忙しいから書けないのではなく、忙しいからこそパッパと処理する必要があったようだ。
 私も見習わねばと思っていたのに、体が言うことをきかない。ズルズルと先延ばしになり、やがて入院騒動やら何やらで、すっかり忘れてしまった。
 3月の上旬に、件の教え子からアドレス変更のメールが届き、返事を出さねばと思い出す。
 官製ハガキならあるが、シンプルすぎていけない。しかも、書くスペースが大きくて困る。ポストカードにしようと引き出しを探した。
 観光地の絵葉書はたくさんあるが、旅先から出すのがマナーだという。これらは使えない。
 美術館で買ったものもある。
 でも、お気に入りの『アルプス越えのナポレオン』は手元に置いておきたい。



 谷川晃一も悪くはないが、教え子のイメージに合わない気がする。



 レアなところでは、ファーストガンダムもあるけれど、



「なんだこりゃ」と引かれそうだからやめよう。
 結局、適当なものが見当たらず、買いに出かけることにした。
 ところが、その後すぐに東日本大震災である。交通機関が軒並み乱れ、池袋に出ることすら困難になってしまった。
「ポストカードが、ポストカードがぁ~!」と私は焦る。震災10日後には電車の本数も増え、どうにか外出ができるようになった。
 ロフトで、富士山と桜が描かれたカードを見つけ、これにしようと即決する。ようやくカードが買えた。



 ひと月も経ってからの返信なんて……。
 見舞状をもらったとき、すぐに返事を書けばよかったと後悔しながら、50円切手を貼ってポストに投函した。

 4月1日の金曜日だったろうか。
 郵便受けの中に、見覚えのある富士山と桜のカードが入っていた。「何で?」と驚いてひっくり返すと、あて先に赤いスタンプが押されている。

「あて所に尋ねあたりません」

 思わず、「うぎゃー!」と叫ぶ。
 こたつの上に出しっぱなしにしていたせいで、教え子からもらったハガキは、夫がどこかに片付けてしまったのだ。しまった場所を聞くのが面倒で、昔の住所録を見てあて先を書いたのだが、どうやら引っ越したらしい。
 いつになったら、返事が出せるのか??



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コメント (16)
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