これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

株の誘惑

2010年02月11日 22時01分00秒 | エッセイ
 定期預金が満期を迎えた。
 某メガバンクから「定期預金期日のお知らせ」というハガキが来たのだが、そこに書かれている利息は信じられないほど安い。

 0.3%じゃね……。

 文句は言うものの、変更するのが面倒で、結局そのまま自動継続にしてしまう。
 でも、今年こそは、余裕資金の運用を見直したいと思っている。
 
 定期預金でなければ、一体何に投資すればよいのだろうか。
 お金に関して、私は保守的なので、個人向け国債あたりが無難かと感じるのだが……。つい、ハイリスク・ハイリターン商品に惑わされてしまう。
 たとえば、為替相場の変動で大きな利息が期待できる外貨建て預金だ。今は利率の高い豪ドルが人気だという。数年前に豪ドルで預金をした人は、元金の1.5倍程度の円を受け取れるのだと、某銀行員にレクチャーされた。

 なんて魅力的な話かしら……。

 もちろん、目減りする場合もあると忘れてはいけない。
 でも、忘れそうだ……。

 そして、何といっても、投資の主役といえば株だろう。
「株式投資には、配当金・値上がり益・株主優待という、預貯金にはないメリットがあります」
 先日、証券マンから話を聞く機会があった。
「セブンイレブンが株式を上場したのはもう20年以上前のことですが、当時は1株1800円で、1000株単位で売買されていました。つまり180万円ですね」
 ふむふむ。
「その株を、もしまだ持っていたら、今はいくらになっていると思いますか?」
「えーと、1000万円くらいですか?」
「1億円です。リーマン・ショックの前は、1億2千万円でした」
 
 ほえ~~~っ!

 証券マンの話はまだまだ続く。
「ヤフーは10年ほど前に1株200万円、1株単位で売り出されていました。つまり、200万円のものが、今ではいくらになっていると思いますか」
「うーん、5千万円くらいですか?」
 上げ幅を大きくしたつもりだったのだが……。
「5億です」

 ギャッ!!

 なにやら、まともに働くのがバカらしくなるような金額であった。
「オリエンタルランドの株主優待は知っていますか?」
「はい、ディズニーランドやディズニーシーのパスポートですよね」
 実は、以前、知り合いからもらったことがあり、「なんて有り難いチケットなんだ~!」と感激した。
「ミツカンだと自社商品の詰め合わせとなり、ANAだと航空料金の割引です」
 このお得感は侮れない。話を聞いているうちに、私はだんだん「株を買いたい」という気分になってきた。証券マンは話が上手いと思っていたのだが……。
「マクドナルドでは、無料券のつづりになっています」

 いや、それはいらない……。

 今さら、ジャンクフードという年齢ではない。ようやく我に返り、私は株の誘惑を振り払った。
 でも、後ろ髪を引かれるな……。
 株式の甘美な誘いに、私は抗うことができるのだろうか。



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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (18)
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