旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

アクセス特急とハイビスカスの翼と雨宿りの大衆酒場と 成田空港線・北総線を完乗!

2024-03-23 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

オレンジのラインを纏い、シャープで精悍な3100系が、120km/hと120km/hですれ違った。
“アクセス特急” は成田空港と羽田空港を1時間50分で結んでいる。

5つのホームに忙しなく電車が発着する京成高砂駅も、入り口はとっても地味な下町風情の駅なのだ。
この町には夕刻、呑みに帰ってくることにして、今日は北総鉄道北総線と京成成田空港線を乗りたい。

青砥からの複々線を中川にかかるガーダーを響かせて3700系電車が近づいてくる。これは京成電鉄の車両。
京成高砂から成田空港の鉄道は複雑で、4つの鉄道会社が第3種鉄道事業者として線路等の施設を所有し、
北総鉄道と京成電鉄が、第1種または第2種鉄道事業者として路線を運営している。

さらに京成高砂から印旛日本医大の間は両線がダブっていると言うのだから、もう素人には何のことやら。
ややこしい仕組みを理解しようとしていると、各駅停車は新鎌ヶ谷駅に滑り込み、少々停車すると云う。

少し伸びでもしようかとホームに降り立つと、注意を喚起するチャイムが鳴り出した。
轟音が近づいてくる。っと振り向く暇もなく160km/hの猛スピードで真打 “スカイライナー” が飛び去る。

白井駅に途中下車した。豊かな自然が残る閑静な住宅街が広がってる。
この静かな住宅街を歩いて、ちらほらと梨畑が見えてくる辺りに目的の食堂がある。

地産の野菜をふんだんに使った惣菜サラダーと酎ハイレモンを一杯。
菜の花のお浸し、なすと厚揚げの煮物、かぼちゃサラダ、どれも美味しいアテになる。
そして “ピリ辛味噌うどん”、これがまた良い。思わず二杯目のジョッキーを注文してしまうのだ。

満腹を抱えて乗り込む2番手ランナーは、北総鉄道所有の愛称C-flyer 9100形、これもまた斬新なデザイン。
各車両の車端部にはクロスシートがあるから、空いている平日の日中なら車中酒ができるかもです。

時計塔とドーム屋根が印象的な駅舎は印旛日本医大駅、北総鉄道北総線の終着駅である。
千葉ニュータウンに位置するこの駅舎のデザインテーマは「都市と田園の共生」なんだそうだ。

多くの列車がこの駅で折り返すから、次の成田空港行きまでは40分の待ち合わせ。
ショルダーバックに忍ばせていた新書で時間を潰すうちに、オレンジのラインの8両編成が駆け込んでくる。

印旛日本医大から先は京成成田空港線の単独路線。水鳥が遊ぶ印旛沼を眺めて、成田空港までは所要15分。
成田空港駅のきっぷ売り場はJRも京成も長蛇の列、この辺りが訪日旅行の最初のボトルネックだろうか。

折角だからと展望デッキに上ってみた。赤い翼に混じってハワイアン航空のA330が駐機中。
ハイビスカスを飾ったPualaniさんの横顔に、久しぶりにハワイで羽根を伸ばしたいと思うのだ。

京成高砂まで戻ってきた。突然降り出した大粒の雨に追われて、今宵は南口の大衆酒場に駆け込む。
カウンター6席、テーブル4卓の完全なるローカルな店、ジョッキまで冷やした生ビールのレベルは高い。

コロッケのような分厚い “ハムカツ” がジューシーで美味い。ボクの好きな “たぬきとうふ” は箸休めに。
並びに座ったご常連お二人の消防団談義を聞きながら、“白ホッピー” を軽く2度ステアする。

ナカをお代わりしたら “豚バラ生姜漬け焼き” を焼いてもらう。これがまた絶品。
っと雨雲レーダーを眺めていたら、10分後にちょっとだけ雨が止みそうだ。この機会は逃せない。
雨宿りの大衆酒場で〆る今宵も渋めな北総線と成田空港線の呑み鉄の旅なのだ。

京成電鉄 成田空港線 京成高砂〜成田空港 51.4km 完乗
北総鉄道 北総線 京成高砂〜印旛日本医大 32.3Km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
Voyager / 松任谷由実 1984


ボクも町中華で飲ろう 登龍@新馬場

2024-03-20 | 日記・エッセイ・コラム

品川駅ではやや肩身がせまい感じの各駅停車に乗車して2駅、新馬場駅の高架で浦賀行きを見送る。
階段を降りて品川神社の新馬場参道を東に進むと旧東海道に当たる。品川方面に戻るといつもの登龍だ。

