暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

還る

2022年05月31日 | 古民家
 土は・・・その辺りに寝そべっている・・・
石も・・・その辺りに転がり廻っている・・・
木は・・・その辺りに伸びているけれど、そのまま使う訳にもいかず・・・
職人さんにお願いして、生まれ変わると・・・端材が出て、ゴミかと思えば・・・
焚き付けや・・・燃料に利用されて、熱で加工されたりして・・・
違う形の木材として、生まれ変わっている・・・。

建築現場から出るゴミは果てしなく・・・埋め立てや焼却、あまり環境によろしく無くて・・・。
加工するにも燃料が必要で・・・処分するにはもっと厄介な事になってしまう・・・
古民家でなくても・・・40~50年前までは、竹小舞に土壁・・・瓦屋根と・・・
大工さんが手加工の住まい造りは、まだドンドンと音を鳴らしていて・・・
1年ほど時間を掛けて・・・住まいが残されて来ていました・・・。

再利用される石や木材に・・・土地に還る土・・・
すべてが地産地消で無くても・・・極端に不必要なモノを出さない暮らしもありました・・・。
せっかく手を掛けて生まれて来たモノを・・・どこまでも生かし続けるのか・・・
手にした者の責任で・・・手元に置いておく事で、愛着沸くかけがえのない存在になります・・・。
長い時間の中で・・・姿は変わってしまっても、我が子は子供で、変わらないように・・・
生まれ変わる姿を愛でる・・・すべての暮らしが、そうでありたいと思います。


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足りないモノ

2022年05月30日 | 古民家
 足りないものは造る世界・・・足りないモノは買う世界・・・
暮らしの中には必要で・・・何が無くても行き詰まってしまう毎日に・・・
社会の仕組みは、自分の知らない所で・・・山ほど動いている・・・。

人力やら、牛や馬でモノを運んでいた頃は・・・流通もたかが知れて・・・
生の魚を食べらる場所に、境界線があるほどで・・・
それゆえに地域の文化は色濃く・・・その場所に根付いて行きました・・・。
田舎のさえない風習と言われ・・・独創的で魅力的な風習ともいわれ・・・
世界を見れば・・・見方も変わり人が変われば感動もする・・・不思議な受け答えが生まれて来る・・・。

変わろうとして、投げ出して来た暮らしや文化を・・・今一度思い出すように価値を認めるのは・・・
忘れた頃に・・・懐かしさや新鮮さを感じるから・・・・。
古民家のブームは広がっても・・・伝統文化の暮らしが再燃する訳でも無く・・・
古い暮らしは益々姿を消しています・・・。
トツトツと、点のように現れては消えて行く、古民家の再生はあっても・・・
力強く町が生まれるほどの勢いが・・・この先、始まる事は無いかも知れません・・・。
地域再生に必要なのは・・・そこで暮らす人達の何気ない想いで・・・
少し嫌味を言いながら・・・何となくいい所も認めて、ため息をつきながらも、嬉しそうに毎日が動いている・・・
大きな変化は無いけれど・・・たまに耳にする仕方のない事件に関わりながら・・・
地域が繋がって行く・・・そんな仕組みが、あちらこちらに広がると良いのかも知れません。


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狭い

2022年05月29日 | 古民家
 狭い場所が好きなのは猫だけで無く・・・押し入れの中に基地を作って・・・
ダンボールの箱の中に住処を作って・・・意味なくおやつを食べてみたりした・・・
なんだか居心地の良い場所を探して、狭い場所に滑り込む・・・
広くて大きくて・・・贅沢なモノで溢れる世界が幸せとは限らない・・・。

庭木のお手入れをするほど・・・盆栽も名のある木々も見つけられない庭だとしても・・・
敷地は広いほうが良い気がして・・・住まいは粗末に、そんなに贅沢は言わないけれど・・・
日本の土地事情は・・・住まいよりも土地の価値に重さを置いていて・・・
さっぱりと辺鄙な場所か・・・とんでもなく人も町も見えない場所でも無ければ・・・
少しばかりの庭木も育てられない・・・小さな暮らしになる・・・。

