町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

営団地下鉄最後の新型車08系

2018年08月31日 | 首都圏の地下鉄

半蔵門線は1981年以来8000系が主力車両として運用されてきましたが、2003年3月19日より押上延伸に伴う東武伊勢崎線との直通運転開始により2代目の半蔵門線向け車両として08系が登場しました。営業運転は直通開始直前の1月7日より開始され、2003年までに10両編成6本が導入、以降は8000系と共通で東急田園都市線の中央林間(神奈川県大和市)から、東武伊勢崎線の久喜と日光線の南栗橋(埼玉県久喜市)まで、広範囲に渡って運用されています。1994年に8両編成で残存していた先代8000系初期車両の増結用に05系をベースにした中間車両が製造されて以来、しばらく新型車の導入が無かった半蔵門線における待望の「0X系」を名乗る新形式となりました。

車体設計は東西線向けに1999年から導入された05N系の実績を踏まえて、内外共に更なる改良が加えられました。先代の8000系は置き換えが予定されていますが、08系に関しては継続して運用する為に行先表示のフルカラーLED化や一部内装の更新など、細かい改造が施行されています。営団地下鉄では、半蔵門線の延伸が完了した時点での民営化(東京地下鉄への移行)が決定していた為、営団地下鉄最後の新型車となりました。営団時代は非常用貫通扉の黒い部分にSのマークを掲げていましたが、1年3ヶ月余りで東京地下鉄発足に伴い撤去されています。

運用上は8000系と区別されず、三社直通運用に加え、半蔵門線にも直通しない田園都市線内のみで完結する列車が設定されているなど多彩な列車に充当され走行距離も長い事から、比較的遭遇が難しい形式の一つです。今後田園都市線の車両更新の進行すれば、東武30000系に次いで少数派になることと、8000系置き換え用の新型車が落成すれば08系にも走行機器更新や車内外のリニューアルが施行される事が予想される為、その頃には注目を浴びるようになるでしょう。

白を基調に床を藤色で纏めた非常に明るく清潔感のある車内。座席は江戸紫をイメージした濃い紫色のモケットで、路線カラーとイメージを揃えています。

ドア上の車内案内表示は登場からずっと2段式LED表示でしたが、8000系更新車や東急5000系など他形式同様に17インチワイド液晶画面に更新され、同時にドアチャイムも3打点タイプに交換されました。各社共にサービス機器の統一を図った方が良しとの判断かと思いますが、08系は何故かチャイムの音量がやたら小さく、また鴨居下に赤ランプも設置されていないため注意喚起を促す役割を果たしているのかは甚だ疑問です・・・。

 

今後10両編成19本が在籍する8000系置き換え用の車両が登場すれば主力車両はそちらになるでしょうが、08系には営団地下鉄の面影を残す車両として、細く永く活躍して欲しいものです。

 

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丸ノ内線02系B修繕工事施行車

2018年08月27日 | 首都圏の地下鉄

東京メトロでは、登場から20年前後経過した車両にB修繕工事と呼ばれる走行機器・車内設備の大規模な更新を実施していますが、丸ノ内線の02系電車も登場から21年目の2009年より初期のチョッパ制御車19編成に順次施行されることになりました。工事の内容は永久磁石同期電動機を用いたVVVFインバーター制御への改造や内装の全面更新など、大規模な内容になり更新後は車内外共に最新形式と同等の水準に一新されましたが、これらの更新車両も新形式2000系への置き換えが決定しています。

更新を受けた02系初期車(12編成)。行先表示がLED化され、側面にはかつての丸ノ内線の象徴だったサインウェーブが復活しています。正面は当初太い赤帯1本の仕上げでしたが、3本目の施行になる10編成より社名のロゴと白帯の装飾が加わりました。これらは丸ノ内線の赤い電車の消滅を惜しむ利用者の声を反映させたものらしいです。

前回の後期車と同じ場所で。銀座線と比較すると車両限界が拡大された丸ノ内線ですが、やはり断面に余裕が無いことから車体側に埋め込むように設置しています。外観からは判別出来ませんが、屋根上の冷房装置も東芝キヤリアが開発した新型に換装され、冷房能力が大幅に増強されました。

袖仕切り大型化や配色の変更で大幅にイメージが刷新された車内。当初は登場したばかりの初代300形をイメージしてピンクの化粧板と緑の床の組み合わせでしたが、色がキツ過ぎて不評だったのか、後年は白の化粧板になりました。客用ドアも新品に交換され、戸閉装置には戸閉力弱め機構の追加を実施しています。

車内案内表示は路線図式と後年改造で設置したLED式が混在していましたが、全て17インチワイド液晶画面に交換されドアチャイムも3打点タイプに更新されています。現状でも新形式と遜色ない設備を持ちながら、これらの編成も置き換え対象に含まれているのが驚きです。01系が熊本電鉄に売却されたように、地方私鉄での再起や海外譲渡などが発生することを願いたいですが・・・。

 

 

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変貌真っ只中の目黒線3000系

2018年08月21日 | 東京急行電鉄

2000年8月、目蒲線の系統分離で新たに目黒線として運転を開始してから早くも18年目を迎えました。かつての目蒲線時代は1980年代末まで戦前製の車両が残存し、近代化の遅れた路線として歌謡曲の歌詞にされる程有名な路線でしたが、系統分割以降は走行する全列車がVVVF制御化、更にATOによるワンマン運転に伴い、都内ではいち早くホームドアを設置するなど現在は超近代路線へと変貌を遂げました。この間にも2006年に不動前~洗足間での地下化工事や、2007年の日吉延伸など非常に多くの変化が見られましたが、今後は2022年下半期の相鉄線直通が控えており、車両・路線共により一層動きが激しくなるものと思われます。

その目黒線で主力車両として運用されているのがこの3000系で、現在6両編成13本が在籍しています。登場は目黒線への系統分割より早い1999年で、量産先行車に当たる3001Fは8両編成で落成し先行お披露目も兼ねて渋谷~桜木町間で急行を中心に運用されました。翌年に目黒線での本使用を控えて2編成目の3002Fにデハ2両とサハ1両を供出し6両編成化し現在の組成になっています。東急では久々となる丸みを持った正面形状に加え、IGBT素子によるVVVF制御装置や集中式冷房装置を初採用しました。写真は最終増備車の3013Fで、正面ワイパーがWアームからシングルアームに変更されており、下写真の編成と比較すると印象が異なります。

武蔵小杉で、三田線6300形と並ぶ3000系。2本並ぶと、窓配置や大まかなデザインに共通性が見受けられますね。目黒線の東急車は走行距離の関係で、都営三田線と東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道線内で完結する運用も多く、自社線で姿を見ることの方が珍しくなっています。編成によってVVVFのメーカーが異なり、車番の末尾が偶数の編成は東芝、奇数の編成は日立を搭載しており、磁励音も異なっています。

車内設備はローズ系でまとめ、FRPによる天井ユニットや背の高い袖仕切り、片持ち式シートなど、JR東日本の209系に近い設備が目立ちます。しかし、化粧板仕上げであること以外は2000系にも類似した形状のドアや側面窓など、独自色も目立ち、2000系と5000系グループの過渡期の車両であることを窺わせます。

扉上の車内案内表示器はLEDによる2段表示で、これも東急初採用です。乗客から目に見えない設備として、自動放送がありますが、こちらも東横線時代から英語放送(現在とアナウンサーは異なります)を実施しており、新時代の幕開けを予感させました。初物尽くしで登場し、現在はまだ目立つ動きが無い3000系ですが、神奈川東部方面線の計画次第では編成組み換えや他路線への転籍なども予想され、今後の動きが気になる存在です。

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りんかい線70-000系、夏休み行楽輸送中

2018年08月12日 | JR線

本年6月11日に、東京臨海高速鉄道が発表した経営改革プランで現在運用中の70-000形に代わる新型車両を2022年度に導入する計画が明らかにされました。1996年に東京テレポート〜新木場間の第1期区間が開業した当初、4両編成からスタートした同線は2002年の大崎延伸開業によるJR埼京線との直通運転開始や臨海副都心の開発に伴う飛躍的発展から、2010年代は東日本大震災が発生した2011年を除き増加の一途を辿っているとの事で、長年行楽や仕事で頻繁に利用している一乗客としては御同慶の至りであります。

現在の主力車両70-000形。都営地下鉄のように、ハイフンを抜かして「ななまんがた」と読みます。開通当初は車両基地を持たずJR東日本に検査を委託していた関係で、209系電車をベースに設計されました。外観は海をイメージした三色の爽やかな帯と丸味のある前頭部などに個性が現れていますが、車体や走行機器などに共通部品を用いている為、亜流車であることが窺えます。