ときおりランチ遠征する大盛りの聖地・登龍、わざわざ休日に訪ねるのは、ギョービーをしたかったから。
小皿の “ピリ辛もやし” を突っつきながら “一番搾り” を呷っていると、ほどよくきつね色の一皿が登場する。
お酢8醤油2をつけて、大ぶりな “餃子” を口に放り込むと、あちちと肉の旨味が溢れて美味しい。

たまに昼から飲んでる商店街の旦那衆が飲んでいた “スーパーチューハイ” を頼んでみる。
ランチメニューにはない “豚肉と茄子の味噌炒め” の濃厚な味に、スッキリしたレモンの果実味が合うね。

〆はお隣さんに倣って “チャーシューメン” を。最近になってこの店は麺もイケることに気付いたボクだ。
登龍でギョービー、ささやかな夢が叶ったのは、4月上旬を思わせる温かな休日の昼前なのです。

<40年前に街で流れたJ-POP>
渚のはいから人魚 / 小泉今日子 1984


成田山新勝寺と北ウイングとシャリキンと 京成本線を完乗!

2024-03-16 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

大きな弧を描いて青砥駅に京成成田行きの快速特急が進入してくる。
スカイライナーのルートを成田空港線に譲って、この快速特急が京成本線の花形だ。

ソメイヨシノに先行して、上野公園前に寒桜が満開だ。
アジア系、欧米系を問わず、相変わらず外国人が多い。映える日本の桜を背景に自撮りに興じている。

コツコツと階段を登っていくと、本来この公園の主役である西郷隆盛が佇んでいる。
こんな穏やかに晴れた休日には、美術館でも巡って、テラスで珈琲を楽しむのも良いかもしれない。

京成上野駅は西郷隆盛の足元に2面4線のホームを持っている。
2番ホームから滑り出したスカイライナー41号の後を追って、快速佐倉行きで京成本線を呑む旅は始まる。

轟音を響かせて江戸川橋梁を渡ると、3700系の8両編成は千葉県に入る。
車窓に見える河川敷の球場には、少年たちが明日の大谷翔平をめざして白球を追いかけている。

京成佐倉に降りたのは初めてかもしれない。駅を背に道路は佐倉城址に向かって登り坂だ。
佐倉城址公園も桜の名所ではあるが、開花まではあと1週間は必要ではないだろうか。
代わりに土塁と生垣の通りに旧佐倉藩士の武家屋敷を訪ねる。凛とした雰囲気が良い。

駅への帰り道で「房州屋本店」という老舗の蕎麦屋さんを見つけて先ずは一杯。
冷酒を舐めながら、山葵をきかせて “そば豆腐” をいただく。そばの実の食感が楽しくもある。 

なめこ汁を従えて “舟せいろ” が登場する。
おろし、なめこ、わさび、と薬味を変えつつ舟形のせいろ一枚を楽しむ。美味しい午後だ。

旅の後半は3000系の8両編成、今度のは快速の成田空港行きだ。
とは云え次の目的地である京成成田まではわずかに10分と少々、それでも成田山には寄らない訳にいかない。

“長命泉” の蔵元を冷やかし、川豊本店から漂う蒲焼の香りを振り切って、成田山の門前に辿り着く。
那羅延金剛(ならえんこんごう)と密迹金剛(みっしゃくこんごう)が睨みを利かす仁王門には真紅の大提灯、
訪日外国人観光客が喜びそうな大提灯には「魚がし」の文字、築地の魚河岸講の奉納出そうだ。

階段を登り切ると、弘法大師が自ら彫ったとされる御本尊不動明王を納めた大本堂、
そして西からの薄日に照らされて、十六羅漢を彫りめぐらせた三重塔の朱が美しい。

アンカーの快速成田空港行きは都営浅草線から乗り入れる5500形、
地下鉄車両とは思えないスタイリッシュなフェイスは、歌舞伎の隈取りを現代風にアレンジしたのだそうだ。

京成成田から成田空港間は1978年の開港に合わせて開通した。
呑み人も仕事柄ここへはずいぶん通った。40余年を経ても変わりなくグリーンのサインは輝いている。

映画のシーンのように すべてを捨ててく airplane
北ウイング 彼のもとへ 今夜ひとり 旅立つ

海外渡航が特別なものであった時代、昭和な呑み人には染み付いた中森明菜の曲だ。
実際、旅人の数だけドラマがあり、その舞台であるのが北ウイングだと思う。

第2ターミナルから無機質な通路を延々と歩くと、東成田という忘れ去られたような薄暗い地下駅に辿り着く。
ここは開業当時の成田空港駅、この駅を起点に芝山千代田駅までを芝山鉄道が、京成成田へ東成田線が走る。

旅の終わりに、芝山千代田から京成成田間を乗り通す。
時間にしてわずか10分の旅、芝山千代田での乗客はエアカーゴ関係にお勤めの方が多いようだ。

市役所通りを跨ぐ開運橋の袂に「寅屋本店」の赤提灯が揺れている。今宵は昭和レトロな大衆酒場で呑みたい。
ここのビールは “赤星” の大瓶、泣けてくるねぇ。磨かれて角がすり減ったカウンターで一人酒だ。

 

“刺身3点盛り” は、マグロ、真鯛、はまち。良いところを切っている、侮れない一皿だ。
傍に春の苦味を纏って “菜の花の辛子酢味噌”、大人のアテって感じだね。これは美味い。

熱々の餡をかけて “蓮根のはさみ揚げ” をいただく。隣の親父さんが食べていたのに倣ってみる。
餡に焼けそうな口に “シャリキンホッピー” を流し込んで美味しい。
そう、キンミヤのシャリキンが飲めるこの店は、すでに呑み人お気に入りの一軒なのだ。

京成本線 京成上野〜成田空港 69.3km 完乗
京成東成田線 京成成田〜東成田 7.1km 完乗
芝山鉄道    東成田〜芝山千代田 2.2km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
北ウイング / 中森明菜 1984


十石舟と金のかっぱと金鵄政宗と 雨水の京都旅

2024-03-13 | 日記・エッセイ・コラム

少し前のことですが、城南宮の「しだれ梅と椿まつり」を訪ねた翌日、ふらりと伏見を歩いた。
十石舟が浮かぶ運河沿いを歩き、寺田屋旅館を覗いて、金色のかっぱと戯れたころ、ほろ時雨。
それではと、冷たい雨が通り過ぎるのを酒蔵小路で雨宿り、ここは伏見十八蔵の酒が楽しめる。

最初に択んだ “金鵄正宗”、五百万石で醸した落ち着いた香りの旨酒だ。アテに “金平柚子風味” が美味い。
“きびなご甘辛煮” を抓みながら二杯目は “花洛”、濃厚な旨みのアテにとろりと生酛づくりの純米酒が合う。
帰りの車中酒に “英勲” を仕込んで、結局呑むばかりの雨水の候の京都旅、そろそろ終わりを迎えるのだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
モニカ / 吉川晃司 1984


Kyoto メトロに乗って 上賀茂神社と枝垂れ梅と玉乃光と 烏丸線を完乗!

2024-03-09 | 呑み鉄放浪記 地下鉄編

国際会館行きの10系電車と近鉄線から乗り入れる3200系電車がツーショットで竹田駅。
満開の知らせが届いて、城南宮の「しだれ梅と椿まつり」を訪ねた。

城南宮を訪ねる烏丸線の旅は国際会館駅から始まる。
八瀬の山々を背景にして、静かな朝の宝ヶ池と京都国際会館はまだ冬の装いだね。

始発の時点ではまだガラガラの竹田行き、席が温まるまもなく2つ目の北山に途中下車。
カフェやブティックが並ぶ北山通りは、なかなかモダンでおしゃれな街並みだ。

開店時間を狙った洋食カフェ「和蘭芹(パセリ)」に、幸運にも空席があった。
せっかくの京都だから、美味しいブランチを楽しみたい。っと地元の人気店を訪ねる。

“ベーコンとモッツァレラチーズのトマトソース オムライス” ってちょっと長い。
とろりとチーズがのびてトマトソースが美味しい。

賀茂別雷神社(上賀茂神社)は山城国一ノ宮、平安京以前から栄えている京都で最も古い神社らしい。
一礼をして二の鳥居をくぐると、細殿の前に二杯の立砂が美しい。立砂は神様が降り立つ際の目印だ。

結構な列に並んで朱塗りの楼門を抜けると、流造りの本殿と権殿が現れる。
厳かに二礼二拍手一礼、今宵も美味しいお酒が呑めますように。

北山駅に戻って烏丸線の旅を続ける。10系電車の先頭車両には伝統産業素材の展示をしている。
 呑み人が乗った編成には京扇子の展示が。紅葉に流水、寒牡丹と秋冬の繊細優美な飾扇子が美しい。

3つ進めて今出川で途中下車。御所の北側に境内を広げる相国寺は京都五山第二位に列せられる名刹。
この日、承天閣美術館では「若冲と応挙」が会期延長中で、とても幸運な訪問になった。

美しいレンガ造の建物「有終館」は1887年に竣工した国の重要文化財。
今出川のランドマークは同志社大学であることに異論はないでしょう。

烏丸線は北大路駅から先、文字通り烏丸通の下を真っ直ぐに南下していく。
御池、三条、四条と頭の上を繁華街が流れていくけれど、この界隈を訪ねるのは暗くなってから。

冬の澄んだ青空を突く京都タワー(131m)、町家の瓦葺きを波に見立て、街を照らす灯台のイメージだそうだ。
烏丸線は京都駅でごっそり乗客を入れ替えて、今しばらく南下を続ける。

