夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『響け!情熱のムリダンガム』

2024年06月02日 | 映画(は行)
『響け!情熱のムリダンガム』(原題:Sarvam Thaala Mayam)
監督:ラージーヴ・メーナン
出演:G・V・プラカーシュ・クマール,ネドゥムディ・ヴェヌ,アパルナー・バーラムラリ,ヴィニート他
 
日本初公開は2022年10月となっています。
関西で初上映されたのがいつかは知りませんが、どこかで上映情報を見かけるたびに気になっていました。
このたび塚口サンサン劇場に戻ってきて1週間のみの限定上映。
最終日だったこの間の木曜日、滑り込みで観てきました。
今日6月2日はTOHOシネマズなんばでドリパスレコメンド上映があるそうです。
 
青年ピーター・ジョンソンの父親はムリダンガムを製作する職人。
ムリダンガムとは、南インド伝統音楽(カルナータカ音楽)に使用される打楽器
 
音楽が大好きなピーターではあるものの、父親が作るムリダンガムに特に興味を持ったことはないし、
息子に高収入の職業を望む両親は、ピーターに会計士になってほしいと思っている。
そんな親の思いをよそに、ピーターが気になるのはタミル語映画界のスーパースター・ヴィジャイのことだけ。
 
ところがある日、父親の顧客でインド随一のムリダンガム奏者ヴェンブ・アイヤルから連絡があり、
弟子のマニが不注意でムリダンガムを落としたため、別のムリダンガムを演奏会場に届けるよう言われる。
父親に代わって会場に走ったピーターは、ヴェンブの演奏に魅入られ、自分も習いたいと考える。
 
すぐさまヴェンブのもとを訪ねて弟子入りを志願するが、追い返されるピーター。
それでもあきらめきれずに連日懇願しに行ったところ、ようやくヴェンブに受け入れられて……。
 
カーストの国です。
楽器を作る職人は楽器を作るのみで、奏者には絶対になれない。
変な話ですよねぇ。良い楽器を作る人は良い奏者になれるかもしれのに。
 
屋台のチャイを飲むシーンでは、プラスチックのコップかガラスのコップどちらを出すかで
きっちり差別されていることに衝撃をおぼえます。
みんな平等の世界なんて、この先もずっと来ないでしょうね。
 
音楽で対決するテレビ番組の裏側なんかも見えて、どこまでも権力主義。
こういうのはどこの国でもあるものなんですか。あるだろうなぁ。
冒頭ではヴェンブが嫌な人なのかと思っていたのに、嫌な奴なのはそっちのほうか。
 
ピーター役のG・V・プラカーシュ・クマールはいつも口が半開きで賢そうには見えません。失礼。(^^;
だけどこの人の親戚はインド映画音楽界の巨匠であり、クマール本人も作曲家として活躍。
『ただ空高く舞え』の音楽も彼が担当していると知ってビックリ。
 
すごく良い作品だけど、主演俳優がタイプじゃないと、そこまでは乗れません。
クマールを見ているよりもやっぱりヴィジャイのほうがいいなぁ。
でも音楽の映画は大好きだし、ムリダンガムの演奏を思いっきり聴くこともできてよかったです。

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2024年5月に読んだ本まとめ

2024年06月01日 | 映画(番外編:映画と読み物)
2024年5月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1288ページ
ナイス数:490ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2024/5

■黒仏 警視庁異能処理班ミカヅチ (講談社タイガ)
今から今月ちぃとも本が読めていないことについて言い訳をします(笑)。先月母が亡くなり、父は施設に入所中のため、実家を退去すべく片付けています。賃貸マンションにも関わらず、父の蔵書は約5千冊。んなもん整理をしはじめたら、本を読んでいる時間はありません。それでもこれはどうしても読みたくて。仏壇をどうするかなども考えたから、仏像の話はタイムリー。しかしこの仏像はおぞましすぎる。人の命が永遠であればと思ったこともあるけれど、命は限りあるからこそのもの。たとえ呪物だって寿命はある。結束力を増したミカヅチ班が嬉しい。
読了日:05月11日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/21867089

■アトムの心臓 「ディア・ファミリー」23年間の記録 (文春文庫 き 49-1)
この1カ月ほとんど本を読めていないことの言い訳を先日しました。でも5冊は計上したいよねと薄い本を求めて書店に寄ったら、劇場に行く度に予告編を目にする映画の原作ノンフィクションが平積みされている。お手頃な厚さにも惹かれて購入しました。心臓疾患を抱えて生まれてきた娘のために筒井さんがチャレンジしたことは、正直なところ、専門的すぎてさっぱりわかりません。だからこそ、文系学部出身の彼が人工心臓をつくるために学んだという事実に驚く。外科医を質問攻めにしてついには医療機器を開発するまでに至る。救った命があるのですね。
読了日:05月16日 著者:清武 英利
https://bookmeter.com/books/21826790

■お梅は呪いたい(祥伝社文庫ふ12-2) (祥伝社文庫 ふ 12-2)
本作を読んでいる途中で公開中の映画『キラー・ナマケモノ』を観たら、お梅とナマケモノのアルファがかぶって見えて笑ってしまいました。テレビやスマホに興味を示すところなど。だけどアルファよりもお梅のほうがずっと愛らしい。五百年前は武将一族を呪い殺すほどの力を発揮し、ようやくこの世に復活できたのに空回り。人を呪い殺そうとすればするほどその人が幸せになってしまうという、呪殺マシーン形無しの展開に読んでいるこちらも幸せになります。焦るお梅が可愛い。野良猫に追いかけられて逃げ惑うシーンなんかはアニメ化してほしいような。
読了日:05月25日 著者:藤崎 翔
https://bookmeter.com/books/21812180

■侠飯8 やみつき人情屋台篇 (文春文庫 ふ 35-9)
大好きなシリーズの続編が知らぬ間に出ているじゃあないか。いったい何作目まで読んだのか思い出せず、本屋で第7作を手に取ってしばし悩む。早く読みたくて買いかけたけれど、ダブって買うことが最近ありがちだから思いとどまる。正解。未読なのは第8作以降でした。今回柳刃&火野コンビと出会うのは底辺ユーチューバーの浩司。閲覧数を稼ぐために激旨屋台に撮影許可を求めてみれば……。まるでイメージが違うのに、終盤、私の頭の中では藤井風の『満ちてゆく』が流れていました。人は如何に見返りを求めているものか。与え、差し出せば、満ちる。
読了日:05月28日 著者:福澤 徹三
https://bookmeter.com/books/19892854

■侠飯9 ヤバウマ歌舞伎町篇 (文春文庫 ふ 35-13)
同じ著者の本は続けて読まないようにしていますが、知らぬ間に2冊出ていることに気づいてしまったら居ても立っても居られず。間を空けて読むと誰だったか思い出せない登場人物もすぐにわかるから、続けて読むのはアリですね。振り返れば、第1作を読んだときはそれほどは柳刃に魅力を感じていなかったような。今はもうゾッコン。なぜだか当初から柳刃の声は私の頭の中でジェイソン・ステイサム。彼が日本語を話しているところなど聞いたことがないのに変だな(笑)。内容はいつもと同じと言えば同じ。でも好きだ。見返りを求めない人間でありたい。
読了日:05月31日 著者:福澤 徹三
https://bookmeter.com/books/21511945

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