暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

消えてしまう

2021年01月31日 | 古民家
 文明開化に産業革命・・・経済が前に進む頃の建物はとても魅力的で・・・
伝統的な技術の造りや・・・今では手に入らない材料が贅沢に使われています・・・。
比較的裕福な方々の住まいや別荘は、古民家として保存される対象になりやすく・・・
文化財指定されたり・・・法人管理となって残され、当時の華やかな生活を感じる事が出来ます・・・。

庶民が大切にしていたお風呂の文化・・・。
銭湯が華やいだ時代・・・どうして庶民の憩いの場が、お寺や神社のような豪華絢爛な造りだったのでしょうか・・・?
それは、関東に派手な造りの銭湯は多く・・・関東大震災後の復興を盛り上げる意味で・・・
宮大工さんが頑張って造り上げたそうですが・・・
地方にも神殿のような湯屋があったりするのは・・・関東型銭湯の影響もあるのかも知れません・・・。

立派な旧家が目印のような場所が・・・いつの間にか大きく造成されて、建売住宅がドミノのように並ぶ・・・。
地域の景観も・・・日本の街並みも・・・どの地域でも同じように文化が失われています・・・。
風のように流れる人の暮らしは・・・時代と共に表れては消えてしまう・・・。
本当に残さなければいけない文化は・・・何気ない人達が暮らした文化です・・・。
ぼんやりと散歩の途中・・・ふと気が付く空き家に古家・・・
そこには、たくさんの魅力が詰まった歴史を感じる事が出来ると思います。





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少しの変化

2021年01月30日 | 古民家
 寒いと言った所で・・・子供の頃感じていた、シビレルるほど体に堪える冷気も・・・
凍てつく空気が鼻を抜ける、何とも言えない感触も今は無く・・・
南国・・・と、言葉はやさしくても・・・頭にのしかかる様な重たい空気を・・・
雪国育ちの自分は感じたことも無く・・・毎年酷暑と言われる夏を、暑い暑いと言葉を吐いている・・・。

古民家の、酷な暮らしを自分も経験した事は無く・・・
お年を召した方々も・・・当時の暮らしの記憶はずいぶん薄くなっているように思います・・・。
それなのに、古民家は良い・・・当時の暮らしを見習わなければ・・・。
軽々しく簡単に言えるモノでも無い訳で・・・
何が良いのか・・・何を見習うべきなのかを、解りやすく伝えなければいけないと思う・・・。

簡単に言えば・・・持続可能な暮らしが育まれていた時代をお手本にする・・・。
数百年時間が過ぎて、循環型の暮らしの大切さを思い出し・・・
めぐり廻って、元の暮らしに近づこうとしている・・・と、言う考え方。
誰もが竈で焚いたご飯を造れる訳でも無いけれど・・・みんながマイボトルにお弁当を持てる訳でもないけれど・・・
快適すぎる社会が、ジワジワと自然を傷つけて来たように・・・少しづつ自分の暮らしを変化させる事は出来るはず・・・
紙袋もビニール袋も無い毎日の買い物をして来た大人達が・・・
忘れてしまった記憶を、この先の世代に伝える大きな役割を持っていると思います。






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見え過ぎ

2021年01月29日 | 古民家
 なんでも見え過ぎは良くないような気がして・・・
近視に遠視・・・老眼・乱視、などなど・・・
たぶん、肉眼で見えている世界は意外に狭く・おぼろげで・・・
4Kや8Kの画面を見ると・・・拡大鏡で、まじまじ見るほどの景色が広がり・・・
女優ミラーなる代物は・・・見てはいけないモノを見ているような気になる・・・。

アナログな世界が昭和以前にはあって・・・あいまいな暮らしが、今思えば心地良く・・・
情報が波のように押し寄せ・・・新しい情報のやり取りに少しお疲れな気分・・・。
いつ聞いてもお笑いは・・・単純な程、こみ上げて来る面白さがあるように・・・
昔からある暮らしが・・・落ち着いて、安らげる時間を過ごせるのかも知れません・・・。

畳の部屋があれば・・・グルンと寝転びたくなる・・・。
長い板の間があって、お日様が差し込めば・・・窓の外を見ながら立ち留まって・・・ホッコリ・・・。
足の裏に木肌を感じ・・・ヒタヒタ受け止めるやさしいさは・・・
杉や檜の自然乾燥された床材だから感じる感触・・・。
人の手が造った、曖昧さが生む暮らしは・・・
少しぼんやりした世界の中の暮らし・・・
見え過ぎない事が、暖かさを造っているような気がします。




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非対象

2021年01月28日 | 古民家
 バランスを保つのは難しく・・・左右対称な建物が世界には多いけれど・・・
左右非対称の建物(建物の配置も含めて)が、日本の建物にはそこそこ目立ち・・・。
カッコよく言うと・・・対象がシンメトリー、非対称がアシンメトリーと言うようで・・・
安定や合理性を求める考え方と・・・自然な美しさを基本とする考え方の違いです・・・。

自然にあるモノは、同じようでいて・・・少しづつ違う・・・
だからこそ・・・その違いに気付き、生かすのか・・・変化させて行くのか・・・。
自然の素材を使うと言う事は・・・苦労があって手間を必要とするけれど・・・
その何倍も多くのモノを返してくれます・・・。

均一的に・・・誰もが手間いらずで暮らそうとして、新建材は生まれ・・・
誰もが施工出来て、そこそこの住まいが組み立てられるからと・・・基準が作られて来ました・・・。
5年・・・10年と修行して育つ職人さんの技術は、自然相手の手仕事・・・。
左右対称のように育つわけでも無く・・・それぞれの考え方や努力で住まい造りに取り組みます・・・。
どれとして同じものは無い素材と職人の技術・・・
そんな美しい日本の独自の文化を、もっと広められたらと思います。

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100年後

2021年01月27日 | 古民家
 寒雨かと思えば・・・うららかな日が並んで・・・
大寒が過ぎたばかりで・・・新暦のつじつま合わせに季節は追い付かず・・・
そうかと思えば・・・人の暮らしが季節を追い立てているように、せわしなく走っている・・・。

木の芽は、まだまだしっかり閉じて・・・それでも、何も見えなかった枝先にプクリと膨らむ蕾を見れば・・・
たくましく生きる自然の力強さに・・・人の弱さを感じます・・・。
自然から借りたもので・・・つつましく暮らしている間は・・・
道具も住まいも・・・大切に何度も使い続け・・・本当に消えてなくなるくらいまで・・・
ありがたく借り受けて来ました・・・。

仕口やホゾ・・・柱や梁には、木組みの加工がされ・・・移築や再生される時・・・
その加工された部分を利用したり・・・新しく加工をして、別の場所に利用したりします・・・。
築100年の住まい、蔵や納屋を見ると・・・材料の柱に、加工されて残された仕口やホゾを見掛ける時があります・・・。
その建物が建つ前に、どこか別の場所で暮らしを支えていた建物があって・・・
その一部を再利用したのです・・・。
100年以上も前に使われていたものが・・・今でも大切に繋がれる暮らし・・・
この先、100年後の未来の子供達に・・・自分達は何かを残せるのだろうか?

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