チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

お軸を仕舞う

2024年05月31日 05時01分43秒 | 日々のこと

雨、20度、82%

 

 毎月末、床の間のお軸を架け替えます。季節を考え、その時の心に馴染むものを選びます。たくさんは持ちませんが、一年の月の数より多く持っています。ほとんど私が求めたもの、大したものはありません。我が家の床間は三幅横並びに、長さ2メートル以上のものも掛けることができる、私にはもったいない床間です。絵の軸をかけるときは床の間に窓が開いたように感じます。字の軸をかけるとき、心の窓が開いたように感じます。手持ちのお軸、物によっては一年以上蓋を取らないこともあります。架けようとお軸の蓋を取ると、見苦しく収まっていることがあります。お軸を扱うのはこの私、最後に仕舞ったときに杜撰な巻き方をしてしまったのでしょう。恥ずかしくなります。

 硬めにしかも硬すぎずに巻くのは難しい、気が急ぐと手元が雑になります。蓋を取ったとき、素直に収まるお軸を見るのは、自分の行動の跡を見る思いです。月末に掛け替えるはずが、私の健康や不意の事故で出来なくなったらと考えました。家族が手放してしまったお軸を知らない人が蓋を取る、想像します。粗末に扱われた箱のお軸を見た人は、最後に箱に仕舞った人を心無い人だと思うでしょう。

 昨日は気持ちを込めて今月のお軸を仕舞いました。 時間がかかることではありません。ちょっとしたお軸への心遣いです。次の月の架けるお軸を出して来ました。蓋を取ると、気持ちよく並んでいました。 「ああ、よかった。」

 自分の後に残すものを考える年齢になりました。物の仕舞い方一つ、私の心映えです。私の手が成す私自身です。雨が降り、時間があるときに全部のお軸の箱を覗いてみるつもりです。乱れていたら行儀良く、巻き直してやるつもりです。いつか、私以外の人の目に晒される日があることを意識して。

 

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「睡眠離婚」

2024年05月30日 05時00分11秒 | 眠り

晴、16度、68%

 電子版「ナショナルジオグラフィック」で「睡眠離婚」という言葉を目にしました。「夢の中で離婚するのかな?」と思いながら読みました。「夫婦がベットを共にしない、睡眠離婚」だそうです。

 我が家もずいぶん以前から同じベット、同じ部屋では寝ません。20年は経つでしょうか?主人のいびも理由の一つ、気温への感じ方が違うので私が寒くても主人が暑い、寝室の温度への感じ方の差も理由の一つ、寝相の悪い私はお布団を蹴り飛ばすその度に主人が布団を掛け直す、などなど理由はありました。息子の部屋のベットが空っぽでしたので、枕を持って移動しました。とても自由な気分で目覚めました。以来、別々です。

 旅に行くとたまにダブルベットなどで共に寝ることがあります。ベットに入ればすぐ寝落ちますが、寝てる間主人の気配で目が覚めます。起きてしまっては悪いと思い、寝たふりしてるとまた寝てしまいます。主人に限らず、子供や犬と一緒に寝てると相手の動きには敏く目覚めます。この数年、「眠り」の大切さを実感しています。いつ寝る、何時間寝るより、ストンと深い眠りが欲しいと思います。身体が欲しています。

 まだ同室、同じベットで寝ていた頃、主人は仕事で帰りが遅く、私は先に寝ていました。当然私は主人より早く起床します。目覚ましは一応セットするのですが、遅く寝た主人を起こすまいと目覚ましが鳴る前に起きるようになりました。この意識力はすごいと思います。おかげで、30年以上、時計なしてほぼ同じ時間に目覚めます。一緒に寝ていて私が得た最高の習慣です。

 主人が横で寝てると、そっと布団を抜け出します。目が開いて一呼吸、そっと布団から足を出して起き上がります。ところが今では、目が覚めるとすくっとベットを出ます。なんとも女らしくない行為です。「眠り」を考えれば独寝は良い眠りが得られます。「たまに」、一緒のベットで寝ると、昔話などをして大笑いしたり、楽しい時間を過ごします。「たまに」だからいいのでしょうね。

 

