チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

一枚のマフラー

2015年11月30日 05時14分47秒 | 日々のこと

晴れ、7度

 主人は福岡に帰る時,自分の母,私の母に身に着けるもの,香水や口紅などを必ずお土産に空港で選びます。もう15年ほど前でしたか,モモさんもまだやって来る前のこと,きっと何かの仏事で主人と私揃って福岡に帰ったことがありました。

 いつものように香港の空港に着くと,お店を見て回ります。私の母にはマフラーがいいなあと主人は探します。バーバリーの店先で主人が手に取ったマフラーは例のバーバーリー柄。「それじゃ母は使わないわよ。」と色遣いはバーバリーですが縞が大きな物を主人に手渡しました。母は気に入らないと手も付けない人です。

 主人が持参した大柄のマフラー,母は大喜び。東京からは息子も呼んでいました。菩提寺の墓参りの帰り,お寺の門を母、息子、私が並んでくぐる写真が残っています。母の首にはお土産の大柄のマフラー。まだ母が普通に元気に歩いていた頃のことです。

 母が足を傷めて家にいることが多くなってもこのマフラーは,冬になると必ず母の身近にありました。いよいよ一人暮らしが無理になって,施設に入るときは,荷物にこのマフラーを入れました。母が逝き,施設の部屋の片付けをしたのは息子と私です。私は,捨てるものとしてダンボールに身の回りのものを入れました。そんなものの中から息子が取り出したものが3つ,このマフラーと母のトレードマークのようなニット帽でした。

 家の整理でも私は、母が身につけていたものはひとつしか残しませんでした。全く着るものの好みが違う母です。

 一昨日、東京に着いた私を息子家族が途中まで出迎えに来てくれました。東京の日暮れは早く,家に帰り着く頃には真っ暗でした。私鉄の駅から歩いて10分ほど,息子の胸に抱かれている孫に,お嫁さんがトートバックから出して来たのは、例のバーバリーのマフラーでした。息子の首に巻いて孫の頭と首をすっぽり覆います。普通のマフラーよりは大きなサイズです。その様子を見ながら,久しぶりに見た母のマフラーに母を思います。母を思い、それを母に買ってくれた主人を思います。そして,大事にそのマフラーを母亡き後持ち帰った息子を思います。そんなマフラーを子供のために持ち歩いてくれているお嫁さんを思います。

 残したものはほんの僅かですが,こうして思い出されている母はきっと幸せなはずです。小さなものが家族に残り伝わって行きます。

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熊さんのお尻と東京のお月様

2015年11月29日 05時20分23秒 | 日々のこと

晴れ、6度

 10か月ぶりに孫娘に会いました。まだ,1歳10か月です。会うのは5回目です。私のことなど覚えているはずはありません。会うと,泣きこそしないのですが心もとない顔をして私を見ます。そう20分程経ったでしょうか、手をつないで歩いてくれました。やっぱり不思議そうに私の顔を見つめています。香港から成田に入りました。成田から息子のたちの住む家は東京の南西のはずれでまでかなりの距離です。ちょっと、お疲れ気味の私です。

 息子家族と一緒にとる夕飯、孫が同じものを食べれるようになって初めての食事です。そういえば1年ほど前に,義父母,この息子家族と福岡で食事をとったことがありました。あの時の義父の顔を思い浮かべます。義父は逝ってしまいましたが,いい思い出です。

 不思議なもので,あやしたり遊んだりしないのに見ると孫娘,目が合うと微笑んでいます。何か感じてくれたのかしら。食事がすむと,私が抱っこしてあちやらこちやら。こうして小さな子供を抱くのは久しいものです。暖かさ,重さ,微かな子供の匂い。心が急に太って行くのを感じます。抱き方が下手な私、電車に乗ってみると可愛いバルーンスカートはめくれ上がって,熊さんのお尻がポッコリ出ていました。あら失礼。

 夜ベットに入る前は儀式があるそうです。まずはお誕生日に贈った鳩時計に向かって,次はカーテンを開けてお月様に向かって, 最後はベットの上のパグたちにカレンダーに向かって,拙い言葉で「おやすみなさい。」と言ってベットに入ります。お嫁さんのご実家にはクロパグの「ボブ君」がいます。パグが好きな一家です。

 この1週間,福岡の家の庭で,香港の家から,そして東京の空に月を仰ぎました。同じお月様なのに私の目に映るお月様,まるで別物に思えます。一人で見上げる冴え冴えとしたお月様も家族と肩を並べて見上げるお月様もいつも私たちを見守ってくれていると感じます。

