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「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

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「カムカムエヴリバディ」完走できた よかった

2023-11-27 | 番外編の番外編

おはぎが好きになる。
回転焼きが食べたくなる。
ジャズのトランペットに聞き惚れる。
時代劇がかったセリフに大立ち回りの殺陣。
ノストラダムスの大予言を真に受けてしまう。
ラジオから聞こえるアメリカさんののんびりした日常。
道化ばかりじゃなくて一途な思いも温かな気づきも届けてくれる。

母娘孫三代にわたる100年のドラマ
家族の愛と絆がここにある


…と、いうわけでNHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」やっと完走できましたよ。
評判に違わず誠にご立派な物語でした。
ロングスパンの人生模様が描かれていながら、その時代時代の女性の生き方が現代らしい着地点へとつながっていく
…この物語では「あんこ」と「ジャズ」と「時の流れ」が真のメインキャストだったのではないでしょうか。

脚本の藤本有紀さんは「ちりとてちん」「平清盛」「ちかえもん」とかなりの傑作を世に送り出している名匠でもあります。
「カムカム」でも終盤にかけての怒涛の伏線回収はじんわりと来るカタルシスでした。
このブログの読者の方へご忠告しておきますと
やっぱり序盤の安子編の物語が涙、涙で…。戦時中を背景としていましたが時代に翻弄されるあまりに過酷な境遇に
鑑賞中何度も感情がヒリヒリしてしまって、見ているのがつらかったです。
しかしそこを乗り越えると新天地での娘・るいの人生も動き始めていくことにより没入感もノッテくると思いますので、このしなやかな物語の連綿たる流れと一体になれていけると思います。
ネタバレになるのでふわっとした言い方しかできませんが、この物語にはターニングポイントになるような場面とか絆を確認するような験(しるし)を思い出す場面だとかに
繰り返し、繰り返し、印象的なセリフのリフレインが効果的に出てきます。
別に一言一句聞き逃すなといった断片的なものではなくて、噛んで含めるように丁寧にリマインドさせてくれるのでムラなく見ていればちゃんと思い出せるので大丈夫です。
登場人物の気持ちに感情を委ねて物語の流れを楽しみましょう。


今回は雑多報告なのでそれほど突っ込んで語るほどのものではないでしょうが最後に補足情報としてこの作品に出合った経緯を申し上げますと
私は数年前から動画サブスクでU-NEXTに加入していて、今年の頭くらいから毎月もらえるポイントが余って使い道に困ってしまいどうしようかと思っていたところ
990円/月のNHKまるごと見放題パックをそのまま手持ちのポイントでまかなってしまえばいい!これいいわーということで
「どうする家康」の記事も書いた縁もあってそのまま継続してついでに100分de名著とかねほりんぱほりんとかも見れる!と大活用時代に突入し
そんなこんなで漂流していたら8月ごろNHKの朝ドラ「らんまん」の話題に触れているブロガーさんがいたのでなんとなく興味が出て終盤だというのに一から追っかけ視聴を始める!
→そして見終わった達成感をステップにして同じく朝ドラの名作名高い「カムカムエヴリバディ」を満を持して鑑賞開始
というわけで1話15分というフォーマットがうまくはまったのか朝ドラとの出会いが幸いにして2作とも傑作でしたので
こんどは「ちりとてちん」か「ちかえもん」を見てみたいという欲求に駆られています。

P突堤2を運営するぴとてつにとっても、「カムカムエヴリバディ」はラジオの英語講座という縦糸が見事にテーマ性を帯びており
ことばを題材としたエンタメとしてまた一つノートしておかねばならない作品が増えました。
以前からカムカムは「ことばネタ」案件だなー、とマークはしてはいたのですが、今回無事に視聴できたことによって
単なるカタログ的な記憶から「血の通った記憶」にすることができて内容も堪能することができたのでとても満足しています。

いやはや、もはや朝じゃなくても朝ドラが見れる…いい時代になったものです。
それではまた。


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カードゲームの呼称とレトロニム問題

2023-11-26 | Yahoo!リアルタイム検索アプリで調査

トレカ市場も過熱!カードゲームが年間1700億円市場に!さらにはコミュニケーションツールとして使えるアナログカードゲームも爆発的な盛り上がりを見せていますね。古典的ゲームをより洗練させたモダンなゲーム性やインパクト勝負の熱いゲーム体験がとても新鮮です。

私ぴとてつは日本語スキーなので言語に関するアナログゲームを数年前からチラチラウォッチングしていたのですがちょっと面白い視点のものを2つほど見つけました。
言語コミュニケーション能力とか語彙力/想起転換力とかハイコンテクストというのではなくて、単純に言語環境の枠組みとして捉えてみると趣深いという種のものです。
さっそく紹介してみますとまず一つ目は「Japanese: The Game」。

