4月に出会った植物の花や鳥の写真を整理してみました。4月に入ると桜を始めとして春の花が一斉に咲きだし、140品種ほど撮影できました。毎月恒例の記録として8~9回に分けて投稿させていただきます。
今回も、3月の花のアルバム同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。
リラの花咲く頃~唄 岸 洋子 (日本NHK紅白歌合戦出演者)
原産地は北アメリカで、海外から日本へやってきた帰化植物です。1941年に京都市伏見区向島で採集された記録が最初とされています。
春から初夏にかけて高さ30~50cmほどの茎を地表から立ち上げて、枝分かれしたそれぞれの先端に淡い紫色の花を多数咲かせます。
名前は海岸に生えるランに似た花をつける植物として名がついたウンラン(海蘭)の仲間であることと、線形の葉がマツの葉に似ていることから名づけられたようです。
<マツバウンラン(松葉海蘭) ゴマノハグサ科ウンラン属>
4/19 北柏ふるさと公園
青森県から屋久島まで分布しており、太平洋側の内陸部に多く生息しています。
花は純白で、清楚な感じです。各花弁の基部はわずかに黄緑色がかっています。長さ10〜14mmで、唇弁と側弁の中央から基部にかけて細い濃紫色の条が入ります。
丸っこい形の花と葉が可愛らしいスミレです。葉は先がとがりハート形に近く、形が丸いことから名が付けられました。
<マルバスミレ(丸葉菫) スミレ科スミレ属>
4/17 アンデルセン公園
丘陵から山地の林内や岩場に生える落葉低木。枝先に3枚の葉が輪生することから、その名が付けられました。
開花の時期は4月から5月頃で、鮮やかな紅紫色の花が咲きます。花の直径は約3~4センチで、花びらが5つに裂けて開きます。
雄しべは5本。実は長さ約0.7~1.2センチの円柱形で、7月から9月頃に熟すと5つに裂けて種を出します。
<ミツバツツジ(三葉躑躅) ツツジ科ツツジ属>
4/17 アンデルセン公園
日本固有種の野菊のミヤマヨメナの品種で、古くから栽培されています。
通常野菊は秋に開花するのが一般的ですが、ミヤマヨメナは春から初夏にかけて花を咲かせます。
名前の由来には「都を忘れるほど美しい花」という意味を含め諸説あります。
鎌倉時代に承久の乱で佐渡に流された順徳天皇が、この花の可憐さを見て都への思いを忘れることが出来た、という話から名付けられたという説が有名です。
<ミヤコワスレ(都忘れ) キク科シオン属>
4/19 北柏ふるさと公園
平地や低山に見られ、田の周辺や河川敷の肥沃な土がたまった明るい草地に生えています。
長いほふく枝を伸ばして、その先端に新しい株をつけ、マット状の群落をつくります。
花は直径1.5cm前後で、外見はイワチドリに似ていますが、花弁はつながっていて構造的にはキンギョソウに似ています。
黄色と紫色の斑点がありますが、この斑点の入り方は個体によって異なります。
<ムラサキサギゴケ(紫鷺苔) ハエドクソウ科サギゴケ属>
4/7 手賀沼
中国原産の常緑性蔓バラです。アーチやフェンスなど、よりかかるものがあると、自然にどんどん生長します。
日本には、江戸時代に黄色の八重咲き品種が渡来したのが最初です。ほかのバラとは違い、茎にトゲがないため扱いやすく、丈夫で育てやすいバラの一種です。
インド原産の多年草から作られる木香(モッコウ)の香りに似ていることから、名前がつけられました。
<モッコウバラ(木香薔薇) バラ科バラ属>
4/8 近所のお宅
野生の山桜に対して人里の桜ということから「里桜(さとざくら)」とも呼ばれます。
また花の形から「牡丹桜(ぼたんざくら)」とも呼ばれます。
「関山(かんざん)」「一葉(いちよう)」「普賢象(ふげんぞう)」「鬱金(うこん)」などの種類がよく知られています。
<ヤエザクラ(八重桜) バラ科サクラ属>
4/17 アンデルセン公園
エドヒガン(江戸彼岸)の栽培品種で、江戸時代から栽培されています。
春、葉が開く前に、下向きに垂れた枝にたくさんの濃桃色の八重咲きの花を咲かせます。
遠藤桜、仙台八重枝垂、仙台小桜、平安紅枝垂とも呼ばれます。
<ヤエベニシダレザクラ(八重紅枝垂れ桜) バラ科サクラ属>
4/10 あけぼの山農業公園
室町時代、太田道灌が農家で蓑を借りようとすると、娘が蓑の代わりにヤマブキの枝を差し出しました。しかし道灌は意味がわからず、腹を立てて雨の中を帰って行きました。
その晩、道灌は近臣から『後拾遺和歌集』(1086年)にこんな歌があると教えられました。「七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき」(八重のヤマブキは雄しべが花弁に変化し、雌しべも退化したもので、実がならない)
娘は、「お貸ししたくとも蓑ひとつなく申し訳ない」(実がならない=蓑は一つもありません)と山吹に例えて花を差し出したのである。
道灌は己の無知を恥じ、その後、歌の道に精進するようになったそうである。この時代、すでに八重のヤマブキがあったことが、この逸話からわかります。
<ヤエヤマブキ(八重山吹) バラ科ヤマブキ属>
4/19 近所の雑木林
春から初夏に開花するキク科の一年草。花びらの形は矢車に似て放射状に広がっています。
青、白、ピンク、紫系濃淡、黒、ダークレッドなど、花色がとても豊富な草花です。
本種はハーブの一種で、ハーブ名(英名)では「コーンフラワー」と呼ばれ、古くから薬用、食用、染料用、観賞用として利用されています。