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栗のバターケーキ

2015年11月28日 04時00分48秒 | 菓子

曇り、19度,74%

 パウンドケーキってなんで長方形のケーキ型で焼くのかなあ、パウンド型とまで呼ばれてるわね,などと下らない事を考えながらバターを勢いよくホイップします。そのバターにアンベールのマロンペーストをドボンと落として、 ひたすら撹拌します。このアンベールのマロンペーストは柔らかく非常に甘く出来ています。マロンピューレの方は反対に固めで,自然な栗の甘さです。パウンドの配合にマロンペーストを加えるとしっとりと焼き上がります。残念なことに栗の香りはあまりありません。お店の栗のお菓子が栗の香りが強いのは香料かなと思います。あとは普通のパウンドケーキの配合です。香港でも栗がお店に出始めました。シロップ煮した栗をその生地に混ぜて焼くだけの簡単なバターケーキです。けど,パウンド型を使わなかったので栗のバターケーキです。いつもなら栗と相性がいいラム酒を最後にこれまたたっぷりと入れるところですが,この栗のバターケーキは,小さい女の子への手土産です。ラム酒無し。

 バターのいい香りがし始めると,モモさんが覗きにやって来ました。「ごめんね,これお土産なのよ。帰って来たら,モモさんにも焼いてあげるね。」さあ,このケーキを持って今から飛びます。

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香港ぐっと涼しくなりました。

2015年11月27日 05時33分39秒 | 香港

晴れ,16度、53%

 この11月の香港の平均気温は24度、観測史上初の高い気温で推移したそうです。11月に入るとエアコンを付けないのですが、今年は何度かスイッチオン。やっと昨日から朝の気温が20度を切りました。といっても16度。雪が降っている地方の方にはないやら恥ずかしく思います。

 中秋の頃にはまだ暑さが残る香港です。この時期になってやっと,冴え冴えとした月を仰ぐ事が出来ます。寒空に浮かぶやや青白い月は,気高くみえます。冬の月はなんとも好ましい。こんな急に気温が下がった朝は,モモさんお散歩を渋るのではと懸念します。2年前の冬に一度,行きたがらないことがありました。まあ,無理はさせません。ところが16度ぐらいだからでしょうか,快調にお散歩に出発。しかも一番遠回りの道を選びます。夏の頃と同じように,ここで休憩。 「お腹が冷たくありませんか?モモさん。」

 家に戻ってしばらくすると主人が散歩から戻りました。何やらニヤニヤ,「手を出してごらん。変なものじゃないから。きっと、ありがとうっていうよ。」とおっしゃいます。おそるおそる出した手のひらに、 下鴨神社の足のお守りです。モモさんの足を気にしてくれる友人からこの夏2度目のお守りが届きました。リーシュに付けているとモモさん臭くなりますから,お散歩用の袋の持ち手に付けていたのにどこで落としたのかしら。幾度か重なるモモさんの後ろ足の不調も大事に至らずに来ました。このお守りのかげだと思います。仕事に出かける主人を見送っていると,玄関前を指差して,「ここに落ちてたよ。」きっと鍵を探していて何かの拍子に外れたのでしょう。よかった人に踏まれることもなかったようです。

 お守りを送ってくれた友人もお月様が好きな人です。京都の空に浮かぶ月を見ているに違いありません。香港らしい同じ日の月の写真です。 お月様の右上には小さく飛行機の尾灯が見えています。寒い冬の月は,山を後ろにしても,ネオンサインを後ろにしてもなんともいい風情です。

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アラジンの石油ストーブ

2015年11月26日 05時28分25秒 | 身の回りのもの

曇り,16度、63%

 冬の暖の取り方も随分進化しています。私がまだ日本にいた頃は石油ストーブが全盛だったと記憶しています,ヒーターが付くようになって、今や冷暖房付きのエアコン。私の実家を整理した時,ストーブも幾つか捨てました。たった一つ残したのは、我が家が東京で使っていたアラジンのストーブです。

 買ったのは30数年前、冬の朝、起きて来ると「リキ」という名前の猫がこのストーブの前でが火が入るのを待っていました。火を入れると、「リキ」のすぐ横に息子のその日に着る洋服を置きます。ストーブの上にはおやかんがいつものっています。雪が降ったときは,外にいる「テツ」という名前の犬もこのストーブの前に連れて来ました。おやかんはしゅんしゅん,お豆だって煮ます。お豆はコトコト。時にはポトフのお鍋がのってます。ポトフはフツフツ。お風呂から上がった息子の髪を乾かすのもこのストーブの前です。このストーブのまわりで我が家は,冬の寒さを凌ぎました。

