暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

木組み

2020年01月31日 | 古民家

 接着剤の進化が半端ないらしいと・・・(どこかのTVでやっていました。)

プラモデルに付属していたチューブ入りのセメ〇インの先端に針で穴を開けて・・・

チョンチョンと点付けしながら組み立てていったものですが・・・

・・・かなり体に悪い揮発剤だったようで・・・でも懐かしく記憶が蘇る匂いでもあって・・・

接着剤で、素材の違った物どうしを付けるのは難しそうです・・・。

それに対応知するように、素材に合わせて多種多様な接着剤が生まれています・・・。

木と木をつなげる技術・・・

金属のプレートやビス・ボルトで固定するのが、建築業界のルールで・・・今の日本の法律になっていますが・・・

接着剤でもあるように、素材の違ったものを一緒にするのには・・・なにかしらの無理があるでは?と思います・・・。

先人の職人達が経験の中で工夫し・・・時には競い合い、時には遊び、心意気を見せてくれる継ぎ手・仕口の世界・・・

根元が痛んだ柱の根継ぎ・・・梁を繋ぐ・・・土台を継ぐ場合・・・場所によって力の掛かり方が違うので・・・

試しながら・・・時間を掛けて、経験と勘で多くの継ぎ手や仕口が生まれて来ました・・・。

素材が同じものを直線に垂直に交差しする木組で解りやすいのが・・・

通し柱だと思いますが・・・建物の4隅にあって・・・

2方向から梁(胴差)が来るのを受け止めるホゾ(穴)が掘ってあり、凸凹のように組み合わさります・・・。

一度差し込まれた胴差が抜けないように・・・クサビを打ったり、差し込んだ脇から穴を掘って栓をしたり・・・

その他にも、言葉では言い表せないような複雑な継ぎ手の加工があります・・・。

外から見れば同じような見た目でも・・・外し方が検討もつかないものまで・・まるで知恵の輪のように・・・

ツギハギがかっこ悪いと思われていた時代から・・・金継ぎ・根継ぎ・着物のリフォームまで・・

古いモノに手を加え・・・さらに良いものに、次の世代に残せるように生まれ変わる・・・

数字やデータでは表せない・・・感覚で喜びを感じるのが人なんだと思います。

 

 

 

 

 

 

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ゆっくり

2020年01月30日 | 古民家

 海外からの輸入拡大・人件費や燃料費の高騰・・・流通の問題、働き手の高齢化に減少など・・・

目に見えない部分の力も働いてか、古くからある日本の産業衰退はどの業界でも問題になっています・・・。

赤字続きの企業を復活させる感動話しを良く聞き・・・目にしますが・・・

農業や漁業・・・林業を救う根本的な解決策は見いだせる方は、今の所現れないような気がします・・・。

付加価値を付ける・・・特別な何かを感じる・・・

多少体に悪くても、安いものに手が伸びてしまうのは、誰もが経験している反面・・・

高いと思うモノでも・・・その時の環境や気分・見た目・廻りからの影響で手にしてしまう事はあります・・。

付加価値を付けて・・・購買意欲を・独占欲を・・・そんな考えで行っている訳ではありませんが・・・

木材の付加価値を付ける・・・?木材の本来持つ能力を引き出す加工方法が・・・各地で行われています・・・。

特に杉材で・・・少し黒く変色した材・・・割れが多く入る材・・・独特の異臭がする材・・・

元気よく成長している時に伐採された木材・・・水分が多く、乾燥機に入れて急激に水分を抜くと・・・

油分も抜け・・・逆にアクは残り・・・急激に乾燥させるので強度にもバラツキが出てしまいます・・・。

伐採や乾燥委方法にはいろいろあって・・・以前お話しした月齢伐採(新月伐採)後の葉枯らし・立木乾燥・水中乾燥・・・

巻枯らし・燻煙乾燥・バイオ乾燥などなど・・・

どれも、木材が成長を止める寒い時期・・・半年、1年と時間をかけて乾燥させる方法です・・・。

無理なく乾燥させ、大切な成分を残し・・・手入れ作業に多少手間はかかっても・・・

搬出する作業の軽減や・・・運搬コスト削減につながり・・・強制乾燥時の燃料費も抑えられます・・・。

肌艶良く・・・きれいな木目、割れも少なく・・・強度も安定します・・・。

何より・・・丈夫で長持ちする、住む人の健康を第一に・・・安全を第一に考えられた作業工程です・・・。

自然に学び・・・自然の力で豊かになる暮らしは・・・ゆっくり時間をかける事が必要なんだと思います。

 

