暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

行く末

2020年02月29日 | 古民家

 50年ほど前には・・・茅葺の屋根に、三和土の土間で竈を使って煮炊きをして・・・

薪で沸かしたゴエモン風呂に入る生活が・・・まだまだ日本各地で見られました・・・。

その暮らしは・・・歴史的な文化遺産として、多くの古民家が公共の場に移築され・・・

比較的リーズナブルな入館料金で・・・当時の雰囲気を味い、体験する事が出来ます・・・。

贅沢な住まいとは・・・?

時代の流れに乗って財を成した方々・・・立派な住まいを建てるのに、建物の規模や広さ・・・

設備が整っているのは当たり前ですが・・・

使われる材のこだわりが強く・・・極端な例では、竣工までに20年以上かかっている内のほぼほぼ20年近くは・・・

使われる木材や素材集めに時間を費やしたそうです・・・。

当時としては貴重なガラスの建具を使ったり・・・幅広の板戸に花鳥図が描かれていたり・・・

花梨や槐(エンジュ)・黒柿に栗・・・大口径の欅や縄文杉など・・・銘木と言われる材が使われていたり・・・

自然に育つ木材・・・同じものは二度と手に入らず・・・その希少性を求めたのでしょうが・・・

・・・時代毎に乱獲された木材は・・・数百年後にならないと手に入りません・・・。

茅葺の古民家が快適で住み良い訳では無く・・・贅沢な建物でもありません・・・

一時はゴミのような扱いを受け・・・二束三文で売りに出ていたような建物ですが・・・

二度と手に入らない木材が使われている建物で・・・伝統の技が生かされている建物です・・・。

銘木は使われていなくても・・・暮らしの知恵が詰まった建物です・・・。

たかが50年されど50年・・・同じ時間でも、ゆっくり流れて来た時間がある時を境に・・・とても速く流れ出してしまい・・・

生活が一変して・・・置いてきてしまった・・・忘れてしまった事がとても多いように思えます・・・。

博物館に飾られるような暮らしに囲まれ、生活する人が今でもいるのに・・・

贅沢と言われる住まいが維持出来なくて・・・行政に寄贈され、公共団体が管理する生活感の無い住まいになってしまいます・・・。

家族や愛着を持って住む人がいる事で、生き生きする住まいの行く末は・・・

新建材の建物も・・・古民家のような建物も・・・暮らしづらい社会になってしまうのでしょうか?

 

 

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戒めの言葉

2020年02月28日 | 古民家

 寒い・暑いと・・・一喜一憂する、毎年恒例の天気の予想を見ながら・・・

温暖化の影響で猛暑が続いて・・・台風や大雪など、自然環境の猛威におびえて・・・・

人の暮らしが大きく関わる環境変化を憂いながら・・・その生活をつつましいものにと・・・

考えながら・・・行動がともなわない・・・そんな日々が続いております・・・。

化石燃料が使われる以前は・・・夏、暑かろうが・・・朝晩は何気に風が吹いて一息付けて・・・

冬に雪が降ろうが積もろうが・・・それなりの暮らしの知恵で乗り切っていましたが・・・

大工(テキヤ・職人etc)を殺すには刃物はいらぬ、雨の3日も降ればよい・・・・なんて言葉があるように・・・

天候が不順になる事が・・・作物も育たず飢饉になり・・・雨で仕事が出来なければ日銭がもらえない、稼げない・・・

大きな災害や・・・流行り病が広がる、そんな危うい暮らしも・・・

技術の進歩や・・・医療の進歩で安心出来る社会になったと思ってみても・・・

自然の変化にはなかなか太刀打ち出来ないもので・・・右往左往するばかりです・・・。

タイムスリップして・・・今の技術で歴史を変える・・・なんてお話は良くありますけれど・・・。

・・・それが幸せか?幸せじゃあないか?正解か?不正解か?・・・その時代に暮らす人達の運命を変えて良いのか・・・?

誰にも解りませんが・・・タラレバを考えるのでは無く、これからどうするかだろうと思うので・・・

大きく変わりつつあるいろんな事は・・・今までの小さな積み重ねの結果です・・・。

これからの小さな積み重ねを、どこから始めるか・・・

とりあえず今は・・・他愛のないブログに、自分への戒めのような言葉を並べております。

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遊ぶ

2020年02月27日 | 古民家

 子供の頃・・・ある時期が来ると・・・近所の神社やお寺からピ~ヒャラ~・・・トントン・・・

・・・と、毎年恒例の聞きなれた音が聞こえて来ます・・・。

夏祭りで披露される、子供の踊りの練習です・・・。

雉の羽を数本まとめたものを頭の上に乗せ・・・ニッカポッカのようなズボンに派手な浴衣をたすき掛けで着て・・・

手のひらサイズの丸い鐘を木づちで叩きながら踊る・・・

そこそこ独特の踊りだと思います・・・。

お祭りが近づくと・・・学校を早退して練習に参加して・・・

ある地方の、その年のお祭りが終わったら・・・次の年の準備が次の日から始まる・・・なんて勢いはありませんが・・・

大人も子供も・・・お祭りにかける想いと、力らの入れようが伝わって来ていました・・・。

田舎・地方では・・・今でも続くお祭りや季節の行事が残されて・・・次の世代に残す想いが残っています・・・。

それでも、人が減り・・・子供が少なくなり、繋いで来た文化を失う地域が増えて来ました・・・。

育つ環境で、子供の考え方も・・・大人の意識も大きく変わると思っています・・・。

田舎ほど・・・地域の活動に参加して、人との関わりが増えて・・・面倒な役が回ってきて・・・

心の余裕も・・・仕事に追われる体の余裕・時間の余裕もない多くの人は・・・

そんな煩わしい地域の活動に関わる気持ちが薄れるのも・・・致し方無いように思います・・・。

おじいちゃんおばあちゃん・・・おとうさんおかあさん・・・お兄ちゃんおじさん・・・

大人が一生懸命取り組む姿を、子供の目線で見て育ち・・・その時は斜に構えて見ていた考えも・・・

成長と共に想いは変化して・・・心の底に残された何かが・・・次の世代に残ります・・・。

小さな頃の経験が大人になって・・・大きく影響するのは間違いなくて・・・

大人が仕事そっちのけでお祭りの準備をする・・・学校休んでも踊りの稽古をする・・・

両親が・・・地域が・・・町全部が真剣に取り組む想いは子供にとって・・・・

かけがえの無い教育の場で・・・何が大切かを教えてくれる場です・・・。

嬉々として遊ぶ姿の大人を、次の世代の子供たちに見せられる地域造りが・・・自然と出来れば良いと思います。

 

 

 

 

 

 

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ギシギシ

2020年02月26日 | 古民家

 自然に敬意を示し・・・畏敬の念もあり、畏怖も覚える存在・・・

日本のやおろず(八百万)の神、の考え方・・・万物に命が宿る・・・

すべてに感謝する意味では・・・とても良い考え方だと思っています・・・。

そんな中でも、杉や檜は神社やお寺の廻りを囲み・・・お社を守るように森となっています・・・。

ご神体・・・ご神木として参道にも立派な巨木が立ち並んで・・・神秘的な感じがしますが・・・

どうして杉や檜が多いのでしょうか・・・?

