暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

のぞいて見る

2021年09月25日 | 古民家
 いつも見ている景色を、四角い穴から覗いてみれば・・・
いつもとは違う景色が浮かんで・・・ムリリと小さくしぼんだ世界が・・・
無限の時間を漂っているみたい・・・。

ファインダーを覗いて・・・フィルターを通して写る人や景色は・・・
手品でも見ているように騙された世界で・・・
紙の上に写る笑顔や泣き顔・・・
鳥や昆虫・・・風や波の一瞬の動きが止まった世界は・・・
切り取られた心のように写り込んでいる・・・。

電気で表現された画面を覗けば・・・綺麗で繊細な美しさがあっても・・・
アナログな懐かしさや・・・怪しい美しさは感じられなくて・・・
自然から一番遠い暮らしの中と同じように・・・きらびやかな住まいに懐かしさは無く・・・
ただ小さな穴を覗いて表現されるアナログさを・・・古民家の住まいは、ますます美しい姿に仕上げてくれます・・・。
光を浴びて映るフィルムに・・・透明とは言えないクラシカルなレンズ・・・
シャッタースピードに露出、フィルムの感度・・・今では考えられないくらいの作業が始まり・・・
デジタルな画面を見て残す・・・美しすぎる写真の個性は記録になり・・・
四角い穴を覗いて残す・・・味わいのある写真は個性となる・・・。
無骨に美しく映る・・・個性的な住まい造りが始まるような気がします。





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屋号

2021年09月24日 | 古民家
 右を向いても・・・左を覗いても、同じ苗字が並んでいる・・・
大きな土蔵の上の見知らぬ文字に、ドスンと気高く見下ろされ・・・
田中のおじさんが・・・お店の名前で呼ばれてる・・・。

屋号が暮らしの中で目立つことは少ない時代でも・・・
小さな町の誰もが知り合いの町では・・・同じ苗字も多くて・・・
当主の名前や、商売の名前で呼んだりとしていたのですが・・・
古くは・・・苗字を大きな声で呼べない時代に、屋号で呼び合う文化もあったようです・・・。

隣にだれが住んでいるのか・・・挨拶も出来ない窮屈な暮らしではなく・・・
愛情を持って名前を呼べる、屋号のある町が・・・なんだか豊かな暮らしのような気がします・・・。
田舎臭いと思う反面・・・親しみを込めてお付き合いの出来る地域が育っていくようにも思えて・・・
味噌や塩を貸し借りする関係が、漫画のようだと思えても・・・
本当にあったそんな時代は、はるか遠い時代でもなく・・・
ほんの少し前の暮らし方で・・・目新しい暮らしとして、歴史は繰り返すのかも知れません。




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あきそら

2021年09月23日 | 古民家
 うっすら青い空に・・・白い雲がサラリ・・・
紅色からさくら色に染まる満天に・・・チリリと針で刺したような穴がまばゆく光り・・・
藍から群青に染まる頃には・・・秋の風も体を包み込む・・・。

山の稜線が切り絵のように分かれると・・・
影絵の景色があちらこちらで姿を映して・・・
茅葺の屋根が美しく気高く感じられ・・・なんでもない電柱やポストも・・・
秋空を背景に・・・さみしく見えていそうで、どこか誇らしげで・・・。

摩天楼が美しいのは・・・一瞬の夢のような姿を見ているから・・・
小さな頃から瞼に映っていた山や川を見て、美しいと思えていたのは・・・
今までも、これからも変わることの無い姿を見ているから・・・
季節の変わり目は・・・自然のアートが花咲く時・・・
お互いに様変わりする人の暮らしが・・・今ではその変わり目もおとなしく鳴りを潜めてしまっていても・・・
いつも同じ景色と思い、見上げる空は・・・小さな変化を楽しんでいます。





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かしこまった

2021年09月22日 | 古民家
 微笑ましくも、かしこまった顔で前を向いて・・・
あいそ笑顔もあれば・・・こわばった目尻に、緊張した体の重さが伝わって来そうな色褪せた写真・・・。
和洋折衷の、モダンな立ち姿の写真館には・・・
知られるはずもない・・・家族の暮らしが映し出されている・・・。

悲しい時代も楽しい時代も・・・暮らしの中には残される思い出があって・・・
多くは人知れず姿を消してきたのだけれど・・・誰もが世界とつながる社会になって・・・
孤独だけれど・・・一人じゃないと思える暮らしが生まれると・・・
人との関わりが煩わしく見過ごされてしまい・・・時間だけが過ぎてしまう・・・。

不自由だと思ってい他頃から、自由が手に入ったと思えるようになっても・・・
意外に自由が解らなくて・・・あの頃が良かったと無いものねだりをしてしまう・・・
古民家の暮らしは不便なことばかりで・・・
ライターがその時代、手に入ったら・・・
魔法だと言わんばかりに踊りだすかも・・・
それでも、不自由な暮らしから毎日前に進める時間を過ごすほうが・・・
意味ある毎日を送っているような気がします・・・。
家族や近所のおじさんやおばさん・・・従妹に幼馴染・・・
学校の先生や・・・たまにしか合わない隣町の親戚・・・
1枚の写真に2人よりも5人・・・10人よりも50人・・・
たくさんのかしこまった写真は・・・暮らしの豊かさを見ているような気がします。


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緑豊かな

2021年09月21日 | 古民家
 秋風に揺られる稲穂が、どの場所でも見られるなら・・・
とても豊かな国だなと思えます・・・。
荒れ果てた町や道路・・・見渡しても緑や黄金色が想像出来ない場所もあって・・・
子供たちの記憶に残る景色が・・・がれきや荒れ果てた黒い土しか思い出せないなんて・・・
どんな理由をつけても・・・今を生きる大人が暮らしを見つめ直さないといけないような気がします・・・。

この先10年・・・もっと先の50年を見据えて植林をしながら山を守って、育てて来た人達がいて・・・
住い造りは目の前の時間だけでは育てられなくて・・・遠い先を語らいながら育ててきました・・・。
国の政策で、間違った部分が多くても・・・この先100年を見れば・・・
なんてことはない・・・前に向かってやり直せる事ばかりです・・・。

身の丈にもならない暮らしの中で・・・心が豊かに育てられたのは・・・
日本の原風景や・・・そこで暮らす人の素直さがあったから・・・
過酷な思いをバネに・・・今の暮らしがあるのも確かですが・・・
不確かな時間は、不安を育て・・・薄暗い景色が続いてしまいます・・・。
緑豊かな場所に育つ暮らしを、この先も無くさない話をしていきたいと思います。


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