むすんで ひらいて

すべてが帰着するのは、ホッとするところ
ありのままを見て、気分よくいるために

Mail of the midnight

2012年05月29日 | こころ
今日は、東京にいます。
からりと晴れて、暑いくらいのすがすがしいお天気ですが、午後から雷雨のおそれ
だそです。

昨日も、夕方30分くらい、洗車機の中にいるような雨で、辺り一面が銀ねずみ色に
一変しました。

お天気も、何か訴えたいこと、あるのよね



日曜日に、 「ミッドナイト・イン・パリ」  という映画を観てきました

1920年代のパリにあこがれている主人公が、真夜中の12時に通りかかる車に乗って、
当時にタイムトリップ。

しかしそこでも、自分と同じように、さらに過去にあこがれている人たちに出会い、
きっと、人はいつも、今ここにない幻想に魅かれてるんだ。と気づきます。

一方、当時の、尊敬する芸術家たちと交流するうち、じぶんが本当に求めて
いたものにも目覚めていきます。

すると、これまで無難な道を選んできた主人公の周りの人間関係も、様相を変え始めます。

そこには、ショックやさみしさを伴う別れも生じることになるのですが、
映画全体を観ていると、それは、世界が調和するための動きだから、そんなにかなしみに
浸ることもないんだなぁ。と、思わされます。

じぶんの向かいたい方向さえつかめていれば、やってくる出来事に、不用意に
心のエネルギーをとられなくて、だいじょうぶ。
そんなメッセージに、強さをもらえた気がしました。



その夜、家に帰ってから、
「おや。きっと、わからないことを心配してしまうのも、あの、あこがれを
追い求めるのに似て、今ここでないものに意識が向いてるからね。」
と、思うことがありました。

数日前、いつもは返信マメな友人にメールを送っていたのですが、いつになく返事が
ないので、どうしたのかな?と思っていました。

近況に、少し気にかかることもあったので、以前なら、あれこれ取り越し苦労して
しまっていたかもしれませんが、今回はそのまま、ニュートラルな状態を心掛けて
みました。

と、それにも慣れてきたこの晩遅く、仕事の状況がやっと落ち着いたと言って、
調子のよさそうな返事が届きました。

「よかった。」と同時に、「そっか。これでいいんだ。」と、風にのせた答えが返って
きたような気がしました。

大事だと思っていること、自分のこと、今までと違う変化。なんかになると、知らない
うちに力が入って、遠のいて見たら、合理的じゃなかったなぁ。と思えるような、ちょっと
こっけいな思考にはまっている時があります。

クセになっている思考回路に潜って、いつもと違う捉え方を試せたら、もっと快適な、
新しい世界へのパスワードを見つけられるかもしれませんね


そんなわけで、
今いる場所を、心配や、あこがれの反動でむやみに否定することなく、「ここ」に
あこがれの境地を重ねて生きていたい。と、思うのでした。




東京の、近所の沖縄料理店の店先。
ただいま、あじさい(左)も準備中。



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雨も 夜も またよろし (つづき)

2012年05月19日 | 旅行
おととい、裏山の竹林散策コースを歩いていたら、そのままブローチにしたいくらいステキな、緑→黄色→オレンジのグラデーション木の葉を見つけました。

やっぱり晴れた日は気持ちいいなぁと、普段はあまり飲まない炭酸飲料を手に、しゅわっと初夏を感じていたら、夜になって「ごろごろ、どど~ん!」と、雷雨に、一転ひんやり。

お天気も変化に忙しい近頃、こころは、おだやかであれますように。


さて、横浜の山下公園に来ると、いつも立ち寄るカフェがあります。
それは、初めての一人旅で、横浜にお嫁にこられたピアノの先生を訪ねた13歳以来のこと。
ここから眺める公園通りが好きで、一時期は毎月、友人や家族と来るようになりました。

うららかな陽気に、のんびり行き交うひとたちと停泊中の船の光景は、伸びやかな心地にさせてくれますが、この3日間の滞在中はいつになく、雨の日や、人のいなくなった夜の港の表情にも、しっとり親しみを感じました。




新緑のいちょう並木。


左上に写る、大さん橋国際客船ターミナルに停泊中の船から、時折「ボーッ」と汽笛が響きます。




夜、バルコニーに出ると、右手にベイブリッジ、左手にみなとみらいの観覧車が幻想的に
ライトアップされ、うっとりな眺め。




カーテンを開けたまま、友人に薦めてもらい読みかけにしていた「バーブシカの宝石」という本を読みました。
その中で、著者の入江麻木さんが、今から70年前にロシア人のご主人と結婚され、横浜の山手に住まれてからの暮らしを情緒豊かに綴られています。
当時の山下公園の描写などが出てくると、思わず時空が溶け合って、作品の魅力的な世界に思いを馳せました。


