曇り
ほんとなら,いま私は福岡にいるはずです。今日は午前中から大きな用事が入っています。ところがいま私がいるのは台北です。しかも台北の桃園空港から30分ぐらいのホテルという事しか分かりません。ホテルの名前も定かではありません。
昨日は午後の便で台北を経由して福岡に入る予定でした。一昨日28日には,大きな台風の通過で台北からの離着陸の飛行は殆ど欠航でした。29日には台湾海峡を抜けた台風、キャセイパシフィックから私の乗る510便は,定刻出発と知らせをもらいます。
14時55分定刻の510便,28日のこの便が欠航だったので満員の状態です。その上,日本人の観光客5名が定刻を過ぎても姿を見せません。待つこと30分。まあこんな事はよくある事です。
台風の余波も無く飛行機は揺れずに,ただいつもよりやや南の航路を取りました。通常飛行時間1時間15分で台北です。ところが,台北の桃園空港、前日の欠航が影響して飛行機のラッシュ。私が乗る510便は,台北上空を一時間半グルグルと旋回しました。台風の影響ばかりか、ここ桃園空港、2本ある滑走路の内1本はただいま工事中。おそらく,離着陸を待機している飛行機の数は,数十台に上っていたと思われます。桃園空港では私のように福岡に行く人もここで一旦降りなくてはなりません。この段階で,予定時間より3時間近く遅れていました。機内の清掃,新しく機内食を積み替え,台北から福岡に向かう人と共に再び飛行機に乗ったのは,8時少し前でした。つまり日本時間9時少し前。予定通りならば、既に福岡上空にさしかかる頃です。
ところがここでも滑走路1本が影響して,31番目の離陸というので機内で1時間待ちました。やっと離陸の順番が回って来て,滑走路に向かいます。やれやれ,遅くなっても福岡なら心配ありません。さあ,離陸という時,機長からのアナウンスです。「バットニュースです。福岡空港の閉鎖時間は午後11時30分、約2時間の飛行時間では、11時30分に間に合わないので,飛行を見合わせます。」英語の放送でしたから,初めは不満の声も少なかったのですが,日本語の放送が入ると一遍にぶーぶー文句が出ます。
そこからがいけません。滑走路横にいる飛行機,機体を近くに移動させたまま動きません。短く明日の朝福岡に向けて飛び立つとの事だけ知らされます。皆さん、文句を言うより携帯であちこちに連絡しています。それでも飛行機動きません。10時近くです。飛行場に止まっている飛行機の中で機内食がサーブされます。熱いお茶も,ワインすら出て来ません。どれくらい時間が過ぎたか,空港内の移動のバスが来ました。タラップを下りてバスに乗り込みます。ターミナルに入ると510便の乗客は,全てパスポートを没取されました。今からホテルに向かうと言います。通常では通れない,外交、乗務員通路を使って台湾に入国です。
数百名のこの移動、ビジネスクラスから始まります。私はエコノミーですが,キャセイのクラブの会員なので一番先にホテルに入ることが出来ました。既に真夜中12時を回っています。
台風明けの安いホテルです。なんとカビ臭い。それでも,お風呂もきれいなベットもあります。 コンセントも室内灯もテレビも点きません。仕方無く,PCに充電は,洗面所脇のコンセントにつなぎました。
カビ臭いので,窓を開けます。次々にバスが着く音が聞こえて来ます。今朝は,6時45分に全員にモーニングコール,7時過ぎにロビーに集まり10時発の飛行機に乗り込みます。同じ機体同じ席順で,また福岡に向かいます。
旅はアクシデントがつきものです。5月のヨーロッパの旅行でも,帰路は天候状況のため予定の飛行機をチェンジして帰って来ました。
久しぶりの台北の夜明けです。 台北らしい,のんびりした空気が流れています。さあ,今日は私にとって長い一日になりそうです。