大崎駅に停車している70-000形。4両編成当時は中間の電動車のパンタグラフが2基搭載されており、亜流ながら私鉄電車らしさを感じさせる部分もありましたが、2002年のJR埼京線直通を控えて、直通対応10両編成5本と線内用6両編成5本の体制になり、2両1ユニットの外側に来るパンタが撤去されました。その後2004年10月のダイヤ改正で全編成が10両編成・JR直通対応化されています。

209系ベースながら、化粧板はクリーム色とし袖仕切も背の低い独自の形状のタイプを設置しています。近年は座席モケットの更新やアクリル製パーテーションの取り付けが実施されました。ドア部分は化粧板仕上げで、窓ガラスの固定具が金属製の初期車と、209系タイプの接着式ガラスの2種類が存在し、写真は後者です。

車内案内表示も209系同様、LEDで文字がスクロールせず次駅名を繰り返し表示する装置(例:次は新宿→Next Shinjuku→次はシンジュク)でしたが、コイト電工製の画面に換装され、同時にドアチャイムも更新されています。しかし自動放送の搭載は見送られてしまいました。

2010年から始まった機器更新も全編成が終了し、しばらく安泰かと思いきや完了から4年で置き換え発表とは、早いもんだ・・・と感じずにはいられません。
次期新型車両はどんな設計(E235系ベースか?)になるか、また置き換えられる70-000形に転用やまさかの他社譲渡などはあるのか、色々今後が気になりますね。


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2代目東急5000系グループの初期製造組

2018年08月07日 | 東京急行電鉄

老朽化した8000系・8500系の置き換えと共に東武鉄道との直通運転に向けて、2002年5月より田園都市線で運用開始した東急5000系は細かく仕様変更を行い増備を重ね、現在では東急の標準車両としての地位を確立しました。本来であれば現在在籍している編成の他に250両余りが導入され、2010年代初頭に8500系を撤退させる予定でしたが、副都心線直通に伴う東横線向け車両の投入を急いだ事と共に大株主であったJALの経営破綻などの影響から田園都市線向け5000系の増備が止まってしまい、更に車両不足を補うため一部編成は東横線に移動し、現在も8両化され運用されるなど、かつて頻繁に東横線と田園都市線の間で転属を繰り返していた8000系グループの歴史をなぞる様な展開を見せています。今回はその5000系の内、2002~2006年の比較的初期に製造された編成を撮影して来ました。

2001年より5000系の先陣を切って登場したトップナンバー編成。量産先行車的な要素が強く、車体幅が若干狭い2770mm、ドア間隔3500mmで設計している他、側面の種別表示の四隅が丸味を帯びているなど量産編成とは様々な相違点が見られます。登場直後は正面に設置されている非常用貫通扉の窓の寸法が小さく、ワイパーの形状も異なりましたが、直ぐに他編成同様に窓の大きさを揃えたものに交換されました。2004年から6扉車両が登場(2017年全廃)し組み換えが頻繁に行われましたが、この編成は登場当時からの組成を維持する数少ない存在となっています。

5次車に分類される5108F。貫通路の扉を自動で閉まる傾斜式に変更し、一部吊り手や消火器の配置場所の見直しを実施しています。当初9両で落成し、直後に組み替え用の6扉車を連結した10両編成を組成しています。現在は6扉車を廃車にし、新造4扉車を連結しているため、同一編成内でサービスレベルに相違が出ました。現在は全編成が種別・行先共にフルカラーLED化されています。

車内の配色は化粧板・座席・床を青系で統一し、安らぎと癒しをコンセプトにしています。標準ガイドラインに基づいている為、袖仕切りや側面窓はE231系と同一の仕様。写真では判り難いですが、座席は厚みのある物に交換されているようです。

登場から長らく15インチだった液晶画面は、5050系10両編成で採用された17インチワイド液晶画面に順次更新されています。半蔵門線の8000系でも採用されている三菱電機セサミクロで、各種案内を動画で表示可能になりました。

登場時は標準ガイドライン準拠の車両ということで、変化に乏しくなるかと思われた5000系グループですが、現在は度重なる編成組み換えや製造時期による違いで、かつての8000系グループに迫るバリエーションが見られるようになり、趣味的には結構面白い存在になっていることを実感できますね。

 

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