「Japanese: The Game」というカードゲームは、日本語の文法や単語を学ぶための海外のカードゲームです。このゲームは、2014年にKickstarterで開始され、$5,700の目標に対して$128,808の資金調達に成功しました。このゲームは、日本語の助詞、動詞、名詞、副詞、形容詞、助動詞、活用、活用表カードなど、日本語の文法と単語を学ぶための72枚のカードで構成されています。
ふむふむ…という触れ込みなんですが詳細は割愛しますが
用法的には正しくないなんちゃってJapaneseを作ってもお構いなしの興味先行型でルールもガバガバですが、取り組みとしてはわれわれ日本語話者にとっても
「言語的なキラキラ素材」が散りばめられていてなんだかこちらもワクワクします。エンターテイメントと教育的効果とのトレードオフはあるかと思いますが、こういう思考軸は独特で骨太な杓子定規感があって好きです。

もうひとつご紹介するのは現代らしいアナログとデジタルを連動させた新感覚ゲームです。以下タイトル↓
「HEN?KAN?」は、スマートフォンの予測変換機能を使って遊ぶ新感覚大喜利ゲームです。プレイヤーは、スマートフォンの予測変換機能で出てくる単語を選んで繋げるだけで簡単に盛り上がることができます。大喜利好きだけど考えるのが苦手な人も、予測変換して出てくる単語を選ぶだけなので手軽に大喜利を楽しめます。予測変換から選ぶので不自然な文章が意外とおもしろかったりします。
…感心した点は大喜利が苦手な人でも機械の予測変換のせいにできる、気軽なところがいいですね。でも予測変換のユーザー学習が偏っていると思わぬ変換が飛び出してきたりしてそこもスリリングなところかもしれません。
ただし言葉を題目に据えたカードゲームのデザインは具体的なイメージ喚起を伴わないためカード絵柄がボンヤリしてしまうありがちな罠があります。
このゲームもご多聞に漏れず絵柄に物足りなさを感じてしまいました。
私自身も分野こそ違いますが、世のオーサリングツールにはエフェクトだの切り抜き合成だの素材をいじくる編集手段はいくらでもあるのに、
抽象概念だとか論理構造だとかを効果的に配置・指示・諸元の説明欄の充実を念頭に置いた編集ツールがあればいいのにな、とこのカードゲームに感化されてそんなことを思ってしまいました。
私なんかもコトバに限らずシンボル操作をあれこれ頭の中で巡らせていることが多いのでなんとかビジュアル化できるような手立てはないものか、と日々苦心しているところでもあります。
そうすれば抽象指向のクリエイターにも満足できるニーズを掘り起こせると思いますし、そんなニーズをお手軽な形で用立ててくれるツールが出現することを切に願っております。

さて話を戻しましてここからは一般的なカードゲームの中から私が特に注目しているゲームを紹介していきたいかと思います。
ここで情報の羅列を観る前に肩慣らしとしてちょっとしたウンチクを挟むことをお許しください。

;小話【カードゲームの呼称とレトロニム問題】
最近はカードゲームのことをトレーディングカードを指すようになってしまったので、代わりに(アナログゲーム全般)のことをボードを使っていないのに「ボドゲ」と呼ぶようになっています。
言語学の現象で無標のものを分別する必要が出てきたとき、「携帯電話」に対して「固定電話」という言葉が出現するレトロニムという用語がありますが、
先ほどの「非トレーディングカードのカードゲーム全般」を「ボドゲ」と呼ぶ転換に対して示唆を与えるようなレトロニムやメタファーや巷のわかりやすい例えがあったら教えてください。

という質問をAIチャットにしてみましたが期待した回答が得られませんでした。
そこでwikipedia「レトロニム」の項を調べてみたところ、この「ボードを使っていないのにボドゲ」と呼ぶ例に類似的に対応するような項目を見つけました。

オオウミガラス ← ペンギン
元々「ペンギン」の語は北半球に生息し古くから人間に知られていたオオウミガラスを指していて、後に南半球で見つかった似た姿の飛べない鳥も「ペンギン」と呼ばれるようになった。その後オオウミガラスが絶滅し、「ペンギン」の語は南半球のペンギンを指すように変化した。

この例はボドゲとカードゲームのようにかつて別々の二つの範疇が円満に分担していた役割が異変を生じ、「カードゲーム」のほうに「トレーディングカード排他分裂」がおこって従来のアナログカードゲームが逃避先を探していたところ、既存の範疇であった「ボドゲ」の軒を貸して母屋を取られる事象が生じてラベルを上書き変更してしまったというなかなかに業の深い現象です。
このタイプのレトロニムを「エクソダス-本歌取り型レトロニム」と勝手に命名しておきます。

この例の対照として対応づけし直してみると、「原義のペンギン」は「オオウミガラス」を指していて、ポッと出の新参者「南半球のペンギン」は「原義のペンギン」の意味を上書きしてしまって「アップデートペンギン」になってしまったということです。
「古き良きいにしえのボードゲームの語範疇」は「原義のペンギン=オオウミガラス」に対応し、エクソダスして逃避した「従来のアナログゲームの弁別」は「南半球のペンギン=アップデートペンギン」になぞらえます。
…いやぁ、ひとくちにレトロニムと言ってもいろいろタイプというのがあるのですね。
厳密にすべてキッチリ対応関係にあるとは自信をもって言いづらいのですが、レッサーパンダの例とも混同してしまっていろいろ悩みましたが最終的にオオウミガラス説を採用することにしました。
何かほかにいい例え/対応関係の言い回しがあったら教えてください。