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アジの旬が終わります。

2024年05月29日 05時01分04秒 | 日々のこと

晴、17度、81%

 この春は「アジ」をたくさん食べました。恥ずかしいことに福岡の「アジ」の旬がこの時期だとは知りませんでした。青魚が高級魚になりました。手軽に買えるのは「アジ」と「イワシ」ぐらいです。魚屋のおじさんが「アジの脂のりが落ちてくるよ。」と教えてくれました。今年の「アジ」は水揚げも多く、大きさもやや大ぶりだったそうです。

 旬が過ぎると思うと焦ります。多く買いすぎたので、一夜干しを作りました。軽く塩水に漬けて一晩干すだけです。 市販の「アジの開き」は塩気が強く食後に喉が渇きます。保存料も影響しているのでしょう。しかもペタンと薄い「アジの開き」です。 身がふっくらジューシーな「アジの一夜干し」になりました。ゼイゴを取り忘れて、痛い思いをしました。

 信頼のおける魚屋さんに尋ねて買った「アジ」をお刺身にしました。 青物のお刺身は魚屋さん選びからです。皮を挽く時、皮下の脂を感じます。1匹でこの量。アジの甘みが口に広がりました。

 「アジフライ」もこんなに美味しいかと思うほどです。お弁当にも詰めました。焼き立ての食パンと庭のシソの葉でサンドウィッチも作りました。揚げてすぐにパンに挟みます。衣が音を立て、美味しい「アジ」の汁が口いっぱいです。

 今日、お魚屋さんに行くつもりです。「まだ、アジ美味しい?」尋ねてみましょう。

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ポワラーヌのエコバック

2024年05月28日 05時02分38秒 | 身の回りのもの

雨、16度、89%

 日本でエコバックが定着したのはここ10年ほどでしょうか?欧米ではそれより以前、30年ほど前からエコバックを推奨していました。最近のエコバックは軽くてデザインも豊富です。以前の欧米のものは、コットンや麻で作られていました。

 「ポワラーヌ」はカンパニューのパンで有名なフランスのパン屋さんです。確か、伊勢丹ではクッキーなどの取り扱いがあります。「ポワラーヌ」は日持ちのするカンパニューを昔からアメリカなどに送っていました。香港でも「オリバース」という高級食材店に週2回ほど届きます。スライスして売るようになって一度求めました。丸のままは手が出ません、お値段が高いのです。しっかりした焼き色、香ばしさ、噛み締めると歯応えがグッと来ます。ボソッとしているのではありません。その「ポワラーヌ」が麻のエコバックを出していました。今のようにポチッとすれば世界中の品が手に入る時代ではありませんでした。おそらく私が海外のものを取り寄せたのは「ポワラーヌ」のエコバックが初めてでした。

 支払いは終わっているものの本当に送られてくるか心配でした。支払い方法は「PayPal」でした。注文して数日で送られて来ました。感激したのを忘れられません。大きめのエコバック、小さな私に合わせてバックも持ち手も縫い詰めました。香港の市場での買い物は肉や魚から血が漏れることもあります。シミをたくさんつけてしまいました。7年前帰国する時、主人に使ってもらおうと置いて来ました。

 主人はよく使ってくれたのでしょう、先日持ち帰って来た「ポワラーヌ」のエコバックの持ち手はボロボロになっていました。 新しい布で作り替えようと、考えていました。

 使用頻度は高くないのですが、kitchenaidのスタンドミキサーがあります。 戸棚にしまってあったのですが、出し入れの重さが腕に負担に感じるようになりました。10キロほどはあるかと思います。ワゴンの上の出しておくことに決めました。窓辺のワゴンの上では埃や日焼けが心配です。カバーを作ってと思っている時、「ポワラーヌ」のエコバックが頭にピンと来ました。色は地味で目立ちません。周りの雰囲気を壊す心配なし。昔、私のために縫い詰めたところを丁寧に解くとピッタリサイズです。

 シミもついていますが、丈夫な麻布です。文字は逆さま。 「ポワラーヌ」のような美味しいパンが焼けますようにとの思いも込められています。

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パンプディングが食べたくなって

2024年05月27日 05時01分01秒 | パン

雨、22度、93%

 「パンプディング」が食べたくなりました。「フレンチトースト」と同じ卵液で作るのに、「パンプディング」の方が好きです。毎朝焼くバゲットでも作れますが、柔らかな染み込みの良い食パンを焼きました。粉は「ミナミノカオリ」地元福岡の粉を使います。粉の香り、味がストレートにでる「バゲット」では「ミナミノカオリ」は「キタノカオリ」ほど美味しいとは感じません。食パンならバター砂糖、ミルクが入ります。どんな味に焼きあがるかな?

