町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

東上線地上運用に転じた東武30000系(後期車)

2022年03月31日 | 東武鉄道

東京メトロ半蔵門線・東急田園都市線への直通運転対応車として製造されながら、乗り入れ開始後僅か3年後の2005年より50050系増備による地上線転用、20111月からは老朽化する8000系置き換えや車両改修工事の効率化を目的とする東上線への転属が開始された30000系ですが、2020年には31606F31406Fが半蔵門線・東急田園都市線への直通運転を終了、2021年には31609F31409Fが運用離脱並びに東上線転属が行われ、初の転用から実に10年の歳月を掛けて150両全車が東上線に集結、本来の用途である地下鉄直通運用から全面撤退となり池袋駅発着の東上線地上運用の主力車両として活躍しています。

30000系の中では後期車に分類される31612F。この編成は20064月に51056Fに乗り入れ他社の保安装置を供出し伊勢崎線・日光線系統の地上専用車になりました。東上線への転属は2014710日で、13日から営業運転を開始しています。2022319日にはHIDだった前照灯のLED化と行先・種別表示のフルカラーLED化を実施し、印象が変化しました。今回新たに採用されたLEDは耐久性が高く、撮影時は1000分の1のシャッタースピードで設定しましたが綺麗に写りました。他編成も順次フルカラーLEDに換装されると思いますが、31612Fと全くの同一品になれば嬉しいですね。

比較的早期に転属が実施された31611F。東上線に一番最初に転用されたのはトップナンバーの31601F(2011126日に南栗橋から森林公園へ回送、同年613日より運転開始)でしたが、本編成は2本目で20111128日より営業入りしました。

車内設備。初期車は背の低い仕切りでしたが、後期車(31607Fから)は背の高い大型仕切りに変更され7人掛け座席にはスタンションポールが最初から設けられ2連ユニット窓の片側は固定式になるなど仕様の見直しが図られました。なお、袖仕切りの色は淡い青系で最終増備の31615Fのみ白いものが採用されていましたが、行先をフルカラーLED化した31612Fも白い仕切りに換装されているようです。

新製時からドア上に千鳥配置される車内案内表示器。向かって左に種別・行先を固定表示、右に次停車駅などの内容をスクロール表示する形態は、日比谷線直通用の20070(現在は20400系化)が踏襲しましたが、50000系列や10000系リニューアル車ではシンプルな1行表示に戻り、本系列のみで見られる仕様となりました。

全編成の転用改造が完了したばかりなので、今後も30000系は東上線で長期間に渡る活躍が見込まれると思いますが、ゆくゆくは大規模リニューアル工事にも期待したいですね。

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地上線区間の主力、東武鉄道10030系(未更新車・東上線)

2022年03月28日 | 東武鉄道

東武鉄道は1983年より地下鉄有楽町線直通用の9000系をベースにした地上専用通勤車として10000系を登場させましたが、1988年からの増備車は正面形状を8000系修繕車に類似した形態とし、凹凸の少ないビードプレス車体やボルスタレス台車の採用など各部に設計変更を実施した10030系に移行しました。主に伊勢崎線・日光線の末端区間や野田線で当時運用されていた旧性能車の更新車で非冷房の3000系列置き換えの為に導入され、1989年からは東上線にも配置されるようになり自社線内の主力車両になりました。2013年からは8000系置き換えの為に伊勢崎線系統から野田線への転属も発生しており、系列内ではバリエーションも多く存在し趣味的な興味も尽きないグループです。

1989年に登場した10両固定編成の11031F。運用に柔軟性を持たせる為に本線・東上線共に6両と4両で導入していましたが、当編成と11032Fの2本は先頭車が中間に入らない10両貫通とされ収容力が向上しました。なおもう1本の11032Fはリニューアル工事とVVVFインバータ制御化を施工され、大きく姿を変えています。

同じく東上線所属の11634F(後部411455F)1990年の新製導入以来、一貫して東上線で運用される編成です。11032F以降は再び6両と4両が中心になり、当編成は6両編成でしたが201210月に11455Fと組み事実上10両固定編成とされ、中間に入る先頭車は前照灯や運転台機器撤去、転落防止幌の設置を行い付随車化されています。

現在のところ東上線所属車のみで見られる中間に封じ込められた元先頭車。小田急電鉄や京王電鉄は6両+4両の10両貫通化に際して前頭部を切断し新たな車端部を接合する大工事を行なっていますが、東武鉄道では最低限の改造に止まっている他、車両番号の末尾を特に揃えていないなど方針の違いがよく現れている部分です。

車内設備は9000系・10000(更新前)と基本的に共通ですが、客用扉内側はステンレス無塗装から化粧板仕上げになり印象が変化しました。写真は1990年までに製造された30番台車で、1991年の増備車では吊り手が三角形になり、1992年度からの50番台では補助送風装置(ラインデリア)が設けられています。

