これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

お気に入りのバッグ

2010年05月20日 21時37分10秒 | エッセイ
 スーツに似合うバッグが欲しいと思った。

 仕事帰りに、池袋で買って行こう!

 JR池袋駅は、東口に西武百貨店、西口に東武百貨店があり、多少混乱する。東口に東武、西口に西武だったらよかったのに。
 どちらに行こうかと迷う。西武のほうが近いので、ひとまずそちらに向かった。
 バッグ売り場は2階にある。目をこらしてスーツにマッチするものを探したが、なかなか見つからない。私が欲しいのは、ビジネスマンが持つような、カチッとしたバッグである。持ち手が短めで、色は黒、光沢があり、型崩れしないブリーフケースのようなものを思い浮かべた。
 端から端まで歩いたものの、目指すバッグは見当たらない。「売れないから置いてないのかな……」と私は悲しくなった。すると、売り場の端っこに、私が求めているバッグに近いものが並んでいるではないか。
「あった~!!」と私は喜び、近寄った。次の瞬間、バッグの上に輝いている文字が目に入る。

 リクルートコーナー

 ああ、これはリクルートバッグだったのか……。
 さすがに、気が引ける。私はもはや、就職活動をする女子学生ではないから対象外だ。
 野球にたとえるならば、1塁方向に上がったフライを、セカンドが猛ダッシュで追いかけ、ファーストに体当たりして吹っ飛ばし、キャッチするようなものだろうか。
「いいや、東武に行こう」と、おとなしく下りエスカレーターに乗った。
 5分歩いて東武に着いたが、そこにもいいバッグがない。売り場を一周して、私はひどく後悔し始める。東武には、リクルートバッグすら売っていない。遠慮せず、あのリクルートバッグを買えばよかったのではないだろうか。
 一応、店員さんに相談してみる。
「あのう、リクルートバッグみたいなものは売っていませんか?」
「リクルートバッグですか? ありますけど、今は下げているんですよ。よろしければ、お持ちしましょうか?」
「ええ、じゃあお願いします」
 さすがに相手はプロだ。「女子学生でもないのに図々しい」という様子は微塵も見せない。私は4種類の商品から、気に入ったものを堂々と選び、ウキウキと家路に着いた。
 購入したのは、こんなバッグである。



「かっこいい」と家族からも好評で、私は胸を張る。ちょうど明日は出張だから、これを持っていこうっと♪
 さて、どのスーツを合わせようかと考えた。
 あった、あった、おあつらえ向きの一着が!
 3月に「フレッシュマン応援コーナー」で調達した、黒のシンプルなスーツではどうだろう。お子様ランチと違って、年齢制限がないのをいいことに買ったのだ。この上なく似合いそうな感じがする。

 アラフォーですが、フレッシュマンスーツ着て、リクルートバッグ持って、明日は都庁に行ってきます!!
 追い返されたりして……。




楽しんでいただけましたか? クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする