暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

少ない変化

2020年11月25日 | 古民家
 井戸のお水はいつの時でもやわらかで・・・夏も冬もやさしく受け止めてくれます・・・。
鍾乳洞に入ると・・・夏は涼しく・真冬に入れば、落ち着いた寒さに少しホッとします・・・。
日の当たらない・・・外気が行ったり来たりしない地面の下や山のトンネルのような場所は・・・
温度や湿度が一定で、環境変化が少なく・・・古くから、風穴や氷穴が、貯蔵庫や行楽の場として重宝されて来ました・・・。

とある場所では・・・裏山に穴を掘り、縦井戸としたり・・・倉庫として利用したり・・・
その性能を模して、造った建物が・・・土蔵です・・・。
20㎝ほどになる土の屋根に壁・・・竹と荒縄を幾重にも編んで・・・
その上に種類の違う土を重ねて塗り・・・最後に漆喰で仕上げる・・・
夏はリンと・・・冬はホッとして、調湿効果も有り・・・温度の変化も少ない空間になります・・・。

地方に旅すると・・・その土地で変化する土蔵が表れ・・・
気候や文化に合わせた、伝統の暮らしの見える土蔵が建ち・・・
職人の遊び心や・・・立地に合わせた素材を使い、伝統の技術も沢山表現されています・・・。
古民家や立派な櫓門や土蔵が建ち並ぶのは・・・学ぶべき歴史がその町にはあったという証・・・
どこに行っても同じような建物しか並ばない町も・・・町に溶け込まない物騒な建物でも無い・・・
人にやさしく・・・地域を守る・・・。
そんな住まいが・・・変化の少ない暮らしを続けるには大切なんだと思います。


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あたたまる

2020年11月24日 | 古民家
 首の廻りをホッコリさせて・・・すれ違う人も、窓の外を歩く人の姿も様子が変わり始めると・・・
風の音も妙に寂しく・・・体に沁みる冷たさを感じるようになって来ました・・・。
シューシューとおちょぼ口から白い湯気が立ち上り・・・炎の色は温かく・・・
電気ストーブや、エアコンの味気ない温かさに体が追いつかず・・・
薪や炭の心もとない温かさであっても・・・心に心地よい温もりを届けてくれる灯しに顔がほころびます・・・。

家の中で薪を燃やせば・・・たちまち住まいの中は燻された匂いで包まれて・・・
ずっと煤けさが鼻に残ってしまいます・・・。
炭で暖を取るには・・・相当の量が必要で、魚を焼いたり・・・干物をあぶったり・・・
燃料として使いうにはほど遠く・・・優雅な旅館の食事風景で見掛けるくらいのものになってしまいました・・・。

エアコン1台で大きな空間が温かく涼しい暮らしとなる住まいとなって・・・
古民家の不効率で・・・悪列な住環境と、CO2排出削減とは真反対の暮らし向きは・・・
おすすめ出来る住まい造りでは無いと思われ・・・耐震強度も甚だ悪いと言われる始末で・・・
伝統工法の住まいのどこが良いのかと言われますが・・・
30年過ぎれば廃棄物の塊のになる素材で作られた建物・・・(あくまでも個人的な見解です。)
住み継がれる事無く、空き家予備軍になる建物は・・・先の未来が見えない住まい造りになっているような気がします・・・。
100年・・・200年住み継がれる住まいを、地域が守り誰もが住み継げる環境造り・・・
囲炉裏や竈のある住いでは無く、伝統工法を生かした住まい造りの中で・・・
心が温まる暮らしを守れる環境と健康的な意味を知ってほしいと思います。
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たからもの

2020年11月23日 | 古民家
 自分の部屋にある家具を並べ替えて・・・気持ちも新たに机に向かうも・・
一向に勉強がはかどらない・・・。
風水や占いに頼った訳でも無いので・・・気まぐれなお遊びであれば・・・
自己満足で少しばかり、気分が良くなる程度・・・
小さな片田舎の子供が、定期的に行う6帖一間の模様替えが・・・今の職業につながっているような気もします・・・。

多くの中学生が通う・・・京都奈良の修学旅行・・・
五重塔を見ても・・・大仏様を拝んでも・・・二条城をキュウキュウと歩いても・・・
建物に関心は無く・・・夜の自由行動を制服姿で闊歩して・・・
大勢で川の字になって寝る楽しみに・・・バスや新幹線の移動がどれほど楽しかったか・・・。
歴史や文化を愛でるには・・・知識も勉強も幼く、それでもその場所に立った想い出は、いつまでも残っている・・・。

田舎の慎ましい暮らしや・・・あまり思い出したくない田舎暮らしでも・・・
人生も中ほどを過ぎる頃・・・我に返ったように懐かしくなる・・・。
1/2に縮小したような、学校の教室や・・・ジオラマのような街の風景・・・
背丈が変わったから・・・余計な知識が増えたからなどとは言いたくも無いけれど・・・
子供が半年も経つと・・・別人のように成長はなはだしい様子を見せれば・・・
十代の頃見ていた景色など・・・おぼろげな記憶になるのだと思う・・・。
大人になると見えなくなるもの・・・子供では気付かない事・・・
田舎の町で、所在なさげに立ち尽くす古家の空き家・・・
宝物の眠る町・・・と思うのは、自分が大人になったからなのだろうか?



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足の裏

2020年11月22日 | 古民家
 夏の砂浜をアチアチと歩く素足は・・・砂の感触を精一杯感じて、なかなか気持ち良いモノです・・・。
普段の暮らしを素足で過ごす事は少なく・・・
幼稚園や小学校の時間を、素足で校庭を遊びまわっている姿もたまに見かけますが・・・
小さな砂利が指の間で、存在感を主張したり・・・
暑くて冷たい・・・いろんな種類の河原の石の上を飛び跳ねたり・・・
スルりと・・・雑草の上を走り滑ったり・・・
手で触れるよりも感じる・・・足の裏の感覚は、たくさんの記憶を生んでくれます・・・。

地面の刺激が足の裏に伝わる暮らし・・・
足袋や地下足袋を足にする暮らしも少なくなり・・・
いやにキュッとする足の感覚に・・・新感覚を覚える人もいるかも知れません・・・。

情報は沢山あるのに・・・体で覚える情報は少なく・・・
頭でっかちな情報が多くて・・・ジワジワ感じる速度はお気に召さないのかも・・・
子供の頃から経験する環境はとても大切と言われながら・・・
住いで育む暮らしは、とても寂しい時間になっているような気がします・・・。
体を育てる暮らし方・・・古民家はそんな学びの場・・・だと思います。

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手造り

2020年11月21日 | 古民家
 朝早くから・・・昼も夜もクルクルと、回る姿がいつまでも残る台所・・・
洗濯に部屋の掃除・・・買い物に出かけ・・・夜は学校の書類や地域の行事の準備をしながら、止まる事が無い母親の姿・・・。
手造り・・・と並ぶ看板に違和感を持たないほど、家庭で味わう手造りのおかずが無くなったのか・・・
漬物やうどんが・・・家庭の味だったのに、いつしかお店に並ぶものになってしまった・・・。

暮しのカタチがずいぶん変化して、主夫もいて・・・共働き世代が増えると、家事の分担も生まれ・・・
平等な社会と言われながらも・・・動物の世界は今でも変わらない男女の役割があるようです・・・。(あくまでも個人的な見解です。)

歴史は繰り返すと言われて・・・カタチは違っても、大きな文明が生まれて滅んで・・・
また新しい歴史が始まり・・・同じ過ちを繰り返しながら、次の時代に取って変わって来ました・・・。
古民家の暮らしはとても古い暮らしのお話しですが・・・
少しでもバランス良く共存出来る工夫が、たくさん残されています・・・。
温かいモノを温かく・・・冷たいモノは冷たく・・・
自然の流れは・・・時に任せ・・・暮らしがあるがままに無理なく流れるように・・・。
心落ち着くのは・・・家庭の味、家族との食事が似合う住まいなのかも知れません。


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