チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

ぽろりっと

2013年06月30日 06時09分05秒 | 日々のこと

晴れ、28度、85%

 花の水を換えていて、花が頭からぽろり。枯れたポトスの葉っぱを引っ張っていると横の小さな新芽がぽろり。この年になっても、どこかザワザワした落ち着かないものを身につけているようです。折角の生きているものですから、小さな器に水を入れ、テーブルに置きます。

 水換えが終わったトルコキキョウをボーッと眺めていると、花から花に何かが動いているのが見えます。逆光な上に、30本ものトルコキキョウですから花の数も沢山です。動いているものは、時々こちらに手を挙げているようにも思います。近づいてみると、一匹のうぐいす色の芋虫でした。3センチぐらいの芋虫です。時折ピット頭を上げるのが、手を振っているように見えました。トルコキキョウを求めて1週間が経ちます。花にこんな芋虫がついているのは初めてのことです。芋虫だって生きてますから、殺さずに外に放ちました。このベトナムから来たピッコロワインという名のトルコキキョウ、今日までに3匹の芋虫が住んでいました。中国の昆明から来る花に虫なんてついていません。きっとベトナムでは殺虫をしないのかもしれません。

 香港地元のブロッコリーはきちんと洗って湯がいても、時折青虫がお鍋にプカプカ浮かびます。アメリカからのブロッコリーでは青虫がついていた試しがありません。

 殺虫をしないと言うことは虫が付く代わりに、なぜか安心感を覚えます。私、芋虫の類いは苦手ですが、最近ではちゃんとつまむことが出来るようになりました。いよいよ、暑い夏です。お米にも虫、花にも虫、野菜にも虫、テーブルに置いたぽろりの花の頭からも芋虫が出てきました。

 

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’怒’の紅茶

2013年06月29日 06時09分06秒 | お茶

曇り、28度、84%

 2年に一度くらいの割合で、主人と一緒に東京に戻ることがあります。飛行場に向かう前の僅かな時間を本屋に向かいます。新宿だったら、本屋の時間を割愛して、伊勢丹の地下を目指します。特別何かお目当てのものがあるわけではありません。ただ見るだけです。見てるだけで、幸せになれるほど、伊勢丹の地下は楽しい、しかも、もうずっと40年近くもそう思い続けています。香港のデパートの地下は、日本の商品を置くと言うことが主眼になるせいか、楽しみがありません。日用品に近いと言った方がいいでしょう。

 主人も私も、荷物の空き具合を頭に入れて、本のスペースとか考えながら歩きます。紅茶は私の必須点検アイテムです。缶を開けては匂いを嗅ぐ、ミツバチよろしくせわしなく紅茶売り場では動きます。見ると、主人が何やら紅茶を買っています。珍しいことです。

 NAVARASAという、伊勢丹独自のブランドの紅茶です。しかも、’怒’と言う名前がついています。あー、どうも、怒りを鎮めるための紅茶のようです。他にも、喜びなど素敵な名前があるのに、何でまた、’怒’などを選ぶんでしょうね。

 家に帰って入れてみました。 葉っぱは、紅茶のブレンドティー。バラなどの花とペパーミントが入っています。気持ちを落ち着かせるための紅茶です。

主人は喜んで飲んでいます。実は私、ペパーミントがお茶に入ると、ちょっと苦手です。チョコとペパーミント、シャーベットとペパーミントならなんでもないのですが、熱が加わったペパーミントは、カモミールと同様に苦手です。でも、一口。やっぱりダメだわ。折角だけど、この’怒’の紅茶は主人専用になりました。

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リトルミイ

2013年06月28日 04時39分57秒 | 身の回りのもの

曇り、28度、79%

 香港にシャレた雑貨屋が出来始めたのはここ数年です。イギリスや日本の文具、北欧の生活雑貨、フランスのアクセサリーなどを扱う店が、セントラル、ワンチャイ、トンローワンの裏道をのぞくと、ポツポツ見られます。以前に比べて、香港人の生活が豊かになって来たことをつくづく感じます。基本給も向上したし、大学への進学率も上向きです。雑貨などという、余分なものを購入する余裕が出て来たのでしょう。

