これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

精神安定剤

2008年06月30日 19時57分54秒 | エッセイ
 気分が落ち込んだときの回復法は人それぞれだ。
 さくらももこ氏は「寝る」と答えていた。何でも、気が滅入ったときは体力が消耗するので、ぐっすり寝て充電しないと元気にならないのだとか。なるほど、理にかなっている。
 私の場合は文章を書く。落ち込んだ原因に関連したことでもいいし、全然関係ないことでもいい。紙に書いてでも、パソコンを使ってでも、携帯のメールでも、文章を組み立てることさえできれば凹んだ気持ちが膨らんできて、明るい気分になれるのだ。
 時間がないときは、風呂場に日記帳を持ち込んで、半身浴をしながら書く。文字を選んで文を作っていくと、何が自分を落ち込ませているのか、それに対して自分はどうしたいのかが見えてくる。頭の中で考えるだけでは行くべき道がわからないのに、文字に表すと、カーナビに誘導されるように出口が見つかり物事が解決する。これはすごい。
 もう一つ、イライラしたりモヤモヤする気分のときはピラティスが効く。私が行っているのは、福井千里氏のピラティスサーキットだ。これは、有酸素運動とピラティスを交互に行うことにより、トレーニングの効果を高めるものである。
 特に好きなのは、お腹をスッキリさせるエクササイズだ。このエクササイズの有酸素運動は、ジャンプしながら両手を左右に広げて着地するという動きを1分間繰り返す。どうやら、この動きが悩みに効くらしい。
 ジャンプを繰り返していると、体が温まり汗がにじんでくる。呼吸が荒くなるあたりで、「あの人の発言には腹が立ったけれども、こう考えていたからではないか」と理解できたり、「思い通りにならないことを嘆くのは愚かだ、それが世の常なのだから」と哲学めいた悟りを開くようになる。それはまるで、体の中にたまっているストレスという名の毒素が、汗や熱とともに発散されるようで、なかなか爽快だ。
 どちらも、長年、自分とつき合っているうちに見つけた精神安定剤で、私にとってはこの上ない処方箋である。ストレスフルな方、ぜひ一度お試しあれ!
 友人の知美は、おしゃべりをすることで日々のストレスを解消するタイプだ。私はときどき相手役をつとめ、愚痴を聞いたり相談に乗ったりする。
 先日、彼女が聞き捨てならぬことを言った。
「いいよね、砂希はなんにも悩みがなくて……」
 これにはムッとした。私だって、人並みに悩みや苦しみはある。ただ、それにどっぷりと浸かってしまう自分はイヤなのだ。不幸に酔うと、さらなる不幸を呼び寄せる気がする。気が滅入ったときは、さっさと自己解決を図り、気分を浄化するに限ると思うのだが……。
 まぁ、いっか~。



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コメント (4)
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