里の家ファーム

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数百人以上が被害 Jr.へ生殺与奪の権

2023年08月31日 | 事件

ジャニー氏性加害 報告書から見る

「しんぶん赤旗」2023年8月31日

メディアの沈黙で隠蔽体質強化

 ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川前社長による性加害問題を調査した「再発防止特別チーム」が公表した調査報告書には、被害のなまなましい実態が記されていました。夢を持った少年たちが苦しめられた背景に何があったのか。報告書から見えてきたものは―。(小林圭子)

 「口腔性交をされ、性経験もなかったので体が硬直したが、これがジャニーズJr.(以下Jr.)としての洗礼だと思った(中学2年頃)」「『YOUはソロでデビューさせるから』と言われ、直接陰部を触られた(中学2年時)」「体や性器を触られ口腔性交された。翌日、1万円を渡された(中学3年時)」。ヒアリングでの被害者の声です。

 ジャニー氏は自宅や合宿所といった“密室”で、当時小学生から高校生まで(多くは中学生)の未成年者に対し、性加害を繰り返していました。性加害は1950年代から2010年代半ばまで確認されており、「少なく見積もっても数百人の被害者がいる」という複数の証言が得られたとしています。

 Jr.の間では「ジャニー氏から性加害を受ければ優遇され、拒めば冷遇されるという認識が広がっていた」といいます。被害を周りに相談できずうつ病になる人も。フラッシュバックや自殺願望、性依存症など加害の影響が多く出されています。

「無制約の専権」

 ジャニー氏は、Jr.の誰をどのように売り出すかというプロデュースについて、ほぼ「無制約の専権」を有し、採用からデビューなどまで「Jr.の生殺与奪の権を握る」絶対的な立場にありました。

 一方、事務所は採用時に契約を締結するなどはなく、Jr.の顔も人数も正確に把握していなかったというずさんな管理でした。Jr.が接するおとなは基本的にジャニー氏と振付師、マネジャーのみという状況だったといいます。

 事務所スタッフに被害を訴えても「デビューしたければ我慢するしかない」と言われた被害者も。報告書は「事務所は何らの対応もしないどころか、むしろ辛抱させるしかないと考えていたふしがある」と指摘し、「被害拡大を招いた大きな要因となった」としています。

強い批判出れば

 ジャニー氏の性加害について、1965年ごろに訴訟が起こされたり、過去にいくつかの週刊誌が報じたりしたものの、マスメディアが正面から取り上げなかったことは、「極めて不自然な対応」だと言及しています。

 ジャニーズ事務所が日本でトップのエンターテインメント企業であり、ジャニー氏の性加害を報道すれば、所属タレントを自社のテレビ番組や雑誌に起用できなくなるのではないかという危惧から、性加害の報道を控えていたのではないかと指摘。「マスメディアの沈黙」により、事務所が性加害の実態を調査するなど自浄能力を発揮することもなく「隠蔽(いんぺい)体質を強化していった」と断じています。

 会見(29日)で調査チーム座長の林真琴弁護士はこう指摘しました。「マスメディアから強い批判が出ていれば、ジャニーズ事務所も対応をかえたかもしれない」

 

⁂    ⁂     ⁂

 

ジャニーズ性加害問題何をいまさら? テレビ各局“手のひら返し”の茶番「癒着はまごうことなき事実」

日刊ゲンダイ 2023/08/31 

 ジャニーズ性加害問題を巡る「再発防止特別チーム」の提言を受け、テレビ各局が、ジャニーズ事務所に対する過去の報道姿勢について反省のコメントを発表している。報告書では、この問題に対する「マスメディアの沈黙」が被害拡大につながり、さらに多くの被害者を出すことになったと断罪。2000年初頭のジャニーズ事務所と文芸春秋の裁判についても、「訴訟結果さえまともに報道されていないようであり、報道機関としてのマスメディアとしては極めて不自然な対応をしてきたと考えられる」とある。

 29日までに、テレビ各局はほぼ横並びでコメントを発表した。

「『マスメディアが正面から取り上げてこなかった』などの指摘を重く受け止め、性加害などの人権侵害は、あってはならないという姿勢で報道してまいります」(日本テレビ)、「報告書に記されたマスメディアの過去の報道に関するご指摘を真摯に受け止めております。性加害が決して許されないことは当然です。当社としてもあらゆる人権侵害を防ぐべく対処していく所存です」(フジテレビ)などと発表。TBS、テレビ朝日、テレビ東京もほぼ同じ内容で、“指摘を真摯に受け止め”“人権重視に努める”のオンパレードだ。

 

 NHKに至っては

「性暴力について『決して許されるものではない』という毅然とした態度でこれまで臨んできたところであり、今後もその姿勢にいささかの変更もありません」

とこれまでのズブズブの関係はなかったかのように開き直りとも取れるコメントである。

「癒着はまごうことなき事実」

 先日の国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会の会見でも、来日した専門家は「日本のメディア企業は数十年にもわたり、この不祥事に加担した」と非難し“人権デュー・デリジェンス”の必要性を訴えていた。

 かつて裁判の契機となった、1999年の「週刊文春」の“ジャニーズホモセクハラキャンペーン”取材で、中心メンバーのひとりだったジャーナリストの二田一比古氏はこう話す。

「正直、何をいまさらと思わざるを得ませんね。なんであの時、やらなかったのかと。大手マスコミが自粛と忖度でジャニーズ事務所と癒着してきたのはまごうことなき事実です。テレビ局と同時に、御用メディアと化していたスポーツ新聞なども声明を出してもいいんじゃないですか。それと“反省”するのはいいですが、今後、具体的にどうしていくのかがわからない。取引先のトップが詐欺事件などの重大な犯罪に手を染めていたとして、それでもその企業と取引を続けるのですか、と。業界全体の体質改善を望みます」

 今まで性加害の存在を知っていながら放置してきた大メディアの今さらながらの“声明”には、鼻白むばかりである。


ひどい!

一人や二人、数人というレベルではない。
数百人の子どもたちだ。

「権力」をかさに・・・

NHKがひどい。

もう一つの記事も紹介しておこう。
わたしは、竹内まりやの歌が好きでよく聞いていたが・・・・

松尾潔氏、山下達郎から離れるファンに呼びかけ「お考えを改める旨を表明したら…」

日刊スポーツ 2023.08.30

音楽プロデューサー松尾潔氏(55)が30日までにX(旧ツイッター)を更新。自身と“因縁”のあるシンガー・ソングライター山下達郎(70)と竹内まりや(68)夫妻のファンに向け、メッセージをつづった。

松尾氏は、ジャニーズ事務所がジャニー喜多川前社長(19年に死去)の性加害問題をめぐり、同事務所が設置した「外部専門家による再発防止特別チーム」(座長・林真琴前検事総長)が作成した、同事務所のガバナンス上の問題点の把握及び再発防止策の策定・提言に関する調査報告書を公表したことに言及。「再発防止特別チームの会見を受けて、山下達郎・竹内まりやご夫妻を責めたてる旨をぼくに訴えてくる方が多くて困惑しています」と明かし、「きっとおふたりとも会見内容に胸を痛めておられると思いますし、お考えを改めて正式に声明をお出しになるはずです。それまでは非難を控えて来週のサンソンを待ちませんか」と呼びかけた。

続く投稿では、「誤解を恐れずにあえて言いますが、山下達郎・竹内まりやご夫妻がお考えを改める旨を表明したら、先月以来おふたりの音楽から遠ざかっている長年のファンのみなさんも、どうか彼らを再び迎え入れて欲しいのです」との思いをつづり、「音楽が備えている自由の精神とは、本来そういうものでしょう?」と理解を求めた。

松尾氏は7月、15年間在籍した芸能事務所スマイルカンパニーとの契約が終了したことをXで報告し、「私がメディアでジャニーズ事務所と藤島ジュリー景子社長に言及したのが理由です。私をスマイルに誘ってくださった山下達郎さんも会社方針に賛成とのこと、残念です」と理由を明かして物議をかもした。

その後、山下は冠ラジオ番組「山下達郎のサンデー・ソングブック」(日曜午後2時)の番組内で、ジャニーズ事務所との関係について「自分は、あくまでいち作曲家、楽曲の提供者」とした上で、「ジャニーズ事務所の内部事情など全く、あずかり知らぬこと。ましては性加害の事実について、私が知る術は全くありません」と話した。松尾氏は山下の発言を「残念」とした上で、「絶大な影響力のあるカリスマミュージシャンに、子供たちが不幸にも性犯罪や性暴力の被害者になった時、『声を上げてもムダ』と諦めずにすむ社会を一緒に目指しましょうよ、とご提案しているのです」と、自らの思いを訴えていた。

 


国連・子どもの権利委 新指針 環境への意見表明 尊重を

2023年08月30日 | 自然・農業・環境問題

気候ストなどが後押し

「しんぶん赤旗」2023年8月30日

 国連・子どもの権利委員会が28日発表した子どもの権利条約に関する「一般的意見」は、1989年の「子どもの権利条約」採択から初めて気候変動がテーマとなりました。環境と人権についての国際法を進化させてきた子どもたちのたたかいが後押ししたものです。(伊藤寿庸)

 今回の「意見」は、「子どもの権利と環境保護の間に幅広い相互関係があるとの理解が生まれ、深まっている」と指摘。気候危機の深刻化が子どもの権利の実現に困難をもたらしていることを受けて、同条約の「ダイナミックな解釈」が必要となっていると述べています。

 これを後押ししたのが、2018年にスウェーデンでグレタ・トゥンベリさんが始めた学校ストライキや、そこから世界中に広がった「未来のための金曜日」のデモです。子どもたちは「いま学校で勉強をしても、それを生かす将来の社会が気候変動で滅んでしまうかもしれない」と、学校を休んで街頭に出ました。

 「意見」は、環境に関する表現・結社・平和的集会の自由に関する子どもの権利を政府は尊重・保護すべきだと明言しています。

 さらに子どもや若者が原告となって、各国政府の気候変動対策が不十分であり、違法だと訴える訴訟も各地で起きています。

 ドイツでは、10~20代の気候活動家が、政府の温室効果ガス排出削減目標は不十分で、憲法違反だと訴えを起こしました。憲法裁は21年、排出削減を先送りにしているのは「将来世代の自由を大幅に制限する」と違憲判決を出しました。米モンタナ州では8月、化石燃料依存が地球温暖化を加速させ、若者の未来を奪っていると訴えた訴訟で、若者16人の原告の主張を認める判決が出ました。

 しかし子どもが訴えの主体となることが難しい国も多く、「意見」は、子どもが環境問題で、集団的に意見を申し立て、訴訟を起こす手段についても、政府が定めるべきだとしています。

 子どもの権利委員会は、「世代間の平等」についても強調。現在の子どもの権利侵害への緊急の対応だけでなく、現在の行動あるいは不作為が生むであろう環境破壊に対しても各国は責任を負っていると明確にしています。

 日本でも、子どもの権利を実現する観点から、気候変動対策を抜本的に強めることが求められています。


かけがえのない「絵画」を守るように、かけがえのない「地球」も守ってほしい。


トリチウム除去に成功も…実用化を阻んでいるのは政府と東京電力

2023年08月29日 | 自然・農業・環境問題
近大研究チームが5年前
 
日刊ゲンダイDIGITAL 2023.08.29
 
ALPS、汚染水から放射性物質を除去する多核種除去設備でもトリチウムは取り除けない(C)共同通信社
ALPS、汚染水から放射性物質を除去する多核種除去設備でもトリチウムは取り除けない(C)共同通信社© 日刊ゲンダイDIGITAL

検出限界値未満で「不検出」──。東京電力は、福島第1原発処理水の海洋放出を受け、周辺海域10地点で採取した海水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度を検査している。放出開始から1カ月程度は毎日実施し翌日に結果を公表。その後は週1回の通常検査となる。

トリチウムを巡っては環境省や福島県も海水の濃度検査を実施。水産庁は周辺海域で採取した魚の濃度検査を行い、今後1カ月程度は毎日結果を公表する。狙いは風評被害の拡大防止だが、中国は日本産水産物を全面禁輸。公明党の山口代表の訪中が延期となり、海洋放出とは無関係な個人や団体にまで中国から抗議電話が相次ぐなど、負の影響は広がっている。

