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「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

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アニソンリスト訂正記事

2019-07-31 | 番外編の番外編

6月に投稿したアニソン列挙記事を見直していたところ、うっかりミスで曲目が重複しているものがありました。
カブってしまった曲は『Let Me Be With You/ちょびっツ』です。ごめんなさい。

該当箇所は
[第3弾].67番目
[第4弾].108番目
になります。

訂正といたしましては、[第3弾]の方をそのまま残しまして、[第4弾].108番目にあるところに新たに曲を入れ替えて対応したいと思います。
いろいろ検討したうえで、今回新たにリスト入りする曲は

蝶/零~紅い蝶~(PS2ゲーム)/作詞・作曲・歌 - 天野月子(現・天野月) / 編曲 - 戸倉弘智

にしました。訂正後記事にはあわせて→ミニ注記を加えておきます。
気づくのが遅くなってしまってスミマセン。

今後のアニソン記事の展望としましては、あと1記事だけ番外編エントリを書いて〆にしたいと思っています。
どんなものになるのかはただ今思案中…できれば年内に書ければいいかな、と思っております。どうか気長にお待ちくださいませ。

あとせっかく書いておいてなんなんですが第3弾、第4弾の記事は検索に引っかかりにくいみたいです。
これは140曲もの羅列をただぶち込んでいるだけですので検索サイトさんに低評価認定されているのかもしれません。
まあ薄々リスクはわかっていましたし少々無茶をしてしまったとは思いますが悔いはありません。
私は曲タイトルだけではなくその背景にある作曲家作詞家、あるいは編曲家の方などのつながりがわかりやすいように編集したつもりですから、無味乾燥なデータだけの列挙で十分役に立つと思っています。
むしろ100選には収まりきらないような巨大なリストですからこの編集の仕方の方がより訪問者さんの目利きに敵うかと自負しております。
股旅道中をめぐって名勝・奇勝さまざまな風月・絶景をお楽しみいただければ幸いです。

そろそろ猛暑も本番になってくるかと思いますが、アニソン好きの皆様方におかれましては新たな名曲の探索でこの暑さを吹っ飛ばしてまいりましょう!


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三属性変換:サ変動詞の法則を覆すよろづの例

2019-07-28 | 変換三属性+通常変換のシステム考察

漢語由来の熟語には「した」「させてもらった」「された」などとつながりサ変動詞(とその変化形)を形成するものが数多くありますが、
「をする」「になる」「となる」「である」のように助詞をはさんで基本動詞と連語をなすものもそれらの延長上に関連するものだと思います。
ペンタクラスタキーボードの三属性変換ではイ万:名詞(転成名詞含む)、ロ万:動作様態用言あるいは名詞述語文/連語を形成するもの、ハ万:接頭辞接尾辞がらみまたはメタ通機的なニュアンス
…のようにざっくりと分類してはありますが、サ変動詞の語幹部分である「サ変名詞」は、名前こそ名詞がついていますが、三属性変換では<属性ロ>ロ万 のグループで処理する範疇となっております。

漢語由来ということもあって同音異義語で衝突することも多く、ワードの意味属性の特性をうまく利用してなんとか表記の使い分けに対応できるよう三属性変換というのをブログ開設当初から提案しておるところです。
語彙的・意味的ニュアンスを三属性=よろづにその弁別を託して、多様な構図・職能の言葉ひとつひとつに苦し紛れながらなんとか3つのキーで執り捌けないかやりくりしているところであります。

その中の属性ロ(ロ万)においては用言を中心とした叙述成分全般を一つに束ねようとするものですからこれは一筋縄ではいきません。
大和言葉でも同音動詞が多い事にはいまだ解決の決め手がなく苦労しているところですがそこはまずおいておいて今回のサ変動詞の同音衝突の解決にもロ万だけでなくハ万の力を借りることで逃げ道を作ることができれば同音語の問題も実用レベル程度までは乗り越えられると願うばかりです。
先程からちょっと抽象的な解説が続きましたのでここらでわかりやすく実例を挙げながら考察していこうと思います。

