暖かくなると大陸方面に行き、寒くなってくると日本列島にやって来る。
それを「渡り」と言っている、ただ日本列島から大陸に向かう「渡り」の事を「北帰行」とも言う。
渡り鳥は風来坊とほぼ同義語のように使われることがありますが、これは渡り鳥に対して大変失礼なことだと思う。
なぜなら「渡り」はとても困難をともなう行程なのです。
でもこの本によると渡らない個体群もあるらしく
渡りの個体群は渡らない個体群により採餌できないから渡るのではないかとも書かれていた。
そう言われると少し風来坊に近づいてしまった。
秋頃になると頭上をガァーガァーと鳴きながら大きな「く」の字の編隊で南下してくる。
つい見惚れてしまう立派な編隊もある。
南下してくる編隊ばかり目につくけど「北帰行」は密やかに飛んでいるのかな。
身近な野生動物の、スズメ、カラス、トビ、ヒバリ、コハクチョウ、カモの生存する為の営みを見る時、「北帰行」の感傷部分は置くことにした。
開拓団や移民も「渡り」か。
著者は「渡り」という概念を北海道開拓団やアメリカ移民まで広げている。
鹿児島、新潟、北海道、シベリア、カムチャッカと鳥と人間を見ていた。