夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈わ行〉

2004年12月31日 | 映画(わ行)
《わ》
『私は「うつ依存症」の女』(原題:Prozac Nation)
アメリカとドイツの合作。
エリザベス・ワーツェルの自伝小説をノルウェー出身の監督が映画化。
リジーは教育育熱心な母の望みどおり、ハーバード大に入学。
以前からうつ症状に悩まされているものの、
ライターを目指す彼女は、有名音楽雑誌から執筆を依頼され、
ルームメイトとも親しくなり、順調な学生生活をスタートしたかに見えた。
しかし、ふとしたことからルームメイトと不仲に。
さらには音信不通だった父親が突然彼女のもとを訪れて、情緒不安定に陥り……。

原題は“Prozac Nation”。
プロザックとは世界的に有名な抗うつ剤で、
情緒不安定な患者には、その程度を問わずに処方される薬のようです。
リジーもやはり処方され、服用している間は確かに気持ちが軽くなるけれど、
こんなの私じゃないと思うようになります。
誰でも彼でもプロザック。
それを皮肉って「プロザック国家」と彼女は呼びます。
この作品以外でも、情緒不安定な登場人物に
「プロザックを飲ませておけ」という台詞が出てきました。

今年亡くなった私の元上司は麻薬の研究者でもあり(怪しい仕事じゃないですよ(^^;)、
かつてこんなことを話してくれました。
「ドラッグってな、気分のいいときに使うとどんどんいいほうへ行くねんけど、
落ち込んでるときに気分を明るくしようと思って使うと
絶対あかんねん。どん底まで落ち込んで、死にたくなる」。
プロザックとドラッグを一緒にしてはいけないでしょうが、
この作品を観ていて、この元上司の言葉を思い出しました。

《を》《ん》
当然なし。

なんとか年内に終了しました。
本年もおつきあいいただき、深く感謝いたします。
どうもありがとうございました。
来年もがんばって、いっぱい映画を観たいと思います。
どうぞよいお年を!

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今年観た映画50音順〈ら行〉

2004年12月31日 | 映画(ら行)
《ら》
『ラストサムライ』(原題:The Last Samurai)
言わずもがなの話題作。
明治時代、西洋式戦術を教授するため、
日本政府に請われて来日したオールグレン大尉。
勝元と戦った彼は負傷し、囚われの身となるが、
勝元の村で手厚い看護を受ける。
オールグレンは侍の生活に心を動かされ、
自らも侍として生涯を全うしようと決める。

勝元を演じる渡辺謙ももちろんよかったけど、
終盤、勝元とオールグレンの戦いざまを見つめる
官軍の指揮官の表情、あれだけでグッときました。
福本清三演じる「無口な侍」、名乗りもしない彼は
オールグレンに「ボブでええやろ」と言われてたので、
エンドロールで「Silent Samurai」とクレジットされたときは
ケヴィン・スミスの「サイレント・ボブ」を思い出して笑ってしまいました。

《り》
『リジー・マグワイア・ムービー』(原題:The Lizzie McGuire Movie)
人気ドラマの映画版(らしい)。
中学を卒業したリジーは、高校生活を前にローマへクラス旅行に。
トレビの泉で人気デュオ歌手のひとり、パウロと出会い……。
ディズニーお得意のシンデレラストーリー。
普通に楽しんで泣けること請け合い。

《る》
『ルールズ・オブ・アトラクション』(原題:The Rules of Attraction)
大学生数名を中心に進められて行く、出会いの話の数々なのですが、
これがとっても説明しにくい。
非常におもしろい試みで、登場人物の動きの逆回転映像、
同時進行の分割画面など、引き付けられてしまいます。

《れ》
『レディ・キラーズ』(原題:The Ladykillers)
ミシシッピ川のほとりの町。
ひとり暮らしのマンソン夫人は敬虔なクリスチャン。
ある日、音楽の研究者だという紳士が訪れ、夫人の家の間借りを申し出る。
しかし、実はこの男、夫人の家の地下室からミシシッピに浮かぶカジノ船の金庫まで、
トンネル掘りを企てる泥棒だった。
泥棒紳士にトム・ハンクス。
ブラックな笑いたっぷり。