  水分量多めの柔らか仕上げにしました。食べ切れる量、1斤を焼きます。「パンプディング」以外にサンドウィッチも食べたいので1斤を十枚にスライスしました。 この写真の後すぐに一枚をムシャムシャ。「うん〜?」やっぱり繊細な旨みに欠けます。

 二枚を使って、「パンプディング」。 ラムレーズンをたくさん使います。焼いているとカスタードとラムレーズンの香りがします。朝は涼しかったので、オーブンから出して来てすぐに食べました。昨日の福岡は昼間30度を越しました。暑くなると、「パンプディング」を冷蔵庫で冷たくして食べます。お腹持ちがよく大好きな「パンプディング」。今日はおやつに冷たくした「パンプディング」です。

 

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ビワを取る、イチジクの木にネットをかける。

2024年05月26日 05時15分27秒 | 庭からの贈り物

晴、19度、77%

 庭の「ビワ」の木は私が生まれる以前からこの庭にあったと思います。古い木ですがたくさん実をつけます。ただ背が高いので、上の方の実は全てカラスとスズメへのお振舞いです。私の届く高さに実がつかないので、この数年「ビワ」は食べていませんでした。一昨日、届きそうな枝に実がついて重くなって垂れているの気づきました。そこで、2メートルに伸びる鋏を出して来てプツリプツリと切りました。 完熟ではありませんが甘酸っぱい「ビワ」の香りが口いっぱいに広がります。この木があるおかげで「ビワ」を買ったことがありません。長く住んだ香港には「ビワ」は売られていませんでした。「ビワ」から作った喉薬は有名なのになぜでしょう?

 庭の「イチジク」の木は7年前帰国した年に友人が挿し木した苗木を送ってくれ植えました。夏の私の大事な「おやつ」です。「イチジク」は冬から木の中に温めて実がつく初夏の「イチジク」と夏から秋にかけてつく今年の「イチジク」があります。今時期なるのは数は少ないのですが、大きい早稲「イチジク」です。今年は5つ。一昨日、一つカラスに取られました。まだ青かったので美味しくなかったのでしょう、屋根に食べ散らかしていました。「イチジク」も私の手の届かないところはカラスにあげることにしています。

 早速、ネットをかけました。 4月まで葉が一つもない裸木でした。たった一月でこの状態です。生命力が強い木です。梯子をかけても一番上まではネットがかかりません。 実がたくさんつき始めたら裾にもう一枚、ネットを回します。カラスは上からだけでなく、地上からネットの中に入り実を取ると「イチジク」農家の人が話していました。カラスらしい!ネットをかけていると、ここにも私の友だちが日を避けて休んでいます。 残った早稲の「イチジク」は4つ、夏に取れる「イチジク」は米粒大の大きさで無数についています。

 庭からもらう贈り物、お腹に入るものは格別嬉しい。葉陰についた大きな早稲の「イチジク」、どうか食べれますように。

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NHK夜ドラ「VRおじさんの初恋」

2024年05月25日 05時31分38秒 | 日々のこと

晴、19度、89%

 テレビでドラマを見ることがほとんどありません。ましてや夜のドラマの時間には大抵私はすでに夢の中です。おやつ時間に「NHKプラス」でニュースなどをチェックします。見逃した番組を好きな時間に見ることができます。連続ドラマはほとんど見ないのに、気になって見始めた夜ドラ「VRおじさんの初恋」でした。長く日本を離れていましたので、いまだに俳優がわからないのですが、題名に惹かれたのでしょうか?いえ、「VR」バーチャルの世界になど興味はありません。なのに初回から先日木曜日の最終回まで28放送を翌日に必ず見ました。

 「ロストジェネレーション」世代の「直樹」さんは家族もなく、仕事場でもパッとせず、「VR」の世界が唯一の居場所です。「VR」の世界では女の子「ナオキ」です。この世界で会った「ホナミ」と言う女の子に初恋をするお話です。女の子同士のラブ、しかも舞台は「バーチャルワールド」。「ナオキ」の初恋の相手「ホナミ」は実世界では死を間近にした、家族と断絶している老人男性「穂波」です。現実と「VR」の世界を行き来しながらの話、漫画が原本だそうです。