というわけで今回もYahooリアルタイム検索アプリのお力をお借りしての調査です。
今回選出されたカードゲーム10作品はこちらです↓

そして調査結果はこちらです↓

【人気のカードゲーム つぶやき数調査】
調査期間:2023年11月19日-11月26日(8日間)

1.音速飯店           79
2.ミツバチマッチ          3
3.5本のキュウリ         8
4.ソクラテスラ         137
5.ナナトリドリ         65
6.ito ゲーム           83
7.ラブレター ゲーム       52
8.SCOUT! ゲーム        12
9.オジサンメッセージ       57
10.だるまあつめ        21

以下に各ゲームのひとこと解説を列記していきます。

音速飯店:「チャー」「ラー」「ハン」などの具材カードを中華トレイに投げ入れ、手札を出し切るスピード勝負

ミツバチマッチ:特殊能力付き逆ババ抜き。ニコニコ自作ゲームフェスにてゲムマ賞をとった作品

5本のキュウリ:キュウリを押し付けるトリックテイキング。スカンジナビアの伝統ゲーム「アグルカ」をアレンジしたゲーム

ソクラテスラ:歴史上の偉人の名前を組み合わせて最強の偉人を作ってバトルするゲーム

ナナトリドリ:『ネクスト大富豪』系カードゲーム。鳥を揃えて手札を出し切る。手札の順番の入れ替えNGなのがミソ

ito ゲーム:お題に沿って配られた数字のカードに見合うような程度の事物を表現し、協力ゲームで100までカウントアップ

ラブレター ゲーム:わずか16枚のカードを使って他のプレイヤーを脱落させる(=姫に恋文を届ける)、濃厚な駆け引き

SCOUT! ゲーム:手札入れ替えはNGでも上下反転がある。「同数字」or「連番」で複数枚を切りスカウトで手札を強化

オジサンメッセージ:カードをつなげておじさん構文を作り、女性役の人から即ブロックを勝ち取れ

だるまあつめ:坊主めくりアレンジでだるまを集める。横取りや得点予約を見据えながら欲張って強奪しようとするとバースト


日本最大規模のアナログゲームイベント『ゲームマーケット2023秋』が12月9日(土)開催されます。例年2万人超の来場者を誇るそうです。
これからクリスマスや年始にかけてパーティーゲームなどでおもてなしをする機会がありそうでしたら、本会場やネットショッピングなどでお好みのカードゲームを入手してみるのもちょうどいい時期だと思います。

ここでは紹介しきれなかったのですけれど海外発の異色ゲームで
Unstable Unicorn(不安定なユニコーン)という作品
なども注目しています。
プレイヤーは、自分のユニコーンを守りながら、他のプレイヤーのユニコーンを攻撃することができます。このゲームは、戦略性が高く、プレイヤー同士の駆け引きが楽しめます。
プレイヤーは、魔法やインスタント、アップグレード、ダウングレードカードを駆使して、他のプレイヤーの進行を妨害し、ユニコーンを破壊することで目的を達成します。ただし、他のプレイヤーも同じカードを使用できるため、計画が台無しになることもあります。

なかなかカード効力の影響範囲が絡まりあっていてカオスな感じなのですが、そこが闇鍋みたいで面白そうですね。
なんかルールはよくわからなかったのですが、絵柄が可愛かったのでできれば日本語版が出ないかなー、出たらぜひ購入したいです。

あとはアナログゲームではないのですがアプリゲームの「神字 kamiji」というゲームにも触れておきたいと思います。
町中を歩いているときに見つけたさまざまな漢字を位置情報や施設情報をもとに漢字モンスターとしてコレクションしていきスキャンしていく新感覚ARゲームです。
言葉や文字をテーマにした拙ブログにとっても関連の深そうな題材だと思いましたのでとりあげてみました。

以上、なんだか最後はとっ散らかってしまいましたが洋邦東西のカードゲームは本当にバラエティが豊かでクリエイターや愛好者の方々の熱量の高さもひしひしと伝わってきますし
本当にシーンが盛り上がっていて全体的な層の厚さもうかがえました。

今記事で採り上げた一押しのゲーム「オジサンメッセージ」も、12/9(土)のゲームマーケット2023秋で満を持して
「オジサンメッセージ2」(ドヤゲームズ公式)
がリリースされます。単体でも拡張版としても使えるそうですのでご興味のある方はチェックしてみてください。

イベント開催前後にかけて、Twitter(X)でもつぶやき数は伸びていく事でしょう。
今後も動向を注視していきたいと思います。
それでは今後のリアルタイムアプリネタもお楽しみに!
年末まで盛り上がっていきまっしょい!

 

 


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