《ろ》
『ロスト・イン・ラ・マンチャ』(原題:Lost in La Mancha)
モンティ・パイソンの一員で、『未来世紀ブラジル』(1985)や『12モンキーズ』(1995)の監督としても知られるテリー・ギリアム。
彼は製作費50億円をつぎ込んで、新作『ドン・キホーテを殺した男』の撮影を開始するが、
クランク・イン6日目にして中止に追い込まれる。
ドン・キホーテは、なぜだか取り上げるたびにトラブルが発生するらしい。
因縁のこの作品がどのように中止に追い込まれたのか。
メイキング・フィルムとしてもおもしろいドキュメンタリー。

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今年観た映画50音順〈や行〉

2004年12月30日 | 映画(や行)
《や》
『ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密』(原題:Divine Secrets of the Ya-Ya Sisterhood)
一昨年飛行機内で上映していた作品で、
一応最初から最後まで観たものの、
字幕も吹替もない状態では大雑把なところしかわからず。
そのまま2年近くが経過、日本でいつ公開かと思っていたら、今年ようやく。

NY在住の劇作家シダがマスコミのインタビューを受ける。
故郷ルイジアナに今も暮らす母ヴィヴィのことを
「良い母親ではなかった」とコメントしたことが記事となり、それを読んだ母と大げんか。
ふたりをなんとか仲直りさせようと立ち上がったのが
「ヤァヤァ」が口癖のヴィヴィの親友3人。
彼女らはシダをルイジアナに連れ戻し、
若かりし頃の自分たちの思い出を綴ったスクラップブックを渡す。
知らなかった母の過去に触れ、心を溶かしてゆくシダ。
ヤァヤァ・シスターズに大御所女優たち。
シダをサンドラ・ブロックが好演。
彼女らを見守る男性たちもまた良いです。

《ゆ》
『ユー・ガット・サーブド』(原題:You Got Served)
ストリート・ダンスを取り上げた作品。
バトルを勝ち抜くことにすべてを賭ける高校生たち。
そこに女性が絡んだり、仲間割れがあったり、
お決まりもいいとこだけど、これが青春か。
バトルのシーンはそれなりに楽しいです。
私は全然知らなかったのですが、主演は全米No.1のR&Bグループ、B2Kだそうです。

《よ》
『夜を賭けて』
1958年の大阪、元兵器工場近くの朝鮮人集落。
ある日、住人のひとりが工場跡地から鉄屑を掘り起こす。
大金になる鉄が埋まっていると、住人たちは大喜び。
以前集落に住んでいた、山本太郎演じる金義夫も戻り、
住人たちとともに鉄屑を盗みはじめる。
しかし、鉄屑は国有財産。彼らに目をつけた警察は取り締まりを強化して……。
生き延びるってこんなにもたいへんなことなのだと。
画面が異様に暗くて(わが家のせい?)何やってんのかよくわからんかったところがあったのも、
図らずも物語のリアル感を増したような気が。

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今年観た映画50音順〈ま行〉

2004年12月30日 | 映画(ま行)
《ま》
『マスター・アンド・コマンダー』(原題:Master and Commander: The Far Side of the World)
原作はパトリック・オブライアンの海洋冒険小説。
ナポレオンがヨーロッパ征服を目論んでいた1805年。
苦戦を強いられていた英国軍の伝説的艦長オーブリーと、
彼のもとに送り込まれたまだ幼い兵士たち。
洋上で繰り広げられる仏軍との、そして大自然との闘い。
監督が1805年当時の英国海軍について徹底的に調べあげ、
帆船はもちろん、士官の制服についても忠実に再現したそうです。
艦長の親友で、医者であり人類学者である
スティーヴンを演じたポール・ベタニーが○。

《み》
『ミトン』(英題:Mitten)
1967年のソ連の人形アニメが、昨冬日本でも公開。
幼いアーニャは犬が飼いたくてたまらない。
しかし、母親が許してくれず、
犬を連れて雪の町を散歩する人々の姿をうらやましそうに眺めるだけ。
やがてアーニャは赤い手袋を犬に見立てることを思いつく。
手袋を引きずって歩くうち、手袋が本当に子犬になって……。
なんとも言えず懐かしい気持ちになります。
ソ連のアニメ、侮れず。