全ての原因は多核種除去設備「ALPS」でもトリチウムを取り除けないことだ。問題のトリチウム水は普通の水と科学的な性質が似ており、分離するのは困難とされるが、民間では新技術への挑戦が続いている。

2018年には、近畿大学の研究チームがトリチウム水の分離・除去に成功したと発表した。民間企業と連携し、直径5ナノメートル(ナノは10億分の1)以下という超微細な穴を多数持つアルミ製フィルターを開発。トリチウム水を含んだ水蒸気を通すと、穴にトリチウム水だけが付着し、ほぼ100%分離できたという。

発表から5年。研究チームは品質改良を進めているが、実用化を阻んでいるのはナント、政府と東電である。

中韓両国に日本の技術を売り込むチャンスなのに

さらなる研究のために政府系の補助金を申請すると「まだ実験室レベルでの研究」として突き返され、東電に福島第1原発敷地内での試験を打診しても、協力を得られなかった。これでは宝の持ち腐れだ。せっかく画期的な国産技術が芽生えているのに、政府や東電の行動はその芽を摘もうとしているのに等しい。

原発問題に詳しいジャーナリストの横田一氏はこう言う。

「すぐに実用化できなくても汚染水との戦いは、数十年単位で続くのです。その間になぜ、日本の科学技術を進化させる機会を奪うのか。海洋放出容認派は、中国や韓国の原発は福島第1原発の何倍ものトリチウムを放出していると主張しますが、それこそ日本の技術を世界に売り込むチャンスです。トリチウム除去を巡っては近大の研究チーム以外にも、民間からさまざまな技術提案がなされていますが、政府も東電も一顧だにしません。理由はALPSなど海外の権威ある技術を使っておけば失点につながらないという保身でしょう。リスクを恐れず、新たな技術に挑むのが本来のあるべき姿です」

中国の全面禁輸に、食品安全担当でもある河野太郎大臣は「全く科学的根拠のない非論理的な対応」と批判したが、日本のトリチウム除去技術に目を向けないのも「非科学的で非論理的」である。


やっぱり、「科学」より「金額(学)」か?
どこの原発でも、トリチュームは垂れ流しである。

日本海の魚もヤバカッタ!

2014年10月21日 | 社会・経済

しっかりと「科学的対応」を取ってしかるべきである。
底の割れてしまった自公政権。
「自民党に殺される」前に・・・・
自公維新に地球を壊される前に・・・

今朝のハウス内最低気温17℃であった。
やれやれだ。
明日の天気予報が今朝見た時と今で違っている。
予報も難しくなっているのだろうな。


日本を襲う「買い控え」の大不況…

2023年08月28日 | 生活

物価高「生活に影響」92%、節約志向が急速に広がる

日刊ゲンダイDIGITAL2023/08/28 

「92%」──とは、深刻な数字だ。毎日新聞の世論調査(26、27日実施)によると、「物価高が生活に影響している」人は、「大いに」(62%)と「ある程度」(30%)を合わせると92%に達するという。圧倒的多数が物価高に直撃されているということだ。

 その結果「買い控え」が急速に広がっている。

 7月のスーパーの売上高は、単価が上昇したため前年同月比4.9%増だったが、節約志向が強まり「買い上げ点数」は前年を下回った。とくに価格高騰がつづく水産品や、単価の高い牛肉の販売が落ち込んだという。

 また、全国のスーパーの販売データを集計する日経POS(7月17~23日)によると、値上がりした食品の約7割にあたる40品目で販売数量が減っていた。スナック菓子は19%減、水産缶詰は18%減、即席食品は12%減だった。その一方、割安なプライベートブランド(PB商品)の販売数量が伸びている。主な食品60品目のうち、約7割の44品目が1年前よりシェアを拡大。少しでも安いモノを買おうとしている人が多い裏返しである。

 しかし、いまのところ大手企業は値上げによって売り上げを伸ばしているが、これ以上インフレが過熱すると、もう一段「買い控え」が強まり、日本経済全体を冷え込ませてしまうのではないか。

 すでに7月の白物家電の「出荷額」は、14%減となっている。3カ月ぶりにマイナスとなった。エアコンは22.8%減、洗濯機は16.1%減、冷蔵庫は4.6%減だった。値上げによって商品単価が上がったのに、それ以上に「出荷数量」が減ったために、肝心の「出荷額」も落ち込んでしまった形だ。

■日本のGDPの6割が個人消費

 経済ジャーナリストの荻原博子氏はこう言う。

「清貧の思想とは違うのですが、インフレになる前から、若者を中心に、ぜいたくをするのではなく『自分にとって必要なモノだけを持ち豊かに生きる』──ミニマリストのような考えをする人が増えていました。消費することに大きな価値を持たなくなっていた。そこに物価高が重なり『買い控え』が進んでいるのでしょう。しかし、日本のGDPの6割が個人消費です。消費が冷え込めば、景気全体が落ち込んでしまうでしょう」

 このままでは、日本経済は「買い控え」による大不況に突入しかねない。

⁂     ⁂     ⁂

「GDP成長率6%!にはカラクリが…訪日客が円安恩恵で爆買い、国民は物価高騰で節約の日々」(日刊ゲンダイより一部抜粋)

内閣府が15日発表した2023年4~6月の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比1.5%増だった。この成長が1年続くと仮定した年率換算は6.0%のプラス成長だ。

 しかし、プラス6%もの経済成長をしている実感は湧いてこない。内訳を見るとカラクリが分かる。

 成長を牽引したのが3.2%増の輸出だ。自動車の輸出増のほか、輸出に計上されるインバウンド(訪日客)の消費拡大が寄与した。逆に輸入は原油や医薬品などが減り4.3%のマイナス輸入の減少はGDPを押し上げる

 驚くことに個人消費は0.5%のマイナスだ。外食や宿泊が増えた一方、相次ぐ値上げの影響で飲食料品や家電製品の消費が落ち込んだ。


政治も経済も大変な状況にある。
アメリカいいなり、戦争志向を改めるだけで国民の生活は楽になるであろうに・・・・

 先日の記事に「なでしこJ世界第5位確定」なるフェイクニュースを入れてしまった。お詫びいたします。
FIFAが発表した正式順位は次のとうりです。

最新のFIFAランキング(前回順位)

1位:スウェーデン(3)

2位:スペイン(6)

3位:アメリカ(1)

4位:イングランド(4)

5位:フランス(5)

6位:ドイツ(2)

7位:オランダ(9)

8位:日本(11)

9位:ブラジル(8)

10位:カナダ(7)

11位:オーストラリア(10)

12位:デンマーク(13)

13位:ノルウェー(12)

14位:アイスランド(15)

15位:中国(14)

16位:オーストリア(18)

17位:イタリア(16)

18位:ベルギー(19)

19位:ポルトガル(21)

20位:韓国(17)


殺傷武器の輸出 平和国家の理念に返れ

2023年08月27日 | 社会・経済

「東京新聞」社説 2023年8月26日 

 
 政府が殺傷能力のある武器の輸出を巡り、一定の条件を満たせば可能との新たな見解を示した。これらの武器の輸出は、国際紛争を助長しかねないとして禁じてきた経緯がある。平和国家の道を歩んできた憲法の理念に立ち返り、武器輸出の制限は継続すべきだ。
 新たな政府見解は二十三日、自民、公明両党が再開した防衛装備移転三原則と運用指針の見直しに向けた実務者協議で提示された。自公間で大筋一致した内容を追認するものだ。
 新たな見解は、安全保障上の協力関係にある国に防衛装備品を移転する際、現行の運用指針が定めている救難、輸送、警戒、監視、掃海の五類型に該当すれば、任務や自己防衛のために必要な武器を搭載することができるとした。
 機関銃を搭載した掃海艇や巡視船を想定している。
 政府はこれまで五類型について殺傷武器の輸出を制限する根拠としてきた。「直接人を殺傷することを目的とする装備移転は想定されない」との国会答弁もある。原則や指針の解釈を、政権の都合で勝手に変更していいのか。
 政府は英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機を含め、国際共同開発する装備品の第三国輸出を解禁したいとの考えも示した。
 しかし、戦闘機は殺傷兵器そのものであり、自国防衛目的の開発ならともかく、その輸出が憲法の理念に合致するとは思えない。
 与党協議では紛争当事国への武器輸出解禁も議題に上がる。ロシアの侵攻を受けるウクライナに武器を提供する米国は日本に弾薬輸出を期待しており、武器輸出が徐々に拡大しないか憂慮する。
 政府は中国の軍事的台頭に脅かされる東南アジア諸国に安全保障面で支援する方針だが、武器を提供すれば中国を挑発し、地域の緊張を高めないか。民主主義が定着していない国では内戦や軍事政権による弾圧に、日本から輸出された武器が使われる恐れもある。
 政府と与党だけの密室協議で従来の政府見解を次々と覆していくのは、敵基地攻撃能力の保有容認や防衛予算「倍増」など安保政策を大転換した昨年末の国家安保戦略改定と同じ手法だ。
 国際平和を維持するためには、武器の輸出はどこまで認めていいのか。国会や国民的な幅広い議論を経て、平和国家にふさわしい道を探るべきである。
 

「憲法」無視、空洞化をこれ以上許してはならない。

いい雨が降った。
雷がすごくて、PCのプラグを抜いた。
ひんやりとした空気になっているが明日も曇りで30℃の予報である。

 


古賀茂明-台湾有事を起こすのは平和主義を捨てた日本だ

2023年08月26日 | 社会・経済

 麻生氏「戦う覚悟」発言にみえる大きな勘違い 

政官財の罪と罰  古賀茂明

AERAdot 2023/08/22/

 8月になると、戦争に関する報道が増える。今年は特に中国の脅威や台湾有事についての議論をよく目にした。

 そこで、台湾有事についての私とある中国人有識者(A氏)との会話を紹介したい。

*  *  *

古賀:習近平氏は、遅くとも2027年までに台湾を統合したいというが本当か。

A氏:(笑いながら)あり得ないでしょ。なんで27年まで? どうして武力行使? そんなことしたら、台湾住民との関係は最悪になり、その後の統治が非常に難しくなる。台湾で戦争を起こせば、インフラや産業も壊滅する。そんな台湾を統合しても意味はない。中国にとって、最悪のシナリオですよ。

 27年武力統合説は、米軍関係者が流したとんでもないデマです。米政府もわかっている。

 ただ、日本の米国依存度を高めるのに有効で、しかも米国の武器も売れるから、そのまま放置しているのでしょう。

古賀:でも中国は武力行使も辞さずと言っている。矛盾では?