お料理の好きな、著者の義理のお父さまのことばには、とても印象的なものがあったので、一部引用させていただきます。

「料理をする時は、笑いながら楽しく作らなくてはいけない。
そうでないと、できあがったものはまずくて苦いのです。」

「料理は材料を選ぶこと、心をこめること、手を加えすぎないこと、火のご機嫌をとることが大切。」

あれから、毎日のいろんな場面で、そうそう。と、このことを思い返しています。

これはおまけですが、引き込まれて読みすすむうちに、愛情たっぷりに描かれている作者麻木さんのお嬢さまの誕生日が出てきました。
どこかで見たことのある数字。と思ったら、わたしの誕生日と同じだったので、少しうれしくなりました。

横浜の奥行きが、また増したように思えます。




お昼間、おにぎりやサンドイッチを食べるひとたちで賑わっていたベンチ。



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雨も 夜も またよろし 

2012年05月17日 | 日記
こんにちは。

雨がしとしと続いた後の五月晴れで、太陽をたっぷり浴びた生きものたちが、日に日に緑を深めています。

先日の雨の夜、軒下に座り、立ち込める土と緑の匂いをいっぱいに吸い込んで、葉をうつ静かな水音を聞いていました。
そうしていると、じぶんがどんどん透明になっていく気がします。

翌朝起きてみると、庭のあちこちで満開を迎えたバラとその葉一面に、雪が積もるように水玉が積もってきらめいています。

それは、ガラス細工じゃないかしら。と目を疑うほどの輝きで、
「ああ、これならだいじょうぶだ。」
と心の声が聞こえたので、思わず「なにが?」と、じぶんで聞き返してしまいました

きっと、こういうきれいなものが、さりげなくわたしたちの生活の中にあれば、いろんなことがあっても、
「よくなるちからは、ちゃんと自然に秘められている」
と、不変のものを確かめた気がしたんでしょう。


そして、前日よりますます濃くなっていたのは、ここ数日風に漂っている、あま~く、さわやかな香りでした。

元をたどってみたら、わたしが小学校に上がった記念樹の、夏みかんの木。
そこに、粉雪が舞ったように白いちいさな花がたくさん咲いていて、間を、ハチや、黒地に宝石をあしらったような美しいチョウが、飛び交っていました。



この2月、ダンボール箱に3箱採れた夏みかんは、まだ倉庫にいくらか寝かしてあり、甘みのなじんだ果実を毎日いただいています。
もう、木は、次の実りのサイクルに入ってるんですね


こちらは、なくなった母が10年前に梅酒を漬けた梅の木です。
今年も実がつき始めました。
そうだ、まだあの梅酒、キッチンの床下にしまってあったから、今夜ゼリーを作ってみよう。



梅の実、見つかるかな?


身近な世界に、今まで気づかなかった良さや奥行きを見つけておどろく毎日ですが、ゴールデンウィーク、カウンセラーの先輩せんせいにお会いしに、大好きな横浜の山下公園に行った時も、そこにまた新しい一面を発見することになりました。

そのお話は、また次回に。



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六ぴきの こぶた

2012年05月11日 | 日記
雨上がりの庭に、バラが咲きました。



携帯のカメラなので、陽射しが強くて白っぽく写ってしまいますが、実物は、オレンジピンクの蛍光灯がポッと灯ったような華やかさです。





咲き始めのこちらも、実物は真紅のビロードのような光沢。
満開時は、グレープフルーツくらいの大輪を、親株・子株・孫株たちが、緑の中に浮かび上がらせています。




写真を撮って携帯から目を離すと、パラシュートそっくりなタンポポの綿毛が、西日にのってふんわり目の前を降りていきました。


こちらは、6日ほど前の菜園。
(上)左の水菜、真ん中のスイカ。 (下)右の三つ葉。
今日は、もう1.3倍くらいの大きさになっていて、その成長にびっくりしています。






ジーっと虫の鳴き始めた夜の庭では、太陽の勢いを引き継ぐように、植物たちが生き生きし始めます。
お昼間ゆるりと立って、ちょうちょを遊ばせていた「ねぎぼうず」(ねぎの茎の頂に、球状についた白い小さな花)たちも、ピーンと背すじを伸ばします。

風も音も止んだ月明かりの下、はちきれそうにみずみずしいねぎのお腹を、畑の端から端まで指の背でなでていったら、ぼろろろろん。と、今にも音が生まれてきそうです


さぁて、それではここで、箱根シリーズ最終話「偶然?のマグカップ」のお話しをしようと思います。

4月21日の記事に、ピクニックに出かけた公園で、ぶたの赤ちゃんが6ぴき生まれていたことを書きました
初めて見る、前日生まれたばかりの柔らかそうなあかちゃんたちに、かわいいなぁと感動したあの日から、一週間。

箱根も最後の日の朝、ホテルのお土産屋さんに入ると、まっ先に目に留まったのが、コーヒードリッパー付のぶたさんマグカップでした。



買ってきたホテルブレンドを淹れ、テラスでゆっくり眺めていると、おとうさんぶた、おかあさんぶた、その背中にひょっこり、こぶたが1ぴきのっかって、続いて2、345と重なって、最後に、(写真では赤い鼻だけかすかに写ってる)6

