夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ライド・オン』〈吹替版〉

2024年06月04日 | 映画(ら行)
『ライド・オン』(原題:龍馬精神)
監督:ラリー・ヤン
出演:ジャッキー・チェン,リウ・ハオツン,グオ・チーリン,ユー・ロングァン,ユー・アイレイ,ジョイ・ヨン,
   アンディ・オン,シー・ヤンネン,ラン・ユェティン,シャオ・シェンヤン,レイ・ロイ,ウー・ジン他
 
イオンシネマ茨木にて、前述の『映画 からかい上手の高木さん』の次に。
21時半も過ぎてからの回でしたが、ジャッキー・チェンはやはり人気。
絶対字幕版を観たかったのに、上映している劇場も回数も少なすぎる。致し方なく吹替版を鑑賞。
 
引く手あまたのスタントマンだったルオ・ジーロンは、撮影中に負った怪我のせいで第一線から退く。
今は愛馬のチートゥと広場に出かけて小銭を稼ぐのみで、借金取りに追いかけられることもしょっちゅう。
 
ある日、旧知の会社のワン社長が亡くなったことから、その債務トラブルに巻き込まれる。
チートゥはワン社長が私費で得た馬だったから、会社の資産ではない。
それゆえワンから譲り受けたチートゥはルオのものであるはずなのに、会社側はチートゥの所有権を主張。
チートゥを手放したくないルオは困り果てる。
 
そんなルオに友人たちは一人娘のシャオバオに頼ることを提案。
スタントの仕事で各地を飛び回っていたルオは、妻子と共に過ごすことができなかったせいで離婚。
父親に棄てられたと感じていたシャオバオと疎遠になり、妻が亡くなった今は連絡も取れず。
シャオバオは弁護士を目指してロースクールに通う身で、相談すれば力になってくれるに違いないと友人たちは言うのだ。
 
恥を忍んでシャオバオのもとを訪ねたところ、予想通りつれない態度。
自分はまだ弁護士ではないから何もできないし、そもそもアナタと私は何の関係もないとまで言われる。
肩を落として帰るルオだったが、後からこっそり父親の様子を見に来たシャオバオは、やはり放っておけなくなる。
 
シャオバオは自分の恋人で新米弁護士のナイホァにこの件を相談。
訴訟沙汰となったルオを援護しつつ、エキストラで人気者となったチートゥのことも守るのだが……。
 
シャオバオ役のリウ・ハオツンがめちゃめちゃ可愛い。
世の中のお父さん方、特に娘と円満な関係が築けていない人はこれを観て泣くしかありません(笑)。
 
チートゥがまた愛らしすぎる。
私は特に馬が好きなわけではないけれど、ルオがチートゥを引き取ることになった経緯も含めて、
こんな馬だったらそりゃもう手放したくなくなるでしょう。
シャオバオにも泣かされるけど、そうだった、私が泣かされたのはチートゥのほうでした。
 
ジャッキー・チェンのこれまでのスタントシーンも挟み込まれています。
すべてのスタントマンに贈る賛歌。
 
これ、エンドロールのNGシーンまで吹替なんですよね。
やっぱり字幕版が観たい。

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『Ryuichi Sakamoto | Opus』

2024年05月21日 | 映画(ら行)
『Ryuichi Sakamoto | Opus』
監督:空音央
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
昨年3月にこの世を去った坂本龍一。
10年近く前に中咽頭がんであることがわかり、3年前には直腸がんに。
あちこちに転移して手の施しようがなくなり、相当つらかったろうと思われます。
彼が「あと何回満月を見るだろう」とつぶやいていたと聞くと、
 
その年の9月、坂本龍一が最後の力を振り絞って演奏に臨む。
東京のNHK509スタジオで8日間にわたって収録した演奏が本作です。
ただひたすら、ピアノに向かう彼を収めただけといえば収めただけ。
凝った演出はされていないように見えるところが余計に素晴らしい。
 
静謐としか表現できません。
彼の表情は穏やかで、死が近いとは思えない。けれど、それを感じながらの演奏だったのでしょう。
 
彼自身の選曲による20曲。
心地よすぎてたまにうとうとしてしまってごめんなさい。
空の上にいるような気持ちでした。
 
あらためてご冥福をお祈りします。

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『リバウンド』

2024年05月08日 | 映画(ら行)
『リバウンド』(英題:Rebound)
監督:チャン・ハンジュン
出演:アン・ジェホン,イ・シニョン,チョン・ジヌン,チョン・ゴンジュ,キム・テク,
   キム・ミン,アン・ジホ,イ・ジュンヒョク,キム・ジンス,チャン・ヒョンソン他
 