 もう雑貨がなんて言う年齢ではないのですが、雑貨屋をのぞくのは大好きです。ワンチャイを歩いていて気になって入った店で、リトルミイのポストカードを見つけました。 ムーミンもムーミンパパもありますが、何故か手に取ったのは、リトルミイ。ポストカードなのに心ないお店の人は、表に値段のシールを貼っていました。

 実は、これただのポストカードではありません。薄いビニールの封を切ると、 中にはこんなものが入っています。これはパーチ材を使って、リトルミイを組み立てるようになっています。この組み立て説明書が、なんとよく出来ていることか。 高さ6センチ程、こんなものが出来ました。

 ムーミンのお話を知っている人は、香港には少ないかもしれません。お話を知らなくても、ムーミンのキャラクターの持つほのぼのした雰囲気は誰にでも好かれます。これ、もちろんフィンランドからのものです。組み立てながら、香港の町のこうした移り変わりを肌で感じます。

 見出しの写真は、主人がフィンランドから私に買って来てくれたリトルミイと並べてみました。北欧のものの持つ色合い、感触は、元気をくれます。北欧の空気を吸いに行きたいなあ。

 

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新しいラバーメイドの水切りかご

2013年06月27日 06時06分58秒 | 身の回りのもの

晴れ、29度、79%

 30年近くも同じ形の水切りかごを使いました。三十年間で4つ買い替えました。ラバーメイドの両脇にコップ立てがついたタイプです。初代は赤、あとはずっと白を使いました。使い易さもありましたが、昼間はほとんど台所の出ずっぱりの水切りかごです。少しでも、見栄えのいいものと思います。たかが水切りかごではありません。

 昨年辺りから錆が少し出始めました。包丁の刃を当てないように気を遣っても、錆が出てきます。 ひと月前から買い替えを真剣に考えます。日本から買って持ち帰ればいいのですが、結構かさ張ります。それに、香港でアメリカ向けのラバーメイドの水切りかごが売られているのを見つけました。前に買い替えるとき日本のデパートでも売られていたタイプのものです。すぐに姿を消したところを見ると、日本人に受けなかったのかもしれません。私も、随分迷いました。はっきり言って、デザインが良くないのです。

  右手に見えるプラスチックの部分がコップ掛け、取り外し出来て、大きな鍋釜を入れることが出来るようになっています。色は、このステンレスのものしかありません。以前日本で見たのは黒でした。もし黒しかなかったら、きっと買わなかったと思います。ステンレスですから、包丁の刃も気にせずに済みます。

 洗って入れて置くだけで、ある程度まで乾いてくれます。塗り物を使うので食器洗浄機は全く頭の中にありません。先日、改築をしてる家の台所のためにシステムキッチンを見に行きました。システムキッチンには、今全て食器洗浄機がついています。これ、要りません、と私が言うと、係のお姉さんはそれならばオプチョンで外すことが出来ます。とおっしゃいます。オプションで取り除く?ちょっと理解に苦しむ話でした。

 いつか、今まで使って来たタイプの水切りに戻ると思います。アメリカ向けのこの水切りかご、もちろん中国製です。

 

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おんぶひも

2013年06月26日 06時01分57秒 | 香港

曇り、28度、80%

 香港にやって来た20年以上も前のこと、この街には赤ちゃん用のバギーが見当たりませんでした。私が探していたのではないのですが、赤ん坊は、おんぶされて運ばれていました。バギーがちらほら使われ始めたのが、15年程前。今では、地下鉄にだって乗せてくる人がいます。でも、主流はなんといっても抱っこひもです。前に抱えているので母親の目も行き届きます。子供と目を合わせる楽しみもあります。

 日本だって、私が小さい時は、赤ん坊はおんぶされていました。冬にもなれば、わた入り半纏、ねんねこ半纏を着せられ背中に縛り付けられているようでした。だって、当時の女の人の家事は、今とはわけが違います。掃除機、洗濯機などほとんどなかった時代です。それに野良仕事に出かけるには背中が一番、携帯に便利です。両手が使えますからね。

 以前の香港、赤ん坊をおぶっている人が、ほとんどみんな使っていたのが、写真のおんぶひもです。女の子は赤、男の子は青。真ん中に、ダブルハッピネスの字が刺繍されていました。この写真のものはプリントです。そして当時から今にいたるまで、おぶっているのはおばあさんかお手伝いさんです。当のお母さんではありません。女性も稼ぎ手です。赤ん坊を産んでも仕事にでます。今でも、赤ん坊が生まれてすぐから世話をする専門のお手伝いさん、チャウチャイという人がいます。もちろんチャウチャイを雇えるのは、それなりの収入がある人です。普通の家庭では、おばあさんが子守りをするわけです。