現在はリニューアル工事を施行された編成も存在し、今後も活躍しそうな雰囲気ですが、一方で未更新のままの編成も数多く残っており、近い将来の8000系完全置き換えなどとも関連して何らかの動きが発生することが予想でき、今後に注目したい形式です。

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1都5県を結び大活躍する首都圏の顔・JR東日本E231系1000番台(国府津車)

2022年03月19日 | JR線

横須賀線・総武線快速用E217系の登場から、JR東日本では中距離路線でも4扉車両導入を推し進めることになり、2000年には209系、E217系の実績を元に新開発の列車運行システムを採用し通勤型と近郊型の性能を併せ持つ一般型電車E231系が登場。通勤仕様の0番台が中央総武緩行線に、編成内にセミクロスシートやトイレ設備を備えた近郊仕様の1000番台宇都宮線(東北本線)・高崎線に導入され、前者は103201系、後者は115系置き換えを進める事になりました。2001年からは湘南新宿ラインの運転開始で東海道線にも乗り入れるようになりましたが、2004年からは満を持してダブルデッカー型グリーン車を連結した東海道線仕様の1000番台が国府津車両センターに登場し、それまで同線で主力だった113系の置き換えに着手した他、普通車のみで構成されていた小山車両センターの宇都宮線・高崎線用の編成にもグリーン車を連結し200410月のダイヤ改正からは湘南新宿ラインの列車をグリーン車連結のE231系で統一するなど、瞬く間に勢力を拡大しました。

基本編成10両+付属編成5両の15両の在来線最長編成で快走するE231系国府津車(K-39編成)。近郊型に分類されるグループは2000年から小山車両センターに導入されていますが、2004年から増備された国府津車は更なる改良が施されており、具体的には冷房装置の増強、運転台のグラスコックピット化で針による表示を一掃、情報提供装置(VIS)の搭載で車内案内表示の充実化、VVVFインバーター制御装置のラジオノイズ対策(SC59からSC77へ、磁励音は同一)を施した仕様に変更など様々な点が異なります。東海道線向けの編成の新製に当たっては、K-01編成以外は8両で新造し、小山車両センター所属車からグリーン車組み込みで捻出されるサハE231を組み込む工事が発生しました。

S-18編成を先頭にした湘南新宿ライン特別快速高崎行き。湘南新宿ラインの運転系統は東海道線〜高崎線系統は国府津車、横須賀線〜宇都宮線系統は小山車と運用が分けられて来ましたが、2015年の上野東京ライン開通以降はそれらの制約は撤廃され、同時に211系置き換え用に大量導入されたE2333000番台との共通運用化に伴う併結運転も開始されています。何れの運用も非常に広範囲に渡り、片道で実に200キロを超える長距離運用も珍しくありません。

高崎地区普通列車に転用された211系3000番台と並ぶK-37編成。ちょっと昔の上野口か、はたまた東海道線のどこかの駅を想像させる眺めです。かつてはこのような並びは珍しくも無い日常の光景でしたが、今となってはどこか懐かしさを感じるようになりました。

半自動ドアスイッチ以外は通勤型と変わらないロングシート仕様の車内。座席が硬いという利用者の声を受け、Sバネを組み込んだ改良品を採用し、座り心地は向上しました。なお基本編成67号車の元小山車は座席・LED表示とも交換はされていない為簡単に判別出来ます。

小山車では宇都宮線・高崎線基準で基本編成の上野寄り2(12号車)をセミクロスシートとしましたが、観光需要が高い東海道線では910号車もセミクロスシート仕様としています(付属編成は1415号車のまま変わらず)。また、トイレ設備は小山車は1号車に車椅子対応、6号車に小型のトイレ設備を設置しましたが、110号車に車椅子対応大型トイレを設ける形に改められています。

E231系グループでは初めてとなるダブルデッカー型グリーン車の2階席車内。駅ホーム上の専用機で予めSuicaにグリーン券情報を書き込み、荷棚部の読み取り機に読み込ませて車内改札を省略するシステムは本形式から始まりました。LEDの車内案内表示は車端部の壁面に設置します。

1階席は赤系の座席が並びます。グリーン車のこの車内は、その後登場するE531系、E2333000番台にも引き継がれ、両形式も車内はほぼ同じ配色となっています。またE217系も後年にグリーン車の座席モケットを更新し、類似したイメージになっています。