A氏:米国や日本が台湾の独立を支援して武力闘争が始まるような場合でも中国は静かに見守りますと言ったらどうなりますか。そういう場合には、武力行使するぞと脅しておかないと危ないでしょう。

 日米が台湾の独立に反対する従来の立場を堅持すれば、台湾単独で独立闘争を始めることはあり得ません。中国が武力行使することもあり得ません。

 むしろ、今は、日米が一緒になって、台湾独立をあおっていますが、これは非常に危険です。台湾の人に間違ったメッセージを送ることになるからです。

古賀:ではどのようにして統合するのですか。

A氏:中国は決して焦ってはいません。少なくとも、10年前までは、中国と台湾は友好的に経済関係を深め、その距離を縮めてきました。そのままでも何の問題もないくらいでした。

 中国としては、時間をかけて、経済のウィンウィンの関係を拡大すると同時に、文化交流、草の根交流を拡大します。両岸関係がさらに緊密なものとなり、統合した方が双方のためになると両者が認めたのちに統合するのです。

古賀:それは平和統合ではなくて、中国が台湾市民を洗脳する結果にすぎないと言う人もいますが。

A氏:台湾の人は、もともと独立したいなどとは思っていませんでした。むしろ日米の人々が独立しろ、とか中国は独裁で怖いから統合してはダメだとあおっています。洗脳しているのは日米です。

 台湾には中国本土から来た人も多く、親戚もたくさんいる。彼らは本当の中国をよく知っている。悪いところも全部。洗脳なんかできません。

 日本政府は、いたずらに中国は悪い国だという宣伝をすべきではありません。もちろん、中国にも悪いところはあるが、一部だけを強調するのはなんの得にもならない。

 まずは、中国人とよく話をし、中国に来て、見て、感じてほしい。中国は戦争など望んでいない。実績を見てほしい。欧米諸国と違い、決して戦争しない数少ない国の一つです。日本もその仲間です。

 日中は、仲良くするしかない宿命。それができなければ、どんなに不幸なことになるのか、考えてほしい。

*  *  *

 7月25日配信の本コラム「台湾有事を演出する米国に乗せられる無邪気な岸田首相 日本が米中戦争を誘発させる危険も」では、主に半導体制裁が米中対立を強め、それによって台湾有事を誘発するという話を書いたが、今回は、私たち日本人が戦争を誘発するのではないかという話をしたい。

 まずはA氏の話を聞いて誰でも気づくことから始めよう。

 最初に気づくのは、27年までに中国が台湾を武力統合するというのは全くのうそと言っても良いということだ。

 27年武力統合説は、米軍関係者が流した話で、当初は、米軍が言っているという留保がついていたが、今や何の留保もつけずに、27年までに戦争になるからどうすれば良いかという話があふれている。

 しかし、冷静に考えれば、台湾で戦争することは中国にとって最悪のシナリオで、中国政府もそれはよくわかっている。台湾有事は基本的には起きない話なのだ。

【7月25日配信コラム】
台湾有事を演出する米国に乗せられる無邪気な岸田首相 日本が米中戦争を誘発させる危険も

 次に気づくのは、米国が台湾有事をあおる目的である。米国は台湾有事を起こさないために台湾に軍事支援をし、日本と協力して台湾有事に備えるという。

 では、台湾が平和裏に統合されればそれで米国がハッピーかというとそうではない。

 実は、米国にとって、台湾の平和的統合は最悪のシナリオだ。なぜなら、平和統合なら一切文句が言えない。それによって、台湾の最先端半導体産業が中国傘下に入り、経済的にも軍事的にも米国が中国に負ける可能性がある。

 だから、米国としては、中国に責任を押し付ける形で台湾有事をあおり、それを口実に半導体制裁を正当化している。しかも、万一台湾有事が勃発しても良いように、台湾のTSMCや韓国のサムスン電子の最先端半導体工場を米国に造らせている。

 三つ目に気づくのは、日米は、台湾の人たちに誤ったメッセージを送っているということだ。

 日米がそろって、「独裁者習近平」と喧伝し、台湾人の恐怖感をあおる。その上で、米国製の最先端武器を売るから戦う準備をしろとけしかける。台湾独立をそそのかしているのと同じことだ。

 台湾では、独立派は全くの少数派だったが、日米に中国脅威論を唱えられ、台湾有事だとあおられれば、本気で独立を考える人も増えてくる。日米が台湾人を洗脳しているという見方にも一理ある。

 ここから先は、日本人が自分たちで気づくべきことを挙げていこう。

 まず、日本は台湾を守る義務など負っていないということだ。台湾の人たちが良き友人であることと彼らのために日本人が血を流すべきだという二つの話は全く別次元の問題だが、それが連続線上の話として扱われている。二つの話は決して混同してはならない。

 先日の麻生太郎・自民党副総裁の「戦う覚悟」発言は、その意味で全く間違ったメッセージを発していることになる。万死に値すると言って良い。

 ちなみに、台湾は尖閣諸島の領有権を主張している。独立後の台湾は中国同様、難しい隣人になるかもしれない。そんなことも無視して、台湾のために命を捨てよという自民党にはこの国を率いる資格などない。

 一方、台湾有事から逃げるべきだという議論をする勇気のある政党がほとんどないことも大問題だ。「台湾を見捨てるのか!」と炎上するのを恐れて、立憲民主党でさえこの議論を避けている。

 さらに、日本人が気づくべき、より本質的な問題が、日米安保条約の変質である。

 今年の初め、米国のシンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)のシミュレーションが大きく取り上げられた。26年に中国軍が台湾への上陸作戦を実行するという想定で、主要なシナリオでは、日米が多大な犠牲を強いられるものの中国に勝利できるという結論だった。

 そのリポートの中で私が最も重要だと考えるのは、日本が在日米軍基地を米軍に使用させることが前提になっているということだ。それがなければ、戦争にならないという位置付けである。

 つまり、日本が基地を使わせないと言えば、米国は戦争を避けるしかなくなる。非常に簡単な戦争回避法があるのだ。

 だが、それはできないという人が圧倒的に多い。なぜなら、米国が怒るからだという。それは日米同盟を破壊することにつながり、日本の平和が守れなくなるから基地使用は認めるべきだという。しかし、この議論は本質的におかしい。

 日本国民の命を守るための日米同盟だったのに、「日米同盟を守るためには日本人が戦争で命を捨てなければならない」というとんでもないパラドックスに陥っているからだ。

 そして、最後に、私が指摘したいのは、「日本が平和主義を捨てつつある」ことだ。

 それは、安倍晋三政権以降の政府とマスコミの宣伝で日本人の多くが洗脳されてしまったということを意味する。

 実は、海外の人の方がこの事実に気づいている。

 この春着任した呉江浩・駐日中国大使は15年ぶりの在日本大使館勤務となるが、「日本には外敵がいるから防衛費を増やすのは当然だ」ということを「一般人が普通に」口にする姿を日本のテレビが流していて心底驚いたという話を聞いた。15年前には考えられなかったことだという。

 一方、日本経済新聞の1月15日付インタビュー記事によれば、前述の米国シンクタンクCSISの日本部長クリストファー・ジョンストン氏は、「2010年ごろは台湾有事のシナリオを話すのは不可能だった。いま日米はより率直に現実的に話し合えるようになり、……前向きな一歩だ」と語っている。

 中国の大使は、日本人の変化を戦争に向かう危険な予兆として捉え、米国の専門家は、逆に、戦争を受け入れるポジティブな変化だと捉えた。方向性は正反対だが、日本人が戦争容認に向けて驚くような変化を遂げたと見ていることがわかる。

 さらに、もう一つ、これは7月18日配信の本コラムでも少し触れたが、英国のBBCのニュースでは22年5月の段階で、すでに日本の安保政策の変化を取り上げて、「日本は静かに平和主義を放棄している」と報じていた。

 これが、海外から見た私たち「日本人の変化」である。

 今年の8月もまた、政治家は口々に「平和主義を守る誓い」のような言葉を並べ、テレビのキャスターも皆同じようなことを口にしていた。

 しかし、「何がなんでも戦争しない」という日本国憲法の誓いは生きているのだろうか。

 それとは本質的に異なる「いざとなったら戦争も辞さず」「正義のためなら戦争もやむを得ない」、そして「平和のための戦争」というようなまやかしを多くの政治家が平気で口にする今日。やはり、どう控えめに言っても、「日本の平和主義は空洞化した」と言うべきだ。

 この事実を認識することこそ、我々を正しい平和主義の道に引き戻すための第一歩なのではないか


「空洞化」のためにあれやこれやと画策している段階にあることは確かであろうが、岸田政権の支持率、自民党の支持率は風前の灯火である。
まだ「独裁体制」には至っていない。
「空洞化」したという前提に立つのはまだ早い。
「憲法」は「憲法」である。
まだ生きている。
今こそ「戦争反対」を叫ぼう!

 


東京電力に今問わなければならないこととは

2023年08月25日 | 自然・農業・環境問題

原発処理水の海洋放出が「二重の加害」と言われる理由 

「東京新聞」2023年8月25日 
 
 東京電力福島第1原発事故で生じた汚染水を浄化処理した後の水の海洋放出が24日に始まった。岸田政権の強権ぶりに批判が殺到するが、「今に至る事態を招いたのは東電」という事実を忘れてはならない。東電が起こした事故では、かねて多くの放射性物質が海に注がれた。隠蔽いんぺいが疑われた局面もあった。9月8日に提訴予定の差し止め訴訟でも、東電の「過去」と「今」が焦点になる。原告側は何を訴えるのか。いま、東電に問うべきことは何か。(安藤恭子、岸本拓也)

◆「他国から批判を浴びないと、この国は変わらない」

 海洋放出が始まった24日午後1時、東京・内幸町の東京電力ホールディングス本社前。通りがかった人々に話を聞いた。
福島第一原発処理水の海洋放出を東京電力ホールディングス本社(後方)に向け、抗議する市民団体ら

福島第一原発処理水の海洋放出を東京電力ホールディングス本社(後方)に向け、抗議する市民団体ら

 埼玉県川口市の男性会社員(51)は社屋を見上げた。「他国から輸入規制でもなんでも批判を浴びればいい。そうでなければこの国は変わらない」。仕事で有楽町に向かっていた神奈川県平塚市の女性(48)は「感情論でどうにもならない」。
 原発事故直後、東電に向けられたのが猛烈な批判。時の経過を感じさせる。
 福島第1原発では溶け落ちた核燃料(デブリ)の冷却水と地下水が混じり、汚染水が増え続けている。これらをくみ上げ、除染設備や多核種除去設備(ALPS)で処理、希釈して放出する計画になっている。
 現政権は「科学的根拠に基づき、説明していきたい」とアピール。ALPSで除去できないトリチウムの年間放出量は海外の多くの原子力関連施設より低水準と伝える。経済産業省のサイトでは、処理後のトリチウムの年間放出量は22兆ベクレル未満の予定と記載。韓国の古里原発は約49兆ベクレル、中国の陽江原発は約112兆ベクレルと記す。ともに2021年のデータという。

◆「風評被害が起きると知りながら故意に…」

 ただ、重大事故を経た福島第1原発からの海洋放出は、通常運転中の他の原発とは異なる側面を持つ。
 「頑張って漁業が再建できそうなところにまた放出をし、被害を与えようとしている。これは二重の加害で、許されない」
 東電と国に放出差し止めを求める訴訟に向け、弁護士の河合弘之さんは23日の会見でこう訴えた。
 24日に改めて尋ねると、河合さんは「事故で漁業関係者は壊滅的な被害を受けた。今回は漁業関係者の反対を知り、風評被害が起きると知りながら故意に流す加害。倫理や道徳に反する」と語った。
 
 政府がよく引用する「原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)」の2020年/2021年報告書(日本語版)によると、事故初期には大気中に放出された放射性物質は風で太平洋上空に拡散し、海面に沈着した。初期段階(11年3〜4月)での海洋環境への推定放出量をまとめており、大気からの沈着はセシウム137で5〜11ペタベクレル(ペタは1000兆)、ヨウ素131で57〜100ペタベクレルに上る。このほかに2号機の外のトレンチ(地下道)から高濃度汚染水が漏れて直接、海に放出されたという。
 この報告書は13年までに原発沿岸水域の濃度は事故前の水準に戻ったと記す。福島県漁連によれば19年度以降、自主検査する漁獲物の99%超は放射能濃度が検出できないほど低い。
 そんな中で河合さんは環境影響の長期評価を求める。「希釈しても有害物質を流すことに変わりはない。放出すれば海は汚れる。他国の原発が海に流しても、日本は非難できない。一緒に流さない努力をしないといけないのに」
 経産省資源エネルギー庁に24日、河合さんが訴える長期評価の必要性をどう考えるか尋ねたが、同日夜までに回答はなかった。

◆海洋放出は本当に「安上がり」なのか

 海洋放出の費用は大きく膨らむ見通しだ。16年の経産省の作業部会「トリチウム水タスクフォース」の試算では34億円とされたが、現状では、漁業者支援の基金や海底トンネル建設費などを合わせ、1290億円に達すると河合さんらは指摘する。
 いわき市議で「これ以上海を汚すな!市民会議」の佐藤和良共同代表は「薄めても海底を通しても、海に流してしまえば、漁業関係者への賠償が必要となるのは当たり前。海洋放出が安上がりという試算はおかしい。海洋放出が始まった今日からまた問うていきたい」と話した。
 今月22日の閣僚会議では国や東電などが周辺海域でモニタリング(監視)を強化する方針が確認された。測定回数や調べる放射性物質の種類を増やしたほか、国や東電の安全確保の取り組みが適切か、国際原子力機関(IAEA)がレビューを継続する。
 
