暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

芸術

2021年12月26日 | 古民家
 ザックリと彫られた木の彫りものに・・・物言わぬ言葉が現れて・・・
見知らぬ文化に・・・身近では感じられない不思議な感性に心を揺すられる・・・。
長い間繋がれて来た文化が・・・まるで芸術のように受け止められて、価値が増えて行くのに・・・
その古い文化は・・・古臭く、取り残される伝統になってしまう・・・。

芸術が花開くのは・・・作者が亡くなってから・・・何か次の話題を見つけたいから・・・
認められるには・・・いろんな偶然と運も必要で、努力出来ていない訳でもないのに・・・
道が開けるには、多くの関りも大切だと思う・・・。

古民家は普通の住まいで・・・一部の立派な住まいが残されては来ましたが・・・
庶民の安普請な古民家は、町の様変わりな忙しさの中に消えてしまい・・・
繰り返された移築や改修の後・・・ゴミとなって、その暮らしも消えて行きました・・・。
人が2人も立てば窮屈な玄関に・・・障子を開ければすぐに居間が見える暮らし・・・
襖で仕切られた和室は・・・プライバシーも無いけれど、家族4人や6人は当たり前に同居していた暮らし・・・
堅苦しい住まいなのか・・・安らげる住処なのか・・・
ずいぶんと考え方は変わって・・・古い文化と忘れられそうでも、価値を求めて、芸術のような暮らしに戻る日があるかも知れません。


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うすぼんやり

2021年12月25日 | 古民家
 暗い暗いと思いながら・・・道ゆく先に闇は感じなくて・・・
おひさまみたいな明るさと騒がしさを、どこにいても感じると・・・
キリリとした空気が広がる田舎町に・・・懐かしさとさみしさを感じる・・・。
月の明かりをまぶしいと思える帰り道に・・・目隠しの暗さに不安を持つ気持ちは・・・
今ではおとぎ話の中でしか伝えられない・・・消えた暮らしになってしまいました・・・。

太陽の下で考える暮らしと・・・お月様の下で過ごす暮らしに・・・
煤けた行燈で迎える夕時に感じるおいしさは別物で・・・
テラテラ灯る電気の明るさの下では・・・見えないものまで見えてしまいそうで・・・
曖昧な色合いやバランスが文化の姿なら・・・電灯の下では、その伝統も色あせてしまう・・・。

漆喰の白に・・・時間を過ごした黒光りする梁や柱のコントラストは・・・
うすぼんやりした部屋の中で映えて・・・派手な柄の襖も、趣味の悪そうな屏風も・・・
あでやかな、もてなしの中で考えられた趣向なのかも知れない・・・。
何もかもが綺麗でなくても・・・整えられた質素な暮らしに、本当の贅沢があるような気がします・・・。




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集う

2021年12月24日 | 古民家
 人が集う場所・・・なんだか魅力があって、落ち着いて・・・
なんとなく安心できる場所を求めて人は集まるのかも・・・。
町を見下ろせる丘の上に・・・大きな樹の下、青い空を見上げる何もない広場に、意味なく高い所・・・
怖いもの見たさもあるけれど・・・居心地の良い場所を求めるのは、陽だまりの猫みたい・・・。

ガタゴトと木の引き戸をこすり開けて・・・我が家へのご帰宅・・・
猫の額ほどの小さな住まいでも・・・家族が集う場所が安らぎで・・・
自分の部屋も無い、小さな木造社宅でも・・・遊び相手に事欠かず、毎日必死で遊んでいた町が集う場所だった・・・。

街路設計と堅苦しく言ってみたり・・・シェアハウスとカッコよく言って見ても・・・
繋がりのある暮らしの言い方を変えただけで・・・何も昔から変わらないような気がして・・・
お一人が気楽でも・・・画面の外からのぞき込む人がいるから安心して・・・
集う場所もやり方も変化してはいるけれど・・・本質は変わっていないと安心する・・・。
穏やかで無理のない、誰もが集う場所・・・それが住まいだと思います。


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バラバラ

2021年12月23日 | 古民家
 あばら家が並ぶ町は・・・どこにでも広がる慌ただしい時間が流れている・・・
ワラワラと人が交じり合うごちゃまぜな商店街には・・・いつも活気が溢れている・・・。

訳も無く元気な町には・・・なんだか元気な人がいて・・・
だらしなく不思議な人も・・・粋で無邪気な人も、雑多な町には良く似合い・・・
いくつも繰り返す泣き笑いに・・・町はますます元気になってゆく・・・。

空き家にシャッター通りが・・・再開発で様子が変わってゆくのは・・・
洋服を着替えるように綺麗になって・・・少し鼻が高くなったような気がしても・・・
町のみんなが、てんでバラバラな方向を見ているみたいで・・・
同じ方へ向き合う気持ちは、すっかり消えてしまっているのかも・・・
古い木造の瓦屋根が、ツラツラと並ぶ町には・・・活気ある人も、心ある繋がりも残り、今でも豊かな暮らしが残っているんだと思います。






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おてて

2021年12月22日 | 古民家
 おぼつかない幼い手が・・・水や土や太陽をつかんで・・・
気が付けば・・・少し硬い大きな手に、皺の目立つ手が支えられている・・・
細く繊細な指もあれば・・・ゴリゴリと分厚い手の平もあって・・・
言葉以上におしゃべりな手の感触は・・・時間の流れを教えてくれる・・・。

土と藁や麻を混ぜて・・・粘り気のある土を造る・・・
堆肥を造るのと同じで・・・作物を元気よく育てる為に時間を掛けて土造りをして・・・
柔らかで元気な土は・・・稲だけでなく、ミミズもオケラもオタマジャクシも元気でいられます・・・。

力強い粘り気のある土は・・・強く暖かな壁になって、元気よく住まいを支えて・・・。
竹や藁・・・杉やヒノキや欅も一緒に、暮らしを豊かにしてくれます・・・。
大量に早く作られれば・・・多くの人に行き渡る、安い商品は生まれても・・・
時間が育て、人の手が何度も入れば・・・大きく育って行きます・・・
指の間を通り抜ける水の流れや土の柔らかな感触も・・・おひさまが通り抜ける暖かな感触も・・・
自然の力の中で生まれて・・・包み込まれる暮らしを感じられるような気がします。



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