かーちゃんはつらいよ

社会人(就B、生活介護)1年目のそうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)を育てるかーちゃんの雑記。

ショートの迎えに遅刻

2017年03月31日 19時44分38秒 | みゆみゆとの生活
そうちゃんのショートステイが今日までだったので、夕方迎えに行きました。
施設までは、車で片道1時間かかります。
下道で行くこともありますが、遅刻するといけないので、高速道路も使いました。

ところがこれが凶と出まして。
渋滞にハマりました…。
私が降りたいインターの1キロ前から、ピタッと止まって動かない。
事故だったようです。

おかげで20分以上のロス。
施設に着いてから、そうちゃんのいる棟まで走ったのですが、その間、みるみる近づいてくる叫び声。

「おうち かえりたいよぉ!」

そうちゃんだ。
待たせてごめん。

でも、すぐに気持ちは切り替えられたようで、
私を見つけて駆け寄ってきたそうちゃんは、満面の笑顔。
第一声は、
「ハッピーフィート!」
今お気に入りのDVDの名前です。
 帰りにビデオ屋さん行く?
と聞いたら、嬉しそうに、
「はい ハッピーフィートにするー」
だって。

そうちゃんらしいなー。
かわいいなー。

帰りの車の中でも終始ご機嫌で落ち着いていました。
見たいDVDは車中で次々変わり、最終的には「ピングー3」に決定。
とりあえずペンギンがよかったのね。

おうちでの晩御飯は、カレー。
いつもは家族全員、中辛を食べていますが、
今日はそうちゃんのだけ小さい子ども用の「甘口」にしてみました。

バクバク食べて、お代わりもしてくれたよ。
そうか、いつもの中辛カレーはあまり好きじゃなかったのね、と今さらながら気づく。

さ、明日から4月だ。
あさって日曜日は、合唱団「あらカルと」の練習もあるのだ。(初めての方も久しぶりの方もよかったらご参加くださいね!)
そうちゃんも参加予定です。
…準備しなきゃ。

そうちゃん不在の晩御飯

2017年03月29日 23時01分10秒 | みゆみゆとの生活
今日の晩御飯は、

鮭のムニエル
サラダ
冷や奴

サラダは、じゃがいもとスナップえんどうとアボガドを和えたもの。
塩胡椒を強めにして、和風ドレッシングをかけました。

冷や奴は、豆腐の上に、納豆とオクラを混ぜてだし醤油とカツオ節をかけたものを乗せました。

そうちゃんは、アボガドと納豆とオクラが嫌い。
この3つとトマトに関しては、「これ きらい」って、はっきり言えるようになった。
あと、鮭の骨を取ることもできません。

つまり、これはそうちゃんがいない時しかしない献立です。

大きめのお皿に盛りつけたから、ちょっとディナーっぽくなったよ。

ふむ。
おいしかった。
こんなにおいしいのになー。
そうちゃん、そのうちいつか、食べられるようになるといいんだけど。

かーちゃんメンテ

2017年03月28日 22時56分36秒 | みゆみゆとの生活
そうちゃんがいない間に、かーちゃんメンテナンス。

今週はウォーキングを再開して、仕事に行くときなどに1時間は歩くようにしています。
歩くっていうのも、気持ちと時間に余裕がないとできないことなのね、と改めて思う。
2月後半から3月、ちっとも歩けてませんでした。
主な理由は、「気力が起きない」だった気がする。
今日、歩いてみて、たくさんのつくしを見つけたよ。

春だ。
うれしいな。

お仕事の帰りには、美容院に寄りました。
髪切るの、気づいたら9ヶ月ぶりだった。
ここ数年、年に2回くらいしか行ってない気がする。
実は美容院が不得意。
主な理由は、「長い時間じっとしてるのが苦手」だから。

そうちゃんと一緒じゃん。
落ち着きのない私。

あと行かなきゃ行けないのは…病院か。
今年の健診、また貧血で引っ掛かったんだった。
2年前にも言われたんだけど、1年くらい鉄剤飲んだら病院通いに飽きちゃって。(こらっ!って怒られそう。)
放っておいたらまたひどい数値に。
慢性的な貧血のせいで、一つ一つの赤血球の容積が小さくなってしまっている。
原因は、わかってる。子宮内膜症。
ひどい生理痛にも悩まされてるので。
先月と今月はほんとにひどかった。
痛みのあまり手がしびれ、吐き気がして顔面蒼白になり、倒れる寸前までいきました。