京都から駅を3つ数えると、突然に右手から西陽に射られて、3200系は終点の竹田駅に滑り込む。
多分2本に1本はこのまま近鉄京都線に乗り入れてさらに南へと走るのだ。

方除けの大社 城南宮は、雅やかな平安時代の歌会「曲水の宴」を再現することで知られる。
今頃は「梅が枝神楽」の季節、梅の花を冠にさした巫女が梅の枝を手に神楽を舞う。

「しだれ梅と椿まつり」を迎えた春の山で、150本の薄紅や紅や白が枝垂れて春の訪れを告げる。
今回のボクは、枝垂れた梅より苔むした庭に注目、真紅の “落ち椿” や薄紅を散らした梅の花弁がキレイだ。

夜の帳が下りる頃に四条駅を降りて高辻東入ルると酒粕レストランがある。
箪笥製造卸を営んだ京町家をリノベーションした店は、伏見の玉乃光酒造が営む酒粕おでんと一品料理の店だ。

結論から言うと、どの料理も美味しいご機嫌な店だった。次の機会にも必ず訪ねたい。
一杯目は “CLASSIC” と名付けた生酛系の純米吟醸酒、酸味と旨味がいい。
“酒粕ポテトサラダ” と “トマトとツナの丸ごとサラダ” を並べてご機嫌なのだ。

金継ぎを施した洒落た片口にフレッシュな “なまざけ” を注いでもらう。
“プルーンと酒粕クリームチーズの生ハム巻き” に、ワインの様なフルーティーな味わいを合わせる。
一転して “鯛の酒粕なめろう”、これは次の一杯に合わせようか。これは旨い肴だ。

“鰤の酒粕味噌柚庵焼き” に “京都ポークの酒粕味噌柚庵焼き” と柚で攻める。これ酒粕に合うね。
“杜氏しか飲めない•••” と謳った雄町の純米吟醸酒は、賞味期限1週間の搾りたての無濾過生原酒。
つまり、ここに来ないと飲めないってことね。これは飲んでおかないと。

最後に “酒粕おでん” を盛り合わせてもらう。味噌と酒粕を合わせた出汁がとろりと美味しい。
この華やかなラベルは京都産の酒米「祝」で醸した純米吟醸、酸味と旨みがバランスした優しい酒だ。

そしてボクはこの “純米吟醸 祝” を土産に抱えて三条烏丸辺りのホテルへほろ酔いで戻る。
さすがは京都、烏丸線の旅は美味しい旅なのだ。

京都市交通局 烏丸線 国際会館〜竹田 13.7km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
くちびるヌード / 高見千佳 1984


Biz-Lunch 明治軒@心斎橋筋「エビフライ&ポークカツ」

2024-03-06 | Biz-Lunch60分1本勝負

大阪に出張したら、一度この店を訪ねたいと思い、雨の中を長堀通を越えて心斎橋筋を歩きて来た。
磨き抜かれたテーブルと長椅子が老舗を物語る。創業は昭和元年なのだと云う。

当然ながら名物オムライスを食べに来たのだけれど、急遽、ホワイトボードの “サービスランチ” に変更。
熱々の “ポークカツ” がケチャップソースで美味しい。どこか懐かしい感じがする。
大阪の “エビフライ” って、エビを開くの?アジフライの形をしているね。
このホクホクをタルタルソースをたっぷり付けて頬張る。これもいいね。

引も切らない席待ちの列を年嵩の姐さんがテキパキと捌いて、地元の方も観光客も美味しい洋食を楽しむのです。

<40年前に街で流れたJ-POP>
微風のメロディー / 尾崎亜美 1984


Osaka メトロに乗って 柑子色の電車と串揚げ酒場とふたり大阪 今里筋線を完乗!

2024-03-02 | 呑み鉄放浪記 地下鉄編

今里筋線の路線図を見ると興味深い。大阪市街の東端を舐めるように南下し都心部に向かうことはない。
さてと今宵の一杯はどこでやるのか考えものだけど、まずは考えるより先に旅に出たい。

市営住宅が立ち並ぶ雨上がりの井高野に、ど派手な柑子色のゲートが口を開けている。
革靴をコツコツ鳴らして長い階段を降りていくと、これまた柑子色のラインを引いた80系が待っている。