 都内の西南,多摩川に近いその家は冬になれば5センチもの霜柱が立ちました。平屋で迷路みたいな廊下のある小さな家でした。寒い冬の朝,筒状の部分を横に倒し,火をつけます。灯油の匂いが懐かしい。

 新しいアラジンを買えばよさそうなものですが,この古いアラジンを使いたいと思います。嬉しい事に福岡でアラジンのオーバーホールをしてくれる方を見つけました。先日の帰国の時,このアラジンをしっかり抱いてその人のお店に行くつもりにしていました。ところが義母を昼食に連れ出したら思わず時間を食ってしまいました。次回の帰国はきっと厳寒の頃になると思います。必ずオーバーホールしてもらいに連れて行くつもりです。

  随分汚れが目立ちます。小さい家に住んでいた頃は,息子も小さく,私たち夫婦も若かった。お金もなくて,それでも小さな家庭を遣り繰りしていました。寒さも身に沁みました。振り返れば,先も分からなかったあの当時が楽しく思えます。そんな私の気持ちをまたこのアラジンのストーブはブルーフレームで包んでくれると思います。

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キッチンエイド ハンドミキサー

2015年11月25日 05時24分54秒 | 身の回りのもの

曇り,22度、88%

 日本の家の台所,出来上がって一年,この間考え続けているのがどんな電気器具を新しく買うかという事でした。30年前香港に連れて来たブレンダーは連れて帰りますが,ほかの電気器具はこちらに置いて行く事になります。今と同じ物を揃えることも考えます。これから歳を重ねる事を考えると電気器具も身軽にとも考えます。身軽ですが、最後の台所になるはずですから,それなりによい働きをしてくれるものをと考えます。

 一番考えあぐねたのが,スタンドミキサーです。現在は3代目、キッチンエイドのスタンドミキサーを使っています。30年前香港に来てすぐに初代を買い求めました。まだ日本ではスタンドミキサーなど業務用でしかなかった頃です。なかでも3代目のキッチンエイドのものは働きも安定性も抜群です。ただし場所を取ります。お値段もかなりはります。

 私のスタンドミキサーの一番の使用途はパンを捏ねる事です。20分近い捏ね時間、ほかの仕事ができます。1キロ以上のドフも簡単に捏ねてくれます。とても助けられています。日本では売っているところすら少ないようです。この1年,初心に戻ってパンは手捏ねにしようと気持ちを固め始めました。でも,ホイップクリームを作ったりするのにはハンドミキサーが必要です。ハンドミキサーもワット数やメーカーによって使い勝手が違います。ハンドミキサーを探すうちに行き当たったのが,キッチンエイドのハンドミキサーでした。

 スタンドミキサーが売りのキッチンエイドです。香港でもこのハンドミキサーは売られていません。アメリカから日本仕様にして送ってもらいました。手に取ってみるのは荷物が送られて来てからです。一か八か,賭けのような気持ちで頼みました。

 アタッチメントは四種類,ビターとニーダーのほかにウィスク,バルーン状の撹拌器が付いています。 スピードは7段切り替え。まず手始めに,パンを捏ねるニーダーを使ってみました。重さ380グラムのドフを捏ねています。本体が重いハンドミキサーです。ボールがしっかりと座っているとこの重さぐらいのドフは容易く捏ねられる事が分かります。ウィスクはスムージーなどを作る時に使えます。最速にスイッチを入れるとかなりの回転力です。おそらく,ホイップもあっという間に出来ると思います。

 スタンド型に比べてお値段は四分の1、この4つのアタッチメントを仕舞う袋が付いていますので、 引き出しの片隅に納まります。本体は日本製などに比べると随分重いものです。それは逆に考えれば安定性に繋がります。

 1キリ以上のドフは捏ねる事が出来ないと思いますが,いい買い物をしたと思っています。流石、キッチンエイドいいものを作っています。

 

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テレビ、ラジオ無しの三日半

2015年11月24日 05時28分36秒 | 日々のこと

曇り,23度、81%

 日本の家には生活するには困らない電化製品が揃いました。ところがテレビもラジオもありません。主人も私も必需品とは考えていないからかもしれません。ここ香港にいてもテレビを付けるのは日に数回、ニュースを見れば終わりです。テレビの前にどっかり座るのは,DVDを見る時ぐらい。

 日本の家に帰り着いたのは少し辺が暗くなり始めた5時過ぎでした。まずは家に入って電気のブレーカーを入れます。ガス屋さんが元栓を開けに来てくれるまで、家の中外をひと回り、道に面しているものの家の中は静かです。夕飯の買い物も済ませ、台所で一人分のご飯を調えます。居間のテーブルで一人ご飯、寒くなかったので庭に面した窓は開け放したままです。微かに虫の声がしています。夕飯時なのに,近所の家から人の声も台所の匂いもして来ません。長いことマンション暮らしですから,生活の音が聞こえて来るのは当たり前になっています。寝る前に明日はラジオでも買おうかなと思います。

