暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

年の瀬

2022年11月30日 | 古民家
 言葉を落とした集まりみたいに、無口が続いて凍える時間に・・・
メラリと炎は命を映して、伸びる影がまあるく囲めば・・・遠く吸い込まれる闇の空へ・・・
火種は吐息の一つに見えて来る・・・。

厳かな気分は・・・大人も子供も変わらず、12月に師走と聞こえて来れば・・・
ワタワタと足踏み・・・訳も無く忙しいはずなのに・・・
どこかいつもと相も変わらず・・・いつもの買い物を続けている・・・
誰もが手を止める時間があったと思うのも・・・古い生活を繋げていた頃の話で・・・
積もった時間もそそくさと過ぎてしまうと・・・1年の締めも、新年も・・・
新鮮な心持で迎える心配りが見えなくて・・・つまらない日々が始まるような気もする・・・。

神棚や仏壇に手を合わせる習慣は・・・教える親も、その親からも・・・
教わりもしないでいると・・・先人を感じる昔ばなしは出来ないのだろう・・・。
暮らしで出会うすべての行いに感謝して・・・1年の労と、新しい年を迎える神妙な時間は・・・
それぞれの過ごし方があるとしても・・・
地域で育って来た過ごし方が、どれだけ特別で・・・どれほど唯一無二な伝統文化だと思いもし無いでいる・・・。
思わず迎えた、静かな年の瀬で・・・穏やかな暮らしを思い返す時間はあったのだろうか。
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流される

2022年11月29日 | 古民家
 気にもならないモノが消えて行く・・・
そこいらじゅうに寝転ぶ石くらいにしか思っていなかったモノ・・・
いつ振り返っても・・・ただそこにいてくれた物・・・
数十年も・・・何となく変わらずに隣にいてくれた人・・・。
別れを見つけて・・・みんなに悲しむような言葉を投げかけられると・・・
どしゃ降りのように・・・体の中がずぶ濡れになって、何もかもが流されてしまう・・・。

教科書でしか見ない写真の中に・・・何となく見知った顔を見つけ・・・
若い親の姿に自分を見つけて・・・何となく姿を重ねて見る・・・。
ゴチャリとした骨董市で見かける、写真やポストカードにも同じ香りを見つけて・・・
古い街道を歩くと・・・想像も出来ない歴史の足跡を感じようと頑張れば・・・
幼い頃は興味も無かった社寺仏閣に・・・今更ながらしんみりとしてしまう・・・。

昭和の色合いが・・・急に薄れ始める話題が増えて来たけれど・・・
流行は何度も繰り返し・・・
大正の頃は明治を・・・明治の頃は江戸を憂いて・・・
怒涛の時代変化を過ごして来たはずなのに・・・経験の世代が継がれて行かないと・・・
本当の意味を知る暮らしの繋がりは残せなく・・・
おかしな文化も・・・忘れたい技術も・・・大切な伝統も・・・
この先の暮らしに必要な大切を・・・どのように伝えたら良いのだろうか。






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発酵

2022年11月28日 | 古民家
 耳を立てればフツフツと・・・僅かな声と含み笑い・・・
気を抜けば消えてしまいそうなその声も・・・数十万、数億万と集まれば・・・
大きな力と魅惑の香りで、暮らしを支えて・・・古めかしい姿や迷信も・・・
いまだに残る存在感に・・・どの時代も支えられて来ている・・・。

ネバネバにトロトロ・・・少し臭いが病みつきに、微生物の姿は見えなくても・・・
忘れられない暮らしのお供で・・・人の体だけで無く、住い造にも参加しる・・・。
忌み嫌われる口答えがあっても・・・自然がゆだねた時間の流れで、ゆっくり育つ大きな力は世代を越えて行く・・・。

発酵食品が見直され・・・健康的で、おいしく頂ける食材に変化する力も持っている微生物は・・・
納豆や漬物・・・味噌に醤油・・・豆腐やお酒にまで寄り添って・・・
土壁に漆喰・・・三和土、直接は関係無くても、森の落ち葉や枝が積もつもり・・・
山が埋もれてしまわないように・・・落ち葉や枝は微生物が食べてしまう・・・。
人も怒られればくさりもするけれど・・・発酵する事も無く自然を食べて・・・
暮らしの中から、自然の力を借りて・・・どこまでもつつましく過ごせるなら・・・
どんな時代も進んでいけるような気がします。


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文字

2022年11月27日 | 古民家
 心が躍る文字がある・・・
水墨画のような筆の運びが軽やかに・・・踊る姿がほとばしる・・・。
カクカクと・・・ぎこちない文字の姿に微笑みを浮かべ・・・
コロリンと・・・転がる姿に愛らしさを浮かべ・・・
アナログではないフォントの世界も・・・多様性に弾けている・・・。

都度、筆を出して・・・墨で文字をしたためる・・・。
なんて不合理で・・・もどかしさに皺を寄せて見ても・・・
個性ある書物の行間に・・・人となりが見え隠れして・・・
暮らしの様子や・・・暮らした歴史が映し出されている・・・。

端正な文字・・・崩れた文字・・・なんだか歪んでいるけれど魅力的な文字・・・。
時代や人を、されけだしてしまうのが文字のような気がして・・・
姿カタチとは裏腹な・・・人の内面を見る事が出来るような気がする・・・。
書かれた時代を写しだして・・・流行・廃りも手に取るようん浮かんでしまう・・・。
手紙を綴る・・・季節の挨拶や、近況を報告する・・・
自分を知ってもらうアナログな文字の世界も・・・
古民家のように、危うい時間に立っているような気がします。

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古材

2022年11月26日 | 古民家
 メシリと泣きながら・・・大きな佇まいが消えて行くと・・・
浮かぶ埃は・・・暮らした時間のように広がり、空に吸い上げられてゆく・・・。
鈍い鉄の柱や梁の姿に・・・次の世界があるとしても・・・
じっくり我慢して使い続けるには・・・お財布も想いも持ちこたえられなくて・・・
小さくまとめられて・・・記憶から消されてしまう・・・。

古材の流通は思いのほか伸びなく・・・解体する手間暇には、傷つけない解体にひとの手が必要で・・・
日本の木材よりも・・・輸入材や遠くから運ばれた加工材の方が扱いやすい不思議に疑問も少なく・・・
100年・200年と・・・住まいを守る木材と、一緒に歩き続ける暮らしもままならなくなり・・・
消費するだけの時間ばかりが過ぎてしまう・・・。

囲炉裏の煙は防虫の・・・厚い萱は断熱の・・・
自然と自然素材とが共存する住まい造り・・・古材利用や再利用は言葉に無くても、暮らしの中で自然に生まれて・・・
伝統の文化になって来たけれど・・・特別でも無い暮らしは、ずいぶん昔から繰り返され・・・
いつの間にやら・・・その暮らしは本の中に仕舞われてしまいました・・・。
数世代共に歩いて来た住まいを支える古材達・・・この先も解体される古民家に・・・
大切な命と一緒に歩く時間を繋げられるたら・・・と、思います。



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