《む》
『MUSA 武士』(英題:The Warrior)
韓国・中国合作。
14世紀末、朝鮮・高麗が中国・明朝へ遣わした使節団が
スパイ容疑をかけられて、砂漠へ流刑となる。
明の兵士に連れられて、使節団が砂漠へ向かう途中、明を敵視する元軍に襲われる。
明の兵士は全滅し、使節団は自由の身となる。
使節団の将軍は高麗へ戻る決意をするが、
元軍に捕われていた明の姫と遭遇、助けを求められる。
使節団の将軍と反目しあいながらも、一緒に姫を助ける寡黙な奴隷ヨソル役、
チョン・ウソン、かっこいい。

《め》
『女神が家にやってきた』(原題:Bringing Down the House)
弁護士ピーターは仕事が命。
子どものことが気にはなるものの、ほったらかし。
ある日、インターネットでシャーリーンという女性と知り合う。
知的で美人らしい彼女と会う約束をとりつけるが、
実物の彼女は巨漢の黒人女性、しかも脱獄囚だった。
弱みにつけこまれて彼女を家に置くことになるが、
意外にも彼女は子守りとして才能を発揮する。
がさつなシャーリーンに振り回されながらも、彼女の大きなハートに包まれて、
徐々に父親らしく、人間味を持ち始めるピーター。
『シカゴ』(2002)で女看守役を演じたラップ界の女王、
クイーン・ラティファがシャーリーン役。ド迫力。
体もでかいけど、器もでっかい感じがします。

《も》
思いつく新作は数あれど、まだ観てないものばっかり。
あしからず。

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今年観た映画50音順〈は行〉

2004年12月29日 | 映画(は行)
《は》
『パンチドランク・ラブ』(原題:Punch-Drunk Love)
バリーはキレると手のつけられない破壊屋。
そんな彼の今の興味は、プリンに付いてくるクーポン。
貯めると飛行機のマイレージに変えることができるのだが、
ざっと計算してみると、すごいトク。
どうやら発売元の食品会社が桁をまちがえたせいらしいが、
誰もそれに気づいてはいない様子。
誰かが指摘する前に何がなんでもマイレージに変えなきゃと、
バリーはアホほど大量のプリンを買い込む。
ある日、リナという女性に出会い恋に落ちるが……。
監督は毎度注目度大の作品を撮る、ポール・トーマス・アンダーソン。
『マグノリア』(1999)ではトム・クルーズにSEXの教祖役を演じさせたことで有名。
強烈な色彩感と、耳障りとも言える音楽で
賛否両論だったこの作品。私は大好き。

《ひ》
『HERO』(原題:英雄)
紀元前200年の中国、戦乱の世。
後の始皇帝となる秦王に謁見を許された男が
自分が倒したという3人の刺客について話し始める。
『初恋のきた道』(1999)など、静かでありながら力強い作品で人々を魅了してきた中国人監督が
香港のスターを集めて娯楽大作を撮ったことで話題に。
ラストの矢が一斉に放たれるシーン、凄かった。
モルディブで津波に遭ったジェット・リー、大丈夫かな。

《ふ》
『フリーダ』(原題:Good Ol' Freda)
メキシコの天才女流画家、フリーダ・カーロ。
フリーダは高校生の頃に大事故に遭い、重傷を負う。
後遺症で子どもを産めない体に。
そんな彼女の波乱に満ちた生涯を映画化。
主演のサルマ・ハエックは、同じラテン系のジェニファー・ロペスに
近頃、人気も仕事も持っていかれたような感がありましたが、
この作品ではフリーダのトレードマークだった「眉毛がつながってる」メークもバッチリ。
渾身の演技でした。

《へ》
『蛇イチゴ』
明智家の長女でしっかり者の智子。
父、母、痴呆の祖父と暮らしている。
同僚との結婚を控えたある日、祖父が死亡。
そのお葬式の場に、音信不通となっていた兄の周二が現れる。
香典泥棒で生計を立てる周二役で雨上がり決死隊の宮迫博之が初主演。
いやはや、うまくておみそれしました。

《ほ》
『ぼくは怖くない』(原題:Io Non Ho Paura)
南イタリアの人口数十人の小さな村。
10歳のミケーレは、廃屋の地下で監禁されているらしい少年を発見する。
やがて、自分の両親を含む村の大人たちが
少年の誘拐事件に関わっていることを知り……。
大人はこれを観て反省すべし。

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