 話の流れで最終回が近づいていると思うと、寂しくなりました。連続ドラマにこんな思いをしたことはありません。現実世界の「穂波」は病で亡くなります。「VR」の世界での「ホナミ」との思い出を振り返りながら、「直樹」は生き生きとした表情を浮かべ番組は終わりました。

 「直樹」さんのような人いるだろうと思います。自分を見出せる場所がない人、人との関わりがうまくない人。初恋の相手を亡くしてもその人「穂波」がくれた思い出や言葉は生きています。「直樹」さんの中では一生生き続けます。この番組、いい言葉をたくさんくれました。「穂波」が亡くなる直前に「春樹」に書き送った手紙の中の「心の輪郭」とい言葉もその一つです。ドラマが終わった後もずっと私自身の「心の輪郭」を考え続けています。

 大きな感動ではないけれど、静かに心残った「VRおじさんの初恋」でした。

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ホテイソウをテーブルに飾る

2024年05月24日 05時00分18秒 | 日々のこと

曇、21度、79%

 庭に4種類の水草を養っています。水を張った鉢や瓶に浮かぶ水草が好きです。夏には花も咲かせます。冬は葉を枯らしますが、早春、次々に新しい葉を伸ばします。その時期に合わせて古い葉を取り除き、瓶の整理をします。水草の良いところは、緑の葉と水面とのコントラストです。水が視角に入ると涼しさを感じます。

  裏庭の土鍋を利用した「ホテイソウ」の鉢。表の「ホテイソウ」が増えすぎるとこちらに移転させます。 「コウホネ」の壺。4年経ちますが花が咲きません。日本の意匠にもなる葉の形が好きです。この壺には毎日一年を通して「スズメ」が水を飲みにやって来ます。 この春、株分をしたピンクの「睡蓮」です。水面から高く伸びる葉が出るとその葉の下に隠れるように、花の蕾が出て来ます。実は今、二つ花芽が出ています。株分のストレスがなかったのでしょう。 先日、大きな鉢に転居した白い花を咲かせる「睡蓮」です。睡蓮の鉢は大きいので「カラス」が水飲みにやって来ます。それを防ぐために2つ共「葦簀」を巻いています。そして今年7年目を迎えた「ホテイソウ」の瓶です。 早春の株の整理で5個まで株を減らしました。まだ5月なのにすでに瓶いっぱです。非常に繁殖力が強い植物です。水面は全く見えません。引っ張り上げると、新根の中に「タニシ」や「ナメクジ」の赤ん坊が潜んでいます。「ホテイソウ」ワールドです。真夏には薄紫の花を次々に咲かせて、道行く人の目に留まります。少しでも水面を見せたくて、一掴み株を引っ張り上げました。さて、この株どうしよう?元気な株を捨てるには忍びない。そこで、テーブルに飾りました。

 タニシもナメクジもついていますから家のテーブルではなく、デッキに置いてあるテーブルの上です。水生植物ですから水をよく吸います。小さな花器ですので、毎朝水をさして遣ります。なかなか良い眺めです。「ホテイソウ」さん窮屈でしょうが、この夏はそこで過ごしてください。水草を根付きのままテーブルに飾る、ちょっと贅沢な気分になりました。

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「ミナミノカオリ」で焼くパン

2024年05月23日 05時11分25秒 | パン

曇、20度、81%

 私がパンを焼き始めた50年近く前、日本の小麦はパン作りには適していないと海外から輸入の小麦を日本で製粉したものを使っていました。ところが30年も日本を離れて帰国すると、国内産小麦のパン用小麦粉が年々数を増やしています。農家がパン作りに適した小麦を開発したからです。日本古来の小麦とカナダ産の小麦を掛け合わせたものがその初めだと聞きます。今やパン用小麦粉はパン屋も家庭も国産小麦の小麦粉が主流になってきています。中でも北海道産「キタノカオリ」はよくできた小麦粉です。美味しいは言うまでもなく香りもよく、扱いやい小麦粉です。