<サ変名詞-属性ロロ万と属性ハハ万の使い分けの例>
機能ロ万・帰納ハ万
移植ロ万・委嘱ハ万
統治ロ万・倒置ハ万
押収ロ万・応酬ハ万
移動ロ万・異動ハ万
挑発ロ万・徴発ハ万
解説ロ万・開設ハ万
収集ロ万・収拾ハ万
感動ロ万・勘当ハ万
焼香ロ万・昇降ハ万
保護ロ万・反故ハ万
支持ロ万・指示ハ万

解説:よろづハ万にはメタ的・通機的なニュアンスのものの受け皿となっていますので単に動作というよりも構造構図を俯瞰してみえる表現や接頭語接尾語を含む語句をあえて別にとりたてているものです。
接頭語接尾語を含むものとは言い切れないまでも、熟語の構成上、生産力に富むパーツを持っているものもこのハ万に属するにふさわしい喚起力をもっています。
移植がロ万となっておりますがこの字面でなんとなくハ万みたいなイメージもありますがもう一方の委嘱、これがよりいかにもハ万的な通機性をもっておりますのでこの並びとしました。
徴発をハ万としたのは徴税・徴兵などのように生産力を持ったパーツを含んでいるからです。
収拾には動作としてのひろいあつめるという意味もありますが、収集ですでにそのニュアンスは重きを置かれているので事態を収める(収拾)というのが状況変化的なハ万の特性にピッタリくると思います。
昇降は対義語が組み合わさった言葉ですので、こちらもハ万に属する材料に厚い要素だと思います。
一般的に、人間(生物)の主体的アクションは属性ロ・ロ万にあてられることが多い傾向があります。そして比較してその要素に欠けると思われる方は必然的に消去法的に受け皿のハ万へと割り振られていくというカラクリです。
このへんはニュアンスの感じ方に個人差もあるかと思いますが慣れていただくかあくまで私個人の捉え方なのだとご理解いただいたうえで咀嚼していってほしいです。

先述の典型的な三属性の使い分けの例にはうまく説明しきれないようなちょっと苦しい例もありますので、そちらもあげてみたいかと思います。

<ちょっと苦しい例>
羞恥ロ万・周知ハ万
観戦ロ万・感染ハ万
操作ロ万・捜査ロ万・走査ハ万
鑑賞ロ万・干渉ロ万・完勝ハ万
好評ロ万・講評ロ万・公表ハ万

解説:周知は能動的なアクションとして立派にロ万を任せられる要件はあるのですが、羞恥のほうがより人間的アクションなのかという印象もあってこちらになりました。
後から気づいたのですが羞恥という言葉は「羞恥を覚える」「羞恥で赤くなる」「とっさの羞恥」という主語・補語成分にもなりうるバリエーションを持っています。
もちろん「周知を徹底する」みたいなものもあるのですが組み合わせが固定的です。このわずかな違いが羞恥をロ万にもってきた構文形成力であります。あくまでも個人的見解ではありますが。
感染については必ずこれをハ万で処理しろというものではなくて、ハ万→ロ万みたいに属性をリトライしつつ遷移していっている場合は越境しても候補に出してあげるなどの配慮が求められると思います。
干渉ロ万・公表ハ万についても所属属性はボーダーにあるものと思われるのでこちらも越境またがり属性で対応すればよいかと思います。
好評についてはサ変ではなくコピュラ付随のものというのもあって傾向的により早くロ万の席を占める妥当性があるものと思われます。これが微妙に影響してその他の衝突候補は消去法的にハ万へ行きやすい、重複またがり属性になろうという「見えない力」がはたらいているのかもしれません。


…で、ここまであれこれと長く綴ってはきましたがここまでは前フリでしてこの記事で何が言いたいのかというと
ここまで述べた属性所属のある種の典型法則にあてはまらないような例外についてちょっと触れておきたいなというのが全体としての趣旨であります。
まずはあげてみましょう。

<法則を覆す例>
返信ロ万と変身ハ万
交代ロ万・交替ロ万・後退ハ万
自制ロ万・自生ハ万・自省ハ万
要約ロ万・要扼ハ万
解約ロ万・改訳ハ万
進化ロ万・深化ハ万
添削ロ万・転作ハ万