また、ドライフラワーでも楽しむことができます。茎をつけたまま、直射日光の当たらない風通しの良い部屋に花を下にして天井や壁に吊り下げておきます。
数日~1週間程度でドライフラワーになります。
<ヤグルマギク(矢車菊) キク科ヤグルマギク属>
4/19 北柏ふるさと公園
日本原産の常緑低木で、本州の福島より南~沖縄まで広く分布します。ヨーロッパには1838年に入ってきたという記録が残っており、今では世界で広く栽培されています。
冬、球状にまとまった白っぽい花がたくさん咲き果実が付きます。果実は翌年5月頃に黒く熟します。
漢字で書くと「八つ手」です。ちなみに「八つ」は数を表しているのではなく「多い」という意味のようです。
<ヤツデ(八つ手) ウコギ科ヤツデ属>
4/18 あけぼの山農業公園
日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の日陰になる藪などに生育します。
花期は4-5月。枝先に複散形花序をつけ、小花序に少数の白色の5弁花をつけます。花序の下の総苞片はあり、小花序の下にある小総苞片は下を向きます。
果実は細長く、上部がふくれ、下部が細まり、隆条に上を向く刺毛があります。和名の由来は葉が人参に似て、やぶに生え、別名はヤブジラミに似て果実が長いことから。
<ヤブニンジン(藪人参) セリ科ヤブニンジン属>
4/17 アンデルセン公園
北海道から九州の低山や丘陵地に普通に生える落葉の低木です。美しい山吹色の花が咲くので『万葉集』にも詠まれるなど、古くから観賞されてきました。
日が当たったときのきらめくような美しさや、満開時の黄金の滝が流れるような姿が魅力的です。この花の色を元にしてヤマブキ色が出来ました。
シロヤマブキと混同されることがありますが、本種とシロヤマブキは別属の植物で、本種は花が5弁(シロヤマブキは4弁)、葉が互生(シロヤマブキは対生)であることで、容易に区別できます。
<ヤマブキ(山吹) バラ科ヤマブキ属>
4/17 アンデルセン公園
西洋なしは16世紀頃からドイツ、イギリスで栽培されはじめ、18世紀のイギリスで代表的品種「バートレット」が発見されます。これが明治初期、日本に伝わりました。
山形県には大正初期に入ったものの、見た目の悪さや栽培の手間から、受粉樹に利用されるだけだでした。
山形県では土づくりから剪定、摘蕾・摘果、収穫、追熟など官民一体となり研究努力を進め、1985年頃までに生産体制を確立させました。
現在、本種を栽培しているのは、世界中でもフランスでの絶滅寸前に苗が持ち込まれた日本だけで、そのうちの約8割が山形県で栽培されています。
<ラ・フランス バラ科ナシ属>
4/17 アンデルセン公園
ヨーロッパ生まれの落葉花木です。日本には明治時代中期に渡来しました。寒さに強く、北海道を中心として北国の代表的な花木として知られています。
花の咲く時期は春、主に4月~5月で、枝の先端に房状に付け、芳香があります。花色は代表的な紫色をはじめ、白、淡いピンク、淡い紫などがあります。
一般に親しまれている本種の名称は英名で、日本で呼ばれているリラという名称は、フランスでの名称です。和名は紫丁香花(ムラサキハシドイ)です。
<ライラック(紫丁香花:ムラサキハシドイ) モクセイ科ハシドイ属>
4/28 柏の葉公園
幾重にも重なる花びらがふんわりと開く、魅力的な花姿の春の球根花です。
八重咲きで豪華な花姿が人気ですが、咲き方の種類がとても豊富で一重咲きで花びらがフリルのようになっているものや、半八重咲きのものなどもあります。
名前は、葉っぱが「カエルの足」に似ていること、また湿地帯に生息することから、ラテン語の「rana (カエル)」 から来ています。
<ラナンキュラス(花金鳳花) キンポウゲ科・キンポウゲ属>
4/15 自宅
中国の揚子江下流域を原産とするバラ科の落葉樹。明治時代末期に渡来し、各地の庭園や公園に植栽されてきました。
開花は4~6月で、新葉の展開と同時。ウメに似た直径4センチほどの花が、6~10輪ずつ枝先で円錐状に集まって咲きます。
主張し過ぎない清楚な白い花が茶人に好まれ、茶庭に使われることが多く、茶道の祖である千利休にちなんで名付けられました。
<リキュウバイ(利休梅) バラ科ヤナギザクラ属>
3/27 泉自然公園
人類が食した最古の果物で、起源は約8000年前とされています。日本では明治時代から栽培が始まりました。
栄養価が高く、食べやすいため、世界中で好まれています。欧米では「一日一個の本種は医者を遠ざける」といわれてきました。
木は落葉高木で、日本の栽培種を放任栽培すると高さは8メートルmにもなります。
花期は4-5月で、白い5弁花が開花します。8-11月にかけて果実が実り、収穫されます。
<リンゴ(林檎) バラ科リンゴ属>
4/17 アンデルセン公園
バラ科サクラ属の園芸品種。江戸時代初期頃から名前が知られています。
東京府江北村(現・東京都足立区)の荒川堤で栽培されていた品種で、真桜の影響がみられる品種です。
ソメイヨシノと同時期に咲き始め、花の時期に緑褐色の葉が出始めます。花柄が短いために、幾つかの花が小さな房のようになります。
<ワシノオザクラ(鷲の尾桜) バラ科サクラ属>
4/17 手賀沼
4月の花のアルバム①~⑧ 全126品種の花、野鳥、昆虫を最後までご覧いただきありがとうございました。
次回は「5月の花のアルバム」を2024年6月上旬に投稿予定です。次回もご覧いただけると、とても嬉しいです。