重い腰をあげて、
メンテナンス、メンテナンス。
かーちゃんが元気でいなきゃね。
病院は金曜日午前。
病院嫌いだけど、ちゃんと予約したよ。

そうちゃんが帰ってくるのは金曜日の夜です。
それまでに。
楽しい用事も入れようっと。

ガランとした気持ち

2017年03月27日 13時41分52秒 | みゆみゆとの生活
テレビを見ていたらバブル時代の映像が出てきたので、みゆみゆに、
「バブルって知ってる?」と聞いてみたら。

「知ってるよ、そりゃ。歴史の教科書に載ってるし、昭和時代のことは。」

歴史!
昭和時代!
驚きのあまり返す言葉がなかったよ。

さて。バブル時代はまだ中学生だったかーちゃんですが、それ相応にいい歳になってきました。
疲れがたまりやすく取れにくい。
仕方ないですね。

そうちゃんがショートに行った日は、10時間ほどぐっすり眠りました。
翌日は電車で日間賀島まで日帰り旅行。
今日は仕事です。
なんだか毎日、霧に包まれた感じが残ってる。花粉症のせい、かもしれない。

年明けから3ヶ月、全力疾走してるようでした。
特に、子どもの命の危険を心配するような出来事は、想像以上に気持ちを消耗させます。

てんかんがあって、階段から落ちて、病院から脱走して。
その時のそうちゃんの顔が、忘れられない。
夜中にそうちゃんの寝息に耳をそばだて、
「生きてる、大丈夫」って確認する癖もついてしまいました。

今、そうちゃんがいなくて。
気を張らなくていいことに、ホッとしている。

一方で、寂しい気持ちも、ほんと。
それは夫も一緒のようで、
「それ取って」と言うと、
「くーだーさい、でしょ。」と直してきたりする。つまり、私にそうちゃんの口まねをするように仕向ける。
ま、もちろん冗談なのだけど。
家の中に、そうちゃんの空気がないというのは、やっぱり物足りなくて、心がガランとするのだ。

昨日は、夜に時間があったので、
みゆみゆと夫と3人で、「そして誰もいなくなった」の前編(録画)を見た。
アガサクリスティの原作を読んだことがあるらしいみゆみゆが、「次に死ぬのはね…」と、いちいち言いそうになるから困る。

同じく原作を読んだことあるはずの夫は。
なぜかめちゃくちゃ怖がっていて、笑っちゃった。
怖がり。大男なのに。…関係ないか。

「いやー、なんでこれ見ることにしちゃったんだろ。リーダーズにしときゃよかった。」
反省しきりで寝に行く夫。

けどさ。
前編見ちゃったし。
後編もがんばるよ?

…がんばるってのも変か。
はっ。
そうちゃんがいない夜の過ごし方、間違ってる?

いやいや、これでいいのよ。
たぶん。

MRI、そしてショートステイへ

2017年03月25日 21時44分29秒 | みゆみゆとの生活
木曜日、「限界です」と書いたのは私。
でもそれは、私だけじゃなくて、そうちゃんも、だったみたい。

金曜日の朝、そうちゃんは9時過ぎまで寝ました。
これは、とても珍しいことです。
どうやら疲れが一気に出たようで。
起きてからも、体がクタクタ。

MRIを録りに病院へ向かう途中も、車の中でウトウトするくらいでした。
これも、非常に珍しい。
そうちゃんが車で寝るなんて。

病院は、車で片道1時間。
遠い…。

MRIは、検査時に大きな音がします。
それに、30分ほどじっと動かずに寝ていなければなりません。
起きているそうちゃんにはとても無理。

というわけで、専門の子ども病院で「日帰り入院」の手続きを取り、点滴で麻酔をかけて録ることになったのです。
てんかんの確定診断のために、必要な検査ですから、仕方ありません。

はじめに、そうちゃんに予定を伝える。(携帯で打ったものを見せる。)

1ちゅうしゃ、チックンする
2ねる けんさする
3ジュースのむ
4くるまで、おうちかえる
5スーパーでおかいもの
6ばんごはん
7おふろ
8ねる

最後の3つ(ばんごはん、おふろ、ねる)は、いつも同じ。
1から順番に、指差しながら復唱する。
この作業が、そうちゃんには安心の元。

まずは病棟に行き、血管確保をしました。(翼状針という、チューブの付いた針をつける。)
看護師さん、あまり大きな多動ちゃんを補助した経験がないのか、
「何人かで体を押さえた方がいいですかねー?」「タオルでくるみますか?」
とか、悠長なことを言いながら、どうみても小さいタオルを持ってきた。