なんと可愛らしい。15m×4両のミニ地下鉄は、まるで遊園地の乗り物か?と言ったら言い過ぎか。
たぶん都営大江戸線や仙台市地下鉄東西線と同じようなサイズだと思う。

都心に入らない今里筋線の沿線いは観るべきランドマークは少ない。
関目成育駅から徒歩10分、訪ねた野江水神社は水火除難の守護神、淀川の氾濫に悩まされた土地柄か?
旧京街道に絡む太子橋今市から関目成育の間は、じっくり歩いてみると楽しいかも知れない。

柑子色の4両編成は23分かけて今里駅に終着し、ここで千日前線と接続する。
今里筋線は都心に乗り入れない代わりに「いまざとライナー」というBRTシステムが阿部野橋へと走る。

そして呑み人は、東成しんみちロードへと紛れ込む。
訪れたのは午後8時過ぎだから、果たしてこの商店街が賑やかなのか廃れているのか分からない。
ふらふらとシャッターが降りた狭いアーケードを進むと、串揚げと描かれた白い提灯が揺れている。

髭の大将と笑顔の素敵なお嬢さんに迎えられて、「のすけ」は15〜16席のコの字カウンター。
ご常連で埋まるこのローカルな居酒屋の暖簾を潜るには、少なからず勇気を振り絞る。
先ずは生ビールと “刺身盛り合わせ” で。ワサビたっぷりに “水たこ” が美味しかったなぁ。

ご自慢の串揚げも “おまかせ五本盛り”、タラ白子から始まって、黒毛和牛ハネシタ、豚肉ヘレ、
下仁田ネギ、それに燻製合鴨ロース粒マスタード。どれも美味しい。
大将が勧めてくれたのは “日日 山田錦”、優しく甘い香りの伏見の生酛が串揚げにも相性がいいね。

“浪の音” は大津の酒、これも大将に勧められた超辛口の生原酒、旨味とキレがいい感じだ。
“おでん” は、これは珍しい春菊、それに厚揚げとこんにゃく。冷たい雨の夜に温まるね。

はじめましての街角のローカルな居酒屋で、ひとり旅情に浸る呑み人なのです。

大阪市高速電気軌道 今里筋線 井高野〜今里 11.9km 完乗

ふたり大阪 / 松浦亜弥


Biz-Lunch 味万本店@心斎橋筋「きつねうどん」

2024-02-28 | Biz-Lunch60分1本勝負

本町から心斎橋筋商店街を下って、ちょっとレトロな「味万本店」を訪ねる。
なにがレトロって、店内の有線放送は、なぜか童謡が流れている。

実は一昨日、大阪オフィスの社員に案内されて、とにかく “カレーうどん” が美味しかった。
っで、大阪らしい “きつねうどん” を食べようと、この出張で二度目の訪問、開店時間の11:00に飛び込む。

着丼した “きつね”、真昆布やら鯖節やら出汁を利かせた澄んだつゆ、甘辛く煮たふんわりと油揚げが旨い。
パリッと海苔で巻いた “天むす” が、塩の加減も絶妙に、これまた美味しい。

さすがに食い倒れの街は、ランチは安くて美味しい。午後への活力も湧く大阪の Biz-Lunch だ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
つぐない / テレサ・テン 1984


Alta Velocidad Española

2024-02-24 | 呑み鉄放浪記 番外編

バルセロナ・サンツ駅、07:00発、AVE3270に乗車してマドリードへ向かう。
"Alta Velocidad Española" は、バルセロナ〜マドリードを2時間30分で結ぶ、スペイン国鉄が誇る新幹線だ。

サグラダ・ファミリア聖堂、グエル公園、カサ・ミラ、と世界遺産となったガウディ建築を訪ねる。

午後はサン・ジョセップ市場を冷やかす。世界遺産よりむしろこちらが興味深い。
果物や野菜、ハムにソーセージ、魚介類、あるいはチーズやナッツの店を覗いたら
市場内のバルでタパスをアテにCavaを愉しむ。っと漸くスペインにやってきた実感を味わう。

ホテルはバルセロ・サンツ、宇宙船をイメージしたモノトーンな客室がクールだ。
ターミナル・サンツ駅真上のホテルは、明日の便が早いから絶好のチョイスだった。

改札と荷物のX線検査を通ったら、ラウンジでプシュッとセルベッサ。
横に2+1席と並んだ1等車の革張りシートに身体を沈めたらオムレツのサービス。白ワインの小瓶を開ける。

市街地を抜けたAVE3270は徐々に速度を増して、やがて300km/hに達する。揺れもなく、すこぶる快適だ。
荒涼とした丘、オリーブの林、牧草地と羊たち、ときおりひまわり畑を眺めながら2時間30分、
やかて列車は音もなくアトーチャ・セルカニアス駅に滑り込む。文化と芸術の都マドリードに到着。
午後はプラド美術館へ、着衣のマハ、裸のマハに会いにいくつもりだ。