 そうはいっても放出の実務は東電が担い、モニタリング作業の多くも東電が主体になる。東電は国の排出基準を大幅に下回るトリチウム濃度の目安値を定め、放出開始後、目安値を超えた場合は「速やかに放出を停止する」という。

◆そもそも東電を信用できるのか

 今後、トラブルが発生した場合は迅速な対応などが求められるが、東電の過去を振り返ると不安が募る。
 最たる例は、福島原発事故を巡る津波対策だ。事故前に津波被害の可能性が指摘されたのに、原子炉建屋などの浸水対策を怠ったとして、東電の旧経営陣は株主代表訴訟で計約13兆円の損害賠償が命じられた。現在は控訴審が進む。
 また事故直後、社長だった清水正孝氏が「『炉心溶融』の言葉を使うな」と幹部に指示したことが社内調査で判明したが、16年6月になって明らかにし、当時の広瀬直己社長が「社会目線からすれば隠蔽と捉えるのは当然」と謝罪した。
 不信を抱かせたのは過去の汚染水対応でも。13年5月以降、原発敷地内の井戸で高濃度汚染水が確認され、海へ流出した可能性があると指摘されたが、東電は認めなかった。7月22日に漏出を認めた一方、原発再稼働の是非が問われた参院選の投開票日翌日という時期も疑念を生んだ。
 果たして東電の体質は変わったのか。株主代表訴訟の原告で、脱原発を求めて30年以上、東電と対峙たいじしてきた木村結さんは「体質は全く変わらない。原発事故を起こし、事実上国有化されたことで、誰も責任を取ろうとしない姿勢はさらにひどくなった」と話す。

◆何か起きたら誰が責任を取るのか曖昧

 東電不信は根深いが、海洋放出を巡っては東電は終始受け身だ。国が「全責任を持って対応する」(岸田文雄首相)と前のめりな局面が目立つ。その国は「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」という地元漁連との「約束」を軽んじ、放出へ踏み切った。
 
 富山大の林衛准教授(科学コミュニケーション)は、もたらされる便益が放射線リスクを上回る場合のみ認められる「正当化の原則」が守られていないと問題視する。「東電や政府の利益以外の、一般の人々のメリットがさっぱり分からない。少なくとも加害企業の東電は国際社会を含めた批判や懸念を受け止め、主体的に対応する必要がある」
 信州大の茅野恒秀准教授(環境社会学)も「政府が前面に立つという意味は何か、厳しく見ないといけない。どんなことが起きた時にどう責任を取るのか、今は曖昧だ」と懸念を示す。
 「環境政策の基本である汚染者負担と予防、市民参加の3原則にのっとれば、東電が最後まで責任を持つべきだ。見切り発車で長期に放出するのではなく、一度立ち止まり、政策プロセスに幅広い市民が参加して多くの納得を得ていく形で進めるべきだ」

◆デスクメモ

 UNSCEAR=アンスケアの報告書には批判がある。推計が甘いと。ただ注視すべき記述も。福島事故を「かなり大量の放射性物質が直接的、間接的に海洋環境に放出された初めての原子力発電所の大事故」と評する。そして今回の放出。「二重の加害」の重みを改めて考えたい。(榊)

処理水海洋放出強行 大戦時に似た安全神話【金子勝】2023年8月25日(金)大竹まこと 室井佑月 金子勝 鈴木純子

 今日は札幌へ行ってきました。帰り、すごい雨が降ってきました。畑にも降っててほしいなと思いながら帰ってきましたが、残念ながら降ってませんでした。

地球環境をこれ以上壊してほしくない!
それだけのことです。


処理水放出、太平洋島しょ国が怒り

2023年08月24日 | 自然・農業・環境問題
「東京新聞」2023年8月24日 
 24日にも始まる東京電力福島第一原発事故の処理水放出に、マーシャル諸島など太平洋の島しょ国から懸念の声が上がっている。遠く離れた海の向こうの人々が異議を申し立てた背景には、戦前の日本統治や米国の核実験など大国の犠牲になってきた歴史の記憶があるという。現地を訪れている明星大の竹峰誠一郎教授(46)に、住民の思いを尋ねた。(曽田晋太郎、安藤恭子)
今月中旬に開かれたマーシャル諸島の国会。3月に「福島原発から太平洋への放射能汚染水投棄に重大な懸念を表明」する決議を採択した=マーシャル諸島・マジュロで(竹峰誠一郎さん提供)

今月中旬に開かれたマーシャル諸島の国会。3月に「福島原発から太平洋への放射能汚染水投棄に重大な懸念を表明」する決議を採択した=マーシャル諸島・マジュロで(竹峰誠一郎さん提供)

◆マーシャル諸島訪問の教授「頭ごなしに脅威押し付け」

 竹峰さんは国際社会論が専門。米国による核実験が繰り返されたマーシャル諸島を中心に、国内外の核被害に関する調査研究を続けている。
 13日からマーシャル諸島の首都マジュロに滞在。現地では新聞の発行が週1回しかないため、24日に処理水の海洋放出を始めると決めた日本政府の方針について「まだ限られた人しか知らないだろう」と語る。ただ、「自分たちの領内で処理できないものを太平洋に向かって一方的に流し、頭ごなしに脅威を押し付けるような行為に現地で誰も理解を示す人はいない」と明かす。
 竹峰さんによると、2021年4月に日本政府が原発処理水の海洋放出方針を決めた後、マーシャル諸島政府は懸念を表明。日本側に代替策の検討や海洋環境保全のための国際的義務の履行、対話の実施などを求める声明を発表した。

◆核実験の地で反対決議

 今年2月の両国外相会談では、林芳正外相が「人の健康や海洋環境に悪影響を与えるようなことはない」として、海洋放出への理解を求めた。だが3月、マーシャル諸島の国会は「重大な懸念を表明し、より安全な代替処理計画を日本に検討するよう求める」決議を採択。処理水の放出が「海洋資源に大きく依存している太平洋諸島の人々の命と生活を脅かす」とし、「太平洋を核廃棄物のごみ捨て場にこれ以上するべきではない」と訴えた。
 これに対し、日本政府は現地で説得するような行動を活発化させていると竹峰さんは話す。7月、日本政府の担当者が現地で地元市長らを訪問。先週は地元紙に日本大使が海洋放出について説明する記事が載り、唯一の戦争被爆国として「核実験被害を受けたマーシャル諸島の人々の思いは理解している」という趣旨の談話が掲載されたという。

◆元大統領ら、日本の説明「遅い」

ヒルダ・ハイネ前大統領(中)から処理水放出への懸念を聞いた竹峰誠一郎さん(左)ら=21日、マーシャル諸島・マジュロで(竹峰誠一郎さん提供)

ヒルダ・ハイネ前大統領(中)から処理水放出への懸念を聞いた竹峰誠一郎さん(左)ら=21日、マーシャル諸島・マジュロで(竹峰誠一郎さん提供)

 竹峰さんは今月21日、国会決議を主導したヒルダ・ハイネ前大統領や閣僚らと面会。最近の日本側の対応について聞くと、「いまさら説明するのは遅い。海洋放出計画を決める前に相談せず、放出開始を決める最終段階になって頭ごなしに説得されても理解はできない」と怒りをあらわにしたという。
 同じオセアニア地域では、北マリアナ諸島の議会でも同様に反対決議が採択されている。竹峰さんは「決議は、マーシャル諸島を含む太平洋の島々がこれまで大国に核実験や核廃棄物処理で好き放題使われてきた歴史を踏まえた訴えだ。島々の人たちは放射性物質の量がたとえ少量であったとしても、日本が自分たちのことを何も考えずに汚染水を太平洋に流す行為が許せないと憤っている。日本にとっては単なる海かもしれないが、島々の人たちにとっては生活の糧であり、汚染水が長期にわたって流され、暮らしの土台が傷つけられることを危惧している」と解説する。

◆マリアナ諸島から原爆投下機が出撃

 太平洋の島々と日本とは、戦争と核の歴史を通じ、深い関わりがある。
 フィリピンの東、赤道の北に広がる一帯は、かつて「南洋群島」と呼ばれた。1914年からの第一次世界大戦で、日本はドイツ保護領にあったマーシャル諸島を占領。20年に国際連盟から委任統治が認められ、実質的に支配するようになった。
 太平洋戦争中の44年、日本軍との激戦の末にサイパン、テニアン、グアムなどマリアナ諸島を制圧した米軍は、ここから日本本土への長距離爆撃を開始。45年8月、原子爆弾を抱えたB29爆撃機「エノラ・ゲイ」「ボックス・カー」はテニアンの飛行場を飛び立ち、広島、長崎へ向かった。

◆「核の植民地主義」…終戦後は実験場に

 終戦後、マーシャル諸島は核実験場とされた。米国は46〜58年、ビキニ、エニウェトク両環礁で67回の核実験を実施。54年3月のビキニでの水爆「ブラボー」の実験で、マグロ漁船「第五福竜丸」の乗組員やロンゲラップ環礁の島民らが放射性物質を含む「死の灰」を浴びた。
 軍事評論家の前田哲男さんによると、ロンゲラップでは島民82人が被ばく。頭痛、下痢、かゆみ、目の痛みを訴え、救助船が来たのは50時間以上後だった。「米国のみならず核保有国は、危険な水爆実験を本土でやらなかった。これは『核の植民地主義』。マーシャルの人々は広島、長崎に次ぐヒバクシャにさせられた」と憤る。

◆日本は1980年代に「核のごみ」廃棄計画

 1980年代には日本の低レベル放射性廃棄物を北マリアナ諸島海域に捨てる計画が浮上したが、当時の中曽根康弘政権は国際世論を受け入れる形で断念した。原発処理水の海洋放出について、前田さんは「海は人類共有の財産。『水に流す』などという思想をふりかざすのは日本だけ。中国の反対が目立つが、太平洋の人々の声を聞くべきだ。やがて大きな反感が日本に向かう」と警告する。
 ロンゲラップ島民は米国の安全宣言でいったん帰島したが、がんや甲状腺異常などの健康障害が相次ぎ、85年に再び島を離れた。50年近く島民を取材しているフォトジャーナリストの島田興生さんは、「原発の処理水を流す海の先に住む太平洋の島の人々を想像してほしい」と訴える。
 島田さんによると、20年余り日本の統治が続いたマーシャル諸島には日本語を学んだ人たちがいて親日的。旧日本軍飛行場があった現在のエニウェトク環礁では、44年2月の米軍の攻撃で日本軍は約2600人の戦死者を出し、ほぼ全滅したとされる。従軍していた朝鮮人労働者や基地建設に動員された島民らも亡くなった。
 島田さんがロンゲラップを初めて訪れた74年、64歳の男性ナプタリ・オエミさんが胃がんで亡くなる前、病床で写真を撮らせてもらった。家族から「父は自分が苦しんでいるのは原爆のせいだ。気をつけろと言っていた」と聞いた。その2年前には1歳で被ばくした当時19歳の男性が白血病で死亡した。

◆成長不全や白血病、不妊…「いつも巻き込まれる側」

 島民たちには「放射能」という概念があまりなく、変な毒物という意味合いで「ポイズン」と口にしていた。米国の健康調査は続き、身長が伸びないなどの成長不全や白血病、不妊や流産が増えたと言われる。
 「マーシャルの人たちはいつも大国に巻き込まれる側。米国の核実験で被ばくさせられ、今度は日本が処理水を流そうとしている。かつての死の灰と違い、島の人は健康への影響を神経質に受け止めないかもしれないが、私には同じことが起きているように見えるし、日本の罪は重い」と島田さん。海洋放出への受け止めを聞くために9月、現地に向かうという。来年でブラボー実験から70年だ。
 「第五福竜丸とともに、忘れてはいけないマーシャルの人たちの歴史がある」

◆デスクメモ

 竹峰さんは、核兵器禁止条約が、核実験被害者の支援や環境汚染改善を盛り込んだことにも注目する。米国の「核の傘」に頼る日本は批准を拒むが、核抑止論は核実験被害者の犠牲の上で成り立つ論理だからだ。本来真っ先に参加すべきことをせず、この上まだ国の信用を失うのか。(本)

