これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

修理に向かない男

2010年06月27日 19時30分21秒 | エッセイ
 玄関の外灯が切れた。



 専業主夫の夫に電球の交換を頼んだが、「フタの開け方がわからない」と断られた。仕方ない、私がやるしかなさそうだ。
 まずは、フタを見てみる。
 開け方がわからないフタとは、どんなからくり箱になのだろう。しかし、上下左右4箇所にネジで留めただけの、実に単純なフタであった。これなら、サルでも開けられる。夫は戌年だからダメだったのか。
 プラスのドライバーを用意して、ネジを外す。フタはガラス製のため、意外に重い。落とさないように注意して下に置く。
 中の電球は、予想よりも小さかった。



 電球の近くに、使用する規格が書かれている。

 ミニクリプトン電球 100V用 60形 を使用のこと

 クリプトン電球とは何だろう。
 調べてみたら、「一般白熱電球に使用されているアルゴンガスより原子量の大きいクリプトンガスを封入し、ランプ効率が向上した明るい小型白熱電球」とあった。ほー。
 築13年にして、初めて電球交換をすることを考えると、ずいぶん長持ちするらしい。
 私はスーパーに走り、同じものを買ってきた。



 早速、電球を付け替え、スイッチを押してみた。
 
 ピカッ。



 おおっ、成功だ~!!

 私はすっかり気をよくして、1階に住む義母のところへ報告に行った。
「外灯直りましたよ~! 私でもできました!」
「あらあ、本当? どうもありがとう。助かるわ」
 義母も、外灯が切れて困っていたのだ。ハイタッチは交わさなかったが、和やかに立ち話をして2階に戻った。
 2階では、夫がもじもじしながら話しかけてきた。
「あの、外灯、ありがとう……」
「……」
 夫は、自分の力で問題解決する喜びを知らないのか。いつも人任せで、誰かが何かをしてくれることを期待している。
 いや、待てよ。
 ひとつだけ、自力で解決したものがあった。
 私の留守中に、魚焼きのグリルを洗ってくれたときだった。A型の夫は、油汚れのベッタリついたグリルが許せなかったらしい。すべて取り外し、根こそぎ汚れを落とそうと、ナイロンたわしでゴシゴシこすっていたら、有り余る力が災いし、ガラスのカバーが外れてしまった。

 あああ、壊しちゃった、どうしよう!!

 夫は焦り、必死で元に戻そうとしたらしい。試行錯誤の末、どうにかカバーがはまったと、帰宅した私に延々と語ったことがあった。
 これが、問題のグリルである。



 カバーガラス上部に注目していただきたい。「pair grill」という文字が、ひっくり返っているのがおわかりになるだろうか。
 外れたガラスをはめ込んだのはよいが、彼は向きを間違えたのだ。

 逆さまだってことに気づけよ……。




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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (16)
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