これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

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2010年09月30日 20時31分05秒 | エッセイ
 このところ、冬のような天気が続いている。猛暑に悩まされた日々が、何カ月も昔に感じられてくる。
 私は、子どものときから夏が嫌いだった。汗をかくのが何より嫌で、髪が頬や額に貼り付いたり、服が濡れてシミになることが許せない。
 特に、猛暑の今年は苦労した。気温の上昇にともない体がカーッと熱くなってきて、信じられないほどの汗が噴き出す。皮肉なことに、私が住んでいるのは、38度を超す気温で話題に上った練馬区である。まったく、笑えない冗談のようだ。
 だが、生活習慣をほんのちょっと変えるだけで、苦痛な夏を乗り切ることができるとわかった。きっかけは、石原結實『「水分の摂りすぎ」は今すぐやめなさい』という本だ。



 以前から、人より水分をたくさん摂るという自覚があった。冷たい飲み物は、豆乳と薬を飲むための水だけだが、ホットならば一日にコーヒーを3~4杯、プラス紅茶を2杯、緑茶1杯、ハーブティー1杯程度を飲んでしまう。
 だから、夕方になると足がむくんで冷え、ストッキングでは寒くて我慢できない。冷え性だから仕方ないと思っていたのだが、そうではないらしい。
 この本には、「摂りすぎた水が排泄されずに体に溜まり、健康を害している」と書いてある。「土のグラウンドに雨が降ったあと、くぼんだところが水たまりとなってよどみ、ボウフラがわいている」状態なのだと……。
 ああ、おそろしや。
 関東ローム層は水はけがよいと言われているが、生まれも育ちも関東の私は、大変、水はけの悪い体をしているようである。水たまりどころか、沼ができているのかもしれない。ドロリとした藻が生えていそうだ。

 夏は熱中症対策として、水分を摂ることが常識とされているけれども、過ぎたるはなお及ばざるが如しである。過剰な水分を控えるため、飲む回数を減らしてみた。でも、口さみしくて落ち着かない。そこで、カップを小さなものに替えてみた。これなら気分的にも満足するし、絶対量を減らすことができる。すると、気温が30度を超えても不快なほてりがなくなり、しっとりと汗ばむ程度ですむようになった。足の冷えは、そう簡単に治らないが、多少ましになってきた気がする。
 冷房による冷えと日焼けも気になり、原則長袖を着るようにしたのもよかった。あせもに悩まされていたのに、衣類が余分な汗を吸い取るせいか、徐々に改善されてきた。
 夏は、水分を摂りすぎずに長袖を着て過ごすのが、私に合っていたようだ。おかげで、34度を超える室内でも、涼しい顔で過ごせるほどに変身した。夫と娘は「暑い、暑い」を連発し、冷房の利いた1階に逃げ込んでばかりいた。まったく軟弱者だ。

 では、私がクーラーなしで過ごしていたのかといえば、そうではない。さすがに、正午を回ると、リモコンに手が伸びる。私のためではなくて、飼っているメダカのためである。
 他ブログでも書いたが、あまりの暑さに水温が上がり、稚魚がバタバタと死んでしまったのだ。成魚も、弱いものは生き延びることができず、少なくなっていく。だが、クーラーをつければ、水温の上昇が抑えられ、メダカが元気でいられる。
 出かけるときは窓を閉め、メダカのために、それまでつけなかった冷房をオンにする。
 まさに、VIP待遇のメダカであった。

 それにしても、肌寒いこの頃である。
 夏の暑さが恋しくなるのは、わがままか?




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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (14)
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