町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

東京メトロ05系13次車の兄弟系列・東葉高速鉄道2000系

2023年08月05日 | 第三セクター鉄道(首都圏・関東)

京成電鉄に代わる都心部へのバイパスルートとして計画された東葉高速鉄道は、千葉県と沿線自治体の船橋市・八千代市に営団地下鉄(東京メトロ)・東武鉄道・京成電鉄・新京成電鉄が出資して設立され1996427日に西船橋〜東葉勝田台間の16.2キロが開通しました。開通に際しては予想を遥かに上回る建設費の為に予算を削減する必要に迫られたことから当時廃車が進んでいた営団5000系を譲受した1000形電車を運用して来ましたが乗り入れ先の東西線が新CS-ATCの導入を決定したことを受け、営団地下鉄時代も合わせると経年40年余に達する1000形の改造ではコストが増大することが判明したため0513次車と設計を共通化した新造車の2000系を導入し、2006年に置き換えを完了させています。

帯色以外は0513次車と同一形態の2000系。当初の計画では前頭部形状を大きく変更する計画もあったようですが、共通化のメリットが失われる為現在の表面仕上げ変更に落ち着いたようです。帯色は先代1000形同様に「サンライズ(朝日・日の出)の赤」「デイタイム(昼間)の白」「サンセット(夕日)のオレンジ」の3色が引き継がれました。

2000系は05系とは違いJR中央線・総武線への直通運転には対応していませんが、保安装置の有無以外は0513次車と共通であることから行先に中央線・総武線で05系が定期運用される駅名が含まれ、東西線内で東京メトロ車運用の非常時の代走の際に表示したり、始発駅(中野)出発前にはJR東日本仕様の音声で旅客案内を行うことがあります。

車内は05系が赤系の座席を採用していたのに対し、「緑・木に囲まれた沿線のロケーションをイメージ、明るく清潔感あふれる空間を醸し出すこと」を目指して座席は常緑樹をイメージした緑系、袖仕切りは楓をイメージした木目調、床材は習志野台地の土を表した淡い茶色仕上げとして違いを明確にしています。

ドア上の車内案内表示器はLEDスクロール式を千鳥配置としており、旧営団チャイムも鳴動します。母体となった05系はLED表示を17インチ液晶画面化と共にチャイムの換装(三菱電機の汎用チャイムへ)が進行している為、現在は東葉高速車でしか見られない設備です。

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置き換えが開始される東京臨海高速鉄道(りんかい線)70-000形

2023年07月31日 | 第三セクター鉄道(首都圏・関東)

1996330日、東京臨海副都心の交通機関として新木場〜東京テレポート間の第一期区間が開通したりんかい線(2000年までは臨海副都心線と呼称)は、開通に際して重要部検査を委託するJR東日本の209系電車をベースに独自の要素を取り入れた70-000形を登場させました。第一期区間開通後は4両編成で運転されましたが、2002121日の大崎駅延伸に伴う全線開通で埼京線との相互直通運転を開始し編成も10両編成に増強され東京圏の一大ネットワークに変貌しました。20041016日ダイヤ改正日までは開通時からの車両は4両から6両編成化の上で、りんかい線内限定運用とし全車両が新造の10両編成はJR直通対応と分けられた時期もありましたが、その後10両で統一され余剰となった先頭車4両と中間車2両がJR東日本に売却され、2093100番台として編入される珍事も発生しています。現在は10両編成8本が運用中ですが、2022530日に「経営改革プラン2023年度改訂版」を公表し新型車両の導入計画が明らかになり、現行の70-000形は全編成が置き換えられることになりました。

209系の系譜でありつつも正面マスクやスカート形状が独自のデザインになっている70-000形。写真のZ9編成は2002年度に10両編成で一括製造されドアガラスが金属支持方式から接着式になるなど、より209系の要素が強まっています。なお2002年の時点ではJR東日本ではE231系の新造に移行しており、10両編成導入の際は同系ベースも検討されたようですが既存の車両への増結の必要もあり209系仕様での増備になりました。

現在は全編成がLED前照灯への換装、車内案内表示器の液晶画面化、また自動放送装置の新設を行っている他、20102018年に掛けてGTOサイリスタによるVVVFインバーター制御装置をIPM-IGBT素子を用いた新インバーター制御装置に更新しており、性能的には近年の新系列電車と同等になっています。

車内はJR車に類似するものの、化粧板仕上げのドアや独特な形態の座席の袖仕切り、また初期の車両はドアの手掛けに角張った長方形タイプ(増備車は他社でも見られる通常の形状)のものを採用するなど東京都が90%以上出資している影響か、一時期の都営地下鉄車の要素を感じさせる部分が見受けられます。なおポリカーボネートの仕切りは後年に増設されました。

液晶画面化された車内案内表示器。登場時から長らく漢字・ローマ字・片仮名で繰り返し駅名を固定表示(例:次は 新宿→Next Shinjuku→次は シンジュク)するタイプでしたが、情報量が大幅に向上しています。

後継となる新型車両の仕様はまだ明らかにされていませんが、混雑緩和の為に車体幅を拡大することや床を70-000形より50mm低くすることなどが盛り込まれており、普通に考えればE235系をベースにすることが想像できますが、イメージが公開されるのを期待して待つと共に、70-000形の処遇も他社譲渡を含め検討中とのことなので、しばらくは目が離せなくなりそうですね。

 

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