お!これは嬉しい。
今、何故開高健なんだろう?
今、何故「オーパ!」なんだろう?
巨匠は序文で書いている。
『アマゾン河の漁師の小屋にある物で鉄製品といえば釣鉤と銛と山刀ぐらいである。紙もないからタバコはトウモロコシの葉で巻く。
そして首都のブラジリアはガラスと鋼鉄とコンクリートの超現代都市で、中心にF1のレーシング・サーキットがある。
ブラジルを旅するとは鉄器時代から21世紀までのあらゆる時代を旅することである。飛行機や自動車はタイムマシンである。
大河と大湿原では驚かされる。毎日何か新しく驚かされた。驚くことを忘れたこの時代に驚くことの切実さを知らされた。心は淋しき狩人である。驚くことを求めてさまよい歩く。驚くことを忘れた心は窓のない部屋に似ていはしまいか。
何かの事情で野外へ出られない人。海外へ行けない人。日頃書斎に座り込んでいる私にそっくりの人たちのために私は書く。』
このコロナ禍『オーパ!』は巨匠からの
癒しのメッセージではないだろうか。