 
科学的根拠を持たない「風評」と批判するネトウヨ張りの人が結構いるもんだ。

「核抑止論」と同じ立ち位置か!
「気候問題」でも、島が消滅する可能性の大きな島々である。

今日はとうとう35.1℃まで上がった。
消滅の現実味は日々…


処理水放出 「全責任」を持てるのか

2023年08月23日 | 自然・農業・環境問題

「東京新聞」社説 2023年8月23日 

 東京電力福島第一原発にたまり続ける「処理水」が、海に流される。「風評被害」を恐れる漁業者に対し、岸田文雄首相は「漁業が継続できるよう、政府が全責任を持って対応する」と強調するが、順調に進んでも三十年に及ぶ大事業。誰が、どう責任を取り続けるというのだろうか。

 福島第一原発では、事故で溶け落ちた核燃料を冷やすため、大量の冷却水をかけている。そこへ地下水や雨水が加わって、「汚染水」が毎日約九十トンずつ出続けている。その「汚染水」から多核種除去設備(ALPS)で大半の放射性物質を取り除いたものが「処理水」だ。

 原発構内には千基を超える「処理水」のタンクが林立し、廃炉作業の妨げになるとして、政府はおととし、濃度を国の基準値未満に薄めた上で、海底トンネルで沖合一キロの海に流す方針を決めた。

 ALPSを用いても、放射性物質はわずかに残り、三十年間放出し続ければ膨大な量になる。風評被害を恐れる漁業者の不安はぬぐえていない。

 政府と東電は八年前、福島県漁業協同組合連合会との間で「関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない」との約束を交わした。全国漁業協同組合連合会の坂本雅信会長=写真右端=は二十一日、首相=同左端=と面談し、「海洋放出に反対であることには、いささかも変わりない」とした上で「科学的な安全と社会的な安心は異なるもので、科学的に安全だからと言って風評被害がなくなるものではない」と強い懸念を表明した。

 約束を反故(ほご)にしての放出開始。いくら首相が「責任を持つ」と繰り返しても、にわかに信じられるものではないだろう。海洋放出の実施については、まだまだ説明と検討が必要だということだ。

 これほどの難題を抱えつつ、あたかも別問題であるかのように、政府が「原発復権」に舵(かじ)を切るのも全く筋が通らない。

 日本の水産物輸出先一位の中国は先月から税関検査を強化。七月の輸入量は前の月に比べ、三割以上減少した。拙速な放出開始は将来にさらなる禍根を残す。


 30年で終わる保証はどこにもない。むしろ不可能だろう。その間「地球」を汚し、「人体」への影響はもちろん、海洋生物にどのような影響があるかもわからない。断じて許すわけにはいかない!


世界が称賛したなでしこジャパンを評価しないのは「日本」だけだった

2023年08月22日 | なんだかんだ。
  リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon の意見
 
 
 日本は日本を知らない。今回の女子W杯を通して、私は強くそう思った。

 Jリーグ発足当時からずっと日本のサッカーを見てきた筆者は、近年のその成長ぶりに驚いている。ブラジルでは昔、ヘタなプレーをすると(大変失礼ながら)「おい、日本人みたいなプレーをするなよ!」と言っていた。しかし今、そんなことを言う者はひとりもいない。

 1993年、男子の日本代表は世界ランキング66位だった。それが今やどうだ。世界20位でW杯常連国。第9位にまで上り詰めたこともあった。中国もインドも、どんなに大金をつぎ込んでも自国サッカーを強くすることはできていない。今、世界中のスターを爆買いしているサウジアラビアだってそうだろう。唯一、これほどの速さでサッカーを成長させた日本に世界中が敬意を払っている。

 そして男子より先に世界の頂点に立ったのが、なでしこジャパンだった。女子サッカー界において、彼女たちは特別な存在だ。強豪のアメリカやドイツ、北欧のチームに割り込んで、優勝を果たしたことがあるのは日本だけだ。

 しかし今大会の日本の対応を見ると、彼女たちへの敬意を著しく欠いている気がしてならない。

 最初にそれを感じたのは、日本では女子W杯が放送されないかもしれないという、信じられない話を聞いた時だ。確かに今回の放映権はいろいろな問題があった。FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長の「女子W杯を男子と同じくらいのものにしたい」という野望のもと、これまで男子W杯と抱き合わせで売られていた放映権が個別となり、多くの国はFIFAが望む金額を提示しなかった。ヨーロッパの主要各国でも交渉は難航したが、それでも6月半ばには落ち着いた。主要国のなかで最後まで放送が決まらなかったのが日本だった。

 このニュースはまたたくまに世界中に知れわたってしまった。

「元世界チャンピオンの日本が大会を放送しない?」(『グローボ』紙)、「日本が、女子ワールドカップのテレビ放送打ち切りの危機に直面」(AFP)......。

【多くのブラジル人が日本を応援】

 放映権の差額をクラウドファンディングで集めるという話を聞いた時には、日本はどうしてしまったのかと、驚くよりも悲しくなった。日本は金のない国ではない。現在は円安でもあり、かつてよりは羽振りがよくないかもしれないが、それでも世界から見れば堂々たる金持ち国だ。その証拠に、この夏には多くのヨーロッパの名門チームが次々と日本で興行を行なった。パリ・サンジェルマン、マンチェスターシティ、バイエルン・ミュンヘン、インテル......。彼らを呼ぶ金はあっても女子のW杯に払う金はないのだろうか。日本のサッカーにとってどちらが重要なのかは、はっきりしているというのに。

 今年2月にアメリカで開催されたSheBelieves Cupでも、日本の試合は1試合もテレビで放送されなかったと聞いた。世界的に女子サッカーがどんどん盛り上がるなかで、日本は逆行している。その思いは大会が始まってより強くなった。

 今回のなでしこジャパンはすばらしいチームだった。この大会は番狂わせが多く、ブラジルは予選で敗退し、アメリカも早々に消え去った。しかしそのなかで、日本のモダンで聡明で勇敢なプレースタイルには誰もが喝采を送っていた。

 
優勝したスペインに唯一、勝利を収めた日本。写真は先制点を決めた宮澤ひなた photo by Reuters/AFLO
優勝したスペインに唯一、勝利を収めた日本。写真は先制点を決めた宮澤ひなた photo by Reuters/AFLO© Sportiva 提供
 
 ニュージーランドのニュースメディア『Stuff』は、FIFAのテクニカルチームの意見も参考にして、グループリーグのベスト11を発表した。そこに最も多くの選手が入ったのは日本だった。DFの熊谷紗希、MFの長谷川唯、そしてFWの宮澤ひなたと田中美南と、11人中の4人が日本人選手だった。そしてラウンド16までの間で最も称賛された監督は日本の池田太監督だった。

 日本の皆さんは知らないだろうが、ブラジルが敗退した後、多くのブラジル人が日本を応援することに決めた。ブラジルのマスコミも、なでしこジャパンを大きく取り上げ、ブラジルの選手たちまでもが、今回のW杯のお気に入りチームに日本を選んだ。ブラジルサッカー界の女王マルタに、どこがワールドカップで優勝するにふさわしいか尋ねると、彼女は迷うことなく「日本」と答えた。

【現地からの実況はなかった】

 日本は今回世界女王となったスペインをグループリーグで破っている。それもカタールW杯でサウジアラビアが優勝したアルゼンチンに大苦戦の末、1点差で勝利したのとは違い、4-0という大差をつけて。完ぺきな勝利だ。そして大会得点王には宮澤ひなたが輝いた。

 しかしそんなすばらしいチームに対しても、日本の関心は最後まで薄かった。最終的に放送を決めたNHKだが、現地の放送ブースに彼らの姿はなかった。彼らは最後までニュージーランドに来ることはなかった。1勝もできずに敗退したパナマだって、それを重々承知で、2つのテレビ局が取材、中継に来ていたというのに。ブラジルでは大会をテレビ、ラジオ、ストリーミングで中継し、現地には約60人のジャーナリストが来ていた。ブラジルから現地に来るのは、物価や距離を考えると、日本人よりはるかに大変だったはずだ。

 なぜ日本は日本を応援しないのか、世界中が疑問に思っている。

 現地に来ていた数少ない日本のジャーナリスト(彼らの多くはフリーランスだった)に私は率直にその疑問をぶつけてみた。国内が盛り上がっていないから。高校生の野球の大会があって今はそっちのほうに関心があるから。世界水泳やラグビーW杯があってそっちにお金がかかるから......。だが、テレビやメディアが報道しなければ、盛り上がらないのは当たり前だ。興味を持たすのがメディアの仕事ではないか。

 日本にはもっとこの大会と女子サッカーを盛り上げるチャンスがあったはずだ。初戦でザンビアに大勝した時、スペインを破った時、ベスト16に出た時。しかし結局、放送ブースは空っぽのままだった。スタジアムに来ていた記者の間では「今日も日本は現地実況しなかったよ」とジョークのように言われていた。

 それはつまり、彼女たちにはその価値がない、コストがかかりすぎると判断されたのだ。彼女たちはあなたたちの国を代表して戦い、日本の国歌を歌ったのに。

 日本のメディアに関わっていると、しばしばある違和感にとらわれる。日本のメディアは先にストーリーを作ってしまうことが多く、それに沿って報道する傾向があるのだ。だが、大会の行方がどうなるのかはメディアが決めることではない。これは選手はもちろん、サポーターに対しても失礼なのではないだろうか。

 スウェーデン戦の前に、ひとりの日本人サポーターと話をすることができた。彼女はこの1試合を見るためだけにニュージーランドに来て、そして翌朝にはとんぼ返りで日本に戻るという。彼女は言っていた。

「みんなが『今回のなでしこには希望はない』と言ったから、それを信じて休みも取らなかった。でもそれは違った。だから1試合だけでも見たくて強行スケジュールでやってきたんです」

 世界はなでしこジャパンのすばらしさを見た。それと同時に、日本の女子サッカーに対する冷たさを目の当たりにした。「報道」という観点からは、残念ながら悪い印象を残してしまった。日本を評価しないのは日本だけだった。


まだ遅くはない。
今だ、今を逃したらそれこそお終いだ。

明日、明後日と35℃の予報だ出た。
これまで34℃は経験しているが、未知の世界だ。
もう、お盆も過ぎたというのに・・・


「東京新聞」社説 信じられる大人がそばに

2023年08月21日 | 教育・学校

「東京新聞」<社説>週のはじめに考える 2023年8月20日 

 夏になると、読み返したくなる。「スタンド・バイ・ミー」は、そんな小説です。一九八〇年代に映画化もされ、大ヒットしました。同じタイトルの主題歌を記憶している読者の方々も、多いのではないでしょうか。

 物語の舞台は、六〇年の米国の田舎町。夏休み最後の週末に、十二歳の少年四人が冒険に出ます。四十キロほども離れた森への、一泊二日の旅です。

 満ちあふれる好奇心。真っすぐな勇気。そして友情。少年たちのみずみずしい生命力に、深い感動を覚えます。

 しかし、作者スティーブン・キングが描いた別の一面に気が付かないわけにはいきません。それは、子どもたちの「敵」としての大人の姿です。

◆生きづらさから暴力に

 戦争で心を病んだり、貧困の中で酒に溺れたりして、息子に暴力をふるう父親たちが登場します。長男を偏愛するあまり、次男に無関心な両親がいます。

 幼いから簡単にだませるだろうと商品の代金を過大請求する店主や、現金を横領する教師…。著名な青春文学も、見方を変えれば大人に対する告発文のようです。

 私たちはこれを、ひと昔前の小説の中の、米国での話と、片付けることはできません。

 体や心を傷つける不適切な子育ては、英語で「マルトリートメント」と呼ばれます。「虐待」より広い意味で使われ、体罰や暴言、無視、親の不和や不在、ゲーム機やスマートフォンの安易な買い与えなども含みます。

 そうした家庭や社会の歪(ひず)みは今の日本で、子どもの不調に表れているのではないでしょうか。

 その一例が、校内暴力の激増です。二〇二一年度に暴力をふるった小学生は約三万六千人と、十年前の約五倍。低年齢化が著しく、小学一年生では約二十倍です。

 こうした暴力は、いじめや不登校などに結び付くだけではありません。

 臨床教育学を専門とする白梅学園大学の増田修治教授(65)によると、暴言や教室からの離席などと合わせて、授業を正常に行えない「学級崩壊」が各地で広がっています。それは、クラス全員の学びを阻害しています。

