暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

語らず

2023年02月28日 | 古民家
 人形が怖いと思った幼い時分・・・薄暗い部屋のどこからか、コトリと伝わる影があり・・・
見知ったお家の中でさえ感じてしまえば当然のように・・・田舎や古いお宿で気付いてしまう居心地悪さは・・・
語り諭すほどに・・・表情豊かな顔と目で並んでいる・・・。

命が宿るすべての自然に祈りを求めて・・・誰もが信仰を頼りに暮らしが積み上げられて・・・
お地蔵さまや仏様・・・・節句のお雛様や武者人形には、造る人の技術以外の僅かな命の重さが宿っているような気がする・・・。
墨の筆で描いた目や口の表情に・・・小刀で削られた目の細さも・・・
人として造られた人形よりも人形らしく・・・人が語る以上に饒舌に何かを語り掛けて来る・・・。

子供が生まれる度に人形が贈られ・・・子が無くなれば、こけしを残して・・・
身代わりになる仕草も・・・話し相手になる寄り添いも・・・
今ではすっかり消滅しそうな行事となって・・・大げさに広げる人の輪の中に・・・
どこまで巻き込んで進めばよいのか・・・解らなくなってしまう・・・。
生まれた理由が解りもしない・・・雨風に削れた石の塊も、いつかは意味のあった彫り物が薄れ・・・
誰が連れて来たのか素性も知れ無さそうな人形を背に・・・子供のお祝いが薄くなって・・・
語らずしてモノが言える暮らしの繋がりに・・・大きな意味はあるような気がします。


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混じり合う

2023年02月27日 | 古民家
 山間の静かな場所に住処を築く・・・どれだけ不便でどれだけ不自由だったのだろうと思うけれど・・・
何度も巡るには大きな力が必要で・・・守り続ける意味が世代を超えて続いて来ました・・・。
何かしらの大きな理由が歴史の中で挟まれて・・・留まるには難しい場所でも、暮らしを守る大きな意味が生まれたんだと思う・・・。

森を育てるには・・・人の手と自然の営みとを合わせて出来上がっていた・・・
森や川や海が繋がり自然が守られているように・・・人の暮らしも、森や川や海があるから守られて・・・
ひとつが欠けても廻らない共存の暮らし方に・・・守る意味をフワフワと考えながら続いていると・・・
巡り巡れば・・・良い出来事も悪い事柄も一緒に暮らしを守って行けるのかも知れない・・・。

カセットテープと遊んで・・・良い音にこだわり続けてきれいな音にたどり着いて見ると・・・
いつしか雑多な音が聞きたくなり・・・巡り巡って戻ってしまう・・・。
心地よい雑音がある訳は無いと思いながら・・・混ざりあった中には幾通りもの顔が見え隠れして・・・
みんな同じが列をなして並んでみると・・・居心地の悪さに気付いてしまう・・・。
山と海が混じり合う暮らしに交流が生まれ・・・海の向こうの島と島が出会えば・・・
それぞれの厄介な文化は生まれて消えて行きながらも・・・
いくつもの理由が生まれる住処は・・・この先も混ざり合って行くんだと思う。

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結び

2023年02月26日 | 古民家
 結びあう世界が広がると・・・いろんな場所で節目が生まれ・・・。
結びあいで育つ人も暮らしも、たくさんの方向へ飛んで行ってしまう・・・。
それは、好奇心や致し方なく起きる出来事の一つかも知れないけれど・・・
行き先もまばらで不確かなほど・・・行き着いた場所で大きく根付いてくれる時もある・・・。

竹小舞は・・・細く割いた竹と荒縄や棕櫚縄で組まれた上に、練り込んだ土を何度となく塗りこめて行きます・・・。
霜柱も立つ寒い季節は・・・土も凍り、漆喰も凍ってしまうので冬の作業はままならず・・・
数か月も雪で閉じ込められる雪国では・・・自然を相手の作業は閉じ込められて・・・
春の香りがするまでの間・・・ただ静かに春からの便りを待ちぼうけ・・・
芽吹きの時が・・・どれほど恋しいか、その場所で生まれ育たなければ理解できない文化があります・・・。

事とあるごとに繰り返す古民家の暮らしに・・・一人では生きて行けない暮らしがあって・・・
一人で何もかもが生まれるはずも無い・・・面倒な集まりのルールの中が一番安心出来る・・・。
理不尽な出来事ばかりが歴史の中に置いて行かれ・・・気付けばずいぶんと荒れ暮れた道を歩いて来たと思えるほど・・・
嘆いた暮らし向きだとしても・・・結ばれて来た温かな節目が、ポツポツと道端に並んでいるのが見えて来る。



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見守る

2023年02月25日 | 古民家
 厳かな気分に身を置きたくて・・・鞭を撃つような振る舞いをしてみる・・・。
一歩身を引き・・・慎ましくあれと・・・おしとやかさや我慢を美化して来た暮らしに纏われて・・・
秀でた可能性を受け止めるには・・・融通の利かない文化に魅了されてていたのかも・・・。

色鮮やかな季節の人形に・・・地域の暮らしも色付けされて・・・
顔もお召し物も・・・当時を広げて表情豊かに列をなしている・・・。
子供の成長がままならないから・・・無病息災の祈りがあって・・・
稲作がお天道様任せでままならないから・・・五穀豊穣の祈りがある・・・。

自然の気まぐれで育つだけでも無いけれど・・・人の営みに浮かぶ経験や勘は・・・
曖昧な技術の継承を前に出して・・・あやふやに繋いで来られたのに・・・
効率よく過ごそうと想い過ぎてしまえば・・・押しのける暮らしの中には、かみ合わない言葉がこぞってやって来る・・・。
たくさんの我慢と・・・精一杯のやさしさは比例しないようでいて・・・
おしとやかな暮らしの中に・・・見守ってくれている伝統の文化はあるような気がする。

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付かず離れず

2023年02月24日 | 古民家
 見上げれば見失う未来の星を・・・はじめから手に出来るなんて言わないで・・・
星の数ほど分かれるその先に・・・どんなに運が散りばめられていても、何度も空振りの日は続くだろう・・・。
雨宿りしながら・・・水たまりを避けながら・・・気が向いておひさまと気ままに歩きながら・・・
グルグル回って進んでみても・・・付かず離れずの気まぐれは、答えも無しにうなづいている・・・。

夢のような世界がブラウン管に広がって・・・手を広げると、TVの世界が目の前に来てくれる・・・。
ずいぶんと暮らしの想像が重なり・・・カタチを変えた未来の町が造られて、住まい造りも節目の時を迎えている・・・。
伝統の住まい造りは一部の趣味趣向で・・・環境に抗う住まいが省エネだと胸を張る・・・
人の知恵と科学が、素材を幾千通りにも組変えて・・・
出会う数だけ迷いが生まれ・・・始まる未来をぼんやり眺めてしまう・・・。

漠然と先を見通しても・・・努力をした数だけ、なるようににしかならない・・・。
自分が駆け出すのは何時だろうかと・・・影の薄い自分はいつまでも待っているけれど・・・・
親方と弟子がすれ違いながらバランス良く進むには・・・どこまで追いかければと迷ううちに・・・
一人の時間を抱えてどこまでも傾いてしまう・・・。
伝統の文化が繋がらないほど・・・暮らしの変化が急ぎ足で、付かず離れずの気まぐれは・・・
自分も追い越して・・・答えられない道筋が増えすぎてしまうのかも知れない。


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