Barcelona-Sants 〜 Estación de Cercanías de Atocha 完乗

Just a Joke / 国分友里恵 1983


Biz-Lunch 兆峰@大塚「ポークソテー」

2024-02-21 | Biz-Lunch60分1本勝負

池袋のランチ漫遊もとうとう北大塚の住宅街まで出掛ける。池袋オフィスの仲間に教えてもらった。
都電の巣鴨新田停留所が近いかな。今は山手線を跨ぐ西巣鴨橋が架け替え中で、車も通らず静かな佇まい。

初めましてのメニューは “ポークソテー定食” を択ぶ。
ボリューミーで肉厚な豚肉は、よく火が通っているけれどジューシーだ。なかなかの腕前とお見受けした。
そして惜しげもなくかかるデミグラスが絶品、柔らかなポークにたっぷりつけて口に放り込む。これは美味い。

看板には Restaurant とあるけど町中華の趣、洋食も中華も和食もあってカオスな世界。
でも美味しいから、この節操のないラインナップも歓迎なのだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
Tendernessを抱きしめて / サーカス 1984


亥鼻城と千葉寺とモツ焼きの大衆酒場と 京成千葉線・千原線を完乗! 

2024-02-17 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

前照灯を煌めかせて、外房線と並走して3500系の4両編成がやってきた。
京成線は千葉中央駅を境に千葉線と千原線が走っている。この駅を降りたら昼呑みを楽しみたい。

日暮里で成田空港行き快速特急に飛び乗って30分、京成津田沼までやって来た。千葉線はここから分岐する。
歴史的には成田へ向かう本線より先に開通し、戦前は海水浴や潮干狩りの行楽客で賑わったという。

行き先表示に「千葉中央」を光らせて、5番ホームに新京成の8800形電車が入ってきた。
日中は新京成線の車両が千葉線に乗り入れて、松戸〜千葉中央間を直通運転している。

千葉にお城があった?
県庁東側の猪鼻山は北側を都川が洗い、西側は断崖となった天険の要害、平安時代に千葉氏が居館を構えた。
ここを亥鼻城(いのはなじょう)というが、歴史的にはあまり意味のない模擬天守と千葉常胤像が建っている。

亥鼻公園の最寄りは千葉中央駅、千葉線の終点であり、新京成の車両が乗り入れるのもここまで。

かつて千葉の花街であった蓮池から西に外れた辺りに昼飲みの大衆酒場が暖簾を揚げている。
どうやらキンミヤ焼酎が飲めるらしい。もつ煮・モツ焼きの「まるは」に、もつNGの呑み人が突入する。

なんだか遠慮がちに光量を落とした店内なのだが、すでにご同輩たちで8割方の席が埋まっている。
カウンターの最奥に席を占めて見回すと、いやいや結構若いカップルも杯を重ねているね。
まずはキリンラガーを、それからお急ぎの “マカロニサラダ” と “まぐろ納豆” で始める。

揚げ物は “とうもろこしかき揚げ天” と “紅しょうが天” を択んだ。
この色合いの対称と、甘さと酸っぱさの対称が楽しい。そして推しの “徳島産生すだちサワー” が爽やかだ。

三杯目は徳島から紀淡海峡を渡って “紀州梅サワー” をいただく。あと “ねぎま” を2本ね。
昼下がりの街で一杯を楽しんで小3枚、いい感じだね。立体マスクを耳に掛けたら千原線に乗ろう。

千原線はもともと第三セクターの千葉急行電鉄の路線を京成電鉄が引き継いでいる。

Z世代の3000形電車が6両編成で入って来た。
京成津田沼から10分毎の電車の半分は千葉中央止まりだから、この先は20分に1本と少しだけ寂しくなる。

近代的な装いの千葉寺駅に降りてみる。千葉寺って?ちょっとした好奇心なのだ。

千葉寺(せんようじ)と読む。駅からは徒歩10分、緩やかに坂を登っていくと、突如として仁王門が現れた。
709年(和銅2年)、この地を訪れた行基が十一面観音を安置したのに始まり、その後千葉氏の勅願所となった。

千葉寺には、江戸時代に「千葉笑」という奇習があった。
面や頬かむりで仮装した民衆が大晦日に集い、権力者の不正などを罵り合い、笑って年を越すのだと言う。

千葉寺や 隅に子どもも むり笑い とは小林一茶。 

鉄路は、おゆみ野・ちはら台のニュータウンの端をかすめて、終着駅にわずかな乗客を降ろす。
その先、小湊鉄道の海士有木まで至ると言ういつ叶うとも分からない夢に向かって、少しだけ南に延びている。

京成電鉄 千葉線 京成津田沼〜千葉中央 12.9km 完乗
京成電鉄 千原線 千葉中央〜ちはら台  10.9km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
星空のディスタンス / THE ALFEE 1984