 「子どもたちの発達の危機だ。自分の価値観だけで動き、他人の気持ちを推し量ることのできない子どもが増えている」

 こう懸念する増田氏は、かつて小学校教師を二十八年間務め、崩壊学級を多く担当してきました。多様な親子と向き合ってきた経験から「問題行動を起こす子どもの多くが、家庭に困難さを抱えている」と指摘します。

 子どもたちの「生きづらさ」の原因は、貧困や家族の介護などさまざまです。増田氏は大学の授業で、教職を目指す学生らにこう説き続けています。

 「子どもたちはランドセルと一緒に、生活の重みを背負って学校に来ます。教師の役割は悲しみや苦しみについて共に考え、それを軽くしてあげることです」

 「クラス全員が『私は先生に一番愛されている』とそれぞれに感じた時、学級づくりが成功したと言えるんですよ」

◆人のぬくもり届けねば

 国は、子育て支援の充実を掲げて、デジタル化による学校改革も進めています。

 ただ、家庭の金銭負担を軽減したり、パソコン教材で興味を引くだけでは、子どもの不調は解消しないでしょう。

 SOSを受け止める、ぬくもりを持った人間が不可欠です。地域の人々の力を借りて、機能不全に陥る家庭や学校に質の高い支援の人材を送り届け、手厚くする。そして、生きづらさを社会全体が減らすことが必要です。

 人間への信頼を実感させ、生きる意欲を持たせてあげたい。それらを欠いたまま大人になる子が増えれば、未来の社会の根幹が揺らぐと言わざるを得ません。

 「スタンド・バイ・ミー」の作者キングの生い立ちをご存じでしょうか。二歳の時、父親が借金を残して失踪し、貧しい母子家庭で文章を書き始めました。

 この小説の中で、ある少年が言います。「子どもってのは、誰かが見守っててやらないと、なんでも失ってしまうもんだ」。キングの心からの叫びでしょう。

 スタンド・バイ・ミー、つまり「そばにいて」。子どもがなかなか言えない言葉の重みを受け止めたい。そして、身近なところに信頼できる大人がいるよ、と言える社会を築いていきたいのです。

 

⁂     ⁂     ⁂

トー横キッズの背景(上)

居場所を求めて

「しんぶん赤旗」2023年8月21日

 東京都新宿区の繁華街、歌舞伎町シネシティ広場かいわい、通称「トー横」(新宿東宝ビルの横)に居場所を求めて集まる未成年たち。彼らは「トー横キッズ」と呼ばれ、トー横が売買春や薬物乱用の入り口になっているなどと報道するメディアもあります。背景には何があるのか。行政や支援団体はどう向き合っているのか。新宿で活動する支援団体の一つ、公益社団法人「日本駆け込み寺」の活動や、地方議員の取り組みから考えました。(横田和治)

 8月上旬、映画館脇の広場。観光客や通行人が行き交う中、10~20代とみられる男女6~7人ずつのグループがいくつか、壁際などに座り込んでいました。段ボールを敷いて寝転がる人も。すぐ隣にはホームレスとみられる男性の一団が、やはり段ボールを敷いて座っていました。

 歌舞伎町で20年にわたりDV相談や性売買から、金銭問題、心の相談までさまざまな問題について当事者から無料で相談を受け、解決に導いてきた公益社団法人「日本駆け込み寺」創設者の玄秀盛(げん・ひでもり)代表理事は現状についてこう話します。

生きていくため

 「居場所のない子たちが生きていくにはお金が必要です。少女はSNSを利用して性売買などせざるを得ず、それにおとなが群がります。また、少年たちはそれらのあっせんや万引き、詐欺まがいの違法行為などをして生活の糧にしています。現実逃避や多幸感を目的にオーバードーズをし、自傷行為や自殺未遂など命にも関わる事案が頻繁に起きています」

 駆け込み寺の活動に同行しました。

 日中の炎天下。駆け込み寺スタッフと地元ボランティアのパトロール兼清掃活動です。40リットルのごみ袋を何枚も台車に配備し、清掃活動をしながら町を歩きます。

 スタッフが少女にティッシュを渡しながら、「事務所に無料のギョーザ弁当あるよ」。するとトーンの高い声で「わかった、行くよー」と返し、心もとないフワフワした足取りで事務所の方に向かいます。

 18歳だという青年が、ボランティアの肩にもたれかかりながら事務所に向かう姿も。事務所の食堂ではスタッフと子どもたちが談笑する姿もありました。

 「家出した子どもたちが『トー横』に集まり始めたのは2018年ごろからと言われています」と玄代表理事が説明します。

 その後、コロナ禍を背景に家族が自宅で過ごす時間が増え虐待などが増加。家にいられない子が居場所を求めて集まるようになりました。「ここにいる」という情報が若者同士のSNSでも共有され、拍車がかかったといいます。

まずはつながり

 日本駆け込み寺が「トー横」の問題に取り組んだのはコロナ禍の22年から。行き場をなくした子たちは無償でサポートしようとするおとなを警戒しており、会話をするのにも時間がかかりました。

 「まずは彼らの居場所をきれいにするため清掃活動を始めました。そして無料で配るティッシュや水に事務所住所を記載して渡す。私たちは子ども食堂もやっているので、まずはつながって、足を運んでもらう。一緒にご飯を食べて、会話が生まれる。その中で信頼関係が生まれるんです」 (つづく)


 氣になる子がいたら声掛けしてみてください。
うるさいジジババと想われてもそこからしか「関係性」はできません。
でも、「直球」はダメですよ。
まずは天気の話などから…

 


「死ぬほど暑い」12万年ぶりの猛暑

2023年08月20日 | 生活

なぜメディアは表層的な現象しか報じないのか

 
井出留美食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)
東京で猛暑日(写真:西村尚己/アフロ)

昨日、通りすがりの男性が「暑い!」「死ぬ!」と叫んでいた。

その次に現れた若い女性は、冷房の効いた建物から出た瞬間、「暑っつ!」と眉間に皺を寄せた。

その次に現れた小さな男の子は、両親に手をひかれながら、「アチアチアチ...」とつぶやいていた。

 

子どもは大人に比べて外気温の影響を受けやすい。炎天下にアスファルトの道路を歩いていれば、さぞかし暑いことだろう。

2023年7月は「地球上で12万年ぶりの暑さ」だと専門家は指摘した(1)。国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、2023年7月、「地球は沸騰化(boiling)の時代」に入ったと述べた(2)。

Forbes JAPAN(フォーブスジャパン)は

人為的な気候変動により、世界の気温は長年にわたり上昇傾向にある

と報じている(3)。だが、日本のマスメディアの報道を見ていると、この猛暑と気候変動を関連づけて報じているものは少ない。

「気候変動」と「酷暑」を関連づけた報道はたった0.7%

日本最大のビジネスデータベースサービス、G-Search(ジーサーチ)(4)で、2023年8月1日から20日までに「酷暑」を報じたメディアを検索すると、502件がヒットする。だが、そのキーワードに「気候変動」を掛け合わせると、15件と少なくなる。さらにこの15件を精査すると、そのうち4件しか関連づけて報道していない。つまり、「酷暑」を報じたうちの0.7%に過ぎない。

また、「猛暑」のキーワードを使って同様の期間で検索すると、2,606件がヒットする。さらに「気候変動」を掛け合わせると、両方を報じているのは117件と、全体の4%だ。

ジャーナリストの鈴木哲夫氏が、8月6日付の『サンデー毎日』で、災害級の暑さに対する政府の無策を論じ、

人の命を奪う暑さも、もはや有事だ。そういう認識が政府にはあるのか。岸田政権に改めて問う。

と記事を締めくくっている。

食品ロスを減らすことは気候変動への重要な対策

気候変動は、ある面では手のつけようがないが、一方で、地球上の全員にできることがある。

たとえば世界の200人近くの専門家や研究者が参加した『ドローダウン』プロジェクト(6)では、地球温暖化を逆転させる100の方法を明らかにした。二酸化炭素の削減量や、コストパフォーマンス、実現可能性などから数値を割り出し、1位から100位までランクづけした。

100位中、3位になっているのが「食品ロス削減」だ。電気自動車(26位)や飛行機の燃費向上(43位)よりもずっと順位が高い。それくらい、気候変動に対して、食品ロス削減は、有効な策である。

書籍『ドローダウン』(山と渓谷社)を基に筆者パワーポイント作成)
書籍『ドローダウン』(山と渓谷社)を基に筆者パワーポイント作成)

世界中の食品ロス(Food loss and waste)が排出する温室効果ガスは、全体の8〜10%に匹敵する。国にたとえると、最も温室効果ガスを排出している中国、2位の米国に次いで、3位となる。

温室効果ガス排出の国別ランキング(世界資源研究所)
温室効果ガス排出の国別ランキング(世界資源研究所)

 

航空機の温室効果ガス排出量と比べても、世界の食品ロスによる温室効果ガスの排出量の方が高い(下記グラフのオレンジ部分が食品ロスによるもの、世界資源研究所による)。

 

温室効果ガスの排出量比較(世界資源研究所)
温室効果ガスの排出量比較(世界資源研究所)

 

日本の自然観と教育が根幹にあるのか・・・?

「暑い」「酷暑」「猛暑」といった表層的な現象しか報じない日本のマスメディアを見ていると、「暑いなら暑いでその暑さを受け入れるしかない」という考え方を感じる。日本人の自然観というのだろうか、

「自然には抗えない」

「自然災害は仕方ない」

という諦観。

これは論理が飛び過ぎかもしれないが、日本の教育も関係してはいないだろうか。教えられたことを黙って覚えるという、一方通行で受け身の教育方式だ(7)。

気候変動に対して個人でできる10の対策

国連広報センターは、気候変動に対して、個人でできる10の対策を公式サイトで示している(8)(8')。「廃棄食品を減らす」を含めて、以下の行動が挙げられている。

1、家庭で節電する

2、徒歩や自転車で移動する、または公共交通機関を利用する

3、野菜をもっと多く食べる

4、長距離の移動手段を考える

5、廃棄食品を減らす

6、リデュース、リユース、リペア、リサイクル

7、家庭のエネルギー源を変える

8、電気自動車に乗り換える

9、環境に配慮した商品を選ぶ

10、声を上げる

筆者自身、1の「節電」と4の「長距離移動手段を考える」については、自信を持ってできているとは言い難い。自動車を持たないので8もしていないが、それ以外の項目は、できるだけ実行している。2020年から家庭のエネルギー源も再生可能エネルギーに切り替えた。

気候変動は大きな問題だが、何もできないわけではない。むしろ、個人ひとり一人が対策をとらねばならない。「酷暑」や「猛暑」を報じるメディアには、表層的な現象だけを報じるのではなく、個人でできることも併せて報じてほしい。


同感ですね。
一番悪いのは「戦争」です。
2番目は大企業による儲け主義です。
日頃の生活の中で一人一人が「意識的」にあるならば、「戦争反対」「大企業の儲け主義反対」、「大量生産、大量消費」の見直しを求め、声を上げるでしょう。

今朝、雨音で目が覚めました。
予報にはなかった雨です。
雨雲レーダーを見ると畑でも降っているようです。
「出勤」して降雨量を確認すると60mm。
いい雨でした。
小川にも水が戻ってきました。


ガソリンが高い!

2023年08月19日 | 生活

リッター200円も現実に…そもそも税金が高すぎない?