これはどうやらそうちゃんを甘く見ているぞ、と思ったので、
「私がベッドに上がって押さえてもいいですか?」と志願。
「もうちょっと大きなタオルを。」とお願いして、そうちゃんをなだめながらそれでくるみ、
ベッドにひょいと上がり、そうちゃんの膝の上に乗りました。
余談だけど、ベッドの高さが1メートルくらいあったので、ちょっと怖かったです。
でもそんなことは言ってられない。
一番動くのが膝だから、ここをしっかり押さえなきゃ。
そして、両手はそうちゃんの肩に。しっかりと。
そうちゃんにとっても、初めて会った人に押さえ付けられるよりはかーちゃんの方がいいだろう。きっと。

「やだだよー!」「たすけてくれーい!」

と元気に叫ぶ割には、体の抵抗はそうでもなくて。
ちゃーんと首を伸ばして針が刺さるところも見学しながら、無事に血管確保ができました。
やれやれ。

その後は歩いて移動。
MRI室には、私は入らず、入り口でバイバイしました。
中からなかなかの叫び声が響いていましたが、じきに静かになり、首尾よく検査ができたようです。
出てきた看護師さんが、「おんぶー、と言ったので少しおんぶしました。」と言われていました。
おんぶしてもらいながら、麻酔が効いて寝ていったのかな。
看護師さん、ありがとう。

MRIを録っている間の30分くらい、私は外で手持ち無沙汰で。
少しでも寝ようと思ったけど、寒くてそれどころではなかった。

暗い廊下で所在なく待っているうちに、なんとはなしに不安な気持ちになりました。

検査とはいえ、点滴を使っての麻酔。
そうちゃんの身に何かあったらどうしよう…

寒くて、暗くて、眠くて、疲れていて、お腹が空いていて、一人だったから。
ありえないような悪い想像をしてしまって、ブルーな気分になりました。

だから、そうちゃんが検査室からストレッチャーに乗って出てきたとき、嬉しかったよ。
まだ麻酔が効いているのに、目を開けて私を確認して、動くベッドの上でゴソゴソし始めるそうちゃんを、本当にかわいいと思った。
がんばったね、そうちゃん。えらい、えらい。

無事に検査は終わりました。
結果は、4月の始めに、また聞きに行きます。

病院からの帰りの車では、そうちゃんは一日分のウトウトを取り戻すかのようにハイテンションになり、かなり大変でした。
とにかくずっと私に話し掛けてくる。
そして、運転中の私の肩を触ったり襟首を引っ張ってきたり、髪をつかんだり。
途中、疲れもあり、もうろうとしてきて危険だった。

長い長い、一日。
そうちゃんとかーちゃん。必死で乗り越えたよ。


そして今日、土曜日。
元気になったそうちゃんは、ショートステイに行きました。
大好きな職員さんや、お友達がいるから、
ショート先の施設への階段を駆け足で上って。

いってらっしゃい。
1週間のショート。
一旦リセットしよう。
私も。そうちゃんも。

そうちゃんがいない夜は、妙に長くて寂しいけど。
金曜日に迎えに行くまで、しっかり母さんは休もうと思う。
おやすみ。
そうちゃんは、お友達のお布団に潜り込んでるかな?
仲良くするんだよー。

ヘロヘロな春休み

2017年03月23日 14時53分10秒 | みゆみゆとの生活
 いっこくどうは おにんぎょうさんきたらね

そうちゃんが、繰り返しこれを言う。
笑いながら。

解説すると、
そうちゃんが普段しつこく言ういくつかのワードの中に、「いっこくどう!」というのがありまして。
これは、一刻堂というラーメン屋さんのことなのですが。
おそらく、それを知らないデイの職員さんか誰かが、腹話術師の「いっこくどう」さんと勘違いし、
 「いっこくどうは お人形さん来たらね。」
と声を掛けられたのではないかと思われます。
腹話術師のいっこくどうを知らないそうちゃんは、「なんで人形?」と思ってるに違いないのですが、それを口にできる子でもなく。
彼流の冗談として、ニヤニヤ笑いながらオウム返しすることが定着し、
 「いっこくどうは おにんぎょうさんきたらね」
を私が繰り返し聞かされるハメになった、という…。

さて。
そんな、リフレイン2倍デーが続いているそうちゃんは、今週あたまから春休みに入っています。
地元小学校よりも一足早く(なぜじゃー)。

春休み。
デイを毎日入れているけど、日によって時間もバラバラで、混乱必至です。
昨日は12時から18時、今日は9時半から2時半のデイでした。

ああ、
昨日は午前中が。
今日は午後が。

長い。
長いーー!

