町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

YNB化が再開された相鉄10000系

2024年05月15日 | 相模鉄道

機器更新や前照灯の改造を受けながら車体の内外は従来通りという半更新の形態で運用に復帰し施工がしばらくの間止まっていた相鉄10000系のYNB塗装化ですが、本年度は3編成が施工されることになりました。これにより前照灯の改造を受けてのグループカラー仕様編成は10703F1本のみ2024年5月時点)となり、長らく見慣れたステンレス地の10000系が急速に数を減らすことになります。

10両編成のトップナンバーである10701F。直角カルダン駆動や台車の外付けディスクブレーキなど相鉄車の技術的特徴が全て解消され、尚且つJR東日本E231系の構造をほぼそのまま採用した初の形式でしたが、その為かVVVFインバーター制御装置の更新改造は同社の長野総合車両センターで実施されました。大手私鉄の車両がJRの工場に出入りするのは極めて珍しく、保安装置とワンマン対応改造施工の為に入場した小田急4000形に次いで2例目です。

8両編成でYNB化された10704F。この編成より車体の改造・塗装以外にVVVF制御装置更新も、かしわ台車両センターで施工するように改められました。

車内は座席モケットや吊り手が20000系列で採用されたものに交換され、登場時から明るいグレーだった化粧板と相まって統一感が出ましたが、座席のクッション材などの交換はされず硬めの座り心地は変わらずです。

ドア上の車内案内表示器についても9000系のような液晶画面化はされず、LED表示のまま存置されました。スクロール表示対応に改修されてるとはいえ、さすがに前時代的な感は否めず何とかして欲しかった部分でもあります。

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横浜市営地下鉄3000N形、機器更新計画が撤回され4000形2次車で置き換え廃車へ

2024年05月13日 | 横浜市営地下鉄

1999年、横浜市営地下鉄は戸塚〜湘南台間の延伸に伴い3000形2次車を登場させました。このグループは新しい3000形の意を込めて3000N(New)形とされ、6両編成7本が製造され運用されて来ました。初期製造の3000A形が新形式4000形へ置き換えが発表されるも3000N形に対しては機器更新の施工が計画され、継続使用されるものと思われましたが2024年度の事業計画では4000形2次車の製造で3000N形とS形を置き換えることが明らかになりました。

今回の置き換えについて、3000N形は令和11(2029)年時点で30年、S形は2000形から流用した台車が44年に達し、更新不可能な機器や部品の発生に伴い故障対応が困難になることが予想される為新型車両に置き換えるとされています。写真は未更新の37編成で置き換えは発表されましたが、前照灯や行先表示などの更新については予定通り実施されている編成が登場しています。

灯火類のLED化、行先表示のフルカラーLED化、はまりんプレートの撤去で印象が変化した33編成。これらの更新は予定通りですが、置き換えが決定したため、VVVFインバーター制御装置や補助電源装置の更新は見送られました。行先表示はスペースが狭い為、種別は一文字で表示するのが特徴です。前照灯・行先表示の双方ともコイト電工製が採用されました。

車内は大きな変化はありませんが、車端部優先席への黄色い手すりの新設の他、一部編成はドア付近滑り止めの警戒色化などが実施されました。これは総合車両製作所による施工とのことです。

車内案内表示もLED表示のまま最後まで更新されることは無くなりましたが、基盤が交換されたのか若干明るくなっている他、路線図が以前の黒地から白に改められました。

機器更新実施予定から一転して順次廃車になることが確定した3000N・S形ですが、あまり古さを感じない外観と設備な為、残念な印象ですね。導入される4000形2次車からは仕様変更があるかも注目ですね。

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登場10周年を迎えたE233系6000番台・横浜線

2024年05月01日 | JR線

長きに渡り国鉄時代は首都圏に新型車を投入し、捻出される経年の浅い車両を周辺線区や地方電化路線に転用する手法が採られて来ました。横浜線もその一つで、かつては山手線などで活躍した73形や103系が回されており、車両のカラーも不揃いなまま運用されている姿が日常的に見られました。転機が訪れたのは分割民営化から1年が過ぎた1988年で、転用車から直接新型車を導入する方針に転換した為、ドア窓の寸法を拡大した独自の205系電車が導入され大幅なサービス改善が行われました。

その205系も、近年のJR東日本の施策で新車に更新されることとなり、2014年2月から写真のE233系6000番台によって僅か半年で置き換えられました。車体の幅を拡大したことから定員が1割増加し、輸送力増強も同時に実現しています。今年で登場から早くも10年目を迎え、現在はATO関連機器や非常用梯子の設置などワンマン運転への準備工事が進んでいます。

横浜線の特徴として、正面と帯に「YOKOHAMA LINE」のロゴと葉のマークを掲出していますが、JR東日本の通勤電車でオリジナルロゴが配されるのは初のケースでした。葉のマークは沿線の神奈川県横浜市・相模原市・東京都町田市の市の木に指定されている欅の葉をモチーフにしているそうです。

車内の座席はラインカラーと同じ緑系ですが、これは東神奈川駅で同一ホームに発着し、直通運転を行う京浜東北・根岸線の同系列との識別も兼ねています。座席以外はほぼ他路線向けと同一ですね。

車内案内表示は首都圏で御馴染みの17インチワイド液晶画面ですが、製造メーカーは日立でドアチャイムの音程が京浜東北線・根岸線用とは異なる他、戸閉装置もリニアモータ式を採用しました。分類としては通勤型で尚且つ同一線区を走行しながら、何故このような違いがあるのか謎です・・・。

2020年7月には横浜線と京浜東北・根岸線向けにワンマン運転対応のE235系を導入し捻出したE233系を他路線に転用する計画が報道されていましたが、前述のようにワンマン改造工事が2022年から施工されるようになった為、中止は確定しE233系の継続使用の方針になったようです。さすがにコロナ禍と半導体不足の影響下で1000両以上の新造車を導入するのは無理があったようですね。

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古都から空の玄関口を結んで30周年、JR西日本281系「はるか」

2024年04月15日 | JR線

1994年9月4日、大阪湾内に完全人工島からなる世界初の海上空港である関西空港が開港しました。東京(千葉県)の成田空港と共に国際線の発着回数が国内線を上回り、西日本に於ける国際拠点空港とされています。空港までの鉄道によるアクセスは、JR西日本と南海電気鉄道が乗り入れを行なっており、JR西日本は281系電車を登場させ京都・新大阪より関西空港に至る特急列車「はるか」を運転しています。開港と同日に運用を開始し、本年で30周年を迎えることになりました。

9両編成(後部3両は271系)で運転される京都行き「はるか」の281系。S字型の独特な曲線を描く前頭部が特徴で、空に輝く雲をイメージしたシャイニングホワイトの車体に、肩部には無限に広がる宇宙のコスモグレー、裾部は成層圏のストラトブルーを配し、柔らかい印象を与えるデザインで、1994年度グッドデザイン賞とブルネル賞を受賞しました。登場直後は5両編成でしたが、乗車率の高さから1年経たずにサハ281を新造し6両化されています。制御装置は同時期に登場した223系0番台・207系1000番台同様のVVVFインバーター制御を採用し、機器更新も実施されていない為登場以来のGTOサイリスタによる大きな磁励音を耳にすることが出来る数少ない形式になりました。

2019年からはサンリオとのコラボレーションでハローキティのラッピングが施されるようになり、基本6両編成は「Butterfly」「Ori-Tsuru」「Kanzashi」、増結用3両編成と271系は「Ougi」のデザインが施されました。車内や座席の枕カバーにも装飾が施されています。海外でも知名度が高いキャラクターのラッピングは好評を博していますが、ライセンス契約の終了の為か本年より順次元の姿に復元されることが明言されています。

ツートンベージュの座席が並ぶ普通車の車内。通常編成では無地の黄色の枕カバーですがハローキティラッピング編成は、ベージュに近い色のイラストがプリントされたものに交換されている為、オリジナルのカバーより統一感があります。乗車時間が特急列車にしては短いので、リクライニング角度は若干浅めに設定されています。

2列+1列配置のグリーン車車内。大型化され枕が設置されたオーソドックスな座席で、テーブルは普通車同様に肘掛け部分に収納されフットレストは欧米からの利用者を意識したのかバータイプのものが設置されています。

2020年度の新型コロナウイルス感染拡大により271系と共に3両編成は全て運用を離脱する憂き目に遭いましたが、2023年からは水際対策緩和による利用者増加で再び9両編成に戻され、全車両が安定して現在も活躍していますが、2018年には2024年〜2027年に新型車を投入し置き換える計画についても存在していたことがあり増結用の271系についても将来的には281系の置き換えの為に6両編成の組成も視野に入れられていることから、なにわ筋線開通時期と合わせていつまで活躍できるかが気になるところです。

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体質改善工事で更なる安全性・快適性向上、充実装備に生まれ変わったJR西日本207系0番台

2024年04月13日 | JR線

JR西日本では、分割民営化後初めての新型車両として221系を登場させ、新快速に大量投入し大幅なサービス改善を実施しました。一方でJR京都線・神戸線の各駅停車とJR宝塚線(福知山線)、JR学研都市線(片町線)では相変わらず国鉄から引き継いだ103系が主力を占めており、周辺の私鉄に比べサービス面で格差が生じていました。これらの置き換えと共に、1989年より着工された片福連絡線(現在のJR東西線)に対応可能な通勤型電車として1991年より登場したのが207系です。同年4月30日から学研都市線(片町線)片町〜松井山手間で量産先行車の7両編成が運用を開始し、以降は量産体制に移り走行機器や車内に改良を加えながら約12年間に渡り増備され総勢484両が登場、2005年度に0番台4両と1000番台3両が尼崎脱線事故により廃車、2022年には量産先行車が老朽化により更新を受けずに廃車されましたが、初めて製造された1991年から30年以上経過した現在でも京阪神都市圏輸送の第一線で活躍を続けています。

量産先行車の使用実績を基に1991年度内から増備が始まった0番台。7両固定編成を4両+3両の組成に変更し、JR学研都市線の分割併合にも対応できるようにした最初の編成でした。車両番号は量産先行車が-1から付与されているため、続きの-2からとなっています。0・1000番台は登場から20年以上経過した2014年から体質改善工事が施行されるようになり、Z22編成が最初の編成として同年11月17日より営業運転に復帰しています。

H編成は当初3両編成でしたが、電動車をユニット方式から1両単位に改める設計変更を行った1000番台が登場した後、JR東西線開通直前に組み込み4両化し電動車の車番を-500(元0番台)・-1500(1000番台)とし、異なる半導体素子を用いた制御装置を搭載する車両が混結される特徴ある編成になりました。この写真でも1500番台(女性専用車に指定されている前から3両目)は屋根上の冷房装置が異なっています。

体質改善工事はZ編成と並行して1000番台にも及び、2016年初頭にS22編成が施行されました。機器更新も実施されており、Z・H編成と組んだ7両で使用されています。1000番台T・S編成については特徴的な部分が多く、また改めて別に記事にしたいと思います。

体質改善工事施行後の車内。化粧板や床材、座席は全て新品に更新され、大型化された袖仕切りや増設されたオレンジの手すりが目立ち、大幅に印象を変えました。天井の照明も蛍光灯からLED化されカバーが撤去されています。車内案内表示はLEDスクロール表示のまま存置されましたが、号車表示が追加されました。

 

本年で早くも33年目に入る207系0番台ですが、Z編成は体質改善工事を終えたもののH編成はまだ全編成に及んでいないことから、完了までは相当時間が掛かると思われ、これからも長期間主力車両としての運用が続きそうな予感です。

 

 

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