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「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

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考えがまとまらないので補助線 キワ越え編集

2019-11-24 | 画面の流れとインターフェイス

ちょっと(大分?)間が空いてしまいました。
前回の記事で「[引きシフト][押しシフト]の2極性シフトキーを新設する」だとか「助詞部分のキワの処理をなんとかしたい」
みたいに息巻いて申しておりましたがこれがなかなか難題。ちょっとピントがあちこちに飛んでしまってなかなか考えがまとまりません。

まずチャンクフォーカスの問題。ペンタクラスタキーボードのカーソル移動には≪≫のチャンク単位で移動するものと、←→の一文字ずつ文節を伸ばす縮める移動のものとがあります。
従来のキーボードみたいに文節長操作:Shift+←→みたいに混同することがなくてわかりやすくさせるための措置です。
これを踏まえて長文一括変換-確定直前のチャンクフォーカスはデフォルトでどこを指し示すのかまだ考えが固まっていませんでした。
ここはシンプルに先頭文節の一フレーズ部分をまずはフォーカスして、≫を押すごとに右側へ隣接移動していき文末の向こうまで行くとループして先頭文節へとジャンプするというのを想定しています。
ただし、チャンク移動初手で≪を押した場合は一気に文末へと注目チャンクがループ・ジャンプしていきます。
(この辺のくだりは考え方をまとめる作業を兼ねて書きながら整理していっているところです)

編集操作の基本が見えぬうちに先走りして新キーの設置に駆り立てられていたのには理由があります。
これが前記事で述べていた「でにをはまわりのキワの表記の処理」であります。
ここが特殊なために引っかかりが残ったままだったので別キーを立てたい動機とつながるものでした。(おかげで回り道をしてしまいました)
なのでチャンク移動・文節長移動に続いてでにをはキワ処理用の機能キー[際シフト(キワシフト)]を立ててなんとかやっていきたいところです。
でにをは別口入力は助詞部分はマーカーとして文章に埋没して編集操作にはあてられないよう設計されており、もっぱら助詞と助詞との繋ぎとして屹立する<素材としての語片>だけに注目してみると
ときにデフォルトの入力状態から脱してでにをはそのものを削除する・編集するときには通常のオペレーションから一段違った状態を作り出す、これが[際シフト]とが必要になる導入理由であります。

まだ図を用意していないので状態遷移は一目瞭然とはいきませんが、とりあえず思いつくままに挙動のイメージをあげてみると、
変換確定直前のほぼ整った文章の状態で[際]+→を入力すると、初手では先頭チャンクに付随する助詞部分に注目して、これにカナキーで助詞をカタカナ表記にしたりやDeleteキーで当該助詞を削除する作用を及ぼしたりします。
助詞部分が複合動詞になっている場合は例えば

│おでん[で][も]│食べたい気分[だ]

みたいになっているとしたら、最初の[際]+→で[デモ]に変換するもよし(カナキー)、
[で]を削って[も]だけにするもよし(左デリート)、
逆に[も]を削って・おでん[で]食べたい気分だ にすることも(BSキー)できるようにするといった算段であります。
とりあえず[際]+→操作で編集対象になるのは[でも]の2文字ですから、これに対して字種変化やデリート・BS操作で局所的に操作していくことになります。
編集操作が終わったら、続けて[際]+→を押しますとフォーカスが右隣次の別口部分へ移動して・食べたい気分[だ] の[だ]部分の編集に移ります。
これだけだと別口部分カナ操作は、逐次→押しで一個ずつ飛び飛びに変換しなくてはならず面倒ですので
[際]+≫の操作で複数マーカーにわたってカナ表記操作をできるようにさせるようにすればまとめて1フレーズの別口部分をカナ表記にすることができます。

例えば
│走っ[て][も]│朝飯くらい[は]│とっておかない[と]│スタミナ[が]│続かない[でs]
これを[際]+≫≫≫≫のようにしてチャンク範囲を伸ばしてあげて一フレーズまるまる選択したところで[カナ]キーを押したら