Biz-Lunch きょうの登龍@旧東海道・品川宿「味噌ラーメン」

2024-02-14 | 日記・エッセイ・コラム

旧東海道の荏原神社に寒緋桜が満開になっている。紅色の花弁を揺らしてメジロが遊んでいる。

そしていつもの登龍、今日は “ミソラーメン”、そう言えば初めて択ぶメニューかも知れない。
炒めたモヤシや野菜をたっぷり載せて着丼、思い切って豆板醤をトッピングする。
レンゲでスープをひと口、旨いねぇ。
決してキレイに割れたためしがない安っぽい割り箸を駆使して、麺を大掴みにズズッと、悪くない。
縮れた細麺にスープが絡んで美味しい。豆板醤が溶け出して味が微妙に変わっていくのも楽しい。

いつも大盛り御免のご飯ものばかりだったけど、約10年の時を超えてラーメン系が美味いことを知った。
メニューの麺類を上から上から試してみようか。くだららない独り言を呟いて、午後のオフィスに戻るのだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
涙のリクエスト / チェッカーズ 1984


木根川橋とせんべろの聖地とトマトのおでんと 京成押上線を完乗!

2024-02-10 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

精悍なマスクの3700系がホーンを響かせて疾走する。都営浅草線を越えて長駆久里浜まで駆け抜ける。
晴れ渡った連休初日は、先週に引き続き、京成電鉄の短い旅を楽しみたい。

北十間川にその姿を映して銀の尖塔が空を突く。
押上線は東京ソラマチの地下から、住宅や町工場が密集する下町を掻き分け、青砥で京成本線に連絡する。

羽田空港と成田空港を結ぶルートを担う押上線、多くの特急・快速が途中駅に止まらずに爆走する。
成田空港行きのアクセス特急を1本やり過ごして、ボクは青砥行き各駅停車に乗り込むのだ。

ひとつ目の京成曳舟駅を越えたあたりで擦れ違った羽田空港行きは、京浜急行の紅い1000系電車だ。

木根川橋から 水道路抜けた 白髭神社の 縁日は🎵って、さだまさしが歌っていた。
昭和な呑み人にはストライクゾーンの曲、歌詞の情景を探し求めて四ツ木駅に途中下車してみた。

白髭神社、区立中川中学校、木根川薬師、銭湯を巡って下町散歩。
歌詞が描かれた頃にはなかった東京スカイツリーと木根川橋の夕景を切り取る。

その木根川橋を下流に見て、赤と青のラインを引いた8両編成が、轟音を立てて荒川を渡る。
やがて各駅停車は “せんべろの聖地” 京成立石に滑り込む。

宇ち多゛栄寿司、ミツワと名店が並ぶ仲見世通りだけど、“もつ” が食べられないボクはすごすごと退却。
線路脇の小道を四ツ木方面に戻ると、橙の暖簾が揺れているのが目的のおでんの店「二毛作」なのだ。

ちょっと立石っぽくないムードの店は、コの字カウンターに選りすぐりの日本酒を並べて午後2時に開く。
暖簾を潜って人差し指を示すと、端からふたつ目の席を案内される。隣は韓国から留学してきた男の子。
なんでこんなに詰めさせられるの?と思ったけれど、10分もしなういちに18席がぎっしりと埋まるのだ。

最近のCMは芳根京子さんに代わりましたね、まずはマルエフを一杯。
高知県は宿毛に揚がったウスバハギ、ミズダコ、ぶり、かつお、を並べて “刺盛” が美味しい。

隣の男の子に倣って、白身魚のすり身を揚げた “下町フライ” にレモンを絞る。
9号酵母で醸した “るみ子の酒” は、すっきりとした特別純米酒、三重県は伊賀の酒だね。

おでんは “とまと” と “ロールきゃべつ”。お店の代名詞的な “とまと” が、いい味を出している。
青ラベルの “いずみ橋” は山田錦の純米吟醸酒、口当たりの良い辛旨口は、出汁が利いたおでんによく合う。

“せんべろの聖地” 京成立石を後にした各駅停車は、住宅や町工場を見下ろす高架を駆け上がる。
夕暮れの茜の中、左から京成本線が近づいて来ると、短い押上線の旅は終わるのだ。

京成電鉄 押上線 押上〜青砥 5.7km 完乗

木根川橋 / さだまさし 1979


Biz-Lunch 長寿庵@大塚「かつ丼そばセット」

2024-02-07 | Biz-Lunch60分1本勝負

スーツの前を合わせて大塚駅前まで歩いてきた。シャーベット状の雪に足を取られないよう慎重に。
赤い看板のその店はこんな日でも盛況だ。それに客層は案外と若者も御婦人も多いのだ。

