これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

うどんの姫君

2009年04月05日 21時00分43秒 | エッセイ
 先週、17回目の結婚記念日を迎えた。
「お母さんとお父さんは何婚式になるの?」
 娘のミキが聞いてきたが、全然わからなかったので調べてみた。
 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、以下のとおりとなる。

 1周年:紙婚式
 2周年:藁婚式、綿婚式
 3周年:革婚式
 4周年:花婚式、絹婚式、皮婚式(皮革婚式)、書籍婚式
 5周年:木婚式
 6周年:鉄婚式
 7周年:銅婚式
 8周年:青銅婚式、ゴム婚式、電気器具婚式
 9周年:陶器婚式
 10周年:アルミ婚式、錫婚式
 11周年:鋼鉄婚式
 12周年:亜麻婚式
 13周年:レース婚式
 14周年:象牙婚式
 15周年:水晶婚式
 20周年:磁器婚式、陶器婚式
 25周年:銀婚式
 30周年:真珠婚式
 35周年:珊瑚婚式
 40周年:ルビー婚式
 45周年:サファイア婚式
 50周年:金婚式
 55周年:エメラルド婚式
 60周年:ダイヤモンド婚式
 75周年:プラチナ婚式

「17年は半端だから、名前がついていないみたいだよ」
「なーんだ、つまらない」
「お祝いに鉄板焼きを食べに行こうね」
「うん、ミキ、鉄板焼き大好き!」
 結婚記念日の翌日は休暇を取って富士急ハイランドに行き、一泊するという小旅行も計画した。
 しかし……。
 結婚記念日の前日、ミキは2年ぶりくらいに熱を出した。37.7度もある。
「風邪ですね。左の扁桃腺が腫れています」
 医師から薬をもらい、氷枕を作って寝かせた。でも、食欲はありそうだ。
「何か食べたいものある?」
「うどん」
 私が聞くと、ミキは迷わず答えた。この子は小さなときからうどんが好きで、体調不良のときなどは特に、うどんばかりを食べたがる。太くて食べ応えのある讃岐よりも、細くてやわらかい麺を好むようだ。
 保育園に通っていたときは、ケーキ屋さんのショーケースに並んでいるモンブランを見て、「何で、うどんがこんなところに……」と名言、いや、迷言を吐いたことがある。
 
 翌日も熱は下がらず、泣く泣く鉄板焼きをキャンセルした。
「元気になったら、また行けばいいよ。何食べる?」
「うど~ん」
 乾麺300gが瞬く間になくなった。あわてて夫をおつかいに行かせ、麺とつゆを補充する。体温は37.3度。このまま下がるような感じがした。
 多分大丈夫だろうと高をくくり、その夜は翌日の宿泊の準備をして寝かせたのだが……。
 ミキがトイレに起きてきて、青白い顔で私を呼んだ。
「お母さん、今、吐いちゃった……」
 時間は22時になろうかという頃だ。もう旅行どころではない。落ち着くまで背中をさすり、急いでホテルに電話を入れた。何度も宿泊しているホテルなので、融通が利き、キャンセル料はかからなかった。
 夜が明けると、また小児科を受診した。熱は37.8度。
「今度は右の扁桃腺が腫れていますね。吐き気があるなら、胃の薬も出しておきましょう。食欲はあるかい?」
 医師の問いかけに、ミキは元気よく答えた。
「はい、うどんなら食べられます!」

 そんなこんなで、かけうどん、ざるうどんを交互に作ってばかりの3日間になってしまった。
 わが家の17周年の結婚記念日は「うどん婚式」だろうなぁ。



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コメント (26)
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