暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

続かない

2021年04月25日 | 古民家
 ドロドロと、墨絵のような雲が浮かんでいる空は・・・
鬼か悪魔が姿を見せそうで・・・。
ついさっきまで晴れてたかと思えば・・・ドサンと雨粒が頭に当たる夕立・・・
暑さ寒さも・・・自然のやり取りは、意外と効率よく廻っているのだと思う・・・。

・・・山や川、海の近くに人は暮らしを求めて・・小さな集落が広がり・・・
どうしてこんな山奥の不便な場所に、人は暮らしを築いたのだろう・・・。
何故、崖の上の高い場所に住まいを求めたのだろう・・・。
そこで生まれて育ち・・・また繰り返し生きる為の時間を過ごして行きます・・・。

新しい街が生まれると・・・数十年、色めき立つ生活が流れても・・・
昔のように、土地に生きるのでは無く・・・足跡が少し残るだけで・・・
巣立つように、子供は別の場所に住まいを求めしまい・・・
にぎやかだった暮らしは、いつまでも続かず・・・残り火のように儚く消えて行くしかなく・・・
歴史ある場所が忘れ去られてしまう・・・。
そんな場所が・・・そこかしこに生まれる街造りに、寂しさを感じます。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

手のひらの上

2021年04月24日 | 古民家
 誰も住まなくなる、おうち・・・
親を失うと増える、空き家・・・
3世代が住み継いで来た時代・・・大切な我が家は子供に残され・・・
その子供に・・・孫にと、100年・・・200年は住み継がれるはずだったけれど・・・
自由と言う言葉が遊び・・・家業も住まいも残らない時代が、流れて行きました・・・。

日本の文化を無くしてしまう戦後の流れは・・・
復興と・・・新しい暮らしと・・・夢を膨らます想いに乗って・・・
快適な暮らしを手に入れましたが・・・
日本の生活を支え・・・自然と暮らす考え方は消えてしまいました・・・。

新しいモノを手に入れて・・・古い物を壊して行く・・・
前に進んでいる時は・・・それでも何とかなっていて・・・
歩みが遅くなれば・・・どこかに無理が生まれ、消費し続ける時間に体が付いてこなくなり・・・
立ち止まると・・・昔の記憶にすがり、助けを求めるようになるのかも知れません・・・。
手の平に今あるモノを大切に・・・次の世代に、その想いを届けられればと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

しあわせ

2021年04月23日 | 古民家
 袋を開けると・・・幸せを感じる香りが踊り出す・・・。
コーヒーに日本茶・・・好みは分かれても、一瞬だけスイッチが入る時間は同じだと思う・・・。

同じコーヒー豆に同じお茶でも・・・人に点てて頂くお茶ほど美味しく感じてしまう・・・。
まんべんなくおいしく感じるのでもないけれど・・・
点て方の問題があるのか・・・癒しの魔力があるのか・・・?
頂くときに、ありがたい・・・と思う心持ちが、おいしさを膨らましてくれるのだろう・・・。

家には家の・・・それぞれの家庭の香りがあって・・・
好みがそれぞれあるけれど・・・無味無臭が好まれた時期もあれば・・・
作られた花の香りが広がる住まいが好まれたり・・・。
おひさまの温かさ・・・土の香り・・・草いきれ漂う自然を感じる暮らしは・・・
環境の変化と暮らしの変化で・・・いつともなく消えてしまいました・・・。
心癒す香りで造られた住まいとは・・・自然乾燥された木々で・・・
土造りでこしらえた土壁で・・・和紙が並んだ障子の明かりを吸い取った住まいです・・・。
人の体に入る食が、安心・安全であるように・・・
人が入る住まいにも・・・安心・安全で快適な空間は大切だと思います。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山のカタチ

2021年04月22日 | 古民家
 小さな頃から見慣れたおもちゃ屋さん・・・
ギロッと座る本屋のおじさん・・・もしかすると今の自分よりも若かっただろう駄菓子屋のおばちゃんや、文房具店のメガネが似合うおじさん・・・
田舎に帰ると、そんな居場所がまだ残っていて・・・
見慣れた記憶の顔は、同じように店の奥から出てはこないけれど・・・
ひとまわりしぼんでしまった店構えに見えても・・・
色あせた写真のように残る町並みは、美しいと思います・・・。

木材が、柱として使えるまでに成長するには・・・杉材でも50年ほど必要です・・・。
人で言えば人生折り返し・・・次の世代の為に木を植え、育て、繋いで行く息の長いお仕事です・・・。
何度も危機を乗り越えて・・・森の木々は残されて来ましたが・・・
手入れの行届かない森は・・・暗く植物も動物も消えてしまった森になり・・・人の暮らしにも影響が残って・・・
土砂崩れや、川の氾濫となって人の暮らしを襲います・・・。

山で遊ぶことも・・・山に入る機会もずっと減り・・・
木々の合間から、おひさまが射し込む心地よさを知らない世代が増えて来て・・・。
遠くから見る山のカタチも色合いも・・・そんなに変わらない気がしても・・・
目をこらして良く見れば・・・懐かしい風景は、あまりにもおぼつかない姿に変わってしまいました・・・。
ずっと変わらないモノは無くても・・・人が壊しても良い訳では無く・・・
少しだけ居場所を間借りする謙虚さが、大切なんだろうと思います。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

愛おしい

2021年04月21日 | 古民家
 カッコン・カッコンと、時を刻む古い音・・・
毎日ネジを巻かないと動かない厄介な時計も・・・
懐にもぐり込まれると・・・しょうがないなとニヤケ顔で・・・
オッチラと踏み台に、足元もおぼつきながら・・・ガリガリと小気味よい音が聞こえて来る・・・。

電池に自動巻き・・・三種の神器の腕時計も・・・
昔は毎朝シリシリとネジを巻いていたけれど・・・そのアナログさが生きているようで愛おしかったような気がします・・・。
忙しさに負けて・・・味気な便利を手に入れると、出来の悪い子ほどかわいいもので・・・
たまには、顔を見たくなる・・・。

薄暗い部屋にさす薄日がありがたく感じられるように・・・
部屋いっぱいに広がる日差しや・・・通り抜ける風の大切さは・・・
何物にも代えがたい、贅沢な暮らしだと・・・
解ってはいるけれど・・・簡単に手に入れられない暮しになってしまいました・・・。
毎日同じように繰り返される他愛もない面倒な出来事が・・・
ずっと続けられる時間が・・・とても大切なんだろうと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする