町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

懐かしの装いで活躍が続く東京モノレール1000形

2023年12月03日 | モノレール・新交通システム

東京モノレールは2014年度で開通50周年を迎えるにあたり、記念事業の一環として過去に活躍した車両の塗装と、1000形登場時塗装を復元し運用を開始しました。登場時塗装は1085Fが選ばれ2013612日に、500形イメージの紅白塗装は1049F2014119日にそれぞれ施工となり、その後記念行事の終了後も元の塗装に戻ることはなく定期運用が続き、登場時塗装は復活から今年で10周年、500形塗装も廃車予定が無ければ来年で10周年を迎えることになりました。10000形の増備が非常にスローペースなこともあり、今日に於いても懐かしい姿を目にすることが出来ます。

500形塗装の1049F。紅白の塗り分けで、どことなく沿線の東京タワーを思わせる配色です。なおイメージの元になった500形はモノレール車両では世界初のボギー構造の台車を備え、その後の跨座式モノレールの基礎にもなった画期的な車両でした。1969年に登場し、1991年までに1000形により置き換えられ引退しています。

19892000年に見られた初代塗装。在来車が採用していた紅白の色使いは踏襲しつつ、窓周りを黒で仕上げ新型車らしいスマートな印象に仕上がりました。新ロゴマークが入ったので多少イメージは変わりましたが、東京モノレールといえばこの塗装のイメージが強い方も多いのではないでしょうか。

台車が収まる部分が室内側に出ている為、独特な雰囲気が漂う車内。座席の背もたれのカバーには以前は広告が入れられており旅行会社などが広告主でしたが、現在は東京モノレールの公式キャラクターであるモノルンのイラストが入っています。一部編成は混雑するドア付近のロング化やシートモケット交換も行われましたが、結局全編成には及びませんでした。

路線図式の車内案内表示器は、2019年からリニューアル編成以外も全て液晶式に交換され提供される情報量が大幅に増加し現代の水準になりました。写真は始発駅停車中に見られるロゴマークを表示している状態です。

現在も数を減らしつつリニューアルを受けた編成も在籍する1000形ですが、令和の今日では片開き式ドア、扉の無いキノコ型貫通路、加えて直角カルダン駆動方式など中々に珍しい機構を備えるなど、趣味的には非常に興味深い要素が満載です。いずれは置き換えが再開されると思われますが、もうしばらくは主力として活躍して欲しいですね。

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特別カラーで異彩を放つ横浜シーサイドライン2000形46・48編成

2023年07月19日 | モノレール・新交通システム

横浜シーサイドラインの初代車両である1000形の置き換え用として登場した2000形は2014年までに31編成〜46編成の16本が増備され、1000形の全編成を置き換えました。外観デザインは煌めく海や船の帆、旗がはためく光景を7色の三角形による幾何学模様で表現したとされる特徴的なカラーリングでしたが、46編成は夜空の黒と朝焼けをイメージした赤の2色を採用した特別カラーになりました。2019年には更に5両編成2本が増備されますが、最終増備車である48編成は「進む、繋げる、シーサイドウェーブ」をコンセプトに掲げ海をイメージした青に明るい水色、黄色を組み合わせ、全体のラインが前面と側面で繋がるカラーで同編成の運用開始により現在2000形の外観は3種類のデザインが見られます。

カラーが一新され爽やかな雰囲気になった200048編成。5年振りの増備車ということで車内の旅客案内用液晶画面が15インチから17インチに拡大されています。他の標準的な編成は煌びやかな模様がよく目立つデザインですが、こちらの装いの方が海沿いを走るシーサイドラインのイメージに近い気がしますね。

なお初代の1000形にも運用上は特に区別されず車内設備も一般の編成と相違点は無いもののイベント用に指定され特別カラーになっていた編成が1編成存在していたことがあり、それの再来とも言えます。

赤と黒でシックな雰囲気の46編成。当初2000形の前照灯はハロゲンを採用していましたが、この編成よりLED化され、その後他編成も順次換装され現在は全ての編成がLEDで統一されています。

車内設備に関しては他編成と同一で、他社で見られるような広告貸切などの特別な運用は行われていません。乗客視点での目立つ差異は4748編成の液晶画面のサイズくらいですが、せっかくの特別カラーなので車内にももう一工夫欲しいところですね。

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モノレール初のVVVF制御車として登場、東京モノレール2000形

2021年12月01日 | モノレール・新交通システム

東京モノレールでは1989年の1000形登場後も在来の700形が残存していました。旧型車の流れを汲みながらもアルミ車体に新製時から冷房を搭載するなど、モノレール車両の決定版として後に増結用中間車の800形も加わり6両半固定編成化され運用されていましたが、羽田空港第2ターミナル直下乗り入れに伴う列車増発と老朽化に伴う代替が決定し、1997年に2000形が登場しました。

1997年〜2002年に掛けて6両編成4本の24両が導入された2000形は主制御装置にIGBT素子を用いたVVVFインバーター制御を採用し、モノレール車両としては初の事例になりました。また、これに伴い主電動機が増強された為、両側の先頭車は付随車化されています。本形式の導入で、700800形は全車が引退し、在籍する車両が全て6両固定編成化され先頭車が中間に封じ込められ幌で繋げられる編成形態は見られなくなりました。

丸みを持たせた車体デザインや、在来車同様の1.2メートル幅ながら両開きに改められた側扉などは最新形式の10000形にも引き継がれました。2015年からは1000形の一部編成と共に車体が新塗装化され、イメージが大幅に変化しています。現在では3形式とも区別なく共通で運用されています。

車内設備は通勤需要が高さや空港アクセス路線の特性から大きな荷物を持つ利用者が多いことを踏まえてボックスシート主体からロングシートを中心にした配置になり、流動性に配慮しました。座席モケットは当初は紫系の色合いでしたが、新塗装化と同時期に青海波の模様入りモケットに更新されました。

営団地下鉄の車両を思わせる路線図式の車内案内表示装置は、液晶画面に換装され情報量が格段に向上しました。ドアチャイムも更新され、音程が以前よりも高くなっています。

モノレール初のVVVF制御車として登場を飾ったものの、少数派に留まった2000形ですが10000形並みの接客水準になっている為、今後とも活躍する姿が見られるでしょう。

 

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開通から20周年を迎えたディズニーリゾートライン

2021年10月18日 | モノレール・新交通システム

東京ディズニーランドの各施設を周回するモノレール、ディズニーリゾートラインは今年の721日で早くも開通20周年を迎えました。それに伴い、舞浜駅に隣接するリゾート・ゲートウェイ・ステーション駅構内で20周年記念の展示やキャストの制服デザインの一新など、様々なイベントを実施しています。

現在導入が進んでいる2代目車両Type-C(100形)では特別に2021721日の始発列車より特別にミッキーマウスの声で来園するゲストに向けたメッセージを駅毎に流れるようにしており、公式発表ではパーク内へのアクセス路線としては世界初の事例だそうです。

現在Type-Cは第一編成のイエローと第二編成のピンクが定期運用入りしていますが、第三編成のブルーも搬入されており、初代10形のブルー編成の検査期限切れ後に入れ替わりで運用を開始すると思われます。

34両目にはフリースペース(写真では向かって右)用意し、多様なニーズに対応する車内。導入は2024年まで続き、車両と共に信号関連施設の更新も実施するため、総額125億円の予算が投じられます。

リゾート・ゲートウェイ・ステーション駅コンコースに開設された展示スペース。リゾートラインの概要、開通から20年の歩み、周年毎の記念デザイン、キャストが着用するコスチュームの変遷などが紹介されていました。

Type-Cの概要についても解説されており、展示スペースの中央部には一番目立つ形で10分の1スケールの模型が展示されていました。外観のみならず内装も忠実に再現されており、これだけでも一見の価値ありです。

一連の展示は2021721日から2022331日までの予定となっていますので、熱心なディズニー好きでなくともモノレールに関心のある方は是非足を運んでみては如何でしょうか。

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ウォーターフロントを駆ける新鋭・東京モノレール10000形

2021年05月06日 | モノレール・新交通システム

東京モノレールでは1990年代初頭まで10年前後の短いスパンで車両置き換えを実施して来ましたが、1000形からは長期間の使用が見込まれるようになり、1997年に20003編成が登場して以降は、車体の塗装変更(1000形のみ)やワンマン化、ホームドア対応などの改造が行われる以外に大きな変化はありませんでした。しかし開通から50周年を迎える2014年、国際化が進む羽田空港や2回目の東京オリンピック開催決定も踏まえて、日本の玄関口に相応しい車両を目指した新形式10000形が導入され、新風を巻き起こしました。

車体は2000形と同様にアルミ製ですが、車両情報制御装置など大幅に増加した機器を搭載しつつ軸重制限をクリアする為、シングルスキンとダブルスキンを併用したハイブリッド構体が新規に開発されています。また従来は塗装仕上げだった車体も、10000形では無塗装ヘアライン仕上げで沿線に広がる空・海・緑をモチーフにしたカラーフィルムを貼る方式で保守の軽減も図りました。

このアングルからは確認出来ませんが、沿線の高層ビルから見下ろされる事を意識して屋根上にも東京モノレールのロゴを入れるなど、沿線環境をイメージしたカラーリングと共に様々な角度から楽しめるデザイン意識しているのも特徴です。

日立製作所のA-train技術で製造された鉄道車両との共通性が伺える車内。ロングシートを主体にした2000形に近い設備で、荷物置き場を新設し旅行客の利便性を向上させました。海外からの観光客の増加を受けて和のおもてなしをテーマに掲げており、青海波の座席モケットに和紙柄の照明カバー、車端部座席の市松模様入り袖仕切り、また貫通扉のアイコンには富士山や五重塔など日本の象徴的なデザインを多用しています。

車内案内表示は17インチワイド液晶画面で、2画面分のスペースがありますが片側は準備工事状態です。下部には扉開閉表示灯が設置されており、一般的な開閉時の点滅の他に青色で開く扉の方向を予告する珍しい機能が備わっています。

今後も順次増備が予定されており2021年は2月17日に10081Fが導入されました。導入に先立ち1001Fが1月5日で運用離脱し廃車になっており、ペースは緩やかですが今後も置き換えを進めて行く見込みです。

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