「東京新聞」2023年8月19日

 ガソリンがとにかく高い。経済産業省が16日に発表した全国平均小売価格は1リットル当たり182円弱。これは2008年8月以来の15年ぶりの高値だ。場所によっては190円、200円というところも。世界的エネルギー危機、円安に加えて、政府が発動してきたガソリン卸への補助金が段階的に減らされているためだ。このまま「リッター200円時代」になっていくのか、社会はそれに耐えきれるのか。(曽田晋太郎、岸本拓也)

◆「200円になったらもう走れない」

 「生活費を切り詰めないと立ちゆかない」

 川崎市内の「産業道路」沿いにあるガソリンスタンド。給油していた近くの自営業男性(59)は、レギュラー185円と掲げられた看板を見つめて嘆いた。

 男性はシャッターの修理などを手掛ける事業を営んでおり、仕事で毎日バン型の車を使う。遠くは長野県や新潟県などにも行くこともあり、月4000キロほど走行するという。給油は毎日するが、価格が高騰しているため、出先で販売価格の安いスタンドを見つけて購入しているそうだ。

 「ガソリン価格の高騰は経営に直結する」と男性。リッター125円くらいが「利益が出るぎりぎりの線」といい、「150円を超えたら本当につらい。死活問題だ」とため息をつく。ロシアのウクライナ侵攻が終息を見ない中、「秋を過ぎた頃には200円になってしまうのではないか。そうしたらもう走れない」と苦しい心情を吐露する。

◆暑さでエアコンも多用…減りが早い

 「家計へのダメージが大きく、小遣いを節約している」と話すのは、同市の会社員男性(50)。約10キロ離れた会社への通勤に毎日車を使うが、連日の猛暑でエアコンを多く使ったせいか、ガソリンの減りが早く、給油が例年より増えたという。「ガソリンの値段は上がる一方で、下がらないと思うと損した気分になる」

 ガソリンスタンドの男性店長(52)によると、この店は平日はトラックや営業の車などが大半を占め、休日は一般客の利用も多いという。今週はレギュラー185円、ハイオク196円、軽油152円で販売。レギュラーは先週より7円値上げした。

 周辺にはガソリンスタンドが多く、顧客を獲得するための値下げ競争が激しいという。そんな中、店は個人経営のため「少しでも安くしたいが、大手にはかなわない。燃料で利益を出すのは難しい」と苦しい胸の内を明かす。原油高や円安が好転しない現状を憂い、「お客さんをどうやってつなぎとめていくか大変だ」と頭を悩ませる。

◆値上げしても苦しいキッチンカー

 一方、ガソリン価格の高騰に加え、食料品の値上がりにも直面しているのはキッチンカーだ。東京・有楽町駅近くで和食弁当を販売していた篠田修さん(66)は「こんなにガソリンの値段が上がると思わなかった。負担が大きすぎる」と語る。弁当は1個750円で販売。昨今の物価高を受け、今年に入ってから50円値上げしたばかりだ。「売り上げはコロナ禍前と比べて1割ほど減っている。ガソリン高騰の影響でさらに利益が減ると思うと苦しい」と肩を落とす。

 今月14日時点のレギュラーガソリンの全国平均価格は1リットル当たり181.9円(前週比1.6円増)となり、15年ぶりの高値となった。地域で価格差があり、石油情報センターの調査によると、レギュラー価格で最も高かったのは長野県の190.4円で、最安は岩手県の176.8円。東京は183.8円だった。高速道路サービスエリアでは200円というところも。原油価格の高騰や、円安による原油の輸入価格の上昇、国の補助金の段階的な縮小を背景に、ガソリン価格の高騰は歯止めがかからない情勢だ。

◆あるのか?トリガー条項発動

 このまま9月末で補助金が終了すれば、家計には大きな負担となりかねず、野党を中心に政府へ対応を求める声が強まってきた。

 国民民主党の玉木雄一郎代表はX(旧ツイッター)で連日のように「岸田内閣はガソリン値下げを速やかに実行せよ」と投稿し、補助金の半年延長や、ガソリン税の負担を軽減する「トリガー条項」の凍結解除などを求めた。

 ロイター通信によると、政府は8月中にも現在の支援策を延長するかどうか本格的に議論するという。ただ、後藤茂之経済再生担当相は15日の記者会見で、「10月以降の対応は、国際的な燃料価格の動向などを踏まえて今後対応を考えたい」と述べるにとどめた。

 しかし、より根源的に議論されるべきは、国際的にも高すぎるといわれるガソリン税の問題だ。

◆いつまで?「当分の間」の税金上乗せ

 ガソリン税は、揮発油税と地方揮発油税を合算したもので、現在は1リットル当たり計53円80銭が徴収されている。これに石油石炭税や地球温暖化対策税もかかる。さらにこれらの税金には、消費税まで課せられ、「二重課税」との根強い批判がある。

 さらにややこしいことに、ガソリン税には、緊急の道路整備のために臨時で徴収されていた旧暫定税率の名残である「当分の間税率」分の25円10銭が上乗せされている。2008年の「ガソリン国会」時には一度、この暫定税率が廃止され、一時的にガソリン価格が下がったこともある。

 国民民主が昨年来主張する「トリガー条項」とは、レギュラーガソリンの平均価格が160円を3カ月連続で超えた場合にこの上乗せ分の課税を停止する措置だ。旧民主党政権時代の10年に導入され、東日本大震災の復興財源を確保するために凍結されたが、法改正で解除して条項を使えば、ガソリンは一気に安くなる。

◆生活を守る負担軽減策が必要では

 石油元売りを通じた現在の補助金の仕組みより、トリガー解除による減税の方が分かりやすいが、政府は後ろ向きだ。法改正に時間がかかることや、ガソリンや軽油は減税できても、灯油や重油は対象外となることなどを理由に挙げる。

 加えて国と地方で年間計約1.6兆円(22年度試算)の減収になる点が、財務省を渋らせていると経済アナリストの森永卓郎氏は指摘し、こう批判する。「財務省には減税は負けという考えが根強くある。しかし、国民の実質的な手取りが減っている中では、減税や給付金で消費を刺激するのが普通。歳出を絞るやり方はおかしい」

 10月以降、減税も補助金もなしとなれば、どうなるのか。第一生命経済研究所の新家義貴氏の試算によると、ガソリン価格が200円で高止まりすると、1世帯あたりの年間負担が1万2000円増える。

◆「マイナ普及策に2兆円もかけたくらいなら」

 地域差は大きく、最も負担が少ない東京都区部が3700円なのに対し、最も大きい山口市では1万8000円と、5倍近い開きがある。新家氏は「地方の家計負担はかなり重い。消費は抑制され、景気への悪影響も大きくなる」と指摘する。

 補助金を巡っては、脱炭素に逆行するガソリン車の利用を助長することや、国が特定の産業に兆円単位の巨費を投じることへの批判もある。一方で、地方を中心に、生活の足として自動車に頼らざるを得ない人たちがいるのもまた事実だ。

 経済ジャーナリストの荻原博子氏は、国民が必要性を感じていないマイナンバーカードの普及策に2兆円も大盤振る舞いしたことを引き合いに「それに比べれば、電気・ガス代も含めて重すぎる負担を軽減することは国民生活を守るために必要」と指摘した上でこう提案する。「政府は、トリガー条項の凍結解除だけでなく、二重課税が問題になっている消費税を凍結するとか、思い切った対策を決断するべきだ」

◆デスクメモ

 「当面の間」だの「暫定」だのおよそ課税の根拠としては不安定な言葉で税金を取り、その集めた税金から補助金を出してガソリン高騰対策とする。端的に言ってスジが通っていない。この通らなさ、「任意だけど事実上義務」という例のカードに似る。税金の使い方がおかしいのだ。(歩)

⁂     ⁂     ⁂

 

「日本の災害支援は遅いくせに!」岸田政権“ハワイ山火事に200万ドル支援”表明も国内外の対応差に募る疑問

2023/08/17『女性自身』編集部

 

8月16日、日本政府はハワイ州で発生した山火事に対して、総額200万ドル規模の支援を実施すると表明した。これに対して、国内で巻き起こっている自然災害への対応との違いを指摘する声が相次いでいる。

 今月8日、ハワイ・マウイ島で発生した死者100名を超える大規模な山火事。今もなお消火と捜索活動が続いているなか、日本政府はアメリカ側から要請を受けたとして、総額約2億9000万円を支援すると表明した。18日には、岸田文雄首相が日米首脳会談で直接お見舞いを伝えるとも報じられている。

山火事の発生から約1週間で支援を決定、表明した岸田政権。そのスピード感を称賛する声があるいっぽう、国内では批判的な声も噴出しているようだ。

「日本国内では現在、先日から猛威を振るっている台風7号の影響や被害情報が続々と報じられています。しかし直前の8月14日には、岸田首相が16日に山梨県内で歴代首相とのゴルフを予定していたとの報道が浮上。自民党内でも懸念の声が上がり、中止になったと伝えられました。そんな中で出された表明に対して、ハワイへの支援自体には理解を示しつつも、対応の差を感じる人も多かったようです。

先月10日にも九州地方は記録的な大雨に見舞われましたが、岸田首相が被災地を訪れたのは2週間以上経過してから。さらにその間、中東三カ国への訪問や『終日、公邸で過ごす』といったスケジュールが明らかになっており、“国民の命はそっちのけ”などと厳しい声が寄せられていました」(全国紙記者)

現在、特に大きな影響を受けている鳥取県内では、水道管が通る橋が崩落し断水状態が継続中。土砂崩れなどによって130人を超える人々が孤立状態になっており、行方不明者の捜索も続いている最中だ。

にもかかわらず、被害地域への今後の対応などが不透明な岸田政権に対して、ネット上では疑問の声が噴出している。

《外国への対応は早いけど、なんで国内の対応はこんなに遅いんだろうね》

《ハワイ山火事大変なのはわかるけど、200万ドル支援??アメリカとか海外にはホイホイ金出すくせに、日本の災害支援だったり、物価高騰対策は遅いくせに!!️!!️》

《海外支援が大切なのはわかるけど、国内に対する対応とあまりに違うのでイライラする》


途上国や「後進国」が要請するのならわかるがトップのアメリカが「後進国途上」の日本に要請するか?

すでに当日の天気予報も当たらなくなってしまった。
週間予報、全然意味がない状態。


日本が産油国?ドリーム燃料製造装置

2023年08月18日 | 自然・農業・環境問題
水とCO2から石油が造れる
ドリーム燃料製造装置

炭酸ガスと水から石油(n-アルカン)を合成できる石油生産装置を販売しています。
常温常圧で効率的に石油を化学合成、 しかも燃焼後に硫黄酸化物SOXや窒素酸化物NOXが出ません。
生産できる石油は軽油や重油など様々。
それらをドリーム軽油ドリーム重油、総称ドリーム燃料と呼んでいます。 炭酸固定による再生エネルギーの製造を可能とした、 地球にも人体にも優しい、まさに脱炭素社会に向けた夢の再生燃料製造装置です。

※ドリーム軽油の組成 C:約86%、H:約14%、N:0%、O:0%(元素分析結果)

ドリーム燃料製造装置

  • POINT01

    炭酸ガスと水で石油を生産できる

    石油は、炭酸ガス(CO2)の超微細気泡と特殊光触媒から作る活性化水に、 種となる石油を混合することで製造します。 非生物的石油生産であり、材料が枯渇することも事実上ありません。

  • POINT02

    総発熱量は市販石油とほぼ同じ

    本装置で製造したドリーム燃料(新油)と種とした市販石油(元油)は
    どちらも同程度の発熱量です。
    新油 46,010J/g
    元油 45,990J/g

    ※日本工業規格JIS K2279による測定結果。

  • POINT03

    安価なランニングコスト

    ドリーム燃料の生産は、常温常圧。 巨大な設備も必要としません。 そのため、安価なランニングコストを実現しました。

  • POINT04

    装置の大きさは20ftコンテナわずか1台分

    石油を造る装置と聞くと、巨大な設備を想像するかもしれません。
    このドリーム燃料製造装置は、20ftコンテナ1台に性能をコンパクトに集約、
    極めて高い生産性を実現しました。

    ※20ftコンテナ外寸(ISO規格):6,058x2,438x2,591mm

  • POINT05

    軽油も重油もできる

    ドリーム燃料の製造には、水と炭酸ガスの他に、 種となる石油(元油)が必要です。
    元油が軽油なら、できるのはドリーム軽油、
    元油が重油なら、できるのはドリーム重油。
    テトラデカンも同様です。
    さらにはドリーム軽油からはドリーム軽油ができます。
    つまり、用いた油を鋳型として新たな油が合成されるのです。

  • POINT06

    燃焼後にSOX出さない

    本装置で製造したドリーム燃料は、硫黄(S)や窒素(N)を含みません。
    そのため燃焼しても、ぜん息や酸性雨、また光化学スモッグの原因ともなる
    硫黄酸化物SOXが発生しません。
    窒素酸化物NOXも、空気中のN2由来のNOX以外は発生しません。

  • POINT07

    ドリーム軽油で燃費性能が最大1.2倍に増加

    本装置で製造したドリーム軽油は日本工業規格(JIS)に適合しています。
    これを使うと車のエンジン燃費性能は1.15~1.2倍
    走行距離を延ばすことに成功しました。
    しかも、煤(すす)が激減。排気ガスがきれいになるばかりではなく、
    エンジン音も静かに。ノッキングもほとんど発生しなくなりました。

    ※数値は一例です。

  • POINT08

    地球温暖化防止に大きく貢献

    ドリーム燃料の材料の1つが炭酸ガス(CO2)。 つまり、製造により炭酸ガスを消費します。 このことは企業レベル、また国家レベルで排出権取引※1を有利にできます。 また、究極の炭素中立※2(カーボンニュートラル)の実現が期待でき、脱炭素社会に貢献します。

    ※1 排出権取引:各国家や企業には温室効果ガスの排出許容枠があり、余った排出枠を、超過してしまった企業や国家とトレードできる制度。
    ※2 炭素中立:人為的活動の際に排出されたCO2と吸収されるCO2が同じ量という概念。
  • POINT09

    ビジネス競争力の向上

    ドリーム燃料により、トラックや船などの燃料費の削減、
    また、火力発電にも利用されれば、将来的に電気代も安くなることが期待できます。
    これはビジネス競争力のベースアップ、ひいては国際競争力も高めます。


    【燃料高の救世主】日本人が開発成功!リッター14円の人工石油とは!?