 朝も早朝のゴミの収集車の音以外は何も聞こえません。陽が上り始めると,カラスの声が遠くに聞こえます。家の外回りの掃除をして,気持ちよく窓を開け放って洗濯物を干して,お布団も日に当てました。午後からはめまぐるしく用事を片付けました。夕方前、時間がポッと出来ました。ラジオの事が頭をかすめます。電気屋さんに寄らずに静かな家に戻りました。電話もありません。携帯の電話を切ってしまえば完全に音無の世界です。台所の包丁の音が気持ちよく耳に響きます。食後ワイン片手に庭に出ると,半月が太り始めています。花の終わった枇杷の木にかかる月を見上げて,静かな家に入って休みました。休む前に家中の戸締まりを見て回ります。窓辺に置いた香水の瓶が,外灯に照らし出されていい感じです。 

 数人の方がみえるほかはずっと一人,静かな家で入るお風呂は心までほぐしてくれました。一人ですが仏壇の前を通るときは父母に話しかけます。庭に出れば草木に話しかけます。玄関を締めて香港に戻って来るときは,家に向かって「また帰って来ますよ。」と話しかけます。

 ほんとに住み始めたらテレビもラジオも買うと思います。しばらくは,静かなこの空間を楽しみたいと思います。音がない事がこんなに体も心も思い切り自由にしてくれる事に気付きました。

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30年ぶりにコンベックでパンを焼きました。

2015年11月23日 05時11分35秒 | パン

曇り,24度、87%

 おそらく私にとって最後のオーブンななると思われるのは,日本の家にビルトインしたコンベックです。システムキッチンの会社の方達が食器洗浄機をお勧めになる中、頑としてビルトインのオーブンを希望しました。これがないとどうしようもありません。5代目のオーブンです。

 現在香港で使っているのは,電気オーブン。香港では電気オーブンしか使っていません。ナショナルのコンベクションです。日本の家にビルトインしたのはガスオーブン,ちょうど1年前に取り付けてもらいました。この1年,初めに焼くのはパンと決めていましたが,ガスオーブンには長いことご無沙汰です。オーブンぐらい気紛れ、個体差の大きいものはないと思います。同じコンベクでも,それぞれに癖があります。対流式なのに右奥が焦げるとか,同じ温度に設定しても自分の欲しい焼き加減の時間はまちまちです。さあ,私のこのオーブンどんな方やら, 今からお付き合い願います。

 30年前にこの家にあったコンベックとは,機能が違います。使い方も違います。パンを焼く前の晩は,マニュアル片手にお勉強。あら,発酵装置も付いています。 なにぶんにも日本の電化製品に付いては,浦島太郎状態です。

 ゆっくり中を覗きながら,オーブンの状態を掴むつもりでいました。発酵は,まずまず,思ったぐらいの時間で欲しい大きさに膨らみました。ところが2次発酵の途中から約束していた工事の方や見積もりの方がやって来ました。じっとオーブンの前に座っている訳には行きません。

 「高さはこれでいいですか?」「次はどこを測りましょうか?」私の心はパンのことで一杯なのにと叫びたい気持ちです。ガスの方が圧倒的に火力が強いと思っていますから,控えめに時間を設定して焼成に入りました。

 出来上がりの合図の音がなる前にオーブンを覗いた時には,既にいい色に焼き上がっています。私が思ったより,火力も対流もかなり強いオーブンです。それでも家の中はパンの匂いで一杯です。家が出来上がって住む人もいない家の匂いが、次第に暖かなものに変わり始めています。パンが焼ける匂いは幸せを運んでくれます。

  この日本の家で初めて焼いたパンは、まだ暖かなうちに丸のまま義母に届けました。いよいよ,日本の家の台所仕事の始まりです。

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ブランコに乗ったパグと手編みのルームシューズ

2015年11月22日 03時25分39秒 | 日々のこと

曇、15度

 昨日、友人が家を訪ねて来てくれました。玄関に入るなり,嬉しそうに,「いいもの見つけたのよ。」と柔らかな紙に包まれてものを開けています。お互い挨拶もそこそこです。彼女の手にあるのは,なんとパグがブランコに乗った置物です。高さ10センチほど,ちょっと鼻が高いのですがパグです。偶然見つけたのだとか,見つけた経緯を話してくれます。昨年でしたか,香港の我が家にも来てくれました。その時モモさんにも会ってくれています。猫好きの彼女が私とモモを思って持って来てくれた置物です。