 暑い日です。子供を抱く背中は暑いでしょうね。それに寝入ると、ぐっと重たく感じます。頭の部分がレースになっています。 首が、後ろに反らないためかもしれません。以前はこんなシャレていませんでした。おばあさん、この後お菓子を売っている店に入りました。日本からの子供用のお菓子を多く扱っている店です。手に取ったのは、卵ホーロにフワフワせんべい。

 今では、香港島や九龍の市街地で、このおんぶひもを使っている人を見なくなりました。そのうちすっかり姿を消すかもしれません。この写真は、あと10分車でも走れば中国という、香港のはずれの街で撮りました。この背中の女の子、おばあさんの背中の匂いを忘れないでしょうね。

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化粧水

2013年06月25日 05時03分37秒 | 日々のこと

小雨、28度、81%

 ずらっと並んだ、化粧水。私、商品アンケートなどをしているのではありません。左の2本は、この撮影のため箱から出したばかりです。4本も、化粧水を蓄えている方も珍しいことと思います。これ、全部主人が私に買って来てくれたものばかりです。

 以前にも書きましたが、出張の多い主人は、他にお土産を買っていても、空港の免税の店でこうした基礎化粧品を買って来てくれます。もちろん頼んだりはしていません。ここは、香港です。免税の店より安く化粧品を売っている店だって沢山あります。もう、4,5年は、自分で基礎化粧品を買いに行ったことがありません。私が苦手な場所は、美容院と化粧品売り場です。それを考えると、ありがたいことと思わなくてはね。

 免税の店で売っている化粧品は高価なものばかりです。私が自分で買うとしたら、もっとお安いラインのものを選びます。どこのメーカーの何と、決めて使っているわけでもありません。化粧水はきっと一番使用度が高いものですが、何分にも小さな顔ですから量は要りません。あるわよ、と言っても買って来てくださいます。

 主人が自分の目の周りに塗るクリームを、地元のドラッグストアーに買いに行ったとき、目について買って来てくれたのが右端です。3本ある中で右から2番目のを使い始めてばかりでした。こうなると、ありがたいを通り越してしまいます。右端のは美白などと書かれています。日差しも強くなりましたから、黒い瓶のは仕舞って、これから使う事にしました。

 さて、自分で買わないので値段には疎いのですが、右端のものと、左端のものとでは、おそらく10倍程の値段の開きがあるものと思われます。つまり、左端は右端の10本分。化粧品の値段って、どうやって付けるのでしょうかね?広告の謳い文句には、アンチエイジング、高機能、何やら解らない成分名が書かれています。女性心理で、値段の高いもの程良く売れると聞いたこともあります。

 確かに50も半ばを過ぎると、若い頃とは違いしっとりとした化粧水の方が、いいように思います。左端のものは主人が一番良く買って来てくれるものです。残り3番は今回初体験。一本、一本使い上げて行くつもりですが。もしも、使い心地がどれもそんなに変わりばえがなければ、もちろん一番お安い、右端のものをリピートするつもりです。容器がいまいちですが、日本では詰め替え用も売っているそうです。

 そうはいっても、これだけの化粧水を使い上げるのに、後1年以上かかりそうです。

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ベトナムのピッコロワイン

2013年06月24日 06時06分18秒 | 

雨、25度、90%  

 今日の題からすると、私のことをご存知の方はワインの話かと思われるでしょう。いえ、ベトナムからのトルコキキョウの話です。

 香港、随分と暑くなってきました。暑い最中、切り花を持ち運ぶのはかわいいそうです。そこでいつもよりずっと早めに、九龍サイドの花市に向かいました。花の入った大きな箱がトラックから積み下ろされる様子は見ていても楽しく、女の人でもその箱を担ぎます。声こそ発しませんが、相手は生き物ですから、花市の人たち真剣に荷解きをします。邪魔にならないように遠巻きに見ていますが、仕分けして行く手順の良さは、気持ちいいものです。