今日はそうちゃん送り出してから朝10時に気絶寝しちゃったよ。
お。そろそろそうちゃんが帰ってくる。

もうヘロヘロです。
(これ書くのに断続的にしか時間が取れず2日かかっている。)
どのようにヘロヘロか、はまた後日書くことにします。

ともかく、
わたしゃ限界に近いぞ。

靴下の豪快な穴

2017年03月21日 18時48分00秒 | みゆみゆとの生活
洗濯したあとの靴下をたたんでいて、びっくりした。
こんな穴の開き方ってある?

私の場合は、つま先の親指側が最初に薄くなる。
爪が反っているからだと思う。

そうちゃんも前はつま先だったような気もするんだけど。
最近は、足の裏が全体的に薄くなる傾向にある。

さ、写真載せますよ。
お食事中の方は、見ない方がいいかと。

そうちゃんの、ボロボロ靴下。
厚手の冬用。
たぶん、10回も履いてないと思う。

ご覧ください。









かかとに、ピンポン玉が余裕で入りそうな大穴が!
よく見ると、つま先付近も穴が開く寸前だったよ

今度靴下買う時はかかとが強化してあるやつにしよう。
スポーツ用とかの。
けど、あんまり締め付けが強くてぴったりしたのは、自分で履きにくいしね。
また靴下売り場で悩むことになる、かーちゃんなのでした。

多動の子の靴選び

2017年03月20日 09時13分33秒 | みゆみゆとの生活
昨日は合唱団でした。(合唱団ブログ書きました。)

5回目の練習でしたが、そうちゃんは・・・
まあまあ、こんなもんかな。
先回よりは動き少なめ、声多め。

「自己紹介」の時間がよくわからなかったようで、
「おわって くーだーさい!」を連発。
その後の時間も、少し不安定になってしまいました。
自己紹介、楽しかったんだけどね。
名前を言って、好きな食べ物言って、みんなでそれを復唱するの。
「いちごだいふく!」「せーの!」「いちごだいふく!」って。
手拍子で、リズム打ちながら。
次回も同じことをするので、少しはそうちゃんも慣れてくれるといいんだけどな。

で、そのそうちゃんの、靴のこと。

そうちゃんは、多動です。
えーっと、超、多動です。(今更ですが)
靴と靴下のすり減り方が、なかなかすごいです。
特につま先が一か月足らずで穴がガボッと空いてしまうので、
新しい靴を買うまでの間、いつも数日から数週間、「雨が靴の中に入ってくる状態」ができてしまいます。
ごめんね、そうちゃん。

多動傾向のある子には、
少し重めの靴で、足首まであるようなタイプのもの、
がいいという定説もありますが。
そうちゃんの場合は、
「履かせやすくて、手に入りやすく、丈夫で、ふつうの値段のやつ」がいいな、と。
毎回、靴屋さんで腕組みして考える。
前にあった「ギガタフ」がとても丈夫でよかったんだけど、生産中止になっちゃったんだよね・・・。

靴屋さんに置いてある、高学年の子が履くような靴は、
「瞬足」に代表されるように、「軽くて」「早く走れる」ことをアピールしているものが多い。
しかしこちとら、先日病院で一瞬のうちに消え、昨日の合唱団でもその瞬発力で園庭に走り出たそうちゃんだぞ。

速く走れなくていいから、破れない靴を、くれ

心の中で叫ぶかーちゃん。
そして見つけたよ。


ガチつよ

カタイ!って書いてある。
裏返すと、
「つま先が破れにくい!丈夫な靴底!」って。
私が求めてたものじゃないですか。
3500円。
これで2か月もってくれればいいんだけどな。
また報告しますね。

ちょっと落ち着いてきた

2017年03月18日 23時36分51秒 | みゆみゆとの生活
夜、久々にお風呂屋さんに行った。

「晩御飯はうどんを食べて、そのあとお風呂屋さんに行こうね。」
と伝えたのが効いたようで、夕方の父ちゃんとのお散歩も、穏やかに歩けたみたい。

なんだかやっと落ち着いた週末だった気がする。
ここ3日、てんかんの発作も見ていません。
てんかん治療薬を増量した効果かな。
耳鼻科でアレルギーの薬が出たのですが、それもよく効いているみたいで、寝息が静かです。
そうちゃんは、お風呂屋さん大好きだから。
あったまって、リラックスできたことでしょう。
ぐっすり寝てすっきりいい朝を迎えられるといいね。