ここでも、6ぴきのこぶたたちに出会いました



偶然かな?
今、毎日このカップでコーヒーやお茶を淹れていますが、心に触れたものって、かたちを変えて
ふしぎとつながってるように感じます。


そういえば、もうひとつ、こんなこともありました。
箱根の山を車で降りてくる間ずっと、前には空色の小型ショベルカーを積んだ軽トラックが走っていました。
「こんな、小さくてきれいな色のショベルカーもあるんだぁ。
だけど、高さはあるし縛ってないから、カーブが多いけどだいじょうぶかな。。
まぁ、バケットはうまく(荷台に)収まってるし、気をつけて走ってるんだろうから、だいじょうぶかぁ。」

と、何気なく目を掛けていましたが、そのうち景色に気をとられ、街に近づく頃には、いつの間にか見当たらなくなっていました。

それから、20分くらい経ったでしょうか。
御殿場インターから高速に入り、10分くらいきた辺り。
前方に陸橋があり、一般道が通っていました。
助手席で話していてふと目に入ったのは、そこを、さっきの軽トラックがスーッと横切っていくところでした。


湖が夕陽に映えるまで山歩きを楽しんだ、ふくふくな旅の帰り道。
なんだか、あのかわいいいショベルカーに、「またね。」と、見送ってもらった気がしました。



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縁があれば

2012年05月05日 | 旅行
こどもの日、鯉のぼりのよく似合う陽気です。


昨日みどりの日は、風が強くて、空の青とかげりない雲の白さが、さえざえとした一日でした。

何度も麦わら帽子を飛ばされそうになりながら庭の畑を拡張し、苺に三つ葉にフルーツトマト、チェリートマトに紫蘇を植え、パセリとにんじんの種を蒔きました

作り始めると楽しくなって、どんどん野菜畑が広がっていきます
今までは、実家で育ててもらっていたものを、夏に帰省して収穫するくらいだったのですが、今年から東京と名古屋を行き来することが多くなり、土作りから参加してみると、ちょっとした手入れと関心で育ちに大きな差が出ることを知り、「奥が深いなぁ。」と、おもしろくなってきたのです。

愛情は、かけたぶんだけ、たとえ時間がかかったり、いろいろ曲がりくねっても、いつか豊かな実りにつながる。と、思えてきます。


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さて、前回のつづき、「湖畔のテラス」は、3年くらい前から
「あの席に座ってみたいな~」
と思っていた角席のある、芦ノ湖に張り出した湖上のカフェテラスです。

というのも、前々回来た時は、まだ戸外でのんびりするには肌寒く、前回は雨ふりで、「いつか。」と通り過ぎてきたのです。

そして、今回はちょうどいい気候でしたが、行ってみると土曜日のお昼下がりで満席。
それなら、ちょっと湖畔の石畳を散策して、お腹は減ってるから、戻ってきた時空いてる席に、どこでもいいから座ってしまおう。と、すぐ近くのつり橋まで歩き、ぐらんぐらん。と揺れながら湖を眺めて、帰ってきました。

お店を離れる時、かたわらで家族が、
「戻ってきたらあいてるから、だいじょうぶだよ~
と、妙にのほほんと笑うので、
「ほんとかしらん。」
と運任せにしましたが、ほんとに。

着いてみたら、立て続けにテラス席が3つ空き、あの、とっておきの席に、とうとう座ることができました

のんきが一番、かな



イチゴの左上、手漕ぎボートから、きれいなピンクのジャケットを着た外人女性がふたり、楽しそうに写真を撮っていました。
ランチセットのデザートと。




対岸線と重なる、中央やや右上の細長い影は、「海賊遊覧船」
船の前方に集まった人たちが、そろって風を受け、向かう先を見渡していました。




釣り人が、バランスよく立って、竿をたらしています。
何隻かやってくるので、どれどれ。と、テラスの下を覗いてみると、いるいる!
20ぴきも、30ぴきも、スマートな魚たちの群れが、スイスイなめらかな曲線を描いています。

そこは、木の桟橋とちいさな突堤に挟まれた入り江のようになっていて、ボートや遊覧船の通り過ぎた後には、少し遅れて、ぽちゃん、ぽちゃん。と、波のあたる音が届きました。


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日が傾くと、夕食のテーブルで、一人前ずつ土鍋で炊き込みごはんを炊いてもらいました。
雰囲気がとってもおいしかったので、帰って来てからできるだけ、玄米を一日水に漬け発芽させてから土鍋で炊くようになりました。

お湯のみとセットでお土産屋さんに置かれていた、レストランのかわいらしい花柄お茶碗によそって、いただいています。
気に入ったものたちは、「大事に味わっていただこう」という気持ちをふくらませてくれます

毎回、鍋蓋をとった時の「今、炊けたよ!」という感動と、ちょこっと垂らしたお醤油の、底から立ち上ってくるおこげの香りが、ごちそうです。

お腹がへってきました
なにか作ろう。


さて次回は、「偶然?のマグカップ」のお話をしようと思います



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