 手がかかる高級なチューリップなどは箱のまま店の奥に運ばれます。丈が60センチ程の大きな花の束は、花ごとにポリバケツに分けられます。箱を開けた人が、2束だけ別のポリバケツに入れました。その他は全部カーネーションです。2束が気になってのぞきに行きました。トルコキキョウです。ニュアンスのある珍しい色です。 しかも、丈はやや短め40センチぐらいでしょうか。つかさず、箱の表書きを見ると、ベトナムから来たものです。早速、つぼみの多い一束を抱えました。私のように目ざとい方にとられては困ります。

 トルコキキョウも紫、白のオーソドックスなものからピンクにクリームと沢山の色があります。このピッコロワイン、シックでいて華やかさがある色です。

 中国昆明からのトルコキキョウも、沢山荷下ろしされています。同じ色があるかと見て回りましたが、この色は、ベトナムからの2束だけでした。

 ピッコロシリーズ、他にもまだたくさんの色があります。ピッコロという名の人が、開発しているトルコキキョウでしょう。 咲き始めの色はそれこそワインレッドです。ところが後から開くつぼみは、だんだんと色を薄くして行きます。

 大きな壷にドンと投げ入れたピッコロワインの数はなんと30本です。30本もの花束を抱いて歩くのは、なんとも贅沢な気持ちにしてくれます。

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暑い日のお昼ご飯

2013年06月23日 05時37分50秒 | 日々のこと

雨、25度、98%

 暑い日が続くと、食欲も減退しがちです。ところが時間通りに、お腹がすいてきます。家でとるお昼ご飯は、私ひとりです。お茶漬け、ご飯とお漬け物でさっぱりなどというお昼ご飯では、夕食までは持ちません。考えたらお茶漬けをしたことがありません。猫まんまといわれるお味噌汁をかけることはたまにあります。体が小さいので、かえってしっかりと食べないと、暑い夏を乗り切ることが出来ません。

 夏のお昼ご飯の楽しみが、ラタトゥイユをのせたパスタです。夏野菜をふんだんに使ったラタトゥイユは、オリーブオイルをじんわり吸ってそれは美味しいものです。このラタトゥイユ、昨晩の残りものです。残り物というより、わざと多めに作って残します。もちろん、次の日の私のお昼のためにです。

 パスタは細いバミセリーが合うのですが、今回は紫いもとセージのフェトチーネを使いました。紫芋やセージの香りも味もないので、普通のパスタと同じように使えます。ゆで上がった熱々のパスタを皿に盛り、その上から冷蔵庫から出して来たばかりのラタトゥイユをのせます。熱々のパスタと冷たいラタトゥイユのコントラストがなんともいず美味しいものです。

 パンや、ご飯と合せる時は、大きなオムレツを焼きます。その上にやはり冷たいラタトゥイユをたっぷりとのせます。

 この冷たいのと熱い組み合わせ、実は思いつきで始めたのではありません。パスタはゆで上がったのに、まだ、ラタトゥイユは冷蔵庫に入ったまま、お腹はグーグーにすいてます。暖め直す時間なんか待ってられません。そこで、エイッと冷たいラタトゥイユをかけたのが初まりです。簡単ですが、夏らしいパスタ、どうぞお試しください。

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高峰秀子と美空ひばり

2013年06月22日 05時44分16秒 | 

雨、25度、94%

 ここ2,3年、日本に帰り本屋に行くと、亡くなった女優の高峰秀子の本が再販されたり、写真入りの本も幾つか刊行され新刊の棚を飾っています。女優と言ってもとても味のある文章を書く方だと、生前は雑誌の連載などはよく読んだものです。ところが、このようにして没後1年記念とかを企て次から次に本を出して来る出版社の意図には、おいそれとも乗りたくないと、あまのじゃくの私は本屋で立ち読みで済ませます。確か、高峰秀子さんの養女になった方はその出版社の編集者の方だと聞いています。ますます頂けません。

 まだ、小学校の頃ですから、昭和の30年代です。テレビで「カルメン故郷に帰る」を見ました。でも、子供ですから女優の名前など覚えてはいません。その後、週刊誌的な情報とか、昼のワイドショーのようなもので、高峰秀子は小学校もほとんど通わずに、沢山の親族を養った人だと聞きかじりました。

