暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

無駄な

2022年08月31日 | 古民家
 ゴワゴワと音がかき乱されて・・・ノイズや雑踏が割り込んできても・・・
いい加減さや曖昧さ・・・無駄と思えるやり取りが何故か楽しく・・・
無意味な時間をいくつ数えたかで・・・この先、意味のある暮らしを進んで行けるかが決まるように・・・
意味の無い事なんて無いんだと思えるようになる・・・。

伝統的な木造建築の技術で・・・柱や梁を継ぐ技は星の数ほどあって・・・
効果的な仕口や接手が生れたら・・・それがお終いでは無く、そこから技術の研鑽が始まり・・・
表からは見えない不思議や・・・一度組めば二度と外れないなど・・・
職人の遊び心や・・・プライドが、数多くの新しい技術を生んで来ました・・・。

言い伝えや迷信・・・語呂合わせなど、意味の無さそうな行動も気にしながら・・・
複雑で質素なカタチや色を取り入れ・・・派手な仕草も何事かあった時の為の保険のようなもの・・・
伝統を守る意味が理解出来れば・・・その先には自由な発想が待っている・・・。
古民家の造りが・・・南北長い国の中で極彩色豊かなのは・・・
伝統を重んじる厳しい世界だからこそ育った・・・まわり道の、時間を大切にした来た文化だからだと思います。

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2022年08月30日 | 古民家
 大きな河を渡るにも、一苦労が付きもので・・・長雨の荒れた河の端で待ちぼうけも、いろいろ物入りなら・・・
ずうっと迂回しても・・・山賊や追剥に出くわす事になろうとも・・・
山越えをしたほう良いと・・・いくつの街道が生まれ、あちらこちらに宿場が育ち・・・
村や町が育って行きました・・・。

戦や争いが絶え間なく・・・生産性も悪い世の中に、外敵から国を守る術を生んで・・・
平和な時代や・・・権力をいつまでも手元に残す仕組みを築いて・・・
紆余曲折、廻りながら・・・数百年の天下泰平は、得も言われぬ文化を残して来ました・・・。

勢いのある時代に生まれる文化もあれば・・・
どうしようも無く絞り出された文化もあって・・・それぞれに、生まれる理由がある・・・。
その時その場所、そのタイミングでしか育たない技術もあるはずで・・・
古民家の技術は独自の伝統を変化させながら・・・
押し寄せる多様性を飲み込んで・・・何度も咀嚼しながら・・・
和洋折衷な住まいや町造りが組み立ち上がるのは・・・長年積み重ね、繋がれて来た独自の文化があるから・・・。
どうしようもない時を繰り返して、行ったり来たりの伝統も・・・
結局は基本に立ち戻るような気がします。

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一つまみ

2022年08月29日 | 古民家
 得手不得手は、・・・
好き嫌いや似合う似合わないとか・・・一つとして同じにはならない個性と似ていて・・・
生まれた時に持っていたモノと・・・努力して手に入れたモノがあれば・・・
生まれた家で・・・その先の暮らしが決まる不思議を、疑問に思わない時代や国があって・・・
ライオンやゾウが人になれないようなものだと・・・変えられない運命と思いこまされて来た歴史もある・・・。
なんにでもなれると思いながらも・・・ちぐはぐな環境で、それも叶わない現実があっても・・・
多種多様な人種や生き物が行きかう場所では・・・それぞれの役どころを受ける者がいる事で・・・
世の中が上手く廻っているような気がします・・・。

漆器が生まれるには・・・お椀やお盆の生地を採取して、加工する技術者がいて・・・
漆の木を育て・・・漆を掻く職人がいる・・・使う道具を加工する職人もいれば・・・
漆を一つ塗るにも・・・幾重もの工程を、幾重もの手仕事が、繋がれています・・・。

宇宙に人が行ける技術があっても・・・冬に、おいしいトマト一つ満足に育て上げられない不思議がある・・・。
細分化されて来て嫌がられる仕事も・・・最先端の技術の影を支える屋台骨で・・・
押し付けるような仕組みの中に・・・忘れ去られてしまう悲しい暮らしが、実は一番崇高な仕事なのかも知れない・・・。
派手な伝統工法の技術にも・・・忘れられない一つまみの隠し味が、消えてしまいそうな現実があります。

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しのぶ

2022年08月28日 | 古民家
 片隅に座り込んでいる・・・真ん中にいるのに、あたかも隠れるように気付かれないように・・・
しのぶその姿に、いとおしさや愛着を感じるけれど・・・その生い立ちは悲し気な中に瞼を落として・・・
誰が伝えるでも無い・・・どこにでもあるような歴史が薄っすらと感じられて・・・
昔ばなしになりそうな優しいそのお顔に・・・時の流れはノッペリと映っている・・・。

小さな祠を愛しく掃除する姿も・・・最近では見る事も少なく・・・
顔の見分けも・・・文字を読めることも少ない風化したお地蔵様・・・に仏様・・・
何かの意味が生まれて祭られていても・・・道路の事情で移動して、住まい造りのわがままで移動して・・・
本当の意味を知るには動き過ぎて・・・読み解くには時間が流れ過ぎて・・・
この先、新しいご神仏が生まれる文化も伝統も無くしてしまった暮らしには・・・
地域を憂う心も・・・薄くなってしまっているのかも・・・。

木の文化は歴史の中に埋もれてしまい・・・石の文化は、儚くても残されて来て・・・
ただ、地域で守られなければ・・・そこに物語は生まれなく、引き継がれる熱も消えてしまう・・・。
時間と共に朽ちてしまう木は・・・時代に合わせて手直しや補修が行われて・・・
先人の技術を受け止めながら、その伝統を次の世代に伝えて行ける・・・。
そのやり取りに無駄を感じるのか・・・古臭い習慣だとあきらめてしまうのか・・・
本当に大切なのは・・・永遠に残る丈夫な文化では無く・・・
しのぶ暮らしに残る・・・儚く尊い文化なんだと思います。
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古めかしさ

2022年08月27日 | 古民家
 集まる言葉が増えて行けば・・・誤解やわだかまりは生まれもするけれど・・・
煩わしさを越えて・・・強い絆も育まれ・・・
そこには共同体と言える、特別でも無い居場所が・・・腰を据えて根を張り始める・・・。

名前なんて後で・・・とにかく遊びが始まる子供の世界は・・・
名刺を武器に走り回ったサラリーマンとはずいぶん違う生き方で・・・
苗字帯刀が許された、上下の歪んだ暮らしも似ているのか・・・
大人な事情は、いつの時代も・・・些細な見栄がうごめいているのだろうか・・・。

屋号の跡が・・・今でも残る会社のシンボルが、なんだかカッコよく見えて・・・
同じ名前が廻りに多くて・・・区別するのに屋号で呼ぶ、切実な感じが・・・
伝統ありげで、心地よい響きが耳に残り・・・土蔵の妻や瓦に独特の文字が浮かぶ・・・
そんな古めかしさも・・・新しく思える姿がそこかしこに戻り始めて・・・
蔵の町や・・・新しいお店でも、古民家の姿に加えてひと工夫が・・・若い感覚で彩られて行く・・・
名前や見栄を前に差し出し・・・
言葉や文字に左右されながらも・・・粋な見せ方が古民家の暮らしにはあったようです。
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