これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

おかきと煎餅の違いを言えますか?

2009年07月05日 20時18分43秒 | エッセイ
 先日、大阪に本社がある、某米菓製造販売業の社員さんと話をする機会があった。
「我が社の主力商品は、進物用のおかきなのですけれども、東京の方は煎餅を好まれるようですね」
 え? おかきと煎餅って同じじゃないの? と疑問に感じたので、率直に聞いてみた。
「あの、おかきと煎餅はどこが違うんでしょうか?」
「はい。まず原料ですね。おかきにはもち米を使いますが、煎餅にはうるち米を使います。ですから、おかきは煎餅よりも硬く仕上がります。工程にも差があり、おかきは2週間ほどかかりますが、煎餅は1週間くらいです。したがって、おかきはやや高価になり、煎餅は低価格で販売できるというわけです」
 目からウロコであった。やけに硬い煎餅を食べたことがあったが、それはきっとおかきだったのだろう。
 彼は、持参したパンフレットを広げ、自社商品の一覧を見せてくれた。
 その中で、一目惚れした商品があった。緑の皮にピンクの実、豆の種を散りばめたスイカのような、色鮮やかなおかきである。

「うわあ、これカワイイ!!」
「ああ、それは夏季限定のスイカおかきです。皮の緑は青のりを使い、実のピンクにはエビを使用しております」
 これは、遊び心満点のアイデア商品だ。私はすっかり感心してしまい、早速池袋まで買いに行くことにした。
 売り場に着き、スイカおかきのパッケージを探すと、すぐ見つかった。

 
 これこれっ!!

 だが、パッケージの近くのサンプルを見て、私は伸ばした手を引っ込めた。パンフレットのような半円ではなく、まん丸のスイカだったからだ。

「あのー、このスイカおかきなんですけれど、丸いものしかないんですか?」
「はい。この一種類だけとなっておりますが」
「パンフレットで見たら、半月型になっていたんですけれど……」
 私の質問に、売り場のお姉さんも困惑気味になった。
「いえ、こちらの形しかございませんが……」
 古いパンフレットだったのだろうか? なんかスッキリしないけれども、丸くてもスイカはスイカだ。ここはひとつ、妥協したほうがいいと思った。
「じゃあ、これ、2つください」
「ありがとうございます。1260円になります」

 家に持ち帰ると、思った通り、娘や夫に大ウケだった。
 お味の方は……。
 上品な塩味が利いていて、パリッとした歯応えに、もち米そのものの美味しさが伝わってくる逸品だった。
「美味しい~♪」
 家族みんなでワイワイと楽しめた。これに慣れたら、素材の味が薄い煎餅は食べられないかもしれない。

 しかし、やはり形は半円のほうがいいと思う。
 だって、スイカを輪切りで食べるなんて、あり得ないじゃない!!



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コメント (23)
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