 同じ頃、「真っ赤な太陽」という曲をミニスカートをはいて歌う美空ひばりも、やはり小さい頃からの収入で家族を食べさせていたことを、何かで知りました。演歌は苦手、邦画もあまり見ない私は、この二人の区別がずっとつかないままでした。そのうえ、ある程度の年齢になると、二人の区別はつくものの、小さい頃から沢山の親族を養ったなどということは、こんな職業だから人が取沙汰してくれるだけで、無名の人でも家族の犠牲になった人は沢山いるわよ、とうそぶく私でした。今考えると、なんとまあ傲慢な考えでしょうか。この年になると、それぞれ、苦労があったのだろうと、察することが出来るようになりました。

 新潮社刊とんぼの本「高峰秀子 旅の流儀」は、主人が先月日本に帰国しており、私への土産に買って来てくれました。高峰秀子自身の文章と写真、養女の方の文章で構成された本です。自身の文章は、他の本でも読んだものと重なりますが、歯切れの良いものばかりです。女優という職業柄からは窺い知れない人となりが、文章から匂ってきます。まじめに生きて来た方ですね。

 何々の流儀って本、このとんぼの本のシリーズによく見る題名です。我が家の本棚にもありました。「白州次郎の流儀」。流儀という筋の通った肩肘張った言葉、男性的とでもいうこの言葉を高峰秀子の本にも使った人、なんだかよく解る気がします。

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「もののあわれ」と日本の美 サントリー美術館

2013年06月21日 06時02分37秒 | 日々のこと

晴れ、27度、88%

 例年、わがままを言って年に一度東京に戻ることがあります。美術館を廻るためです。いい催し物が始まるのは、決まって夏休み前からです。今回の帰国はひと月程早めでした。催し物の一覧を見ても感じるものがありません。たった2日といえど、時間を作るのはお手の物です。サントリー美術館の催し物、題の付け方がちょっとね、と思い気にもかけませんでした。ところが出品目録の中に尾形乾山の銹絵染付金彩薄紋蓋物があるのを見つけました。 以前から見たかった焼き物です。乾山は琳派の陶工などと言われますが、私にとってはデザイナーです。色遣い、模様のデザイン化された様子にとてもひかれます。しかも、有田陶工のように寸部違わぬ筆遣いではなく、おおらかです。そしてあと一つ広重の隅田川の花火が見たくて、最終日、混雑も覚悟で出かけることに決めました。

 16日の日曜日、幸いなことに朝から雨です。六本木のミッドタウンのお店の開店は11時、この時間ミッドタウンに向かう人は、やはり皆さんサントリー美術館を目指しています。心配していた程並ぶこともなく入館出来ました。

 「もののあわれ」源氏物語、枕草子、日本人の感情の基調のこの言葉、高校の古文を思い出します。高校を出て、竹取物語は原文で読みましたが、源氏物語は、一巻で放棄したままの私です。

 時間列、テーマによって8つに分かれた展示でした。入ってすぐの絵巻物も初めてのものばかり、ふと後ろを見れば、川端康成の雪月花の書が静かに架かっています。達筆だったと聞く川端康成の書には、深く見入りました。

 雨のおかげで、人出が鈍っているようです。お目当ての、乾山の蓋物、中に書かれた染め付けと外のすすきの絵とのアンバランスが見事です。

 こうした催し物、思いがけないみつけものがあります。宣伝文には書かれなかった出品物、思わずあら?と声を上げたくなるものが今回も幾つかありました。川端康成の書もそうですが、尾形乾山のこの汁次に出会えるとは思ってもいませんでした。 昨年末この写しのしょうゆ差しを買ったばかりです。汁次は、柄がなくふた周り程大きなものです。これが本歌とは知っていましたが、まさかの巡り会いです。

 広重の隅田川の花火は、当時の青の色が、何で作られていたかと不思議に思う程、深くいい色が出ていました。

 そして最後のコーナーに入ったとき、またしても、思いがけずに鏑木清方の絵が3枚も架かっていました。私は、鏑木清方は画家としてでなく作家として初めて出会いました。その後、日本画家と知ってからは画集も求めました。時間があれば鎌倉の美術館に足を伸ばしたいと思い続けて15年程経ちます。 念願の清方の絵を初めて見ることが出来ました。

 思わない収穫に、とても満足でした。でも、ふと考えます、昔は「もののあわれ」という感覚を多くの日本人が持っていたはずです。果たして現代の子供たちはどう捉えるのでしょうか?言葉そのもの、何かがかわいそうなの?と聞かれそうですね。

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