前述の『あまろっく』の次に、同じくなんばパークスシネマにて。
 
実話に基づくスポ根韓流映画。面白くならないわけがない。
2012年にあったことなのだそうです。
 
伝統はあるものの、昔と違って弱小チームになりさがってしまった釜山中央高校バスケットボール部
あまりのダメっぷりに、就任したコーチは次々と辞め、何人かいた部員も今は2人のみ。
ついには校長が廃部を言い渡そうとするが、OBが黙っていないかもしれないと、
教頭以下の教師たちが安月給でも来るコーチを雇って形だけ存続させましょうと校長を説得する。
 
そんなバスケ部のコーチとなったのは、高校生当時はMVP選手に選ばれたこともあったのに、
その後は鳴かず飛ばずで冴えない日々を過ごしていたカン・ヤンヒョン(アン・ジェホン)。
「形だけのバスケ部」の「形だけのコーチ」のはずが、ここは一発逆転の人生にしたい。
まずは部員を集めて試合に出られるようにしようと、各校選手のデータを集めはじめる。
 
スター選手として崇められながら身長の伸びが止まると同時にスランプに陥っているチョン・ギボム(イ・シニョン)。
かつてはギボムのチームメイトであったが脚を傷めて逃げ出したペ・ギュヒョク(チョン・ジヌン)。
高身長を買われてサッカー部からバスケ部に移ることになったホン・スンギュ(キム・テク)。
ストリートボールを楽しんでいたところをスカウトされたチョン・ガンホ(チョン・ゴンジュ)などなど。
ヤンヒョンの元教え子で将来を有望視される生徒も入部したおかげでそこそこ以上に強いチームになるはずが……。
 
驚いたのは、大会試合当日に明らかになる選手の引き抜き。
スポーツ選手として全国的に認められると後の人生にも影響が及ぶのはインドと同じか
親も必死だから、少しでも強いチームに子どもを入れたい。
子ども本人がこのチームに居たいと願ったとしても、親が移したければそうなるのですね。
当日会場に行ってみると、昨日まで自分のチームにいた選手が相手チームに引き抜かれているなんてビックリ。
 
強豪校には余るほどの部員がいて、こちらの釜山中央高校にはたった6人。
1人怪我をすれば交代選手がいなくなり、ぜぇぜぇ言いながらコートを駆け回る。
 
選手(ほぼ)みんなイケメンでカワイイから、俄然応援したくなります。
特にイ・シニョンとチョン・ジヌン。チョン・ゴンジュもいいねぇ。
後からチームに入るホ・ジェユン役のキム・ミンがなかなか泣かせるし、
第二のマイケル・ジョーダンを自負するお調子者ながらスター性ありのチョン・ジヌク役のアン・ジホも○。
そして一応ヘッドコーチのイ・ジュンヒョクが笑わせてくれます。名バイプレイヤー
 
楽しかった!

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『ラブリセット 30日後、離婚します』

2024年04月23日 | 映画(ら行)
『ラブリセット 30日後、離婚します』(英題:30 Days)
監督:ナム・デジュン
出演:カン・ハヌル,チョン・ソミン,チョ・ミンス,キム・ソニョン,
   ユン・ギョンホ,ファン・セイン,イ・サンジン,ウォン・ウー他
 
「『死ぬ死ぬ詐欺』やな、いや、お母さんが死ぬ死ぬ言うてるわけやないし、
先生の『死にます死にます』詐欺か」などとと言っては笑っております。
 
母の余命を聞いたときにはすごく悲しかったし、いろんなことを思い出しては泣いてしまうけれど、
今日明日死ぬかもしれませんと言われてから1カ月近く経つと、気持ちが落ち着いてくる。
「またヤバイときにはすぐに病院から電話がかかってくるし」と映画へ。
この日はなんばパークスシネマまで足を伸ばしてみました。
 
監督は大好きだった『色男ホ・セク』(2019)のナム・デジュン。
カン・ハヌルチョン・ソミンのダブル主演で、たぶん、きっと面白い。
 
富裕な家庭に生まれ、映画プロデューサーとして働くホン・ナラ(♀)は、
弁護士を目指すも司法試験に毎年落ちているノ・ジョンヨル(♂)と交際していたが、
あるときジョンヨルの心にもない言葉が原因で別れる。
 
親が薦める相手と見合いしてすぐに結婚を決めたナラだったが、
挙式当日に別れを悔やむジョンヨルが酒に酔った勢いで会場に乗り込もうとしていたところ、
逆に会場からナラが逃げてくる。こうしてなんとも劇的に結婚したふたり。
 
それから3000日、つまり約8年が経過。
ナラの仕事は順調、ジョンヨルも無事に司法試験に合格して売れっ子弁護士になったというのに、
ふたりの仲は冷え切って喧嘩ばかり。お互いにもう我慢の限界だと離婚を決意する。
 