 毎朝、小さなバゲットを一本焼きます。帰国当初はフランスからの小麦粉を使いました。輸入小麦粉の高騰もあってこの5年間は国産小麦の小麦粉を使っています。数ある品種ですが、ハードブレッド用の「キタノカオリ」を使っていました。もちろん北があれば南、九州の小麦もあります。一度、熊本産の小麦粉を使いましたが、どうも味が良くない。舌触りに何かを感じます。先日、地元福岡のハードブレッド用の小麦粉を売っているのを知りました。ネットで見つけて送ってもらい使い始めて一週間が経ちました。

 一言で言うと、「キタノカオリ」に比べると洗練された味がありません。小麦の持つ野趣を感じます。今私は「高加水」のバゲットを焼いています。「高加水」とは例えば粉100グラムに対して普通は70グラム前後の水を加えるところを80グラム90グラムと水量を多くして焼くパンです。現在、95グラムの水を使っています。90グラムを超えると、パンの生地はベタベタドロドロ、形成するのも難しい。その上「クープ」、切り込みを入れにもカミソリが入りません。「キタノカオリ」の高加水パンは中はしっとり非常に美味しくできます。さて、「ミナミノカオリ」は小麦粉の吸水率が低く「キタノカオリ」よりさらに扱いにくい生地です。冷蔵庫で丸一日寝かせてもダレっとしています。味は無骨ながら、塩を効かせることで旨みを感じるようになりました。この2日、やっと見られるバゲットが焼き上がりました。 

仕込み水を「ほうじ茶」で煮出したものを使ってみました。「ほうじ茶」の苦味がうまく「ミナミノカオリ」にマッチしたようです。ただご覧のように、チョコレートパンのような色に焼き上がります。 昨日は「ほうじ茶」を使わずに仕込みました。今朝のパンはどうかな?「ミナミノカオリ」地元の小麦粉の粉です。これと思える使い道を探したい。

 パン用の小麦粉では香港30年の間、入手に苦労しました。日本から来ているパン屋さんに分けていただいたり、韓国、ベトナム、タイの強力粉を使ったり、主人が出張の時はアメリカの小麦粉を携えて戻って来てくれたこともありました。たくさんの小麦粉と向き合ってきた楽しい思い出です。

 さあ、今日もパン作りから始まります。

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カズオ イシグロ「THE SUMMER WE CROSSED EUROPE IN TAHE RAIN」

2024年05月22日 05時03分18秒 | 

曇、19度、89%

 4月30日、カズオイシグロの新刊が出ました。予約注文の時、いつもと表紙の感じが違うなと思い到着を待っていました。

 届いた本をめくると、イラストと詩で構成されています。カズオイシグロがアメリカのジャズシンガー「ステイシー ケント」に作り送った「歌詞」16編が収められています。彼がステイシーに歌詞を書き送ったのは数年前、ステイシーは贈られた詩のいくつかをレコーディングしています。イシグロの本に先立って、「ステイシー」の新しいアルバムが発売されています。 全ての歌詞が「カズオイシグロ」による16曲です。

 「カズオイシグロ」の本を初めて手に取って30年以上経ちました。今でも香港のアイスハウスストリートにあった洋書店で日本人の名前の背表紙を見た時の感動が忘れられません。求めたのは邦題「日の名残り」でした。彼の本は全て読んでいます。ノーベル賞を取ってからは馴染み深い作家になりました。「カズオイシグロ」は音楽家になりたかったと何かで知りました。作品の隅々に「音楽に造詣がある」と感じます。数年前には黒澤明の「生きる」をリメイクした映画も作っています。イギリスに舞台を写したこの映画も素晴らしい出来でした。「カズオイシグロ」は映画にも精通しています。

 この数日、「ステイシー」の歌声を聞きながら、「イシグロ」の書いた歌詞を読み直しました。ステイシーの細い歌声、心地よく響きます。映画「カサブランカ」を下地に書いたと思われる歌詞、フランスの男優「ジャンギャバン」を歌った歌詞、映画「インドシナ」の「カトリーヌドヌーブ」を歌った歌詞。それぞれを彷彿させる歌です。本、レコードの題名は雨のヨーロッパを旅するとなっていますが、日本の「新幹線」を歌い込んだものも入っています。

 翻訳が出るのかどうか?わかりませんが、「ステイシー」の歌声と共に「カズオイシグロ」の歌詞を読んでみてください。珍しく晴れた天気が続きました。雨のヨーロッパではありませんが、余情ある歌の数々でした。

 

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