これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

生姜コーヒー

2010年12月12日 20時58分16秒 | エッセイ
 最近、生姜にはまっている。
 生姜には、体を温めて炎症を抑えるはたらきや、消化促進、食欲増進、殺菌作用、消臭効果、美肌効果があるそうだ。
 先週、別ブログにて、生姜湯を飲んで冷え性を治すという記事を書いた。(こちらをご参照ください)しかし、家庭薬膳の本を読むと、そんな甘っちょろいことではダメらしく、もっと厳しいことが書かれていた。
「体質改善のためには、毎日75グラム程度の生姜を食べるようにします」
 はてさて、75グラムの生姜とは、どのくらいの量なのだろう。
 量ってみると、かなり大きいことがわかった。何しろ、Mサイズの鶏卵をやや上回るデカさだ。



「こんなに食えるかよッ」と、口汚くののしりたくなった。
 冷えが原因で起きる、婦人科系疾患の治療を目的とする場合、この倍量の150グラムが必要なのだそうだ。鶏卵Lサイズ2個分の生姜を、連日、どうやって食べろというのか。いささか疑問である。
 だが、基準量に達しなくても、食べないよりはマシなはずだ。ゼロはいくら積み重ねてもゼロだけど、1や2ならば、やがては10となり100となる。
 イクラ1粒分では効果がなさそうだが、うずら卵1個分でも、あまおう1個分でも、摂らないよりはいいだろう。

 料理に生姜を使うと、家族からブーイングが起きそうなので、飲み物に生姜の絞り汁を入れることにする。
 紅茶と生姜は大変相性がいい。ルイボス茶などもいいようだ。もちろん、シンプルに湯でも十分なのだが、生姜の辛さを緩和するために、蜂蜜や黒砂糖などを加えるのが普通である。
 しかし、生姜コーヒーという言葉は、ついぞ聞いたことがない。
 コーヒーは本来、体を冷やす働きをするから組み合わせないのだろうが、どんな味になるのか興味がわいてきた。予想としては、相当不味いのではないだろうか。
 中学生のとき、家庭科の調理実習に失敗した男子グループが、「犬も食わないこの不味さ」と表現したことがあった。大事に飼われている犬はもちろんのこと、お腹をすかせている野良犬でも、そっぽを向くほどひどい味だったらしい。
 生姜コーヒーも、それに近いものと思われる。
 好奇心には勝てず、私はコーヒーをカップにいれ、生姜汁を小さじ1杯ほど混ぜて、生姜コーヒーを作ってみた。



 コーヒーの香ばしさと生姜の匂いが衝突し、相殺されたようで、どちらの香りもしない。
 見た目はコーヒーそのものだが、何だか不思議な感じがする。
 カップに口をつけると、舌先にピリッという刺激があった。コーヒーの苦みと、生姜の辛さの相乗効果だろう。眠気が一気に覚めるような、ピリピリ感である。思ったほど不味くはないが、ドクターペッパーをホットにしたような、奇妙な味がする。

 そうだ、はちみつを入れてみよう。

 生姜ドリンクの定番である糖分を加えたら、美味しく変化するような予感がした。
 しかし。
 甘味をプラスすることで、生姜とコーヒーの微妙なバランスが崩れてしまったようだ。それまで、ピリピリしながらも飲める味だったコーヒーが、「ぶへぇっ」と噴き出しそうな味に変化した。
 まるで、未熟な平均台の選手が、フラフラしながらようやく均衡をとっているところに、突然バスケットボールが飛んできて、選手を台から叩き落としてしまった感じだ。

 入れなきゃよかった……。

 ちょっと失敗したが、なるべくたくさんの生姜汁を摂ることで、私の体質も改善されると期待できる。
 今度は、生姜煎茶、生姜味噌汁などを試してみようかしら。
「やめとけ」という声が聞こえるような……。




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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (19)
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