走っテモ朝飯くらいハとっておかないトスタミナガ続かないデス

に変化させることができるということです。ここでの注意点は、[際]≫操作はそれまでの別口部分フォーカス以降(以右)からの範囲選択となるので
別口編集を中途半端に1,2個先頭から局所編集してから進めてしまうのよりかは最初から[際]≫≫で全体を選択して作用させるのが早い、ということです。
ただこのときには・おでん[で][も]の時のように複合助詞部分の編集操作はできない形となっており、[際]≫≫選択の時の作用受け付けオペレーションは別口部分だけの字種に対しての変換(カナに変換)となります。
削除・挿入のような個別局所編集はできず、言ってみれば[際]≫≫選択はグループ的・離散的な全体選択とみなす形になっているので作用範囲も当然全体作用のみに限られてくるということです。
ここのように≫のキワ操作についてやれることは限られてくるので注意が必要です。

もっとも、上記の例のように「走っテモ朝飯くらいハとっておかないトスタミナガ続かないデス」みたいな中途半端なカナ表記はあまり使う場面もなかなかないかとは思うのですが
[際]シフトは普段編集対象にならない別口パーツに対しての編集操作を活性化させる切り替えとしての特殊機能キー・[際]シフトですので持ち場はここまでで収めておく程度が適切ではないかと思います。

それならカナ表記のスタイルでもっと使われそうな本丸の「走ッテモ朝飯クライハトッテオカナイトスタミナガ続カナイデス」(漢字部分以外オールカタカナ)の表記に対応するにはどうすればいいのか?
…その解決策については[際]シフトと対をなす新キー、[粒]シフト キーの出番になってくるところであります。
想定としましては[際]+≫≫≫…で文章全体をキワ含み全体選択をした後、[粒]シフトを押して<漢字部分FIXのまま非漢字部分を編集>のニュアンスをつけてからカナキーを押して先程のような"漢字以外の部分をカタカナに"した表記の編集ができるというものです。
いわば組み合わせ動作ですね。ちょっとややこしそうですけれど、粒シフトはニュアンスをつけた全体選択の前段として活躍しそうなキーでありまして、目指している機能としては

1・漢字部分を不干渉しながらのカナ⇔かな字種操作(選択チャンク全体で)
2・「冴えカノ」みたいに漢字・ひらがな・カタカナ混成の語句の編集に対応するための一文字ずつフォーカスしながらの編集操作(F6,F7のように連続押しで端から異字種に振り替える動作はあるが漢字部分を保存したままの文字列操作はできていないので)
3・まだ未調練ではあるが従来の複合語変換スパンより少し短絡的な(近視眼的な)部分確定候補(わざと)の区切りを提示する1と2の中間みたいなスケールでの編集対象操作
4・でにをは別口パーツに加えて2文字以上の助詞や機能語をセパレートするような編集スケールでの操作(こちらも未調練)

などを提案したいと思っておりまして、ちょっとここでは詳細は書ききれないので次回以降に回したいと思いますが、ここで大きく強調したいのは
「編集のレンジ(範囲)を指定する動作」ではなく「編集の粒度(どの部分に着目するか)を指定する全体動作」とでも評したらいいのでしょうか少し込み入った編集の指定のための機能キーであります。
ニュアンスだとかスケールであるとかフォーカスであるとか色々表現に苦心しましたが抽象的にふわっとした言い回しで表現するために「粒度」という言葉を軸にして以降説明していきたいと思います。

現在進行形でアイデアを煮詰めているのでまだ整理が足りないところもありますが今後の記事で何とか方針を示していきたいです。
なお前回の記事では新キーの名称を「押しシフト」「引きシフト」などとしていましたがこれはキレイさっぱり忘れて今のところの用途に沿った名称、
[粒シフト](粒度のシフト)、[際シフト](別口入力パーツのキワの編集のためのシフト)
の2本立てで文字列編集の支援になるような操作体系を構築していきたいと考えておりますので注意深く編集場面をシミュレートして完成度を高めていきたい所存です。

あといろいろ調べておりましたら、Wordの機能では漢字以外の部分をカタカナにさせる機能があるらしいのですが詳しい内容は今回は割愛させていただきます。
こちらとしましてはメニューをたどったりして呼び出すのは面倒ですので最小限の操作でできそうな今回の方式を導入して頻出動作を効率化できればなと考えておるところです。

まず今回のところは別口入力のキワの部分の説明をメインにということでこれにて解説を終わりたいと思います。ありがとうございました。


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