 玄関で立ったまま,またしても大きな荷物の中から2つのものを出して来ました。グリーンがベースのツウィード風の編み物,もう一つはレモン色。ペタンとなっているので手袋かなと思います。起こしてみると、 ルームシューズです。「あら、嬉しい。」と早速グリーンを履いてみます。家中、フローリングです。寒いわけではありませんが,スリッパと違って足にぴったりなので滑りません。前日,実は自分用の部屋履きを探していました。フリースの物が目に付きますが、今ひとつ。このルームシューズ、彼女の84歳の義母様の棒針編みです。かぎ針ではありません。三種類の編みが入っていてうまい具合に足に馴染みます。なかなかの熟練作業です。

 持って来てくれた物を全部私に手渡して,やっと、玄関から上がってくれました。パンを焼き始めていますし,見積もりの方や工事の方が出たり入ったり、ろくにゆっくり話をする間もありません。適当に座ってて,てな感じです。工事の方達が帰ったあとは今度は私が用事で出かけます。窓窓の戸締まりや着替えをしていて,向き合って話をする間もありません。お茶も出さずじまいです。「熊手を買って来て。」などと厚かましいお願いをしておきながらお金も渡さずに別れてしまいました。

 いつもこんな調子,時間を作って話したいこともあります。義母様にはまだお会いした事がないのですが,お会いして編んでみて欲しい物があります。このルームシューズも売ってくださる方がいるそうです。一日編み棒を動かしているのでしょう。ちょっと難しい物を編んでもらおうと企てています。

 今もパグさんテーブルの上にいます。もちろん足にはグリーンのルームシューズ、暖かです。今日、香港帰る前にこのルームシューズを2足玄関に並べて玄関を締めるつもりです。今度戻って来たらもっと寒くなっているはず、ルームシューズが出迎えてくれます。

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萬行寺の猫と猫カップ

2015年11月21日 03時27分15秒 | 日々のこと

曇、15度

 寒さを心配して帰国しました。福岡、昨日の朝は少し寒いと感じましたが、昼間は長袖のTシャツでも暑いと思うほどの陽気です。さあ、大事な用事を片付けなくては。おかげさまでモモさん、足の調子がよくなったようです。それでも大事を取って長時間のお散歩は避けているようです。

 お昼前、主人の実家に急ぎます。義母が一人になって,元気ですが会う度に気持ちが残ります。陽のあたるテーブルに私へのプレゼントが待っていました。 猫の絵の付いたマグカップ、私専用です。あれまあ、 こんなところに猫がいます。義母の気持ちが嬉しくて。主人の実家には私専用のお箸とこのマグカップがいつも私を待ってくれてます。

 日本の銀行が三時に締まるのはいつもながら気忙しく思います。大事な用事の締めはいつも銀行。福岡には都市銀行が中心部にしかありません。三時少し前,中心部ですから交通が渋滞しています。あと1キロほどで銀行ですが,もう三時を回っています。ダメ元でタクシーを飛び降りて,その1キロを全力疾走。銀行のシャッターを叩いて事情を話,無事に用事を済ませる事ができました。ああ,数年前も母の事でこの福岡の中心部を銀行目指して走ったなあと思います。いい歳のおばさんが町中を走るのは見苦しい,でも,走りながら私が毎朝走っているのはこのためね,と笑います。

 銀行の用事が済むと気が抜けました。ポテポテと歩いて,実家の菩提寺、萬行寺に向かいます。境内に入るなり猫さんのお出迎え,黒猫さんたち立派に太っています。三匹かなと思いきや  ベンチに後ろのにもう一匹。 まだ日が残っています。今日最後の日なたぼっこ。猫も大好きです。この方たち触られるのに慣れています。黒白二匹は社務所の中で真っ黒二匹は社務所外で飼われています。

 墓地は誰もいませんでした。寺男のおじさんもお休みかな,墓地の空き地が目立つようになって来ました。お墓掃除を済ませると疲れがドッと,すみませんと言ってお墓の階段に腰をかけました。 初めて実家のお墓にお尻を向けて見た景色です。けど、考えてみればお墓の中の方達はこの景色を毎日見てることに気付きます。秋空,銀杏も遅まきながら燃え始めています。ご苦労さんと自分に言ってお寺を出ました。家に帰り着くともう真っ暗、半月が空に昇り, 家には外照明が灯っています.。

 義母の気持ち,お寺の猫さん,お墓の中の人たちによいッと背中を押されてやっと用事が済みました。さあ,今日一日がんばって明日の夜にはモモさん目指して帰ります。

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