山手線と並ぶ首都圏の顔的存在となったE231系1000番台近郊型ですが、早いもので小山車は登場から22年、国府津車は18年が経過してしまいました。2018年の一部報道では、東海道線・宇都宮線(東北本線)・高崎線にもE235系を導入する(→暗にE231系置き換えを示唆)ことを明言する内容が見られましたが、その後続報が無くなり小山車に続いて国府津車もVVVFインバーター制御装置・戸閉装置の更新を実施するようになりました。現在は新型コロナウイルスの影響で車両計画も全て見直されているようですが、現状を見ると横須賀・総武線系統のE217系のように東海道線・宇都宮線・高崎線を離れず老朽廃車まで活躍するのかも知れないですね。

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相模線、E131系500番台によるワンマン運転を開始

2022年03月17日 | JR線

1991年の全線電化と同時に205500番台の運用を開始し、その後20002010年代に入り他線区の205系が大規模転属が見られるようになってからも車両陣容に変化の無かった相模線ですが、全線電化30周年を迎えた2021617日にE131500番台を導入することを発表、同年1118日より運転を開始しました。E131系は千葉支社管内の房総半島各線を初めとした末端区間のワンマン運転化の為に導入された形式ですが直流電化で短編成の車両が運用される線区での標準車両としての位置付けもあり、他線区への導入もJR東日本運輸車両部車両技術センターより明言されていましたが、それが実現した形となります。

現在はワンマン運転を実施している相模線のE131500番台。205500番台の運用は2022225日で運用を終了し、全列車のワンマン化は312日ダイヤ改正から開始されました。車掌が乗務していた際は種別表示が「各駅停車」でしたが、ダイヤ改正日からは「ワンマン」に改められています。

運転開始から311日までの朝夕通勤時間帯は横浜線八王子までの直通運転がありました。こちらも205系の運転開始と同時に設定された列車ですが、30年目で幕引きとなり、E131系充当は半年にも満たない4ヶ月余りと短期間に終わりました。

車内設備は横須賀・総武線快速用のE235系に類似したロングシートの車内で、ラインカラーと同じく青系の座席モケットです。205系と同様、駅間隔が比較的短く長距離利用も多くはない通勤路線での運用になる為トイレ設備は設置されませんでした。

ドア上の液晶画面は路線図や次の停車駅を表示する17インチ画面を1台を千鳥配置とされ動画広告用(トレインチャンネル)は省略しました。何も設置していない鴨居部にはせめて紙の路線図を掲出して欲しいですね・・・。

相模線ワンマン化と同日には宇都宮線・日光線用600番台も運転を開始し、既に次の導入路線には仙台支社の仙石線(あおば通〜石巻間)が候補に上がっています。本形式はホームドア設置が進行する首都圏の状況に合わせて導入された事が示されていますが、E233系大規模転用が中止になった今後どこまで数を増やすか注目されます。

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東武6050系、日光線・鬼怒川線から事実上引退へ

2022年03月15日 | 東武鉄道

東武日光線(南栗橋〜東武日光間)・鬼怒川線普通列車は312日より20400系によるワンマン運転を開始し、1986年以来活躍して来た6050系が鬼怒川温泉以南での運用を終了しました。日光線・鬼怒川線共に関東大手私鉄では珍しく、クロスシート主体でトイレ設備を備えた車両が運用される路線でしたが、今年のダイヤ改正で普通列車は全てロングシート・トイレ無しの一般的な通勤型電車に統一される事になりました。

6050系最後の運用を担当したのは日光線開通90周年を記念して先代6000系の塗装を再現した6162F6179F4両編成でした。国鉄と競合していた東武日光線では、長らく特急車以外にも特別料金不要なクロスシートの快速・普通列車が運用されて来ましたが、その歴史に終止符が打たれた事になります。

20400系への置き換えが進捗しながらも、新藤原600発の区間急行の折り返しである南栗橋824分発の新藤原行きは6050系固定で最後まで残り途中の下今市では会津田島からの東武日光行きに、終点新藤原では野岩鉄道・会津鉄道の会津田島行き(どちらも6050系で運用)に接続する貴重な列車となっていました。

元・地下鉄直通車と快速用2扉クロスシート車が共存する光景も終焉です。312日からは野岩鉄道新藤原〜会津高原尾瀬口間の運用が基本になり、夜間に僅かに鬼怒川温泉までの運用が設定されるのみとなります。

リバイバルカラー編成の車内。先代6000系のイメージに近づけるべく、らくだ色と呼ばれる金茶色のモケットに交換されており通常の6050系とは大きく印象が異なります。2019年に6162Fがリバイバル化された際は各種団体ツアーにも充当されました。

先代6000系を更新する形で登場し、その後は首都圏から東北地方の会津を結ぶ長距離ランナーとして長らく君臨した6050系ですが、遂に東武鉄道の路線からは事実上引退を迎えることとなりました。野岩鉄道に残る編成についても、遠くない将来の引退が予想されますが、その際はどのような車両運用になるのか、今後に注目したいと思います。

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