環境として・・・杉や檜が多く育っていた自然の成り立ちもありますが・・・

杉は成長が早く・・・巨木が多い杉材・・・大口径の柱としても使われ・・・

木目がまっすぐ通っていて、加工道具が拙い頃・・・・鉈などでまっすぐ割れて加工しやすかった・・・

心材部分の赤身の油分が多く・・・耐久性に優れているなどの理由があります・・・。

ご神木として見られているのは、樹齢が極端に長いのも特徴で・・・縄文杉(屋久杉)などは樹齢7000年超えもあるそうです・・・。

檜が特別なのは・・・杉よりも成長が遅い分密度があって強度あり・・・

伐採から強度が少しづつ増して・・・200年過ぎた辺りからから徐々に強度が減っていくそうです・・・。

1300年前の檜の材が・・・伐採時と同じ強度・・・と言うほど特殊な木材です・・・。

何より、独特な芳香・・・防虫効果もあり、癒し・リラックス効果もある香りが特徴的です・・・。

節が目みたいで怖い・・・虫に見えて気持ち悪い・・・

傷がつきやすい・・・シミが目立つ・・・割れたり隙間が空いてみっともない・・・

無垢材の良さを理解頂いていない方々の多くの意見です・・・。

修学旅行で多くの方が見て・・・体験した「鴬張り」通路・・・・有名なのが二条城ですね・・・。

不審者発見の防犯装置と説明を受けた方も多いと思いますが・・・実際は・・・

床組の構造で、年数が経過すると・・・金具と木材が擦れ、音が鳴ってしまうようです・・・。

床鳴きはクレームとして毛嫌いされるのに・・・鴬張りは、心地よいと言われる・・・・

人の感覚は受け取る方の意識で、良くも悪くもなるものです・・・。

・・・合板の表面だけきれいな床材が張られた床がギシギシなると不快で・・・

無垢の床がギシギシ鳴っていると味がある・・・そんな風には思えないでしょうか・・・?

自然のモノに安堵を覚える・・・その感覚は間違っていないと思います。

 

 

 

 

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ツケ

2020年02月25日 | 古民家

 その業界いるからこそ知るディープな話はあると思います・・・。

業界ならではの恋バナ・・・お客様あるある・・・知ってしまうと二度と買えない・・・などなど・・・

経済成長期は、公共工事目白押しで・・・大きなお金が動いて、既得権が横行して・・・

権力者にお金が集まる・・・・そんな図式が出来上がっていましたが・・・

景気が悪くなり・・・情報が一般にも知られるような社会になると・・・

悪い事は出来ないもので・・・儲かるどころか、好きでないとやってられない業界になってしまいました・・・。

(あくまで個人的な感想と、一部では景気の良いお話も聞きますけど。)

古民家を扱うには手間暇がとてもかかります・・・。

自然素材を使って・・・昔ながらの工法で行えばなおさら・・・

現代の建築では使われなくなった素材や道具・・・それを施工できる職人の技術・・・

どれをとっても、特殊な仕事で・・・狭い世界のお話・・・技術を持った人はいても・・・・

業者間で取り合いになるか・・・予定が先まで決まっていて・・・出入りの決まった会社さん・・・・

お付き合いのゼネコンさんの仕事で・・・一般の消費者の再生や再築が出来る会社さんは限られてしまいます・・・。

代々宮大工の方々・・・地域で古くから残る会社さん・・・

それでも・・・次の担い手が独立しても、生活できるだけの仕事が無いのも現状です・・・。

あるスーパーでキャベツが100円で・・・八百屋では185円で売られていれば・・・

スーパーで買う方が大半で・・・金額の大きさの違いはありますが・・・2千万台で住まいが手に入るなら・・・

住めない訳では無いので・・・わざわざ無垢材で土壁で瓦屋根の造りで、4千万台の住まいを検討はしないでしょう・・・。

フェアトレードのチョコレートの考え方は、少しづつですが浸透しています・・・。

適正な労働と適正な価格での取引の問題は・・・カカオだけで無く、農業でも林業でも・・・漁業でも問題になっています・・・。

携わる業界の中に問題が無い訳ではありませんが・・・現状を把握して、価値を理解して頂き・・・

末永く、安心して・・・次の世代まで暮らせる住まいで・・・環境までも良くする可能性を考え・・・

それぞれの業界の大きな問題を考えないと・・・自分の子供にツケを押し付けているだけになってしまうような気がします。

 

 

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