今週のランチから “かつ丼そばセット” を択んだら、熱いお茶で一息ついて着丼を待つ。
角盆にフルサイズの “かつ丼” と小丼の “かけそば” が登場って、なんだか想像していたのと逆だなぁ。

七味を振ったら、ワカメと一緒にそばを大掴みにズズっと啜る。美味い。
そしてこの小丼、そばがぎっしり。何というかトランジスターグラマー。なるほど若者も通うわけだ。
蕎麦つゆを傍に、三つ葉の風味とともに、この “かつ丼” も出汁が効いて旨いね。

満腹を抱えてオフィスに戻る。大塚にまた一枚手札ができて、ちょっと満足のランチタイムだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
白いハンカチーフ / 堀ちえみ 1984


帝釈天と老舗の葛餅と剣菱の小瓶と 京成金町線を完乗!

2024-02-03 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

旧水戸街道の高架道路をくぐって、赤いラインの4両編成が京成金町駅に入ってきた。
節分の休日は真っ青な冬晴れ、それではと、金町線の短い旅をしようと下町の駅に降り立った。

京成金町駅は雑居ビルの1階にぽっかりと改札口の穴を開けている。
JR金町駅を背にして駅前広場を見渡しても、案内表示なしでは容易に見つかりそうにない。

わずか2.5kmの路線の唯一の中間駅だけが複線になっていて、上り下りの電車が交換する。
この短い金町線ではあるけれど、4両編成で車掌が乗務しているから、相当の乗降客があるのだろう。

その賑わいの背景の一つがこの中間駅にあるのは間違いがない。
柴又駅の案内板にはお馴染みのシルエットが描かれている。そう、柴又駅はフーテンの寅さんのふるさとだ。

帝釈天参道で上下姿の一団に出会す。ここで初めて今日が節分であることに気づいた。
ちょうど二回目の節分会の時間に当たって、参道は初詣のような人出になっている。

 唐破風と千鳥破風を飾った楼門(二天門)が見えてきた。
寺男の源公(佐藤蛾次郎)が掃き掃除をする静謐な帝釈天の雰囲気はなく、今日の境内は善男善女が埋め尽くす。
やがて豆まきが始まると老いも若きも歓声をあげる。一際大きなまき手は、元関脇旭天鵬だ。

帰りの参道で髙木屋老舗に潜り込む。雰囲気だけは味わいたい。
熱いお茶にホッとひと息ついたら、黒蜜と黄な粉をたっぷりかけて “くずもち” を味わう。
っと柱の振り子時計が鐘を四つ鳴らした。そろそろ飲みに行っても良い頃だろうか。

夕暮れの柴又駅、“寅さん” と一緒に旅に出る。とは言っても京成高砂駅まではわずかに2分。
寅さんの視線の先には、エプロン姿の “さくら” が弱々しい冬の夕陽を浴びて立っているね。

測ったように上り下りの電車が交換する。やや高砂方面からの入線が早い。
家路に向かう降客と、帝釈天を訪ねた乗客を入れ替えて、4両編成はそれぞれ高砂と金町をめざす。

鉄路の東側では江戸川が音もなく東京湾へと流れていく。
呑み人が土手に登った頃、泥だらけのユニホーム姿の野球少年たちが、自転車で流れを描いていた。

赤いラインの4両編成は、左手に電車庫が見えると、するすると高架に上って行き止まりの5番線に終着する。
吐き出された4両たっぷりの乗客は、整然と京成本線ホームへのスロープを下っていった。

カンカンカンと警報音を響かせる開かずの踏切をやり過ごして、暖簾が掛かったばかりの高砂家へ。
魚や野菜が並ぶ奥行きのあるカウンターに丸イスを並べて、なかなか趣のある店なのだ。

やっぱり “生ビール” で始める。“まぐろ納豆” はブツではなく切り身でちょっとびっくり。
トンカツのように揚げた “ハムカツ” はボリュームたっぷり、辛子とマヨネーズをブレンドして美味しい。
二杯目からは “ホッピー黒” を。この店はカウンターのお母さんが作ってくれる。

小鍋で煮てくれる “肉豆腐” は、胡麻油が効いてなかなかの逸品、汁まで美味しい。
お酒は “剣菱” の一択、サンデシ瓶なのは店の女の子が注いでくれるから、ちょっとご機嫌だね。

ローカル線の雰囲気たっぷりに金町線に乗って、柴又を訪ねるのは、ちょっと遠出をした気分になる。
ガタゴトと行き交う電車の音を聞きながら、下町情緒の酒場で杯を重ねて、金町線の旅が楽しい。

京成電鉄 金町線 京成金町〜京成高砂 2.5km 完乗

男はつらいよ / 渥美清