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好奇心

2020年01月29日 | 古民家

 学校帰り・・・友達と裏山で遊びながら拾った枝・・・チャンバラにも使えて・・・

杖にもなって・・・地面に絵を書いたり、高い木にある得体のしれない実を取ったり・・・

今で言えば・・・レアアイテムを見つけたくらい、親にすると邪魔な木の棒にしか見えないモノも・・・

宝物になって・・・でも、1週間もするとその辺りに放置され、さみし気な枝は、ただの木の棒になっていました・・・。

価値観は、家庭の環境や・住む場所・友達や先輩・・・多くは親の影響が大きく・・・

生まれ持った性格もあるにしろ・・・

ごちゃごちゃと何かに囲まれている部屋が落ち着く人・・・

生活感の無いくらい、モノが無い部屋が落ち着く人・・・

動物がいないと寂しい人・・・動物を育てる姿を想像できない人・・・

なにがなんでも快適な空間でないと暮らせない人・・・キャンプのようにワイルドで、手間を掛けるのを惜しまない人・・・

どんな暮らしがしたいか?いろんな住まい方を試す事が出来れば良いな・・・と思います・・・。

情報を手に入れるのは簡単で・・・最近は体験する場も増えてきました・・・。

それでも・・・良いところばかりをグイグイ押してくるのを鵜呑みにしないで・・・

良くない部分も教えてくれる・・・あえてそんなところに飛び込んでみる・・・突っ込んで聞いて見ると良いと思います・・・。

無垢の木は健康に良い・・・自然素材は環境にやさしいと言っていますが・・・

伐採の工程がさまざまあるように・・・土壁の土にもいろんな種類と、加工方法があります・・・。

好き好きがあり・・・経年変化で変化する様が嫌いな人もいます・・・。

大切な住まい・・・良く学びよく調べ・・・大いなる好奇心を持って向き合ってほしいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ごちそう

2020年01月28日 | 古民家

 雪景色がきれいだな・・・と思うのは、雪国生まれではないから・・・?

豪雪地帯の暮らしの苦労はいかほどのものか・・・

雪国生まれの自分としては・・・半年ほども移動の不便さ、雪の始末に追われる暮らしから逃れ・・・

不便無く暮らす土地で過ごす日々のほうが、田舎で暮らしていた時間を超えて・・・

足元がおぼつかない雪の上を歩く姿も様にならない・・・

そんなひ弱な足腰に・・・過ぎ去る時間の速さを感じます・・・。

合掌造りは・・・雪の重さを軽減し、雪下ろしをすること無く暮らす生活の知恵・・・

茅葺の屋根を守る工夫に、養蚕の環境造りとしての役割・・・

地域の特色・・・暮らしの特性を生かした住まい造りが各地にありました・・・。

それは、自然の流れに逆らわない生活・・・環境に負荷のかかる暮らしを少しでも抑える工夫・・・

電気やガス水道の便利な道具が備わっていたら・・・?

使わない理由は無く・・・要らない苦労をしていたのか?とも言い難いのですが・・・

何も無い時代だからこそ生まれた多くの技術・・・今は遠い昔です・・・・。

どこにいても大して変わらない生活と・・・代り映えしない建物・・・

地域らしさ・・・日本らしい暮らしは、建物のどこを見ても感じられない・・・

型通りの住まい作りに・・・見栄えする住まい作りに変化してしまいました・・・。

どの町に行っても・・・その土地の文化を感じられないのなら・・・

旅行に訪れたその足取りも重く・・・

高揚感の生まれない時間を過ごす事になるような気がしてしまいます・・・。

土地に暮らす不便は・・・訪れる人にとっての何よりのごちそうなのかもしれません。

 

 

 

 

 

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七変化

2020年01月27日 | 古民家

 花を育てるのは大変でも・・・ふと振り返った先に、鮮やかな緑や赤に黄色・・・

猫や犬のように甘えるでも、餌をねだる訳でも無いのに・・・

静かに心和ませる、控えめな存在感を感じさせてくれます・・・。

庭に広がる草花・・・立派な庭木を育てる広い庭の旧家も少なくなり・・・

カタカナの名前と、一風変わった草花が育つ洋風の建物が目立ち・・・

日本の街並みは・・・庭の様変わりと同じように、日本文化が衰退しているように思えます・・・。

杉の繊維はまっすぐ伸びて・・・鋸の技術が発達していない時期は、鉈のような道具で割り割いて加工していました・・・。

だからこそ、加工しやすい杉材は、建物を支えるまっすぐな柱材、建具、窓格子など多くの場所に使われ・・・

粘り強く曲げる力がかかる場所には、繊維が複雑な曲がって育った松材を使い・・・

虫や腐朽菌・・・雨や湿気の影響を受ける場所には、檜や栗材を使う・・・。

加工は大変でも・・・土台となる部分や手間をかけなければいけな場所には、時間を掛けて工夫する・・・

経験と勘・・・伝わる技術が、大切な住まいを守れる住まい造りに生かされていました・・・。

物言わぬ植物・・・育つ環境や、育ち方を見極め・・・次の世代に残し生かしてもらえるように・・・

山に入る職人は未来を見て仕事をして来ました・・・。

植物の成長は人の成長と同じで・・・とても時間が必要です・・・。

手入れを施しても・・・結果はすぐに見えて来ない・・・正解かどうかは、結果次第・・・?

でも・・・受け継がれて来た教えは蓄積され、次に生かされ・・・

多くの経験は次の代に受け継がれ・・・森が守られ健康的な山々が広がる場所になります・・・。

アスファルトの隙間に咲く、か弱い雑草も可憐な花を咲かせ・・・

精一杯の自己主張をしています・・・。

春夏秋冬・・・七変化の山々、育てるのは大変とあきらめる訳には行きません。

 

 

 

 

 

 

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