     


きっこのメルマガ 中国にダダ漏れ。最高機密網への侵入を数カ月も放置した防衛省「昭和の戸締り」状態

2023年08月17日 | 事件

まぐまぐニュース!2023.08.17

 by 『きっこのメルマガ』

 かねてから脆弱性が指摘されてきた日本の情報セキュリティ。そんなウィークポイントを中国が見過ごすはずもなく、つい先日、ワシントン・ポスト紙に掲載された記事は驚愕に値するものでした。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、防衛省の最高機密網が数カ月に渡り中国にハッキングされていた事実を伝える記事を取り上げ、その深刻度を解説。さらに日本のIT技術の「周回遅れぶり」を指摘するとともに、マイナ保険証が中国の次なるターゲットになることは確実と断言しています。

今も絶賛ダダ漏れ中。中国にハッキングされ放題、防衛省の最高機密網

 日本ではほとんどスルーされていますが、米紙ワシントン・ポストは現地時間の8月7日、日本にとって驚くべきニュースを報じました。3年前の2020年、中国が日本の防衛省の最高機密網を何カ月にもわたってハッキングしていた、というニュースです。日本でも新聞各紙が簡単な内容を報じましたが、日本人の多くがこのニュースをスルーしたため、続報は伝えられず、1週間も経たずに「過ぎ去ったニュース」になってしまいました。

しかし、あたしはとても気になったので、すぐにワシントン・ポストの元記事を読んでみました。「China hacked Japan’s sensitive defense networks, officials say(中国が日本の防衛機密ネットワークをハッキングしていたと当局者が伝えた)」という見出しで、ワシントン・ポストの国家安全保障担当記者のエレン・ナカシマ氏の署名記事でした。彼女はこれまでに、複数回のピューリッツァー賞やジェラルドローブ賞などを受賞している国家安全保障の専門家です。

で、その記事の内容ですが、当事のNSA(アメリカ国家安全保障局)の12人の担当者のうち3人からの証言として、「中国人民解放軍のハッカーグループが日本の防衛省のネットワークを完全にハッキングしていて、少なくとも2020年から2021年にかけて数カ月間、もっとも重要性の高い最高機密網にアクセスしていた」というものでした。

ま、ここまではいいのです…って、もちろん、いいわけありませんが、ここまではともかくとして、問題はこの先なのです。引き続きワシントン・ポストの記事によると、この問題が確認された2020年秋、日本のセキュリティシステムのあまりの脆弱さに驚いたアメリカ政府は、このまま日本に任せていたら大変なことになると思い、NSA長官で米国サイバー軍司令官のポール・ナカソネ氏と、ホワイトハウスのマシュー・ポッティンガー国家安全保障副補佐官を日本へ送ったのです。

まず、当事の日本とアメリカの状況を説明しておきますが、どちらも大変な時期でした。2020年9月、日本では安倍晋三首相が突然の辞任を発表し、後継者選びの自民党総裁選で菅義偉官房長官が選ばれました。一方、アメリカは大統領選の真っ最中で、2カ月後の11月、現職の共和党のドナルド・トランプ大統領を、民主党のジョー・バイデン氏が破りました。しかし、トランプ大統領は「投票はインチキだ」と大騒ぎし、あちこちの州で訴訟を起こしました。それでも、バイデン氏が翌年1月20日の就任式を迎えるまでは、トランプ氏が大統領なのです。

つまり、日本は「安倍政権から菅政権に変わった後」であり、アメリカは「大統領選ではバイデンが勝ったが、翌年1月20日の就任式まではトランプが大統領」という微妙な時期だったのです。アメリカ政府は、トランプ政権からバイデン政権への移行を進めていました。国家安全保障に関しても、それまでのトランプ政権下で国家安全保障を担当していた高官らから、次のバイデン政権で国家安全保障を担当するジェイク・サリバン氏へと引き継ぎが進められていました。

米国サイバー軍の支援提供を拒否した岸信夫防衛相

 すると、トランプ政権が隠蔽していた様々な情報が出て来たのですが、その中に重要性の高い「ハッキング情報」が含まれていたのです。その1つが「ロシアのハッカーグループによるアメリカの国防総省のネットワークへの侵入」であり、もう1つが「中国のハッカーグループによる日本の防衛省のネットワークへの侵入」でした。アメリカの国防総省のネットワークへのハッキングは、それなりにセキュリティ対策が施されていたため、大事にはなっていませんでした。

しかし、日本の防衛省のネットワークへのハッキングは、もっとも重要性の高い最高機密網にまで侵入されていた上、当時の安倍政権の河野太郎防衛相は、何の対策も取らずに何カ月間も放置していたのです。防衛省の最高機密網には、アメリカと共同で行なっている軍事計画の詳細なども含まれているので、これはアメリカにとっても大変な問題です。そのため、アメリカは自国のことで手一杯なのに、それでも無理をして、NSAのナカソネ長官とホワイトハウスのポッティンガー副補佐官を日本へ送ったのです。

エレン・ナカシマ氏の元記事には「日本の防衛相」としか書かれていませんが、安倍政権から菅政権へ移行した直後の防衛相ですから、これは安倍晋三元首相の実弟の岸信夫氏ということになります。で、元記事を読むと、ポール・ナカソネ長官に同行したNSAの高官の証言として、ナカソネ長官からブリーフィングを受けた岸信夫防衛相は、中国人のハッカーグループによるハッキングの事実を知らされ、「たいへん驚いていた」とのこと。

この問題を担当したNSAの高官の1人は、「日本の防衛省のネットワークのもっとも重要性の高い最高機密網が、何カ月も前から中国人民解放軍のハッカーグループのマルウェアによってハッキングされており、多くの最高機密が漏洩し続けていた可能性が高い」と述べました。つまり、何カ月も前から防衛省の最高機密網がハッキングされ、重要な情報がダダ漏れになっていたのに、防衛省も担当大臣も誰1人として気づいていなかったということです。

ハッキングには、相手のシステムの脆弱性をついて侵入し、ウイルスを仕掛けたりプログラムを書き変えてシステムを破壊するサイバー攻撃だけでなく、「こっそりとデータを盗み見るスパイ活動」があります。この時は、後者だったので気づかなかったようです。しかし、部外者が正規でない方法で最深部にまで侵入していた上、その状態が何カ月も続いていたのですから、マトモな監視システムであれば、速攻でブロックして排除していたはずです。

そして、この「防衛省も担当大臣も誰1人として気づいていなかった」という状況に愕然としたナカソネ長官は、中国のハッカーグループによる強力なマルウェアシステムを一掃するために、米国サイバー軍の支援を提供すると申し出ました。それなのに、嗚呼それなのに、それなのに…というわけで、岸信夫防衛相はコトの重大さが理解できなかったのか、それとも、菅義偉首相から何らかの指示があったのか、このありがたい申し出を「拒否した」のです。そして、「国内の民間のセキュリティ会社に対応させるので問題ない」として、ナカソネ長官らを引き取らせたのです。

日本のサイバーセキュリティ対策の司令塔からもデータ漏洩

 で、これがどうなったのかと言えば、他国の防衛省のネットワークの最深部にまで侵入できるプロ中のプロと、IT後進国である日本の民間のセキュリティ会社では、経験値も実力も雲泥の差があります。ナカソネ長官の申し出を受けて、米国サイバー軍に任せておけば数日で解決したものが、右も左も分からない日本の民間企業が対応したため、1カ月が過ぎても、2カ月が過ぎても、年が明けても中国のマルウェアを排除することができず、結局、岸防衛相がハッキングの事実を知ってから排除するまでに数カ月も掛かってしまったのです。

日本の防衛省のネットワークを監視し続けているNSAによると、来日して岸防衛相にブリーフィングしてから1年後の2021年秋の時点でも、「防衛省のシステムの脆弱性はほとんど改善されていない」とのこと。ですから、日本の防衛省の最高機密網は、今も中国に絶賛ダダ漏れ中なのです。

さて、話は変わって、2週間ほど前の8月4日のこと、日本のサイバーセキュリティ対策の司令塔である「内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)」は、外部からの不正アクセスによって、5,000通ものメールやメールアドレスなどが漏洩した可能性があると発表しました。侵入したのは中国のハッカーグループである可能性が高いとも報じられました…って、はぁ?なんで「漏洩した」じゃなくて「漏洩した可能性がある」なのですか?なんで「中国のハッカーグループである」じゃなくて「中国のハッカーグループである可能性が高い」なのですか?

結局、データが漏洩したのかどうかもハッキリとは分からない。侵入したのが誰なのかもハッキリとは分からない。これが、日本のサイバーセキュリティ対策の司令塔だと言うのですから、情けなくて溜息も出ません。しかし、韓国にも周回遅れ、中国には10周くらい先を行かれている日本のIT技術ですから、こういうハッキングは日常的に「起こって当然」なのです。昭和前期の日本では、玄関に鍵も掛けずに出かける人が多かったと言いますが、今の日本のIT技術は、昭和前期の民家と戸締りと同レベルなのです。

何しろ、他国から指摘されるまで、防衛省の最高機密網が中国にハッキングされていたことにも気づかなかった国ですからね。21世紀にもなって、本当に恥ずかしいです。そして、こんなセキュリティーゆるゆるで危機感ゼロの国で国民番号と保険証を一体化したら、その結果も見えているでしょう。中国では多くのハッカーが日本人をターゲットにしていますから、次に狙われるのは間違いなく「マイナ保険証」ということになります。

(『きっこのメルマガ』2023年8月16日号より一部抜粋・文中敬称略)


いくら「軍事費」を増強しても、使い物にならない中古兵器をいくら手に入れても、また「最高軍事機密」がダダ洩れでは戦わずに・・・、でしょう。「戦う気概」誰に持てっていうのでしょう?

経済同友会の代表幹事であるサントリーホールディングスの新浪剛史社長は「マイナンバーカードについてはいろいろと不手際があったことはその通りだ」としながらも、「絶対に後戻りせず、しっかり進めてほしい」「ミスが起きたからやめよう、後戻りしようとやっていたら、世界から1周も2周も遅れていると言われる日本のデジタル社会化は、もう遅れを取り戻すことができなくなる」と発言。(2023.08.05「リテラ」記事より)

哀れ!
すでに1周2周のの問題ではない。
「致命傷」なのだ。

昼頃から台風の影響が出てきた。風台風であるが空模様はしばしば晴れ間。こうなればハウスの風通しを最大良くしなければならない。

インゲン豆倒れるかな?