解説:返信は返答・返礼みたいに生産力のある要素のものでありハ万に所属すべきなのだという意見もうなづけますが対抗の変身も構造的変化で通機的要素ももっていながら、子供たちの遊びのなかで「変身!」みたいにやる場面も見えてきて人間主体のアクション要素もありますからどれをロ万にするのか迷うところでもあります。
結局、「日常的動作」という面において、現代のスマホ・SNS社会の趨勢から言ってむしろ「返信する」のほうがより頻出するのではないか、という結論に落ち着きました。
表層上を見ていますと一瞬ハ万にも見えるのですがロ万の大事な決定要因の中に「より日常性がある」というのを気づかせてくれた稀有な事例だと思います。
交代/交替についても自制・進化についても日常性を鑑みてロ万にとりたてることとなりました。このへんの感覚は異論のある方もいるかもしれません。
後読み方が難しいのですが「要扼」(ようやく)の意味は敵を待ち伏せして食い止めること。とあり「前もって分かっているニュアンス」が通機的なニュアンスにこじつけられないこともないので属性ハ・ハ万へ受け持たせて日常性の高い「要約」をあえてロ万にもってくる処置としました。
「要約」はいかにもシステム的でハ万らしいところもあるのですが仮にロ万に設定するとして律儀なユーザーが通機ニュアンスでハ万の「ようやく」を押してみたものの「要扼」が出てきてなんだこれはと面食らっても「あー素直に動作としての要約にすればロ万でいいのだな…」と後から軌道修正もできそうなのですがその逆は成り立ちそうにもありません。
こういう語彙とキー打鍵遷移の非対称性もあってこの属性分けを後押ししてくれているかと思います。
解約についてもほぼ同じ理由です。もちろん日常性があるというところも大事です。
添削という言葉については、添は添える、削は削るで対義語構成の熟語ではあるもののより人手のかかっているのを感じますし転作の方の生産力の強いものを含む系のものほどハ万への帰属性が対義語構成の熟語のものよりわずかに強いのではないかと感じています。
一応検証はしていないので確かなことは言えませんが、ハ万になるということ自体がいろんな要素の複合からなっているのでロ万-ハ万と競合するときにではどの要素がよりハ万にとって欠かせないか個々の関係性というか優先順位も整理していかなくてはならないなという新たな課題も見えてきました。


以上、三属性変換の基本は押さえておくのも大事ですが、組み合わせ動作、順次動作でそのふるまいがとても奥深くて実のところ説明考察していくのが結構しんどいのですが、ラーメンに例えるとインターフェイスの真髄の入ったスープのダシみたいなものですから、妥協せずにぐつぐつ煮込んでいきたいなと思います。


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[なの]を複合別口入力にしちゃえばいいのでは

2019-07-10 | 別口入力にまつわる諸問題

助詞ほかを別入力するという発想で文の構成要素の区切り目をハッキリさせて誤変換を根本から軽減させようという目論見の『でにをは別口入力』。
基本の別口入力には、(はがものだへをなのかでsやにとで)に加えてル形動詞の(○R/×r)を設定し、
さらにその後のキー新設で(て/し/Ø文字マーカー)を充てることとなり、3つできた機能キーのうち①②はインターフェイスのためのキーとなり用途は埋まってしまいましたが、
残る③キーはいままでどれを別口入力に採用しようか吟味があった末にユーザー定義キーとして前述の検討候補の中から選択を委ねることとなったのが当初までの流れです。
残った有力な別口入力候補を今一度ここで挙げてみますと

A.過去の助動詞/過去形の語尾[た]、
B.ル形動詞命令形語尾[れ]、
C.形容詞連体形/終止形[い]、
D.生産力の高そうな接尾辞3種([さ][み][げ]のアソート・文脈に応じて適宜可変のワイルドカード)
の4種類がこれまで挙がっています。

もちろん一定の議論を経てすでに新設キーでの採用が決まったキー群
X.接続助詞/動詞活用形テ形のマーカー「て」
Y.主にサ変動詞の連用形「し」ほか、「し」がらみの同音弁別全般で臨機応変に役立てる「便利キー『し』」
Z.打鍵のためのキーではなくメタ情報をやりとりする、区切り情報をマーキングする「Ø文字マーカー」
の3つについては特に必要性が高いであろうとの判断で標準で搭載することになりました。
※ここまでの流れは過去記事
新別口入力の空きを3つに増やしそのうち[し]と[Ø文字マーカー]は採用の方向で…レイアウトも変更 - P突堤2
にまとめてあります。(一部キーレイアウトが古いのはご容赦ください)