裁判所へ調停に出向くと、熟慮期間を設けて30日後に離婚を認めると言い渡されるが、
その帰り道、ふたりは交通事故に遭い、記憶喪失となってしまう。
病院で目覚めたときには家族のこともお互いのこともまったく思い出せず。
 
双方の親の仲も最悪だから、離婚は絶対に成立させたい。
記憶喪失のせいでふたりがまた恋に落ちたら厄介だと、
ナラの妹がふたりの家に同居して妙なことにならぬよう監視する役目を仰せつかり……。
 
険悪だったナラとジョンヨルがあらためて恋に落ちる。
展開は見え見えですが、キャストがよくてやっぱり楽しい。
 
特にナラの母親を演じるチョ・ミンスが素晴らしい。
最初にナラが挙式から逃げたときも、そうまでして一緒になろうとしたジョンヨルが無職だとわかったときも、
こぇぇオバハンではあるのですが、なんだかんだでいちばんに考えているのはナラの幸せ。
対するジョンヨルの母親役、キム・ソニョンが憎たらしいのなんのって。
貧乏人の劣等感ありありで、ナラが何かするたびに「金持ちのお嬢さんだから」と嫌みばかり。
こんな姑だったら嫌だなぁ(笑)。
 
ユン・ギョンホほか、ジョンヨルやナラの友人たちも笑わせてくれます。
なんということはないけれど、楽しい気分になることは間違いなし。
 
嫌なところばかり目につきはじめると、つきあいはじめた頃の気持ちは忘れてしまうもの。
思い出したとしても嫌なものは嫌ってこともあるでしょうが(笑)、
映画ならばこんなハッピーエンドが望ましい。

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『流転の地球 太陽系脱出計画』

2024年04月09日 | 映画(ら行)
『流転の地球 太陽系脱出計画』(原題:流浪地球2)
監督:グオ・ファン
出演:ウー・ジン,アンディ・ラウ,リー・シュエチェン,シャー・イー,
   ニン・リー,ワン・チー,シュ・ヤンマンツー他
 
映画を観に行かない日が3日続いていました。
がそんな状態だから、そもそも映画を観に行く気分でもないけれど、
それでも近所の劇場で前週末に封切りとなった作品は鑑賞済み。
この日も母と面会後にまっすぐ家へ帰ろうと思ったのですが、
ちょっと気になっていた本作を観るために名神茨木から西宮まで高速に乗って行っちゃいました。
TOHOシネマズ西宮にて。
 
中国の人気作家リウ・ツーシンのSF短編小説を映画化したのが『流転の地球』(2019)だそうで。
観てないし、そんな作品があったことすら知らんかったけど。
本作はその第2弾で、前日譚が描かれています。ボリウッドも顔負けの173分の長尺。
 
近未来の地球では太陽が急速に膨張しはじめている。
いずれ地球は太陽に飲み込まれると科学者たちの間で結論づけられ、
 
さまざまな意見の中から採用されることになったのは、
地球そのものを太陽系から脱出させる巨大プロジェクト“移山計画”。
プロジェクトの実現に向け、全世界で準備が進められるのだが……。
 
地球自体が宇宙船のごとく宇宙空間を移動するというプロジェクト。
現実にこれが可能かどうかは私にはまったくわかりませんが、
とにかく大がかりでお金がかかっていて、劇場で観るべき作品であることは間違いありません。
 
移山計画以外にも検討されていた計画はいろいろあり、そのうちのひとつがデジタル生命体。
地球ごと移動するのではなくて、人間の記憶や人格をコンピュータ上に再現し、
太陽系崩壊後もデジタル生命体として生きることを選びたい人もいるんですね。
そちらを唱える人たちは宇宙ステーションを破壊するテロを目論んだりもする。
 
アンディ・ラウ演じる量子化学研究者は、事故で愛娘を亡くした過去があり、
その娘をなんとかデジタル生命体として蘇らせたい。
彼の気持ちを理解しつつも、立場的にそうすることを認められない上司の気持ちを慮ると悲しい。
また、ウー・ジン演じる宇宙飛行士は、同僚の女性宇宙飛行士に一目惚れして恋を成就させますが、
息子を授かったのちにかつて放射能を浴びた彼女の余命がわずかであることを知ります。
 
とにかくこのプロジェクトの主軸になっているのは中国とロシアだから、
日本人としてはあまりテンション上がらず、「はぁ」と思うしかありません。
ロシアの司令官のうるさいことと言ったら、ちょっとゲンナリするくらい(笑)。
 
と言いつつも、200人以上が志願して『アルマゲドン』(1998)のブルース・ウィリス的役目を果たすシーンは
じわんと感動して泣きそうになりましたけどね。(^^;

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