ビルとビルの間に・・・瓦屋根と漆喰壁の古屋がムギュと挟まれ・・・
時代の波に乗って過ごし、窮屈そうに残されている・・・。
建て替えれば・・・同じ造りにはならない、ややこしい規則があって・・・
何とか地域と生かすにも・・・金食い虫と言われる古民家では・・・
補助金でも手に入れないと・・・当分前には進まない再生の道は・・・
意味もない暮らしに中に・・・狭さを求めていたあの頃の感覚で ・・・
居心地の良い空間造りが出来れば良いと思う。         
 

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原因

2022年05月28日 | 古民家
 土手に草がモウモウと茂り・・・かわいらしい小さな花が撒かれたり・・・
小ぶりな木立に育ってみたり・・・葦が隙間なく並んでみたり・・・
豊かな水源は見知らぬ土地に利用されて・・・川遊びをした思い出の、綺麗な川の姿は・・・
足元もおぼつかない川の端に落ち込んで・・・うすぼんやりした記憶だけによりどころを求めている・・・。

怖いくらいの川の流れは・・・豊かな水量が森の豊かさも教えてくれて・・・
台風や夕立・・・通り雨の繋がりから頂く、自然からの贈り物・・・
災害の恐ろしさは・・・言い伝えで残されるほど大きな存在で・・・
揺るがない猛威を受け止めながら、暮らしに絶望も与えたけれど・・・
抗い続けるだけでも無い・・・共存の暮らしもあるような気がします・・・。

優雅に川底をなめる魚の姿は・・・荒れる川の途中どこに身を潜めているのだろうか・・・
躍るような流れが過ぎて、ペチャンコで敗れた雑草が・・・川の端の方で寝転んでいても・・・
時間が過ぎれば小さく声を上げ・・・元の姿を取り戻してゆく・・・
川をきれいにするのは川の役目で・・・空気をきれいにするのは山の役目で・・・山も川も綺麗にするのは豊かな海の役目で・・・
海をきれいにするのは、山や川の役目です・・・。
小さな頃のきれいな川は、繰り返す自然のやり取りが上手く廻っていたから・・・
どこかおかしくて、どこが原因・・・はどこでも無い、みんなが廻る繰り返し。
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残る町

2022年05月27日 | 古民家
 小さな目で歩く世界と・・・大きな目で歩く世界・・・。
記憶違いがあるとしても・・・思い出の中から映し出されるセピア色の記憶は・・・
ショボくれた体ほど鮮明に映って・・・お茶碗の柄も、柱の傷も・・・
かくれんぼした、押し入れの壁の落書きも・・・
どうでも良い出来事ほど引き出しに残っているもので・・・小さな目で見た大きな思い出は、目いっぱい押し込まれてポロポロと飛び出してくる・・・。

古い町並みを歩けば・・・郷愁に駆られるけれど、実はそんな古い生まれでも無く・・・
田んぼに畑の手伝いをしていた事も無い暮らしで・・・
ひと世代前の写真やたくさんの情報がヒラヒラと・・・何故だか書きなぐったモノに振り回されているのかもしれないけれど・・・
昭和の妙にカラフルな景色はどこにも残っていなくて・・・懐かしい町を歩きたくても叶わない・・・。
100年前の街が平気で残る欧州や欧米の文化は・・・異常なのか・・・
文化的で歴史が残る景色を壊そうとする文化を・・・正常とおもうのか・・・。

おじいさんやおばあさんになって・・・離れた場所から故郷に帰っても・・・
何一つ思い出が残らない地域を作るのが・・・豊かな暮らしとするなら・・・
この先、生まれる子供に・・・家族の歴史は残すことも無く、ただ生活するだけの時間が広がってしまうような気がします・・・。
自分が生まれ育ち・・・写真や映像では残っても、同じ景色の場所に戻る事も出来ない街、が寂しくこちらを見ている・・・
暮らしの豊かさは、繋がれて来た豊かさや・・・そこでしか残せない文化を少しでも伝えて行ける町や住まいが必要で・・・
一人ではない・・・みんなの地域造りが大切なんだと思います。

コメント (2)
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