上記A-Dの4種については惜しくも選考に至らなかった経緯もあり、X-Zの3種に比べると喫緊の決め手というのに少し欠けているということで
後はユーザーの好みに任せるという成り行きになりましたが、実際にテスト検証する術もなく思考実験頼みという実情ですので、
正直どれが最も妥当なものであるかの判断・評価はこうしてお茶を濁すしかありません。
最終形は責任をもって1つに絞るのがよい…というのも案外私の勝手な思い込みで、わからないならわからないままユーザーに選んでもらう作りというのが押しつけでなく手段を提供するという現代向けのスタイルなのではないかと勝手に期待しております。
もちろん設定ひとつで入力システムの挙動や仕様ががらりと変わってしまって良いのかという不安要素はありますが、ゼロ文字マーカーなどの特に特殊な機能は案ずる前に堂々と標準に組み込んでおいたうえで、それなら残りの別口入力候補などはいくらかマシであろうとの楽観も交じってはおるところです。

ここでタイトルの"複合別口入力"ですが、ユーザー選択のA-Dの4種だけでは少ないと思い、別口入力が2つ連結した[なの]を新たに選択肢に加えてみよういうものです。つまりA-Eの5種ということです。
単文字助詞は大体網羅したもののここまでの4種では活用形の語尾や接尾辞3種アソートなどすでに曲者揃いの別口入力がラインナップされておりますがここへきて複合別口入力というまるで軽業師みたいなのが出てきました。
事ここに至ってはマーカーというよりは省入力のための別口入力がついに出現したとも言えなくはないです。
しかしこの複合別口入力[なの]を提案せざるを得なかったのには切実な理由があります。
そもそも別口入力は単文字の助詞(「は」「も」など)から出発し、形容動詞連体形活用語尾「な」、形容動詞終止形活用語尾またはコピュラ動詞「だ」、そして可変的でもある丁寧コピュラ動詞「でs」その他etc...
いろいろ増やしてきたのはいいのですが、助詞の別口入力について回る苦手パターン「複合助詞」をどうするのかが悩みの種になってきます。
助詞の複合ぐらいでしたらせいぜい2文字程度の連結で済みますが、ナ形容詞の「な」を取り込んだ影響もあって、「3文字連結/複合」の「長尺別口複合パーツ」(この場合は何と呼んでいいのか)ができてしまうのです。
これはキーボード下部の別口キーのゾーンでの連続打鍵を与儀なくされてしまい、大変に具合が悪いのです。
具体的に例を挙げますと、
なのを なのが なのは なのに なのと なのや なので なのも なのな なのか なのだ (別口入力同士の3連複合)
があります。
他の別口入力の複合傾向を比べてみても、この「なの」が起点となって複合するパターンが特に豊富で「なの」自体が一体化しているとみなせる様相を帯びています。
これには文法的考察をすこし足してみますと、「の」が格助詞ではなく準体助詞として機能しているときにより一体度が増しているような気がします。
つまり同じ別口複合パーツでも、「とか」「だと」「かを」みたいな連結は個々の独立性が高いニュアンスがありますが、
「なの」の場合の連結は形容動詞はいいとしてコピュラ動詞「な」の連体形は準体助詞との関わりが特に密接であるように思えます。
あとは別口入力ではないものの、日本語に豊富にある終助詞との接続においても
なのさ なのよ なのね なのかしら なのざます
のように文末のキワでいろいろマーキングが役立ってきそうな雰囲気はしてきます。
いずれにしても、他の助詞の複合で「でもが」「にとを」みたいになるというのは考えにくいですし、「なの」に関して言えばその先も助詞がもう1個余分につけれそうな期待感は存分に漂ってきますね。
省入力のためにわざわざ特別のキーをしつらえるのもナニかもしれませんが、ユーザー選択式の要定義パーツですし何より頻出表現でもありますからこうして採り上げることにも意味はあると思います。

「なの」を別口ユーザー定義キー③で役割を受け持たせ、ユーザーの好みで自由に組み込むことができることで使い勝手の納得感も得られる方策であってくれればよいのですが…
標準で入れたい気もしますがやはり省入力は破格ですのでこうしてオプションにとどめる程度に抑えておきたいかと思います。


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