明日は合唱団。
脱走しませんように。
祈る。。。

大脱走に涙する

2017年03月17日 08時46分59秒 | みゆみゆとの生活
昨日、覚悟して行った耳鼻科ですが、想像を超えてくる大変さでした。

ベルトでグルグル巻きにしてベッドに寝かせ、耳垢は無事に取れましたが、
そうちゃんは激怒
ま、当り前ですわな。

一旦廊下に出て、そのあとすぐに診察室に呼ばれ、先生からの説明を聞くことになりました。
でも、そうちゃんはもう入りたくない様子で病院の廊下に寝転んで動かない。
そうだよね、さっき嫌なことされたもんね。
抱え上げて連れて行こうとしたら看護師さんが、
「私見てましょうか?お母さんだけ聞いてきてください。」

はい。皆さん想像つきましたか?
その場の私は、そのあとの出来事の想像ができなかったのです。

「そうちゃん、看護師さんと待っててね。お母さん、先生と話したらすぐ戻ってくるからね。」
「はい」
という会話を交わし、先生と話をして、廊下に戻ったら、

そうちゃんと看護師さんが消えていた。

嫌な予感、ビシビシ。
前にもこの病院で脱走し、その時はリハ室で見つかったことを思い出しながら、
どうしようもないので、混雑したロビーを、耳を澄ましてウロウロ、おろおろ。

しばらくしてさっきの看護師さんが一人で駆けてきて、手にそうちゃんのジャンパーだけを持っているのを見た時は血の気が引く思いでした。

「お母さん。そうちゃんが、急に走り出して、外へ飛び出してスーパーまで行ってしまいました。
 守衛さんも一緒に追いかけたんですけど、早くて。間に合わなくて。
 スーパーで、キウイをかじってしまいました。」

うへー。えらいこっちゃ。
でも、とりあえずケガはしてないのね、居場所はわかってるのね、というところで、引いた血の気は戻った。
慌ててスーパーに戻り、守衛さんと病院スタッフさん(掃除の方)が確保してくれているところに合流。
そうちゃんは、興奮して硬い表情をしていました。
スーパーの人に謝って、キウイの料金をどうしたらいいか聞いたけど、その人にはわからなかったようで、待たされる感じになり、
どんどん、どんどん、不安定になるそうちゃん。
たまらず、
「あとで改めて伺いますから。」と言いおいて、病院に戻りました。

病院に戻る途中、
この状況を予測できなかった自分を恨み、
看護師さんに託すならちゃんと「手をギュッと持っててください」と言っておかなかったことを後悔。
病院スタッフさんが、信号を渡りながら、
「ほんとに車にはねられなくてよかった。無事でよかったね・・・。」と言ってくれるのに、泣きそうになる。

病院に戻ると、耳鼻科の先生が、
「大変でしたね。ごめんなさいね。」と言われ、今後のことを話しました。
「耳鼻科に慣れてもらうためにも、定期的に通ってもらった方がいいと思いますので、また3週間後に来てくださいね。
 病院にこの子を連れていくのも大変で、だからこそ耳鼻科に足も遠のいて、耳垢がたまっちゃったんだと思うけど・・・。」
その言い方が、やさしくて、親の普段の大変さを受け止めてくれている気がして。
ついに涙の堰があふれてしまいました。

涙の意味を、うまく伝えられなくて、
「ごめんなさい、ただ・・・びっくりしてしまって。」と言いました。

病院が終わってから、もう一度そうちゃんを連れてスーパーに行きました。
キウイ代は払わなくていいことになって、丁重にお礼を言いました。
が、
その帰り、そうちゃんはまた、キウイをかじってしまいました。
ああ。
十分に気を付けていても、防ぎきれなかった。
そうちゃんも興奮しきっていたのね。

かじりかけのキウイを持ってレジに並び、謝りながらお金を払ったら、
レジの人がこれまたやさしくて、
「ぼく、キウイおいしかった?おいしかったんだね。」と満面の笑顔で声を掛けてくれて、
でも、次に並んでいて中学生らしき子は、そうちゃんを奇異な物を見るように見つめていて、
そんな、いろいろ、すべてに、
泣けてきて。
弱いな。私は。

車に乗せて、支援学校へ向かう間、ずっとそうちゃんは不安定で、
大声をあげながら窓をガンガン蹴っていました。
必死で、泣きながら、運転したよ。
情けなくて。辛くて。

学校に預けて、午後は仕事。
「とても働く気になれない」と思ったけど、
結果的には仕事があってよかった。
気持ちを切り替えて、吹っ切ることができたよ。

ああ。
そして今日は終業式。
春休み突入だ。
あと一週間。
一週間頑張れば、そうちゃんはショートステイです。